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【考案の名称】ハンドヘルドテープカッター 【実用新案権者】 【識別番号】503401784 【氏名又は名称】平田 孝男 【住所又は居所】東京都狛江市東和泉4−7−4 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100092989 【氏名又は名称】片伯部 敏 【考案者】 【氏名】平田 孝男 【住所又は居所】東京都狛江市東和泉4−7−4 【要約】 【課題】 粘着テープの端部が露出することで引き出しやすく、刃が露出していないので安全なテープカッターを提供する。 【解決手段】 本体5の玉テープ収納位置の左右近傍から弾性材で形成された各々アームが延設され、この両アームの先端に粘着テープをカットする上下の顎部11が設けられ、少なくとも一方の顎部11に刃13が設けられる。そして、片手の指で両アームをつまんで押すことで、両顎部を互いに押圧し、粘着テープをカットをする。刃13は、顎部11に設けられる弾性カバー15で覆われ、この弾性カバー15には刃窓17が形成され、押圧に伴い刃13は刃窓17から露出し、カットを行う。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 片手に持つことができる大きさで、粘着テープを巻いた状態である玉テープを収納する本体と、この玉テープから引き出した粘着テープをカットする上下の顎部と、各顎部を前記本体に対してそれぞれ弾性的に支持し、前記片手の指でつまんで押すことで前記両顎部を互いに押圧できる、弾性材で形成されたアームと、少なくとも一方の顎部に設けられ、前記押圧にともない前記カットをするための刃と、を有することを特徴とするハンドヘルドテープカッター。 【請求項2】 前記アームは、本体の玉テープ収納位置の左右近傍から延設され、前記顎部に設けられる前記刃は、前記顎部に設けられる弾性カバーで覆われ、この弾性カバーには刃窓が形成され、前記押圧に伴い前記刃は刃窓から露出する位置関係を有することを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドテープカッター。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 この考案は、片手に持つことができ、粘着テープを巻いた状態である玉テープを収納し、この玉テープから巻き出した粘着テープをカットするテープカッターに関する。 【背景技術】 以上のような玉テープを収納し、この玉テープから引き出した粘着テープをカットするテープカッターには、例えば、特許文献1の技術が存在する。この技術では、粘着テープをカットする一方の顎部は、アームの先端に設けられる。このアームは、本体の先端部で、回動可能に設けられ、バネによって開方向へ付勢される。 【特許文献1】 特開平08−183961 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、特許文献1では、カットが終わり、次のテープを引き出すときに、テープが露出しにくく、引き出しにくい。また、次のテープを引き出すときに、アームは大きく回動し、刃は大きく露出しているので、危険である。 この考案は、以上の問題点を解決するために、粘着テープが露出することで引き出しやすく、刃が露出していないので安全なテープカッターを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 以上の課題を解決するために、第一考案は、片手に持つことができる大きさで、粘着テープを巻いた状態である玉テープを収納する本体と、この玉テープから引き出した粘着テープをカットする上下の顎部と、各顎部を前記本体に対してそれぞれ弾性的に支持し、前記片手の指でつまんで押すことで前記両顎部を互いに押圧できる、弾性材で形成されたアームと、少なくとも一方の顎部に設けられ、前記押圧にともない前記カットをするための刃と、を有することを特徴とするハンドヘルドテープカッターである。 