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事務用品
 
【発明の名称】多年記録書
【出願人】
【識別番号】396023122
【氏名又は名称】舘 賢
【住所又は居所】三重県鈴鹿市南旭が丘一丁目1番24号
【発明者】
【氏名】舘 賢
【住所又は居所】三重県鈴鹿市南旭が丘一丁目1番24号
【要約】(修正有)
【課題】
日記帳、予定表等の主流は1冊が1年単位或いは多くて4年〜5年分が単位となっている。しかしながら、ビジネス、レジャー、家庭内等の記録において、1項目が長期に亘る事業又は75回もある結婚記念日或いは家庭の暦年記録等を連続した長期記録帳表として備えておくため、10年、20年………50年等の長期多年記録書の作成を目標とするものである。
【解決手段】
1冊には、1年分の日別記事欄を一括記載して1個のブロックとし、10年分の10個のブロックと、11年以遠の記録紙を纏めて1個にしたブロックとを収納する。一冊の多年記録書内部にブロックを着脱自在に係止し、1年経過して過去の記録書となった1ブロックを取り外し新しい年のブロックを挿入する。これを繰り返し新陳代謝を行えば、1冊の多年記録書は何10年でも、継続した記録書となりうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一冊の記録書を10年、30年、50年、50年以上等と長期に亘る多年記録書として作成するため、
1.一年間の全日数の記録欄を複数枚に亘って分散記録するに適した様式の記録紙に記載し逐日順に重ね合わせて、綴じ込むため圧着される位置にある記録紙一辺長に等しい長さの「コの字」形の綴じ込み具(7)にて挟着固定して、ブロック一個を形成する。
2.前記綴じ込み具(7)の一端部にはフック機能を持つフック部分(8)を設け、同綴じ込み具(7)の他端には、対象物に押圧して嵌着するため、一部に切り欠き部を有しやや弾力性のある押圧環(9)を設ける。
3.別途、厚紙或いは形状類似のビニール、ファイバー、木材、金属等の材料からなる方形の板をコの字形に折り曲げてカバー(14)を作成し、開口位置から谷折り側内部を視て向かい合うカバー表面部(3)とカバー裏面部(4)の2面を左右に、カバー背面部(5)の内側をその奥に見る位置を正面として、カバー背面部(5)の内側の上端近くに硬性の桿からなるカバー上部引き留め具(1)及び同じくカバー背面部(5)の内側の下端近くに硬性の桿からなるカバー下部挿着具(2)をそれぞれ水平に取り付ける。
以上の如く構成した本発明を使用するとき、
1.一個のブロック(15)の綴じ込み具(7)の一端に設けたフック部分(8)を、カバー(14)に取り付けたカバー上部引き留め具(1)に係止し下方に引っ張れば仮係止状態となり、この状態のまま綴じ込み具(7)の他端に設けた押圧環(9)をカバー下部挿着具(2)に押圧しすれば、該下部挿着具(2)は押圧環(9)の切り欠き部分より押圧環(9)内部に挿入し、第8図の如く嵌着する。
2.本発明の多年記録書一冊を10年用或いは20年用として設定した記録帳とするとき、設定年分のブロックをカバー上部引き留め具(1)とカバー下部挿着具(2)とによって、カバー(14)内部に装着する。
3.当年分のブロック(15)が経年して当年を過ぎて過去ブロック(15)になったときこれを取り外し、新たな年のブロック(15)を装着する。
4.上記の如き操作を繰り返し、年が新たになった時点で古くなったブロック(15)一個をカバー(14)から取り外し新たなブロック(15)一個を最新ブロック(15)としてカバー(14)ないに追加挿入する。
本発明は、上記の如き構造1.2.3.及び上記の如き使用法1.2.3.4を用いることを特徴とする多年記録書。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、長年月に亘る将来予定を一の冊子に記入可能な形態の日記、予定表等の作成に関する。
【背景技術】
従来、書店にて販売されている日記等は主に1年単位のものが多く、最近になって2〜3年単位の日記帳等が販売されはじめた。更に先願の文献によっても(特開平10−203052)の如く従来の単年様式から多年様式に変更する傾向が見られ、主流になりつつある。
