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事務用品
 
【発明の名称】多機能ブックスタンド
【出願人】
【識別番号】504186736
【氏名又は名称】内山 京子
【住所又は居所】長野県長野市大字南長野北石堂町1195番地
【代理人】
【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
【発明者】
【氏名】内山 京子
【住所又は居所】長野県長野市大字南長野北石堂町1195番地
【要約】
【課題】 お年寄り等が座ったままで日常生活の様々なことを行えるようにして、負担の軽減及び必要なタイミングを逃してしまう不具合の解消を図るとともに、日常生活の快適性及び利便性を高める。
【解決手段】 ブックスタンド部2の下方に配して当該ブックスタンド部2を移動自在に支持する複数のキャスタ3…と、ブックスタンド部2の台板2sの下面に付設することにより小物類G…を収納可能な引出しにより構成した一又は二以上の第一補助収納部4a,4bと、ブックスタンド部2に付設することにより用紙類P…を収納可能な用紙入れとして構成した第二補助収納部5と、ブックスタンド部2に付設することにより手で把持可能に構成したハンドル部6を備える。
【選択図】 図1
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は二以上の書籍類を収納可能なブックスタンド部を備える多機能ブックスタンドであって、前記ブックスタンド部の下方に配して当該ブックスタンド部を移動自在に支持する複数のキャスタ部と、前記ブックスタンド部の台板部の下面に付設することにより小物類を収納可能な引出しにより構成した一又は二以上の第一補助収納部と、前記ブックスタンド部に付設することにより用紙類を収納可能な用紙入れとして構成した第二補助収納部と、前記ブックスタンド部に付設することにより手で把持可能に構成するとともに、ハンドル本体部の少なくとも一部を、前記ブックスタンド部の前方における書籍類の出入空間に位置させることにより、前記ブックスタンド部に収納された書籍類の変位を規制するセット位置又は前記出入空間を開放するリリース位置に、選択的に変位可能な可動支持機構部を備えるハンドル部とを具備してなることを特徴とする多機能ブックスタンド。
【請求項2】
前記ハンドル部は、前記ブックスタンド部の前方,後方,右方及び左方に配してなることを特徴とする請求項1記載の多機能ブックスタンド。
【請求項3】
前記ブックスタンド部に付設することにより少なくともテレビリモコン及び/又は電話機類を収納可能に構成した第三補助収納部を備えることを特徴とする請求項1記載の多機能ブックスタンド。
【請求項4】
前記ブックスタンド部に付設することにより少なくとも枕を収納可能に構成した収納ケース部を有する第四補助収納部を備えることを特徴とする請求項1記載の多機能ブックスタンド。
【請求項5】
前記第四補助収納部は、前記収納ケース部の上方に、肘掛けとして機能させる肘掛部を備えることを特徴とする請求項4記載の多機能ブックスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一又は二以上の書籍類を収納可能なブックスタンド部を備える多機能ブックスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、書籍類を起立した状態で収納できるブックスタンドは広く知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この種のブックスタンドは、基本構成として、起立した書籍類を載置する台板と、この台板の左右両側に起立した一対の袖板と、各袖板の後辺間に跨がる背板を備え、机やテーブル等の上に載置して使用することができる。また、このような基本構成によるブックスタンドは、書籍類を整理保管する機能に止まるため、他の機能を付加した多機能ブックスタンドも提案されている。
【0003】
従来、このような多機能ブックスタンドとしては、特許文献3で開示されるミニ書斎ボックスが知られている。このミニ書斎ボックスは、書籍やノート、筆記用具やその他の文房具などを、まとめて収納でき、かつ持ち運びができるようにしたものであり、具体的な構成としては、ブックスタンドの下部または両サイドに筆記用具やその他の文房具などを収納できる引出しを設けるとともに、ブックスタンドの両サイドに、筆記用具やその他の文房具を収納できる上方が開放されたボックスを設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−299066号公報