第二考案は、さらに、前記アームは、本体の玉テープ収納位置の左右近傍から延設され、前記顎部に設けられる前記刃は、前記顎部に設けられる弾性カバーで覆われ、この弾性カバーには刃窓が形成され、前記押圧に伴い前記刃は刃窓から露出する位置関係を有することを特徴とするハンドヘルドテープカッターである。 【考案の効果】 第一、又は第二考案によれば、粘着テープをカットする上下の顎部が、両方とも、本体に対しそれぞれ、弾性材で形成されたアームで、弾性的に支持されるので、アームが押圧されていない状態で、各アームと各顎部は、反押圧方向へ大きく後退している。よって、カットが終わり、次のテープを引き出すときに、引き出し端部のテープは、各アームと各顎部にじゃまされず、露出しやすく、引き出しやすい。 また、このように後退量を多くとっても、弾性が弾性材で形成されたアーム自体によるものであるから、特許文献1に比べ、アームの回動は小さく、刃の回動も小さい。よって刃は内側に向いたままであり、外側向きの露出は小さく、危険性は小さい。 第二考案によれば、さらに、アームは、本体の玉テープ収納位置の左右近傍から延設され、よって十分な長さを有することができる。このため、十分な後退量をとれ、刃の回動も小さい。 また、刃は、顎部に設けられる弾性カバーで覆われ、この弾性カバーには刃窓が形成され、押圧に伴い刃は刃窓から露出する。よって、刃の露出は、押圧されカットされるときのみである。このため、カットが終わり次のテープを引き出すときに、刃の露出はなく、危険性はない。 【考案を実施するための最良の形態】 この考案の実施形態にかかるハンドヘルドテープカッターを、図1乃至図3に示す。 [全体概略] 図1,図2に示すように、このハンドヘルドテープカッター1は、片手に持って操作し、粘着テープであるビニールテープをカットできるものである。すなわち、本体5は片手に持つことができる大きさで、粘着テープを巻いた状態である玉テープ7を収納する。 この本体5の玉テープ収納位置の左右近傍から、各々弾性材で形成されたアーム9が延設され、先端には、玉テープ7から引き出した粘着テープをカットする上下の顎部11が設けられる。このアーム9によって、各顎部11は、本体5に対してそれぞれ弾性的に支持される。これらのアーム9を片手の指でつまんで押すことで、両顎部を互いに押圧できる。 上側の顎部11には刃13が設けられ、カットを行う。この刃13は、顎部11に設けられる弾性カバー15で覆われる。この弾性カバー15には、刃13の先端位置に対応して刃窓17が形成されている。これにより、押圧に伴い刃13は刃窓17から露出する。 [本体5] 図1,図2に示すように、本体5は、玉テープ7よりもやや大きい程度の略短円筒状を有し、片手に持つことができる大きさで、中央に玉テープ7を収納するスペース19を有する。略短円筒状の底部21は円形で、玉テープ7よりもやや大きい。略短円筒状の上部がほぼ開放されているが、前側(図中左側)に三日月状のカバー23が設けられ、後ろ側(図中右側)に二つのローラー25が設けられる。二つのローラー25の間から粘着テープは引き出される。これらの三日月状のカバー23と二つのローラー25によって、玉テープ7は挟持される。 略短円筒状の側面27は、後ろ半分が存在するものの、前半分は存在しない。これにより、本体5の略短円筒状のうち、上部のほとんどと、側面27の前半分は、開放され、玉テープ7を出し入れしやすい。 この側面27の後ろ半分の両端は、略短円筒状の左右になる。 [アーム9] 本体5の略短円筒状の左右、すなわち玉テープ収納位置の左右近傍から、各々弾性材で形成された両アーム9A,9Bが一体的に延設される。延設の方向は、円筒状の折線方向である。 [顎部11と刃13] 両アーム9A,9Bの先端には、上下の顎部11が設けられる。下側の顎部11Bには、刃13を受ける台部29が形成される。 上側の顎部11Aには刃13が設けられ、カットを行う。この刃13は、テープの幅と同じ幅を有する四角状をなし、先端が鋭利に形成される。 [弾性カバー15] また、刃13は弾性カバー15で覆われる。この弾性カバー15は、顎部11Aの奥側の内部から円弧状に伸びて設けられ、刃13の先端を覆う。そして、刃13の先端位置に対応して刃窓17が、スリット状に形成されている。