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【発明の名称】ダルマピン押し込み具 【出願人】 【識別番号】522159901 【氏名又は名称】陸路 尚秀 【住所又は居所】神奈川県川崎市多摩区三田4-4-3-202 【代理人】 【識別番号】110000224 【氏名又は名称】弁理士法人田治米国際特許事務所 【発明者】 【氏名】陸路 尚秀 【住所又は居所】神奈川県川崎市多摩区三田4-4-3-202 【要約】 【課題】ダルマピンを押し込み易く、しかも低製造コストで得られるダルマピン押し込み具を提供する。 【解決手段】ダルマピンを押し込むためのダルマピン押し込み具は、一端が開口している筒状部と、その他端の少なくとも一部を覆う天部とを有する。ダルマピンは、小径部と、小径部の外径よりも大きな外径を有する大径部と、それらをつなげ、小径部の外径よりも小さい外径を有する連結部と、を有するヘッド部と、ヘッド部の大径部に保持された針とを有する。ダルマピンのヘッド部の小径部の外径は、ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)よりも小さく、他方、ダルマピンのヘッド部の大径部の外径は、ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)よりも大きい。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ダルマピンを押し込むためのダルマピン押し込み具であって、一端が開口している筒状部と、その他端の少なくとも一部を覆う天部とを有する、ダルマピン押し込み具。 【請求項2】 ダルマピンが、小径部と、小径部の外径よりも大きな外径を有する大径部と、それらをつなげ、小径部の外径よりも小さい外径を有する連結部と、を有するヘッド部と、ヘッド部の大径部に保持された針とを有し、 ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)が、ダルマピンのヘッド部の小径部の外径よりも大きく、ダルマピンのヘッド部の大径部の外径よりも小さい、請求項1記載のダルマピン押し込み具。 【請求項3】 ダルマピンをダルマピン押し込み具の筒状部に挿入した場合に、ダルマピンのヘッド部の小径部がダルマピン押し込み具の天部に接触しないように構成されている請求項2記載のダルマピン押し込み具。 【請求項4】 筒状部が円筒形である請求項1〜3のいずれかに記載のダルマピン押し込み具。 【請求項5】 天部が平坦な円形形状を有し、天部が筒状部の一端全部を覆っている請求項4記載のダルマピン押し込み具。 【請求項6】 円形形状の天部の径が、筒状部の外径よりも大きい請求項5記載のダルマピン押し込み具。 【請求項7】 天部にループ状紐が取り付けられている請求項1記載のダルマピン押し込み具。 【請求項8】 複数のダルマピンと、請求項1記載のダルマピン押し込み具とが同一容器にセットされている容器入りダルマピンセット。 【請求項9】 ダルマピンが、小径部と、小径部の外径よりも大きな外径を有する大径部と、それらをつなげ、小径部の外径よりも小さい外径を有する連結部と、を有するヘッド部と、ヘッド部の大径部に保持された針とを有するものである請求項8記載の容器入りダルマピンセット。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、ダルマピン押し込み具に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、書類や掲示物を壁に留める際には、平坦な円形磁性プレートに金属針が垂直に設けられた画鋲が用いられていた。この場合、壁に留めるべき書類等を利き手と反対の手で壁に押さえつけ、利き手の指で摘まんだ画鋲を書類等と共に指先で壁に押し込んでいる。ところが、指の押し込み力が一般的な成人男性よりも弱い子供や女性(特につけ爪をしている女性)、高齢者、あるいは指先に怪我を負った人達等にとっては、画鋲をうまく押し込むことが難しいという問題があった。このため、画鋲を掌で押し込めるように、シリンダーと、その内部に長手方向にスライド可能に配置されているプランジャと、プランジャの先端に配置された画鋲保持用の磁石とを有する画鋲押し込み具が提案されている(特許文献1、2)。 