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事務用品
 
【考案の名称】穴あけ綴じ具
【実用新案権者】
【識別番号】306020829
【氏名又は名称】小田 昇明
【住所又は居所】茨城県水戸市見和1−345−43
【考案者】
【氏名】小田 昇明
【住所又は居所】茨城県水戸市見和1−345−43
【要約】
【課題】
穴あけ位置に対し綴じ位置が異なる場合でも切換え作業が簡単にでき、サイズの異なる用紙でも所望の位置で穴あけと紙綴じを同時にまたは選択的に効率良く行うことができる穴あけ綴じ具を提供する。
【解決手段】
基台B両側端に立設した一対のガイド板2a,2bには作動杆4の両端が上下方向に案内支持され、基台Bの中央の穴あけ具Pないし穴あけ具P両側の一対の紙綴じ具S1,S2の各操作レバー6a,6bには、作動杆4を選択的に把持する把持具10a,10bが設けられ、且つ一対の紙綴じ具10a,10bは、基台Bの中心Oに設けた相対移動機構Mにより相対的に移動可能とされて、それらの移動位置は位置決め手段Rにより位置決めされるよう構成され、各把持具8,10a,10bの選択的に開閉操作して作動杆4を上下に揺動操作することで、各穴あけ具P及び幅方向に位置決めされた紙綴じ具S1,S2を同時または個別に操作可能とされる。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
基台上面に位置決めされた用紙の所定位置に穴あけと紙綴じを、同時にまたは選択的に行うようにした穴あけ綴じ具において、
上記基台は、平板矩形状の筐体で構成されて、その上面には幅方向中央に穴あけ具が載置されると共に前記穴あけ具の両側には一対の紙綴じ具がそれぞれ載置されて成り、
前記基台両側端に立設した対向する一対のガイド板には、横長作動杆の両端が上下方向に案内支持されるとともに前記穴あけ具ないし一対の紙綴じ具の各操作レバーには、前記作動杆を選択的に把持すべく開閉可能な把持具が設けられ、且つ前記一対の紙綴じ具は、前記基台の幅方向中心に設けた相対移動機構により前記中心に対し相反する方向に移動可能とされるとともに、それらの移動位置は位置決め手段によりロック又はロック解除されるよう構成され、
前記各操作レバーの把持具を選択的に開閉操作して前記作動杆との係脱を行い、前記作動杆を上下に揺動操作することで前記各穴あけ具及び幅方向に位置決めされた紙綴じ具を同時に、または個別に操作可能とされるようにしたことを特徴とする穴あけ綴じ具。
【請求項2】
前記相対移動機構は、前記基台内部にあって、該基台の前方中央に回転自在に軸支されたピニオンギヤと、該ピニオンギヤを挟む前後外周に噛合して互いに反対方向に平行移動する一対のラックギヤとから成り、前記一対のラックギヤにはそれぞれ前記各紙綴じ具が止着されていることを特徴とする請求項1に記載の穴あけ綴じ具。
【請求項3】
前記位置決め手段は、少なくとも一方の前記ラックギヤには、前記ピニオンギヤと噛合する面の背面側にも噛合い歯が形成され、該背面側の噛合い歯に係合離脱可能な係合部材と、該係合部材を前記噛合い歯に対し弾力的に押圧付勢する押圧手段と、該押圧手段の付勢力に抗して前記係合部材を前後に揺動操作して前記噛合い歯との係合を解除すべく前記基台上面に設けた操作レバーとから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の穴あけ綴じ具。
【請求項4】
前記位置決め手段は、少なくとも一方の前記ラックギヤの上面を押圧手段により弾力的に押圧する押圧部材と、該押圧部材を押圧付勢力に抗して上方に移動し前記ラックギヤの上面から離反すべく前記基台上面に設けた操作レバーとから構成されることを特徴とする請求項1に記載の穴あけ綴じ具。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、基台上面に位置決めされた用紙の所定位置に穴あけと紙綴じを、同時にまたは選択的に行うようにした穴あけ綴じ具に関する。
【背景技術】
従来より、1台の穴あけ綴じ具で多数枚の用紙の穴あけ又は紙綴じ作業をそれぞれ独立して行うことができ、さらに単一の紙置台上で穴あけを行った用紙にそのままの状態で紙綴じを行うことができるようにした穴あけ綴じ具が知られてい
る(特許文献1参照)。
この種の穴あけ綴じ具は、紙置き台上には、押し下げ動作により一対のパンチ刃を対応するパンチ穴に対し上下動させて用紙の穴あけを行う穴あけ用ハンドルが回動自在に枢設されると共に、前記紙置き台中央の前方を延長した基台上には、紙綴じを行うベースフレームが固設されて該ベースフレームの前端上部には紙綴じ用ハンドルの先端が枢軸に回動自在に枢設されており、この紙綴じ用ハンドルは、穴あけ用ハンドルの上方へ立ち上げた上端から前方傾斜方向へ伸長するように構成されている。
そして、前記穴あけ綴じ具は、比較的多数枚の用紙の穴あけを行う機構と、紙綴じを行う機構とを単一の紙置き台に一体的に構成してあるため、1台で用紙の穴あけと紙綴じとを独立して、且つ併用して行うことができるようになっており、併用して行う場合は、穴あけ用ハンドルと紙綴じ用ハンドルを同時に作用させることで一対のパンチ刃の中央に紙綴じの綴針が配置されるようになっている。