これにより、押圧に伴い、弾性カバー15は台部29に押しつけられて止まり、刃13は刃窓17から露出する。 上側の顎の最先端には、先端カバー31が刃13と略並行に設けられる。カット時には、先端カバー31の下端が、カットされた粘着テープを押して、分離させる。 「使用方法」 図1,図2に示すように、このハンドヘルドテープカッター1を使用するには、本体5の略短円筒状の上部のほとんどと側面27の前半分との開放された部分から、玉テープ7を入れる。入れた玉テープ7を、三日月状のカバー23と二つのローラー25によって、挟持させる。 そして、反押圧方向へ大きく後退している各アーム9の間で、露出している粘着テープ3の端部をつまみ、二つのローラー25の間を通って、上下の顎11の間に引き出し、台部の上に粘着させて準備する。 次に、例えば、左手でハンドヘルドテープカッター1を持ち、右手で粘着テープ3を各顎部11の間から必要なだけ引き出し、左手の指Fで両アーム9をつまんで押すことで、両顎部11を互いに移動Mさせて押圧し、顎部11Aの刃13によって、粘着テープ3をカットをする(図3(B))。 「実施形態の効果」 (1)上下の顎部11が、両方とも、本体5に対しそれぞれ、弾性材で形成されたアーム9で、弾性的に支持されるので、アーム9が押圧されていない状態で、各アーム9と各顎部11は、反押圧方向へ大きく後退している。一つのアーム9による場合に比べ、2倍の後退量Lになる。 よって、カットが終わり、次のテープを引き出すときに、引き出し端部のテープは、後退した各アーム9と各顎部11にじゃまされず、露出しやすく、引き出しやすい。 (2)また、このように後退量Lを多くとっても、弾性が弾性材で形成されたアーム9自体によるものであるから、特許文献1に比べ、アーム9Aの回動は小さく、刃13の回動Rも小さい。よって刃13は内側に向いたままであり、刃13が外側向きになる割合が小さく、よって外向きの露出は小さく、危険性は小さい。 さらに、アーム9は、本体5の玉テープ収納位置の左右近傍から延設され、よって十分な長さを有することができる。このため、十分な後退量Lをとれ、刃13の回動もより小さい。 また、刃13は、不使用時には、顎部11Aに設けられる弾性カバー15で覆われ、この弾性カバー15には刃窓17が形成され、押圧に伴い刃13は刃窓17から露出する。よって、刃13が露出するのは、押圧されカットされるときのみである。このため、カットが終わり次のテープを引き出すときに、刃13の露出はなく、危険性はない。 (3)玉テープ7を出し入れは、本体5の略短円筒状の上部のほとんどと側面27の前半分との開放された部分から、行い、入れた玉テープ7を三日月状のカバー23と二つのローラー25によって、挟持させる。よって、出し入れを容易に行える。 「他の実施形態」 以上の実施形態では、下側の顎部11には、刃13を受ける台部29が形成されるが、他の実施形態では、下の顎部11にも、刃13を設け、これにより上下の刃13で、ハサミのようにテープに剪断力を与えて、鋭くカットすることもできる。 また、以上の実施形態では、刃13は、四角状をなすものであったが、他の実施形態では、横向きの台形状にすることで、刃13の下端を斜めにし、下の顎部11にも刃13を設け、ハサミのように剪断力を与える際に、切れ味を向上させることもできる。 【図面の簡単な説明】 【図1】この考案の一実施形態に係るハンドヘルドテープカッターの平面図である。 【図2】図1の斜視図である。 【図3】図1の作用を、刃付近の拡大図で示すもので、(A)はカットしていない状態図、(B)カットしている状態図である。 【符号の説明】 1…ハンドヘルドテープカッター、3…テープ、5…本体、7…玉テープ、9…アーム、11…顎部、13…刃、15…弾性カバー、17…刃窓、19…スペース、21…底部、23…三日月状のカバー、25…ローラー、27…側面、29…台部、31…先端カバー。 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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