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【考案の名称】ペーパーバック・ページホルダー 【実用新案権者】 【識別番号】524015854 【氏名又は名称】近藤 芳生 【住所又は居所】東京都練馬区石神井町4-4-15-105 【考案者】 【氏名】近藤 芳生 【住所又は居所】東京都練馬区石神井町4-4-15-105 【要約】 (修正有) 【課題】書籍の目的のページを開いた状態に保持するためのツールであるページホルダーを提供する。操作が簡便かつ確実に書籍の見開き状態を保持でき、使用時のコンパクトな形状および物理的な力が加わることによる書籍の損傷の原因にならないデザインである。 【解決手段】書籍の製本構造の理解と閲覧者が書籍を開く際の指と掌の形のシミュレーションから考案しており、書籍の”背”と開いた”のど”の部分を本ページホルダーのベース1とセンターアーム2で挟んで書籍と一体化させる三次構造を採り、書籍の重心付近にページホルダー本体を装着し左右に配置されたサイドアーム3で開かれた本文が閉じる方向への力を抑えるように機能させるものである。書籍を開かせる過剰な負荷が掛からないデザインにより書籍へダメージが及ばない。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 無線綴じによるソフトカバー製本書籍を閲覧等の目的で見開き状態に維持するための保持具であり、開いた書籍書面の隆起部分と”のど”の谷の部分が形作る立体的形状に沿って押さえるように保持具に配置された3本のアームがフォーク状に突き出した構造を特徴とするページ保持具(請求項1に対する図面は「図1」) 【請求項2】 前記ページ保持具の3本のアーム状構造体と保持具の外殻構造のベース板が形成する隙間空間に開いた書籍を挟み込む状態に取りつけられるようデザインした請求項1.に記載のページ保持具(請求項2に対する図面は「図3」3−(1)) 【請求項3】 前記ページ保持具で、両サイドの構造体のアーム部で書面に接触する下端部と、ベース板の書籍の”背”を下から支える点が力学的に均衡し強固となる三角形を形成し、保持具に対して書籍が閉じようとする時に加わる外向きの力とそれを押さえる保持具の接触する部分が作用・反作用の関係となり、結果保持具が書籍をグリップする力に転換されるようデザインされた請求項2.に記載のページ保持具(請求項3.に対する図面は「図3」3−(4)) 【請求項4】 前記ページ保持具で、L字型にデザインされたアーム状構造体の両サイドの2箇所は、水平部が書面を押さえ垂直部分のポスト部でベース板に固定されるが、ポスト部とベース板はその角度を変えることができる構造を採り、これによりアーム部とベース板の隙間間隔を調整することができる機能をもつ請求項3.に記載のページ保持具(請求項4.に対する図面は「図4」4−(2)) 【請求項5】 前記ページ保持具のアーム状構造体で書籍の”のど”に接触する中心位置のアームのみ下端の辺に勾配が付いており、ポスト側からアームの先端に向かってベース板との間隔が広がるようにデザインされた請求項2.に記載のページ保持具(請求項5.に対する図面は「図4」4−(1)) 【請求項6】 前記ページ保持具で構造体を構成する素材は書面にダメージを与えない厚紙または類似の硬質でない素材を採用し、且つ開いた書面の反発力によりアーム部が変形することのない最小限度の厚さで製作され、その食器ナイフ様の薄さに整形したアーム部は閲覧者の書面への視線方向に対してその厚さが最も小さい向きになるようデザインした請求項2.に記載のページ保持具(請求項6.に対する図面は「図2」) 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、書籍閲覧時に用いるツールで、書籍の任意のページを開いた状態に保つためのページ保持具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 閲覧目的で書籍を一定時間開いた状態に保持しようとする場合、道具を用いる方法としては開かれた書籍の左右本文を表側に表紙と背側を裏側として書籍を挟んで固定する形状の用具または、開いた項の本文と表紙をまとめてクリップ様の道具で挟む方法などがあり、もっとも簡易な方法としては見開き状態の書籍左右の本文に重しとなる物を用いて机上に抑えつけて書籍が閉じないようにする方法が一般的なものとして挙げられる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2021−098345 特許6829531 【特許文献2】 特許6339297 【特許文献3】 特開2018−039136 【特許文献4】 特許6851526 【非特許文献】 【非特許文献】実登3210114 【0004】 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0005】 一般に用いられている方法の問題点は、書籍を開いて保持する際に用いる道具や重しとして用いる物体が書籍の大きさに比して大型になりやすいことと、余分な荷重が掛かることで書籍にダメージが加わる可能性とその道具を使用する際の操作の煩わしさから書物の閲覧意欲が削がれることなどを問題点として認識する。本考案保持具が書籍を開いた状態に保持することを最優先課題とし従来用いられる手法における課題点を挙げる。1.保持具を取り付けた際に書籍からはみ出す部分の割合を最小限に留め机上の占有面積を確保すること 2.開いた書籍が自然に閉じようとする動きを抑えるために書籍に余分な負荷を掛けることがないこと 3.保持具を使用する際の一連の操作または準備操作が簡便であることの3点について検討した。