以下に、従来の技術の一例として、先行文献「特開平10−203052」の内容について説明する。該発明の目的としては、卑近な過去の年に生じた一つの事象記録を座右の銘として、以降に同様又は類似の事象が発生した場合の参考資料とすることを大きなメリットとしている。
図10、図11、図12、図13、図14において「特開平10−203052」の内容を説明すれば、ホルダー(1)内に3個の単年日記帳(2)が逐年順に挿入されており、年度が新しくなったとき新しい単年日記帳(4)をホルダー(1)の下部から挿入すれば記入済みとなった古い単年日記帳(3)はホルダー(1)の上部から押し出される。これによってホルダー(1)内には途切れる事なく、常時3年分の単年日記帳(2)が連続して挿入されていることになる。
上記の如き単年日記帳(2)を多年日記帳と言えるかどうかは、記載スペースの広狭と、一冊のホルダー(1)が何年分の単年日記帳(2)を保持できるかによって、多年日記帳と言えるか、そうでないかが分かれるところである。僅か3〜4年間の連続記録であれば、従来より要望されてきた、連続長期記録である多年記録書とは言い難く、短年数の連続記録書に過ぎない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の如き従来の多年記録書では、本来の連続長期記録の目的を達し得ず、更に長連続期化を目的とするものであり、基本設定(※多年記録書であるため、一冊に収納する年度数は何年度分でもよいが、通常10年分の記録書収納を一冊の単位と考えて、これを基本設定とする。)としては記録紙を10ブロック分(※1ブロックは1年分)を絶えずカバー(14)に収納して、10年間の記録を一冊の長期記録帳とする。以降、1年経過毎に新しい1ブロックを追加収納して、過去の記録となった最も古い1ブロックは取り外し、別途収納保管する。これを繰り返すことによって、一冊の長期記録帳の基本設定は絶えず新陳代謝を行うことになる。
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、次の如き手段を用いる。
一年間の日別毎の記録欄を複数枚(50ページ〜100ページ程度に記載する枚数)に分散記録するための記録様式(A−4程度の大きさ)による記録紙を、逐日順に縦横揃えて重ね合わせる。該重ね合わせた記録紙を綴じ込んでブロック(15)を形成するため、挟持する位置(綴じ込み具(7)が接する位置)の記録紙一辺の全長に等しい長さを持つ硬質な「コの字」形の綴じ込み具(7)と、捻子(16)にて挟持する。
前記の綴じ込み具(7)の一端(上端部)には、カバー上部引き留め具(1)にブロック(15)の上部を係止するためのフック部分(8)を設け、綴じ込み具(7)の他端(下端部)には、一部切り欠き部を設けた押圧環(9)を固定し、カバー下部挿着具(2)にブロック(15)の下部を係止するためカバー下部挿着具(2)に押圧環(9)を押圧すれば、カバー下部挿着具(2)は押圧環(9)内部に嵌着する。
別途、厚紙及び類似のビニール、ファイバー、合成樹脂、木材、金属等の材料からなる方形の板を、コの字形に折り曲げてカバー(14)を作成し、谷折り側を(折り曲げた内側)の開放位置から見た左面をカバー表面部(3)、右面をカバー裏面部(4)、中央面をカバー背面部(5)とする。
カバー背面部(5)の内側上辺端部に横幅全長に棒状の硬桿を水平に固定したカバー上部引き留め具(1)に前記フック部分(8)を係止する。又係止した時点においてフック部分(8)とカバー上部引き留め具(1)の棒状の硬桿の間に間隙、緩みがないようカバー下部挿着具(2)方向に一時的に張力を加えておく。
前述のカバー上部引き留め具(1)と同様に、カバー背面部(5)の内側下辺端部に、カバー背面部(5)の横幅長さの硬桿からなるカバー下部挿着具(2)を固定する。前記綴じ込み具(7)に固定してある押圧環(9)をカバー下部挿着具(2)に押圧すれば、カバー下部挿着具(2)である棒状の硬桿が押圧環(9)の一部切り欠き部から内部に嵌入する。前段落に記載した「下部挿着具(2)方向に一時的に張力を加えておく。」の意味はカバー下部挿着具(2)と押圧環(9)の係合が確実にできるよう前準備的な作業を指す。