【0003】 しかしながら、そのような画鋲押し込み具には製造コストがかさむという問題があった。このため、そのような高い製造コストの画鋲押し込み具を用いなくとも、比較的弱い押し込み力で押し込みが可能となる画鋲として、ダルマピンと称される画鋲が用いられるようになっている。図5A(正面図)及び図5B(針側下方斜視図)に示すように、ダルマピン50は、小径部51と、小径部51の外径51dよりも大きな外径52dを有する大径部52と、それらをつなげ、小径部51の外径51dよりも小さい外径53dを有する連結部53と、を有するヘッド部54と、ヘッド部54の大径部52に保持された針55とを有している。このようなダルマピン50を使用する場合、ダルマピンの連結部53を利き手の親指と人差し指で摘まみ、押し込み操作を行っている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開平8−324193号公報 【特許文献2】 実用新案登録第3229865号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、ダルマピンは、従来の画鋲に比べて把持性に優れ、押し込み易くなっているものの、壁材として石膏ボード等より硬い材料に対しては、指の押し込み力が一般的な成人男性よりも弱い子供や女性(特に、つけ爪をしている女性)、高齢者、あるいは指先に怪我を負った人達にとっては、やはりうまく画鋲を押し込むことが難しいという問題があった。また、大量のダルマピンを連続的に壁に押し込む場合には、一般的な成人男性にとっても、うまくダルマピンを押し込むことが難しいという問題があった。このため、ダルマピンについて、ダルマピンを押し込み易く、しかも低製造コストで得られるダルマピン押し込み具が求められている。 【0006】 本発明の目的は、以上の従来の問題を解決しようとすることであり、ダルマピンを押し込み易く、しかも低製造コストで得られるダルマピン押し込み具を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者は、ダルマピンのヘッド部の針に近い部分(大径部)の径が、ヘッド部の先端部分(小径部)の径よりも大きいことに着目し、筒状部材の内径をダルマピンのヘッド部の先端径よりも大きくし且つヘッド部の針に近い部分の径よりも小さくすることにより、筒状部材にダルマピンを挿入したときに筒状部材の開口で大径部を押せることを見出し、本発明を完成させるに至った。 【0008】 即ち、本発明は、ダルマピンを押し込むためのダルマピン押し込み具であって、一端が開口している筒状部と、その他端の少なくとも一部を覆う天部とを有する、ダルマピン押し込み具を提供する。 【0009】 本発明のダルマピン押し込み具に適用できるダルマピンは、小径部と、小径部の外径よりも大きな外径を有する大径部と、それらをつなげ、小径部の外径よりも小さい外径を有する連結部と、を有するヘッド部と、ヘッド部の大径部に保持された針とを備えている。ダルマピンのヘッド部の小径部の外径は、ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)よりも小さく、他方、ダルマピンのヘッド部の大径部の外径は、ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)よりも大きい構造を有している。 【0010】 また、本発明は、変形態様として、複数のダルマピンと、本発明のダルマピン押し込み具とが同一容器にセットされている容器入りダルマピンセットを提供する。この変形態様に適用できるダルマピンも、小径部と、小径部の外径よりも大きな外径を有する大径部と、それらを繋げ、小径部の外径よりも小さい外径を有する連結部と、を有するヘッド部と、ヘッド部の大径部に保持された針とを備えている。このダルマピンのヘッド部の小径部の外径は、ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)よりも小さく、他方、ダルマピンのヘッド部の大径部の外径は、ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)よりも大きい構造を有している。 