【特許文献2】登録実用新案第3023437号公報
【特許文献3】特開2013−146519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したミニ書斎ボックスをはじめ、従来の多機能ブックスタンドは、次のような解決すべき課題も存在した。
【0006】
即ち、従来の多機能ブックスタンドは、ブックスタンドの基本形態に対して他の物を収納できる引出しやボックスを付加したものであるが、多機能性及び多様性、更には利便性及び使い勝手を高める観点からは必ずしも十分とはいえず、更なる改善の余地も残されていた。
【0007】
特に、近時、一人暮らしのお年寄り世帯も増え、足腰の衰えなどから立ったり座ったりすることが容易にできないことも多い。したがって、例えば、茶の間でテレビを見ていた際に、番組内で使用された言葉の意味が分からず、辞典や書籍を見て確認したい場合、或いは料理番組を見ていた際に料理のレシピ等をメモしたい場合などにおいては、座った状態から必要なものを持ちにいく必要があるが、お年寄りにとっては、大変な負担を強いられるとともに、必要なタイミングを逃してしまう事態も生じる。結局、従来の多機能ブクスタンドでは、このような事態に対して適切に対応できないのが実情である。
【0008】
加えて、座っていた際に、電話がかかってきた場合、或いは、疲れたため、体を楽にしたり横になって休みたい場合などにおいても、枕等の必要なものを持ちに行く必要があり、お年寄りの日常生活に対する支援の観点、更には利便性などをより向上させる観点からは、更なる改善の余地があった。
【0009】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した多機能ブックスタンドの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するため、一又は二以上の書籍類B…を収納可能なブックスタンド部2を備える多機能ブックスタンド1を構成するに際して、ブックスタンド部2の下方に配して当該ブックスタンド部2を移動自在に支持する複数のキャスタ3…と、ブックスタンド部2の台板2sの下面に付設することにより小物類G…を収納可能な引出しにより構成した一又は二以上の第一補助収納部4a,4bと、ブックスタンド部2に付設することにより用紙類P…を収納可能な用紙入れとして構成した第二補助収納部5と、ブックスタンド部2に付設することにより手で把持可能に構成するとともに、ハンドル本体部6mの少なくとも一部6fを、ブックスタンド部2の前方Ffにおける書籍類B…の出入空間Sに位置させることにより、ブックスタンド部2に収納された書籍類B…の変位を規制するセット位置Xs又は出入空間Sを開放するリリース位置Xrに、選択的に変位可能な可動支持機構部11を備えるハンドル部6とを具備してなることを特徴とする。
【0011】
この場合、発明の好適な態様により、ハンドル部6は、ブックスタンド部2の前方Ff,後方Fr,右方Fp及び左方Fqに配することができる。さらに、多機能ブックスタンド1には、ブックスタンド部2に付設することにより少なくともテレビリモコンRa及び/又は電話機類Rbを収納可能に構成した第三補助収納部12を設けることができるとともに、ブックスタンド部2に付設することにより少なくとも枕Mを収納可能に構成した収納ケース13bを有する第四補助収納部13を設けることができる。この場合、第四補助収納部13は、収納ケース13bの上方に、肘掛けとして機能させる肘掛部14を設けることができる。
【発明の効果】
【0012】
このような構成を有する本発明に係る多機能ブックスタンド1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0013】
