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事務用品
 
【考案の名称】脱落防止機能付き栞
【実用新案権者】
【識別番号】520198948
【氏名又は名称】染谷 京子
【住所又は居所】栃木県日光市瀬尾787-2
【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
【考案者】
【氏名】染谷 京子
【住所又は居所】栃木県日光市瀬尾787-2
【要約】 (修正有)
【課題】読みかけの本に挟む栞であって、読書の再開時にすぐに読みかけのページから読み始めることができ、挟んだページから栞が離脱してしまうというストレスを無くすことを可能とする栞を提供する。
【解決手段】読みかけの本のページを記すために挟む平板状の栞であって、該栞本体10には印を所望する頁の紙を挟持する挟持機能を有し、該挟持機能は内側挟持部20と外側挟持部30を分離して形成するための切り欠き部40によって発揮され、切り欠き部の両端部には鳩目状の掛止孔50が穿設されていることにより脱落しにくいという構成とした。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
読みかけの本(H)のページを記すために挟む平板状の栞であって、
該栞本体(10)は印を所望する頁の紙(P)を挟持する挟持機能を有し、
該挟持機能は内側挟持部(20)と外側挟持部(30)を分離して形成するための切り欠き部(40)によって発揮され、
前記切り欠き部(40)の両端部には鳩目状の掛止孔(50)が穿設されていることにより前記紙(P)から脱落しにくいという特徴を備えた脱落防止機能付き栞(1)。
【請求項2】
前記切り欠き部(40)により内側挟持部(20)と外側挟持部(30)が略コの字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の脱落防止機能付き栞(1)。
【請求項3】
前記切り欠き部(40)により内側挟持部(20)と外側挟持部(30)が略円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の脱落防止機能付き栞(1)。
【請求項4】
前記切り欠き部(40)により内側挟持部(20)と外側挟持部(30)が前記掛止孔(50)の両端から末広がり状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の脱落防止機能付き栞(1)。
【請求項5】
前記切り欠き部(40)により内側挟持部(20)と外側挟持部(30)が前記掛止孔(50)の下端から両外側に向かって一度広がって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の脱落防止機能付き栞(1)。
【請求項6】
前記栞本体(10)が透明素材で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の脱落防止機能付き栞(1)。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、読書の時に本に挟む栞の技術に関し、詳しくは読みかけの本を再度読もうとしたときに読み出しがどこからかが分かるだけではなく、栞が本からすり抜けてしまうことがない栞の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
いつの時代においても、自分の知識や感性を磨くための手段の一つとして読書をすることが挙げられる。読書は情報の収集や知識の習得など教養を身に着けることができるのは言うまでもないが、現代は時間不足の環境であるとともにパーソナルコンピューターやスマートフォンなど、本を読むより簡単にそれらを得る方法があり、特に若い世代には本を手にする機会が少なくなったといえる。しかしながら、読書をすることは情報収集や教養が身につくといった事だけでなく、想像力を高めたり、視野が広くなったり、時にはストレスの解消など、パーソナルコンピューターやスマートフォンでは得られない効果があるといってよい。このような現状に鑑み、教育の一環として地域のボランティアの方々のお力をお借りして小学生を対象に「読み聞かせ」などの取り組みがなされている。
【0003】
読書の習慣が付かないのはなぜなのかと考えると、小さなことではあるが一つのストレスが考えられる。本を読むには自分で頁を捲るといった作業がある。まして一冊の本を読み終えるのに一気に読んでしまえるものは少なく、読むのに疲れて休憩をしたり、時には日を跨いで読了するものもある。そんな時に登場するのが栞であるが、再度読みだそうとした動作で栞が抜け落ちてしまい、読みかけの箇所が分からなくなってしまうといったことが度々ある。これも読書時に起こるストレスの一つといえる。そのようなことがないよ
うに読みかけのページの箇所から簡単に離脱しない栞のアイデアが求められているといえる。
【0004】
また、従来の栞は、本の間に挟むだけのものであったため、本を移動したり、開いたり、閉じたりといった動作によって脱落してしまうことが多々あった。そのように挟んだ栞が脱落してしまうたびに、読みかけの箇所を探すといったストレスが生じているといえる。
【0005】