上記のように、カバー(14)内部に、カバー上部引き留め具(1)及びカバー下部挿着具(2)によって、基本設定である10個のブロック(15)を収納する為にはカバー背面部(5)の横幅はそれに対応した長さが必要であり、1個のブロック(15)の厚み等も検討して、一冊の多年日記帳の厚さを携帯にも便なるように考慮して決定する。
11年以遠の長期間では記入件数は年間に数件の記録事項にとどまるものと推察される。従って、11年以遠の記載事項については1個のブロック(15)に1ケ年分の記録紙を準備する必要はなく、複数年分の記録紙を合同収納することが合理的である。1年分の記載事項が多く1個の単独ブロックが必要となった場合又は10年以内の年度になった場合は、1個のブロック(15)としてカバー(14)内部に収納すればよい。
カバー(14)内に収納保持しているブロックには年度別表示の目的で、ブロック一個ずつに見だしタグ等を取付ける。
【発明の効果】
本発明は、一冊の多年記録書に記録される内容が、経年と共に新しい年度へと次々に推移して行くに従って継続的に増加し、当年の予定が基点となって将来への計画・予定が確実に展開されることに有効な記録書として発明されたものである。従って次の如き事象に対して大いに効果を発揮する。
結婚してからの各記念日は、1周年の紙婚式から始まって75周年のプラチナ婚式までかなりの回数があり、それも毎年でないためその適確な記臆が大変となる。本発明を使用すれば10年以遠の記載事項も継続的に略式記録されるため、75個全部のブロックを必要とせず一冊の多年記録書内に網羅できる。
ビジネスにも多分に効果を発揮する。例えば、家屋建築関係の書類等、築10年、築20年、築30年後においても必要な書類は、長期に亘って保管する義務もあり、カウントダウンの基礎資料ともなる。
又、特許登録の場合、20年先の権利満了の年月日を記録することも必要であるが年金を刻んで何回にも振り込む場合の該当日を失念しないように、特許登録時に振込日を記載しておくことによって、権利喪失の失敗を防ぐことに効果を発揮する。
本発明の、多年記録帳は、20年、30年先の膨大な記録を絶えず携帯或いはそれに近い状態で携行するのではなく、一冊の記録帳として簡易な保持方法が可能である。
経年で古くなった年度のブロックは、別途個人の、一家の、一事業のメモリアルノートとして保管管理すれば、歴史的な記録書としても利用できる。
【産業上の利用可能性】
従来、又現行においても、各種記録帳を始め殆どの書類はパソコン、コピー、印刷等で記載されている。又そのための技術についても、多種多様の機能による記録書作成方法を利用している。このような現在のシステムを使用すれば図、文字、表等の作成には非常に能率的であり、仕上がりも完璧にちかく、まさに文明の利器であって、これを利用することこそ現代技術をフル活動させていると言える。
しかしながら、どんな技術の分野であっても技術の進歩は日進月歩の勢い通り、今日最新の技術が明日には陳腐なものとなり、新たな技術進歩の支障になるばかりの、無残な結果となっている事例は、通信技術分野の例を筆頭に、枚挙にいとまがない。
言い換えるならば、100%新技術を信頼することなくリスクも考慮することが必要である。
本発明は、現代の技術革新の逆行指向のようであるが、文字等による伝達方法が、過去何100年間も確実に継承伝達されてきた墨筆による手書き方法であったことの事実を認識し、手書き方法の記載を主体とした多年記録書を作成継続することが目的であるため、産業上の利用可能性は充分と考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
次ぎに本発明の一例を第1図〜第9図によって説明する。
第1図においては、カバー表面部(3),カバー裏面部(4),カバー背面部(5)からなる厚紙を谷折りにしたカバー(14)であって、カバー背面部(5)の内側に取付けたカバー上部引き留め具(1)及びカバー下部挿着具(2)の2種類の留め具の間に複数個(10個)のブロック(15)を、フック部分(8)及び押圧環(9)によって係止、或いは係止中の説明図であり、カバー背面部(5)の内側上辺部にあるカバー上部引き留め具(1)にフック部分(8)を引っ掛けて係止し、ブロック(15)の下辺に固定した押圧環(9)をカバー下部挿着具(2)に係止後或いは係止直前の状態を示した展開図。