(1) 基本形態のブックスタンドをベースにして全体の機能性及び多様性を高めたため、例えば、お年寄りが茶の間で座ってテレビを見ていた際に、番組内で使用された言葉の意味が分からず、辞典や書籍を見て確認したい場合、或いは料理番組を見ていた際に料理のレシピ等をメモしたい場合など、立ち上がる必要が生じた場合であっても、座ったままの状態で様々なことを迅速に行うことができる。特に、ブックスタンド部2に対して、キャスタ3…及びハンドル部6を付設したため、手が届く位置にあれば、多機能ブックスタンド1を容易に移動できるとともに、その向きを変えることができる。この結果、足腰の衰えなどから立ち上がったり座ったりすることが容易でない一人暮らしのお年寄りの負担を大きく軽減できるとともに、必要なタイミングを逃してしまう不具合を解消できるなど、日常生活の利便性及び快適性を飛躍的に高めることができる。
【0014】
(2) ハンドル部6には、ハンドル本体部6mの少なくとも一部6fを、ブックスタンド部2の前方Ffにおける書籍類B…の出入空間Sに位置させることにより、ブックスタンド部2に収納された書籍類B…の変位を規制するセット位置Xs又は出入空間Sを開放するリリース位置Xrに、選択的に変位可能な可動支持機構部11を設けたため、ハンドル本体部6mの少なくとも一部6fの位置を変更できる。これにより、セット位置Xs
に変位させることにより、ブックスタンド部2からの書籍類B…の抜け落ちを防止できるとともに、リリース位置Xrに変位させることにより、ブックスタンド部2に対する書籍類B…の出し入れを容易に行うことができる。
【0015】
(3) 好適な態様により、ハンドル部6を、ブックスタンド部2の前方Ff,後方Fr,右方Fp及び左方Fqに配するようにすれば、多機能ブックスタンド1が様々な向き及び位置にあっても、ハンドル部6を確実に操作できるため、多機能ブックスタンド1を、希望する向き及び位置へ容易に変えることができるなど、更なる利便性,快適性及び使い勝手の向上に寄与できる。
【0016】
(4) 好適な態様により、ブックスタンド部2に、少なくともテレビリモコンRa及び/又は電話機類Rbを収納可能に構成した第三補助収納部12を付設すれば、第三補助収納部12を、いわばリモコンラックとして利用できるため、座ったままの状態でテレビリモコンRaの各種操作を行うことができるとともに、電話機類Rbを使用することができる。
【0017】
(5) 好適な態様により、ブックスタンド部2に、少なくとも枕Mを収納可能に構成した収納ケース13bを有する第四補助収納部13を付設すれば、座ったままの状態で枕Mを取出したり収納することができるため、例えば、疲れて横になりたい場合であっても、座ったままの状態から枕Mを利用して休むことができる。
【0018】
(6) 好適な態様により、第四補助収納部13を構成するに際し、収納ケース13bの上方に、肘掛けとして機能をさせる肘掛部14を設ければ、当該肘掛部14をそのまま肘掛けとして使用できるため、例えば、楽な姿勢になりたい場合であっても、座ったままの状態で速やかに肘掛部14を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好適実施形態に係る多機能ブックスタンドの断面側面図、
【図2】同多機能ブックスタンドの外観平面図、
【図3】同多機能ブックスタンドの外観正面図、
【図4】同多機能ブックスタンドの外観側面図、
【図5】同多機能ブックスタンドに備えるブックスタンド部の使用説明図、
【図6】同多機能ブックスタンドに備える第一補助収納部及び第二補助収納部の使用説明図、
【図7】同多機能ブックスタンドに備える第三補助収納部の使用説明図、
【図8】同多機能ブックスタンドに備える第四補助収納部の使用説明図、
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
まず、本実施形態に係る多機能ブックスタンド1の構成について、図1〜図8を参照して具体的に説明する。
【0022】
多機能ブックスタンド1は、図1及び図2に示すように、大別して、ブックスタンド部2,四つ(一般的には複数)のキャスタ3…,二つの第一補助収納部4a…,第二補助収納部5,第三補助収納部12,第四補助収納部13及びハンドル部6により構成する。特に、本実施形態に係る多機能ブックスタンド1は、一定の厚さを有する、例えば、木製平板を組合わせることにより容易に製作することができる。
【0023】
ブックスタンド部2は、平面視を、矩形状に形成した台板2sと、この台板2sの左右両側に起立した一対の袖板22p,22qと、この一対の袖板22pと22q間であって、台板2sの上面における前後方向中間位置の後方寄りに配し、かつ台板2sの上面から上方に起立した背板22rと、一対の袖板22pと22q間に配した中間板22mを備える。これにより、ブックスタンド部2には、一又は二以上の書籍類B…(図5参照)を起立させた状態で収納可能になる。