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本考案は、閲覧者が書籍を開いて保持するときの読み手自身の指と掌の動きから保持具の立体的な形状を考案したもので、構造体が開いた書籍が閉じようとする反発力を利用することで、保持具の質量の軽量化と書籍に加わる負荷を最小限とすることを満足している。書籍が閉じようとする際に保持具のアームとベースに掛かる外向きの力と構造体が書籍を押さえる部分の内向きの力を反作用として均衡し、書籍を掴むように機能させることで保持具のサイズの小型軽量化と書籍への最小限の負荷を満足している。さらに本保持具は、開いた書籍が形作る立体的な形状にフィットするよう三次元形状を採っており、また構造体の素材に若干の柔軟性を持たせることで書籍への取り付けを簡単に無理なく実施することができる。 【考案の効果】 【0007】 本考案の保持具(以下ページホルダーという)は、書面が閉じようとする際の反発力を机や他の面に押さえつけて吸収させる必要がないため、書籍を開いた状態に保ったまま持ち上げたり移動させたりすることができる。さらにページホルダー自体が軽量コンパクトであるため、複数の書籍を同時閲覧の目的で机上に展開したり重ねて置く場合でも不用意にページが捲れたり書籍が閉じたりすることがなく書籍を開いた状態でひとかたまりの物体として扱うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0008】 【図1】本考案ページホルダーの斜視図とラベルである。 【図2】本考案ページホルダーの三面図である。 【図3】本考案ページホルダーの書籍から受ける力を力点とした場合の作用・反作用で力が均衡する部分を示した三次元構造を解説した立体図である。 【図4】本考案ページホルダーのアーム状構造体が作るベース板が作る空間、アームからベースまでの間隔の関係、調整機能などを示した図である。 【図5】書籍の構造名称と本考案ページホルダーの使用状態の図である。 【考案を実施するための形態】 【0009】 実施例では本考案ページホルダーの構造について図面に基づいて詳細に説明する。 【実施例】 【0010】 図1に示すように本考案ページホルダーは、基本構造として1.ベースとそれに垂直に固定された4.バックパネルが外殻部分を成し、中央に取りつけられたL字型の2.センターアームがベースとバックパネルの双方にに固定されることで外殻の強度の補強も兼ねている。同じくL字型の両脇の3.サイドアームはベースにのみ固定され、センターアーム側または外側に向けて傾けることができる構造である。(実施例0010に対する図面は「図1」) 【0011】 図2は本考案ページホルダーの三面図であり、2.センターアームと3.サイドアームの位置関係およびアーム部の厚さ、各形状を透視図で示したものである。(実施例0011に対する図面は「図2」) 【0012】 図3の3−(1)は本考案ページホルダーを使用する時の書籍との位置関係を示したもので、3−(2)はページホルダーの3本のアームとベースの間に書籍が挟まれている状態を示したもの。 3−(3)は書籍が閉じようとする際の書籍から加わる力とページホルダーが押さえる力が釣り合っている状態を示し、3−(4)はアーム部が接触する部分の書籍の断面図で、書籍と接触する保持具の3つのパートが作用反作用で均衡して三角形を形成していることを示した図である。(実施例0012に対する図面は「図3」) 【0013】 図4の4−(1)は本考案ページホルダーのセンターアームの下端の勾配がついていることを示した図で、これにより開いた書籍へページホルダーの取り付け操作を行い易くすると同時に、書籍を開いた際、”のど”から”背”までの厚みが異なる書籍に対しても適応するユニバーサルなデザインにしている。 4−(2)は書籍を開く項により書面の左右の厚さが異なる場合でも書面を確実に押さえるために、サイドアームからベースまでの間隔を調整できるようサイドアームを傾けられるようにできることを示した図である。(実施例0013に対する図面は「図4」) 【0014】 図5の5−(1)は無線綴じによる製本された書籍の構造名称である。5−(2)および5−(3)の図は実施例[0013]を具体的に補足したもので、書籍を開く項により書面の厚さが一定しない場合でも安定して使用が可能であることを示したものである。(実施例0014に対する図面は「図5」) 【符号の説明】 【0015】 1.ベース 2.センターアーム 3.サイドアーム(センターアームに平行に左右2個) 4.バックパネル 5.ポスト (以上 代表図面 図1参照) |
ぺーパーバックとは無線綴じで製本された汎用的な本の形態で、ソフトカバーによる文庫や新書版の書籍の総称です。 環境サステナブルのスローガンもあり印刷書物の利用率は下がってきているようですが、勉学、調査学習の場面では依然として参考書類の出番は少なくないように観察しています。 意識の高い青年層を中心に通学・通勤時の車内で学習する人口も少なくなく、そうした層のためにいわゆる参考書として愛用される書物には文庫本や新書サイズのものも多く刊行されています。 ただこれらはサイズがコンパクトな反面、机上に広げて閲覧する場合や、“赤尾の豆単”などで反復学習にノート記述を同時に行おうとするときには結構厄介です。 小説と違い参考書や文献調査などでは同じページを一定時間開いておきたいケースはまあまああると思います。まして複数の書籍を広げて参照する場合にはなんらかのツールは必要です。 時折図書館でこうした場面に遭遇し考案したのが当ツール。思考の集中を切らすことのないよう操作が簡単で、さらに大事な書物に余分な負荷を掛けることのない三次元構造のデザインを特徴とした“ペーパーバック・ページホルダー”です。 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
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