このような問題に関しては、従来からも種々の技術が提案されている。例えば、発明の名称を「栞」とする技術が公開され公知技術となっている(特許文献3参照)。詳しくは、「本考案は、栞の舌部と舌部以外の部分との間に 、書籍及び書類等の紙片を挟み込んだ際、栞により、書 籍及び書類等の紙片が切れる等の破損を生ずることがなく、かつ、栞が、書籍及び書類等の紙片に沿って移動して、書籍及び書類等から脱落することがない新規な栞を提供する。」を課題とし、具体的には「任意の形状を有する可撓性薄板の表面に連続する切り込み線を入れて舌部を形成し、かつ該舌部と舌部以外の部分との間に紙片を挟み込むことによる栞であって、該舌部の連続する切り込み線の両端部を中心として、該切り込み線の一部分を一辺とする略 扇形の小穴部分を有することを特徴とする栞である。」というものである。しかしながら、この技術は、切込の端部に略扇型の小穴を有する点で本考案と共通する部分があるものの、舌部が前記小穴よりも幅を小さくするものであって、挟持機能が異なるものである。
【0006】
また、発明の名称を「しおり」とする技術が公開され公知技術となっている(特許文献2参照)。詳しくは、「取付が簡単で、且つ、頁にしっかりと固定することが可能なしおりを提供する。」ことを課題とし、具体的には「本しおりは、シート状のしおり本体1と、このしおり本体の一辺から突出し、このしおり本体に一体的に連結されるシート状の操作部とを備え、しおり本体と操作部との連結部分は、しおり本体の一辺の長さよりも短く、操作部側からしおり本体側へ凸の線状の切り込み部が形成され、この切り込み部の両端が操作部に配置されており、切り込み部によって、しおり本体を構成する平面から揺動可能な舌片が形成される。」というものである。しかしながら、この技術は、切り込み部が操作部側から栞本体側へ凸の線状、若しくは円弧状であり、その舌片は、本体側へ向かって狭まる形状であって、本考案に係る接触面積を大きくすることで摩擦力を高めて保持する挟持機能を発揮するものではない。
【0007】
また、発明の名称を「しおり」とする技術が公開され公知技術となっている(特許文献3参照)。詳しくは、「材質に特に限定されることがなく、フラット な形状であることから嵩張ることも無く、しかしながら 、書籍に挟んでいる間にずれることが無く、本を開くと 直ぐに読み始める箇所など必要な箇所が分かるしおりを提供する。」ことを課題とし、具体的には「短冊状のシートからなり、シートの短辺の一方側に切れ目により形成された舌部と、舌部以外の本体部とから構成され、本体部は、切れ目とは繋がっていない長辺方向に長い長孔を有するしおり。」というものである。しかしながら、この技術は、係る栞に採用される舌部が、切り込みのみによって形成され、実施例としてその切り込みの端部に凸の曲率を有する切り込みを更に備え、端部の破れ防止とズレを防止する機能を発揮する点で、本考案と共通するといえる。しかしながら、切り込みのみによって構成され、その端部に更に設けられる切り込みはあくまでも切り込みであって、切り込み幅もなく、使用を重ねると切込端部において破損が生じるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 実用新案登録第3165436号
【特許文献2】 実用新案登録第3171187号
【特許文献3】 実用新案登録第3203902号
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0009】
本考案は、読みかけの本に挟む栞であって、読書の再開時にすぐに読みかけのページから読み始めることができ、挟んだページから栞が離脱するというストレスを無くすことが可能な栞の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本考案は、読みかけの本のページを記すために挟む平板状の栞であって、該栞本体には印を所望する頁の紙を挟持する挟持機能を有し、該挟持機能は内側挟持部と外側挟持部を分離して形成するための切り欠き部によって発揮され、前記切り欠き部の両端部には鳩目状の掛止孔が穿設されていることにより脱落しにくいという構成を採用した。
【0011】
また、本考案は、前記切り欠き部がコの字状に形成された構成を採用することもできる。
【0012】
また、本考案は、前記切り欠き部が円弧状に形成された構成を採用することもできる。
【考案の効果】
【0013】
本考案に係る脱落防止機能付き栞によれば、読みかけた本を再度読み始める際にどこから読むのかが瞬時にわかり、鳩目状の掛止部を有していることから栞を挟んだ箇所から栞が離脱することがなく、読み始めが分からなくなるというストレスがなくなるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本考案に係る脱落防止機能付き栞の基本構成を示す基本構成説明図である。
【図2】本考案に係る脱落防止機能付き栞の使用状態を説明する使用状態説明図である。
【図3】本考案に係る切り欠き部が掛止孔の下端から両外側に向かって一度広がって形成されている実施例を示す実施例説明図である。
【考案を実施するための形態】
【0015】
脱落防止機能付き栞1は、読みかけの本のページを記すために挟む平板状の栞であって、該栞本体10には印を所望する頁の紙Pを挟持する挟持機能を有し、該挟持機能は内側挟持部20と外側挟持部30を分離して形成するための切り欠き部40によって発揮され、前記切り欠き部40の両端部には鳩目状の掛止孔50が穿設されていることにより脱落しにくいことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0016】
図1は、本考案に係る脱落防止機能付き栞1の基本構成を示す基本構成説明図である。
【0017】
栞本体10は、薄く平な平板状部材であれば良く、例えば紙、プラスチックフィルム、木板、金属等が考えられ、ある程度弾性力を有していることは必要であるが、特に素材に限定されるものではない。具体的には例えば、画用紙やクリアファイル等が考えられる。なお、不要となった素材を利用することによって環境資源対策に資することにもなる。