【0024】
二つの第一補助収納部4a,4bは、図1及び図3に示すように、ブックスタンド部2の台板2sの下方に付設する。具体的には、図3に示すように、左側に配した一方の袖板22qの下端を、ブックスタンド部2における台板2sから下方へ所定長さだけ延出形成するとともに、台板2sの右端を他方の袖板22pから右方へ所定長さだけ延出形成する。また、この袖板22qの右端には、後述する第三補助収納部12を構成する側板25における上下方向中間位置を取付け、当該側板25の下端は、上述した袖板22qの下端の高さ位置に一致させる。さらに、図1に示すように、背板22rの下端は、台板2sから下方へ所定長さだけ延出形成する。これにより、台板2sの下方には、下面部及び前面部が開放された空間が形成されるため、当該下面部を矩形状の基板26により覆う。即ち、矩形状の基板26を、袖板22qの下端辺,側板25の下端辺及び背板22rの下端辺に固定する。なお、この場合、基板26の後端は、背板22rから後方へ所定長さだけ延出形成し、後述する第四補助収納部13を支持する支持板部31として用いる。
【0025】
また、図3に示すように、台板2sの下面と基板26の上面間であって左右方向の中間位置には仕切板27を固定する。この中間位置は、中央位置でもよいし、左方又は右方に片寄った位置でもよい。例示は、稍左方に片寄らせている。そして、仕切板27の左方に位置する空間に、トレイ状の引出部28aを前側から挿入するとともに、仕切板27の右方に位置する空間に、トレイ状の引出部28bを前側から挿入する。これにより、引出部28aを前側へ出し入れ可能になる一方の第一補助収納部4aが構成されるとともに、引出部28bを前側へ出し入れ可能になる他方の第一補助収納部4bが構成される。なお、29a,29bは、引出部28a,28bの前板部に設けた取手部を示す。
【0026】
第二補助収納部5は、図1及び図2に示すように、ブックスタンド部2の背板22rの後方に付設する。具体的には、図1に示すように、台板2sの後端に、矩形状に形成した後板32の上下方向の中間位置を固定する。また、袖板22pの後端,袖板22qの後端及び側板25の後端を、後板32の前面に固定する。これにより、台板2sの上面上には、背板22r,後板32,袖板22p及び袖板22qにより囲まれ、かつ上方に開口した状差し状の第二補助収納部5が構成される。
【0027】
第三補助収納部12は、図1及び図2に示すように、ブックスタンド部2における右側の袖板22qの側方に付設する。具体的には、図2に示すように、袖板22qと側板25間に、複数の仕切メンバp…を架設することにより、上方に開口した前収容部35を前側に設けるとともに、上方に開口した後収容部36を後側に設ける。なお、後収容部36の高さ位置は、前収容部35の高さ位置よりも高く設定することが望ましい。
【0028】
第四補助収納部13は、図1及び図2に示すように、第一補助収納部4a…,第二補助収納部5及び第三補助収納部12の後方に付設する。したがって、第一補助収納部4a…,第二補助収納部5及び第三補助収納部12は、多機能ブックスタンド1の前半部分を構成するとともに、第四補助収納部13は、多機能ブックスタンド1の後半部分を構成する。この第四補助収納部13を設けるに際しては、前述したように、基板26の後端を、後板32の後方へ所定長さだけ延出することにより支持板部31とし、この支持板部31の上面に、上方に開口した収納ケース13bを固定する。この収納ケース13bは、枕M(図1参照)を収納可能な寸法及び容積を選定する。例示は、ゴロ寝枕を収容できる寸法及び容積に設定した。
【0029】
また、収納ケース13bの上面開口には、ヒンジ部13hを介してケースカバー13cを付設する。これにより、収納ケース13bの開口はケースカバー13cにより開閉可能となる。そして、ケースカバー13cの上面には、ゴム素材,柔軟性樹脂素材或いは綿等の繊維素材などにより形成したパッド体13pを固定する。したがって、収納ケース13bの上方には、肘掛けとして機能する肘掛部14が設けられる。
【0030】