【発明の効果】 【0011】 本発明のダルマピン押し込み具は、一端が開口している筒状部と、その他端の少なくとも一部を覆う天部とを有している。本発明に適用されるべきダルマピンは、小径部と、小径部の外径よりも大きな外径を有する大径部と、それらを繋げ、小径部の外径よりも小さい外径を有する連結部と、を有するヘッド部と、ヘッド部の大径部に保持された針とを有し、筒状部の該一端の開口径(内径)が、ヘッド部の小径部の外径よりも大きく、大径部の外径よりも小さい構造を有している。このため、ダルマピンをその小径部からダルマピン押し込み具の筒状部に挿入すると、大径部が筒状部の開口部に引っ掛かり、それ以上筒状部内に入らない。このように、ダルマピンが挿入されたダルマピン押し込み具は、ダルマピンを一回り大きくしたものとなり、子供や女性(特につけ爪をしている女性)、高齢者、あるいは指先に怪我を負った人達等であっても、人差し指と中指とで筒状部を容易且つしっかりと挟むことができ、しかも、天部を親指もしくは掌で容易に押し込むことができる。 【図面の簡単な説明】 【0012】 【図1】図1は、ダルマピン押し込み具の開口側から見た斜視図である。 【図2A】図2Aは、ダルマピン押し込み具へダルマピンを挿入した場合の断面図である。 【図2B】図2Bは、図2Aのダルマピンが挿入されたダルマピン押し込み具を用いて、紙片を介してダルマピンを壁などに押し込む様子を示した図である。 【図3】図3は、天部にループ状紐が取り付けられたダルマピン押し込み具の斜視図である。 【図4】図4は、容器入りダルマピンセットの図である。 【図5A】図5Aは、ダルマピンの正面図である。 【図5B】図5Bは、ダルマピンの針側下方斜視図である。 【発明を実施するための形態】 【0013】 以下、本発明のダルマピン押し込み具について、図面を参照しながら説明する。 【0014】 <ダルマピン押し込み具> 図1に示すように、本発明のダルマピン押し込み具10は、ダルマピンを壁などへ押し込むための道具であり、その基本的構造は、一端に開口Aを有する筒状部1と、その他端の少なくとも一部を覆う天部2とを有するものである。 【0015】 (ダルマピン) ここで、本発明に好ましく適用できるダルマピンの構造は、図5A(正面図)及び図5B(針側下方斜視図)に示したものである。即ち、ダルマピン50は、小径部51と、小径部51の外径51dよりも大きな外径52dを有する大径部52と、それらを繋げ、小径部51の外径51dよりも小さい外径53dを有する連結部53と、を有するヘッド部54と、ヘッド部54の大径部52に保持された針55とを有しているものである。ダルマピン50のヘッド部54の横断面は好ましくは円形であるが、三角形、四角形等の多角形であってもよい。また、連結部53は、存在しなくてもよく、その場合には、小径部51が大径部52に直接接している構造となる。 【0016】 本発明のダルマピン押し込み具10に、図5A、5Bのダルマピン50を挿入したときの断面図を図2Aに示す。この場合、ダルマピン50の小径部51の外径51dは、筒状部1の内径1dよりも小さくなっているが、大径部52の外径52dは、筒状部1の内径(=開口Aの開口径Ad)よりも大きくなっている。このため、ダルマピン50は、筒状部1の開口Aに引っ掛かり、それ以上筒状部1の中に入り込まない。このように、ダルマピン50が挿入されたダルマピン押し込み具10は、ダルマピン50を一回り大きくしたものとなり、子供や女性(特につけ爪をしている女性)、高齢者、あるいは指先に怪我を負った人達であっても、図2Bに示すように、人差し指aと中指bでダルマピン押し込み具10の筒状部1を容易に且つしっかりと挟むことができ、しかも天部2を親指cもしくは掌でダルマピン50の針55を紙片d等を介して掲示板や壁(図示せず)などに容易に押し込むことができる。 【0017】 本発明のダルマピン押し込み具10は、その筒状部1にダルマピン50を挿入した場合にダルマピン50を筒状部1の開口Aで安定的に保持するために、図2Aに示すように、ダルマピン50の小径部51がダルマピン押し込み具10の天部2に接触しないように構成されていることが好ましい。 