【0018】
また、図面には表せないが、栞本体10に用いる素材にPMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の透明素材を用いることも好適である。係る透明素材をもちいた場合には、本Hに書かれた文章や図形などを隠す
ことなく透視することができ、読みかけの部分から栞本体10を取り外さず、装着したままで読み続けることも可能となる。
【0019】
内側挟持部20は、栞本体10において、切り欠き部40により切り欠かれた内側の領域であり、印を所望する頁の紙Pを挟持する挟持機能を発揮させるために、該紙Pに対する摩擦力及び栞本体10の素材が有する弾性力によって脱落防止機能を発揮するものである。また、係る摩擦力は、内側挟持部20の面積に比例して大きくなるため、切り欠き形状が掛止孔50から広がるように離れていく形状とすることが望ましく、具体的には、例えば、図1(b)、図1(c)、図1(d)、図1(e)のような形状である。なお、切り欠き部40により内側挟持部20と外側挟持部30が前記掛止孔50の下端から両外側に向かって一度広がって形成される場合には、内側挟持部20の面積をより大きくすることができる。係る効果は、摩擦の問題だけではなく、表示機能としても大きく影響し、意匠的な創作を施すことが可能となるなどの有益な効果をもたらすものである。
【0020】
外側挟持部30は、栞本体10において切り欠き部40によって切り欠かれた外側の領域であり、印を所望する頁の紙Pを挟持する挟持機能を発揮させるために該紙Pに対する摩擦力及び栞本体10の素材が有する弾性力によって脱落防止機能を発揮するものである。
なお、内側挟持部20と外側挟持部30は、掛止孔50から離れるにしたがって、末広がり状となる形状に形成されることによって、紙Pとの接触面積を増やし更に脱落しにくい脱落防止機能を発揮させることも有効である。
【0021】
切欠き部40は、栞本体10において内側挟持部20と外側挟持部30を分離するための切り欠きであって、その端部には係止孔50を有し、形状については略コの字状、略円弧状、末広がり状等のように掛止孔50から離れるにしたがって広がる形状等である。
【0022】
掛止孔50は、直径2mmから4mm程度の孔を穿設したものであり、切り欠き部40の両端に設けられる。係る掛止孔50の存在により、栞本体10を掛止したい紙Pの短編に引っ掛けるようにして保持する機能を発揮するものである。
また、係る掛止孔50の存在により、切り欠き部40の端部から更に切れ込んでしまう効果を発揮するものである。
【0023】
図2は、本考案に係る脱落防止機能付き栞1の使用状態を説明する使用状態説明図であり、図2(a)は、印をつけたいと所望する当該頁の紙Pに本考案に係る脱落防止機能栞1を装着して開いた状態を示し、図2(b)は、本考案に係る脱落防止機能付栞1に係る栞本体10が切り欠き部40によって、内側挟持部20と外側挟持部30の間に紙Pを挟持した状態を拡大した状態を示し、図2(c)は、印をつけたいと所望する当該頁の紙Pに本考案に係る脱落防止機能付栞1を装着して閉じた状態を示している。
【0024】
本Hは、書籍等の一般的な紙媒体による刊行物等であり、雑誌、文庫、綴じられた書類等の積層された紙媒体を広く含むものである。図2(b)に示すとおり本発明に係る脱落防止機能付栞1では、掛止孔50の存在により紙Pに円状の一部が引っかかるようにして備えられるため、外れにくく脱落しにくくなる。
【0025】
紙Pは、本Hにおいて印を所望する頁を表す紙Pの部分であって、通常は一枚であり、内側挟持部20と外側挟持部30による挟持機能によって挟持されるものである。
【0026】
図3は、本考案に係る切り欠き部40を掛止孔50の下端から両外側に向かって一度広がってから形成されている実施例を示す実施例説明図であり、図3(a)は、一度広がってから略コの字状を示し、図3(b)は、一度広がってから末広がりとなる台形状を示し
、図3(c)は、一度広がってから略円弧状となる形状を示し、図3(d)は、本考案に係る切り欠き部40を掛止孔50の下端から両外側に向かって一度広がってから形成されている実施例において、係る掛止孔50と切り欠き部40との関係を示す拡大図である。図3(d)に示すように、切り欠き部40を掛止孔50の下端から両外側に向かって一度広がってから形成されている構成を採用した場合、紙Pと栞本体10の有する挟持機能が強化される。即ち、掛止孔50の下端から両外側に切り欠かれている為、紙Pを挟むと掛止孔50の上端まで差し込まれ、図3(d)に示すクロスハッチングの部分が掛止孔50の大きさに対応してできる挟持領域Kとなり、保持力が増し脱落しにくくなる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本考案に係る脱落防止機能付き栞は、読みかけの本を読みなおすときに、次はどこから読めばいいのかがすぐ分かり、その際に度々起こるしおりが抜け落ちることがない構造としたことから、読書をストレスなく楽しめるという利点があり、産業上の利用可能性は極めて高いと思慮するものである。
【符号の説明】
【0028】
1 脱落防止機能付き栞
10 栞本体
20 内側挟持部
30 外側挟持部
40 切り欠き部
50 掛止孔
P 紙
H 本
K 挟持領域
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
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