四つのキャスタ3…は、ブックスタンド部2の下方、即ち、基板26の下面における四隅近傍にそれぞれ取付ける。これにより、ブックスタンド部2は、キャスタ3…により移動自在となる。また、キャスタ3…の少なくとも一つ、望ましくは二つには、図1に示すストッパ部38…を付設する。このストッパ部38…は、外部に突出した操作レバー38h…を備え、この操作レバー38h…を押し下げ操作することにより、内蔵したストッパ爪38s…がキャスタ3…に係止してキャスタ3…の回動を阻止(ロック)するとともに、操作レバー38h…を押し上げ操作することにより、ストッパ爪38s…をリリースしてキャスタ3…に対する回動阻止(ロック)を解除することができる。
【0031】
ハンドル部6は、ブックスタンド部2における左右の袖板22p,22qの所定位置に設けた一対のハンドル支持部11p,11qと、このハンドル支持部11p,11qにより支持されるハンドル本体部6mを備える。したがって、一対のハンドル支持部11p,11qは、可動支持機構部11を構成する。また、ハンドル本体部6mは、後側に位置するコの字形に折曲形成した後ハンドル6mrと前側に位置するコの字形に折曲形成した前ハンドル6mfを備える。前ハンドル6mfと後ハンドル6mrは、それぞれ金属パイプ又は樹脂素材等を用いることにより利用者が手で把持可能に形成する。そして、後ハンドル6mrの前端に位置する両端部は、ハンドル支持部41p,41qに対して水平状態に固定するとともに、前ハンドル6mfの後端に位置する両端部は、ハンドル支持部41p,41qにより回動可能に支持されるように取付ける。これにより、図2に示すように、ハンドル部6は、ブックスタンド部2の前方Ff,後方Fr,右方Fp及び左方Fqに配されることになる。
【0032】
この場合、ハンドル本体部6mの一部6fとなる前ハンドル6mfは、可動支持機構部11により、図1に水平状態となるセット位置Xs,又は、図5に示すように、上方へ回動変位させたリリース位置Xrへ、選択的に変位させることができる。なお、セット位置Xs及びリリース位置Xrでは、それぞれクリック方式等により停止可能に構成することが望ましい。これにより、前ハンドル6mfをセット位置Xsへ変位させれば、ブックスタンド部2の前方Ffにおける書籍類B…の出入空間Sに位置させることができるとともに、リリース位置Xrへ変位させれば、出入空間Sを開放することができる。
【0033】
次に、本実施形態に係る多機能ブックスタンド1における各部の機能について、図5〜図8を参照して説明する。
【0034】
まず、ブックスタンド部2は、図5に示すように、辞典Bs…等を含む一又は二以上の書籍類B…を、台板2sの上面に、起立させた状態で載置することができる。したがって、ブックスタンド部2は、一般的なブックスタンド(本立)と同様に、書籍類B…を整理保管することができる。この場合、前ハンドル6mfは、セット位置Xs又はリリース位置Xrに変位させることができるため、ブックスタンド部2に対して、書籍類B…を出し入れする際には、前ハンドル6mfを手で上方へ回動変位させ、リリース位置Xrに切換えるとともに、書籍類B…を、ブックスタンド部2に収納した後は、前ハンドル6mfを下方へ回動変位させ、セット位置Xsに切換えればよい。これにより、前ハンドル6mfがリリース位置Xrにあれば、ブックスタンド部2の前方における出入空間Sが開放されるため、ブックスタンド部2に対する書籍類B…の出し入れを容易に行うことができるとともに、前ハンドル6mfがセット位置Xsにあれば、書籍類B…の出入空間Sに位置し、ブックスタンド部2に収納された書籍類B…の変位を規制するため、ブックスタンド部2からの書籍類B…の抜け落ちを防止できる。
【0035】
また、ハンドル部6(ハンドル本体部6m)は、ブックスタンド部2の前方Ff,後方Fr,右方Fp及び左方Fqに配されるため、多機能ブックスタンド1が様々な向き及び位置にあっても、手が届く位置にあれば、ハンドル部6を利用して、容易かつ確実に移動できるとともに、その向きを変えることができるなど、更なる利便性,快適性及び使い勝手の向上に寄与できる利点がある。特に、四つのキャスタ3…を設けたため、例えば、ブックスタンド部2に、大辞林等の比較的重い辞典類を収納した場合であっても、多機能ブックスタンド1を比較的軽い力で容易に移動させることができる。
【0036】