【0018】 (筒状部) 本発明のダルマピン押し込み具10を構成する筒状部1は、円筒、三角筒、四角筒等の多角筒の形状でもよいが、開口Aにおいて、ダルマピン50との十分な接触長さもしくは接触面積を確保するために円筒の形状が好ましい。また、指で摘まみ易くなるように、表面に凹凸やテーパーを形成してもよい。 【0019】 (天部) 本発明のダルマピン押し込み具10を構成する天部2は、指や掌で押し込み易くするために、好ましくはプレート形状を有している。プレート形状は、特に限定されず、三角形、四角形等の多角形でもよいが、平坦な円形であることが好ましい。その場合、円形の天部2の直径は、筒状部1の外径よりも大きいことが好ましい。また、滑り止めとして表面や側面に凹凸形状を設けることができる。また、天部2は、筒状部1の一端全部を覆っていることが好ましいが、孔が開いていてもよく、メッシュとなっていてもよい。 【0020】 また、本発明のダルマピン押し込み具10の天部2には、図3に示すように、ループ状紐3が取り付けられていることが好ましい。ハンドリング性が向上し、また、フック等へ引っかけ易くなり、収納性も向上する。また、図示しないが、ループ状紐3にダルマピンを引き抜く為の器具、例えば目玉クリップ等を装着してもよい。 【0021】 なお、筒状部1や天部2の構成材料としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂材料、熱または光硬化樹脂材料、軟鉄、アルミニウム等の金属、合金、セラミックス、各種樹脂と金属との複合材料等を適宜採用することができる。 【0022】 <容器入りダルマピンセット> 本発明のダルマピン押し込み具は、通常、単品として販売されるが、図4に示すように、複数のダルマピンと共に一つの容器40にセットされ、容器入りダルマピンセット100として販売されることが好ましい。この場合、ダルマピン押し込み具を容器40にセットする態様としては、特に限定されないが、容器40内にダルマピンと共に収容する態様や、容器の蓋40aの裏側に両面テープで貼り付ける態様、容器40あるいは蓋40aの外表面に両面テープで貼り付ける態様等を挙げることができる。なお、ダルマピンとしては、図5A及び図5Bに示したものを好ましく使用することができる。 【産業上の利用可能性】 【0023】 本発明のダルマピン押し込み具は、一端が開口している筒状部と、その他端の少なくとも一部を覆う天部とを有している。本発明に適用されるべきダルマピンは、小径部と、小径部の外径よりも大きな外径を有する大径部と、それらをつなげ、小径部の外径よりも小さい外径を有する連結部と、を有するヘッド部と、ヘッド部の大径部に保持された針とを備えている。ダルマピンのヘッド部の小径部の外径は、ダルマピン押し込み具の筒状部の該一端の開口径(内径)よりも小さく、大径部の外径は、筒状部の該一端の開口径(内径)よりも大きい構造を有している。このため、ダルマピンをその小径部からダルマピン押し込み具の筒状部に挿入すると、ダルマピンのヘッド部の大径部がダルマピン押し込み具の筒状部の開口部に引っ掛かり、それ以上筒状部内に入らない。このように、ダルマピンが挿入されたダルマピン押し込み具は、ダルマピンを一回り大きくしたものとなり、子供や女性(特につけ爪をつけた女性)、高齢者あるいは指先に怪我を負った人達等あっても、人差し指と中指とで容易に且つしっかりと挟むことができ、しかも、天部を親指もしくは掌で容易に押し込むことができる。よって、ダルマピンを壁などに押し込む場合に有用である。 【符号の説明】 【0024】 1 筒状部 1d 筒状部の内径 2 天部 3 ループ状紐 10 ダルマピン押し込み具 40 容器 40a 蓋 50 ダルマピン 51 小径部 51d 小径部の外径 52 大径部 52d 大径部の外径 53 連結部 53d 連結部の外径 54 ヘッド部 55 針 100 容器入りダルマピンセット A 開口 Ad 開口径 |
【図1】 |
【図2a】 |
【図2b】 |
【図 3】 |
【図4】 |
【図5a】 |
【図5b】 |
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