第2図においては、カバー(14)をカバー谷折り線部(6)にて谷折りして「コの字」とした内側の展開図である。カバー背面部(5)内側上辺部にカバー上部引き留め具(1)を、同じくカバー背面部(5)内側下辺部にカバー下部挿着具(2)を固定した位置の説明図。
第3図は、第2図を平面状に展開して側面から視た側面図であって、側面からはカバー表面部(3)のみが手前に見えるのみでカバー背面部(5)及びカバー裏面部(4)はブラインド位置となる。
第4図、第5図は記録紙綴じ込み具(7)の平面図及び側面図であって、綴じ込み具(7)が押さえる記録紙の位置の辺と同長の、縦長の平板(10)の両端部分を同方向に90°曲げて、コの字に形成する。押さえ板(11)2個は平板(10)の幅を隔てて向き合い、その間隙に記録紙(12)を挿入して押さえ板(11)に設けた記録紙綴じ用捻子(16)にて挟持する。
第6図は、記録紙(12)を押さえ板(11)の左右が挟持している側面図であって、平板部分(10)と押さえ板(11)とで、コの字形を形成している内部に記録紙(12)の挟持部分が収納される。平板部分(10)の両端を同方向に折り曲げた押さえ板(11)の反対側に押圧環(9)が見られるが、フック部分(8)はブラインド状態である。
第7図は、カバー背面部(5)に設けたカバー上部引き留め具(1)にブロック(15)のフック部分(8)が係止している状態の側面図である。カバー上部引き留め具(1)とフック部分(8)の接触面は、間隙及び緩みが無いように密接触しておく。図中押さえ板(11)は記録紙綴じ具(7)の平板部分(10)を90°折り曲げた状態を示す。当図の押さえ板(11)と平板部分(10)の材料を示すハッチング表示が異なるが、同材料であっても両者の区別を明瞭に理解できるように表示した。
第8図は記録紙綴じ具(7)の平板部分(10)下辺に設けた押圧環(9)の内部にカバー下部挿着具(2)が嵌入している状態を示す。第7図と同様、押さえ板(11)と平板部分(10)の材料を示すハッチング表示が異なるが、同材料であっても両者の区別を明瞭に理解できるように表示した。
第9図は、記録紙(12)の様式の1例であって、見開き2頁に1ヶ月分の記事欄のみを記載した特許部門の様式を、説明のために開示したものである。図中「四則」欄には特、実、意、商の別、「固有No.」は件数別の通し番号、その右には事件の内容、右端には関連する将来ブロック名、年月日の記載欄を設ける。該当する将来記載欄には、当日に何をすべきか、発信ブロック名、内容等が判断できる情報を記載しておく。
【図面の簡単な説明】
【第1図】本発明の斜視図
【第2図】 カバー谷折り側展開図
【第3図】 カバー展開時の側面図
【第4図】 記録紙綴じ具の正面図
【第5図】 記録紙綴じ具の側面図
【第6図】 1ブロック記録紙の側面図
【第7図】 綴じ具上部分をカバー上部引き留め具に係止状態の拡大図
【第8図】 綴じ具下部分をカバー下部挿着具に嵌合状態の拡大図
【第9図】 記録紙の雛形(部分抜粋)
【第10図】 先行文献(特開平10−203052)斜視図
【第11図】 先行文献(特開平10−203052)側面図
【第12図】 先行文献(特開平10−203052)底面図
【第13図】 先行文献(特開平10−203052)単年日記帳挿入図
【第14図】 先行文献(特開平10−203052)単年日記帳押出図
【符号の説明】
1 カバー上部引き留め具
2 カバー下部挿着具
3 カバー表面部
4 カバー裏面部
5 カバー背面部
6 カバー谷折り線部
7 記録紙綴じ具
8 フック部分
9 押圧環
10 平板部分
11 押さえ板
12 記録紙
13
14 カバー
15 ブロック
16 記録紙綴じ用捻子
試作写真1
試作写真2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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