一方、第一補助収納部4a,4bは、引出部28a,28b備えるため、一方の引出部28aは、一般的な引出しと同様に、引出部28aの前板部に設けた取手部29aを手で持ち、図6に示すように、前方へ引出すことにより、引出部28a内に、例えば、メガネGa,筆記具Gb…などの小物類G…をはじめ、常備薬や絆創膏等の医薬品を収容できる。他方、引出した引出部28aは、元の位置に押込み、格納することができる。なお、一方の引出部28a(第一補助収納部4a)の機能について説明したが、他方の引出部28b(第一補助収納部4b)も同様に機能させることができる。
【0037】
さらに、第二補助収納部5は、図6に示すように、ブックスタンド部2の背面に、上方に開口した状差し状に構成されるため、ノートPn等の用紙類P…を収納する用紙入れとして機能させることができる。
【0038】
他方、第三補助収納部12は、図7に示すように、上方に開口した前収容部35と後収容部36を備えるため、例示のように、前収容部35には、上方からテレビリモコンRaを収容して背面側に立て掛けることができるとともに、後収容部36には、上方から電話機類Rb、具体的には、電話機の子機Rbを収容して背面側に立て掛けることができる。このように、ブックスタンド部2に、テレビリモコンRa及び/又は電話機類Rbを収納可能に構成した第三補助収納部12を付設するようにすれば、第三補助収納部12を、いわばリモコンラックとして利用できるため、座ったままの状態でテレビリモコンRaの各種操作を行うことができるとともに、電話機類Rbを使用できる利点がある。
【0039】
また、第四補助収納部13は、少なくとも枕Mを収納可能に構成した収納ケース13bを備えるため、図8に示すように、ケースカバー13cをヒンジ部13hを支点に上方へ回動変位させ、収納ケース13bの開口を開放すれば、収納ケース13b内へ枕Mを収容し、又は収納ケース13bから枕Mを取り出すことができる。したがって、座ったままの状態で枕Mを取出したり収納できるため、例えば、疲れて横になりたい場合であっても、座ったままの状態から枕Mを利用して休むことができる。例示の枕Mは、ゴロ寝枕のため、そのままゴロ寝することができる。
【0040】
さらに、ケースカバー13cを下方へ回動変位させ、収納ケース13bの開口を閉じれば、図4に示すように、ケースカバー13cを水平にできるとともに、このケースカバー13cの上面は、パッド体13pを固定することにより肘掛部14として構成したため、当該肘掛部14をそのまま肘掛けとして機能させることができる。したがって、例えば、楽な姿勢になりたい場合であっても、座ったままの状態で速やかに肘掛部14を使用することができる。
【0041】
次に、本実施形態に係る多機能ブックスタンド1の使用方法について、図1〜図8を参照して説明する。
【0042】
今、一例として、お年寄りが茶の間の座椅子に座り又はコタツに入るなどにより座った状態にあり、この状態でテレビを視聴している場合を想定する。この場合、お年寄りの近くに、本実施形態に係る多機能ブックスタンド1を置いて使用することができる。
【0043】
例えば、テレビを見たい場合には、第三補助収納部12に収納したテレビリモコンRaを取り出し、電源スイッチのON/OFF,テレビチャンネルの切換等の必要な操作を行うことができる。
【0044】
一方、テレビの視聴中に、何か判らない言葉が出てきた場合、ブックスタンド部2に収納した辞典Bs等を取り出し、迅速に調べることができるとともに、必要により、第一補助収納部4a…からメガネGa(小物類G)を取り出して使用することができる。また、レシピ等の覚えておきたい内容が出てきた場合には、第二補助収納部5に収納したノートPnを取り出すとともに、第一補助収納部4a…から筆記具Gb(小物類G)を取り出し、必要なメモを取ることができる。
【0045】
さらに、テレビの視聴中に、電話がかかってきた場合には、第三補助収納部12に収納した電話機の子機Rbを速やかに取り出すことができる。特に、特殊詐欺等に関係する電話等であっても、慌てることなく、落ち着いて、かつ慎重に応対することができる。
【0046】
他方、疲れたため、楽な姿勢になりたい場合には、第四補助収納部13に付設した肘掛部14を利用、即ち、閉じた位置のケースカバー13cの上面にあるパッド体13pに肘を置き、楽な姿勢を取ることができる。この場合、通常は、ブックスタンド部2が前側に位置しているため、肘掛部14を利用する場合には、ハンドル部6を用いて多機能ブックスタンド1を回すとともに、適切な使用ポジションまで引き寄せて利用することができる。この際、多機能ブックスタンド1は、四つのキャスタ3…により支持されるため、容易に回したり移動させることができる。また、適切な使用ポジションに位置させた後は、図4に示すように、ストッパ部38…における操作レバー38h…を下方へ操作する。これにより、内蔵したストッパ爪38s…がキャスタ3…に係止してキャスタ3…の回動を阻止(ロック)することにより、使用ポジションに停止させることができ、安定に使用することができる。
【0047】
さらに、疲れにより、横になって休みたい場合には、座ったままの状態で、図8に示すように、ケースカバー13cを上方へ回動変位させることにより、収納ケース13bの開口を開放することができるため、収納ケース13bから、内部に収納した枕(ゴロ寝枕)Mを取り出し、そのままゴロ寝することができる。
【0048】
このように、本実施形態に係る多機能ブックスタンド1によれば、基本構成として、ブックスタンド部2の下方に配して当該ブックスタンド部2を移動自在に支持する複数のキャスタ3…と、ブックスタンド部2の台板2sの下面に付設することにより小物類G…を収納可能な引出しにより構成した一又は二以上の第一補助収納部4a,4bと、ブックスタンド部2に付設することにより用紙類P…を収納可能な用紙入れとして構成した第二補助収納部5と、ブックスタンド部2に付設することにより手で把持可能に構成したハンドル部6とを備えてなるため、基本形態のブックスタンドをベースにして各種機能を付加して全体の機能性及び多様性を高めることができる。
【0049】
例えば、お年寄りが茶の間で座ってテレビを見ていた際に、番組内で使用された言葉の意味が分からず、辞典や書籍を見て確認したい場合、或いは料理番組を見ていた際に料理のレシピ等をメモしたい場合など、立ち上がる必要が生じた場合であっても、座ったままの状態で様々なことを迅速に行うことができる。特に、ブックスタンド部2に対して、キャスタ3…及びハンドル部6を付設したため、手が届く位置にあれば、多機能ブックスタンド1を容易に移動できるとともに、その向きを変えることができる。この結果、足腰の衰えなどから立ち上がったり座ったりすることが容易でない一人暮らしのお年寄りの負担を大きく軽減できるとともに、必要なタイミングを逃してしまう不具合を解消できるなど、日常生活の利便性及び快適性を飛躍的に高めることができる。
【0050】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0051】
例えば、書籍類B…,小物類G…,用紙類P…,Ra:テレビリモコン,Rb:電話機類,M:枕などは、これらを最低限収納できることを意味するものであり、限定的に例示したものではない。また、二つの第一補助収納部4a,4bを例示したが、その他、一つの第一補助収納部4aのみであってもよいし、三つ以上の第一補助収納部4a,4b…であってもよい。実施形態のハンドル部6は、一例であり、その形態や数量、更には取付位置などは任意に選定可能である。一方、使用素材は、木製平板が望ましいが、素材は限定されるものではなく、プラスチック等の各種素材を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、書籍類を収納可能なブックスタンド部を基本形態として、お年寄り等が座った状態で様々なことができる多機能ブックスタンドとして利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1:多機能ブックスタンド,2:ブックスタンド部,2s:ブックスタンド部の台板,
3…:キャスタ,4a:第一補助収納部,4b:第一補助収納部,5:第二補助収納部,6:ハンドル部,6m:ハンドル本体部,6f:ハンドル本体部の一部,11:可動支持機構部,12:第三補助収納部,13:第四補助収納部,13b:収納ケース,14:肘掛部,B…:書籍類,G…:小物類,P…:用紙類,Ff:ブックスタンド部の前方,Fr:ブックスタンド部の後方,Fp:ブックスタンド部の右方,Fq:ブックスタンド部の左方,S:出入空間,Xs:セット位置,Xr:リリース位置,Ra:テレビリモコン,Rb:電話機類,M:枕
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
【図8】
図8 
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