【特許文献1】
特開2005−14158号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の穴あけ綴じ具は、穴あけを行う機構と、紙綴じを行う機構が所定の配置で単一の紙置き台に一体的に固設された構成となっているため、上記のように併用して行う場合は、一対のパンチ刃の中央に紙綴じの綴針が配置されることとなり、用紙の穴あけ位置に対し紙綴じ位置を変えたい場合は、用紙を所望の位置に移動させて個別にハンドル操作を行う必要があり、用紙のサイズが異なる場合などの位置決めが困難で、操作性が悪くなり多量の用紙を扱う場合には作業効率が低下する問題を有していた。
本考案は、このような問題点に着目してなされたもので、穴あけ位置に対し綴じ位置が異なる場合でも切換え作業が簡単にでき、サイズの異なる用紙でも所望の位置で穴あけと紙綴じを同時にまたは選択的に効率良く行うことができる穴あけ綴じ具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の請求項1に記載の穴あけ綴じ具は、基台上面に位置決めされた用紙の所定位置に穴あけと紙綴じを、同時にまたは選択的に行うようにした穴あけ綴じ具において、上記基台は、平板矩形状の筐体で構成されて、前記基台上面には幅方向中央に穴あけ具が載置されると共に前記穴あけ具の両側には一対の紙綴じ具がそれぞれ載置されて成り、前記基台両側端に立設した対向する一対のガイド板には、横長作動杆の両端が上下方向に案内支持されるとともに前記穴あけ具ないし一対の紙綴じ具の各操作レバーには、前記作動杆を選択的に把持すべく開閉可能な把持具が設けられ、且つ前記一対の紙綴じ具は、前記基台の幅方向中心に設けた相対移動機構により前記中心に対し相反する方向に移動可能とされるとともに、それらの移動位置は位置決め手段によりロック又はロック解除されるよう構成され、前記各操作レバーの把持具を選択的に開閉操作して前記作動杆との係脱を行い、前記作動杆を上下に揺動操作することで前記各穴あけ具及び幅方向に位置決めされた紙綴じ具を同時に、または個別に操作可能とされるようにしたことを特徴とする穴あけ綴じ具である。
上記の穴あけ綴じ具によれば、一対の紙綴じ具は、相対移動機構により基台の幅方向中心に対し相反する方向に移動可能とされるとともに、それらの移動位置は位置決め手段によりロック又はロック解除され、且つ前記紙綴じ具と穴あけ具の各操作レバーは、把持具の選択的な開閉操作により作動杆を介して同時にまたは単独で操作することができる。
本考案の請求項2に記載の穴あけ綴じ具は、前記相対移動機構が、前記基台内部にあって、該基台の前方中央に回転自在に軸支されたピニオンギヤと、該ピニオンギヤを挟む前後外周に噛合して互いに反対方向に平行移動する一対のラックギヤとから成り、前記一対のラックギヤにはそれぞれ前記各紙綴じ具が止着されていることを特徴とする穴あけ綴じ具である。
上記の穴あけ綴じ具によれば、ピニオンギヤを挟む前後外周に一対のラックギヤが噛合しているので、一対の紙綴じ具は基台の幅方向中心に対し相反する方向に平行移動する。
本考案の請求項3に記載の穴あけ綴じ具は、前記位置決め手段が、少なくとも一方の前記ラックギヤには、前記ピニオンギヤと噛合する面の背面側にも噛合い歯が形成され、該背面側の噛合い歯に係合離脱可能な係合部材と、該係合部材を前記噛合い歯に対し弾力的に押圧付勢する押圧手段と、該押圧手段の付勢力に抗して前記係合部材を前後に揺動操作して前記噛合い歯との係合を解除すべく前記基台上面に設けた操作レバーとから構成されていることを特徴とする穴あけ綴じ具である。
上記の穴あけ綴じ具によれば、押圧手段の付勢力に抗した操作レバーの押圧操作により係合部材から解除された一方のラックギヤは、所定量移動した状態で前記操作レバーの操作を解放することにより押圧手段を介して前記係合部材が背面側の噛合い歯に弾力的に係合する。
本考案の請求項4に記載の穴あけ綴じ具は、前記位置決め手段が、少なくとも一方の前記ラックギヤの上面を押圧手段により弾力的に押圧する押圧部材と、該押圧部材を押圧付勢力に抗して上方に移動し前記ラックギヤの上面から離反すべく前記基台上面に設けた操作レバーとから構成されることを特徴とする穴あけ綴じ具である。
上記の穴あけ綴じ具によれば、操作レバーの解除操作により押圧付勢力に抗して押圧部材を一方のラックギヤの上面から離反させて所定量移動した一方のラックギヤは、操作レバーの操作を解放することにより前記一方のラックギヤの上面は押圧部材により前記押圧手段の押圧付勢力を介して弾力的に押圧される。
【考案の効果】
本考案は以下の効果を奏する。
請求項1に記載の考案によれば、相対移動機構により一対の紙綴じ具が基台の幅方向中心に対し相反する方向に移動可能とされるとともに、それらの移動位置は位置決め手段により位置決めされ、且つ前記紙綴じ具と穴あけ具の各操作レバーが把持具の選択的な開閉操作により作動杆を介して同時にまたは単独で操作されるので、サイズの異なる用紙でも各種パターンの配置で穴あけ及び/又は紙綴じを同時にまたは単独で効率良く行うことができる。
請求項2に記載の考案によれば、一方の紙綴じ具を所定位置に移動することで、他方の紙綴じ具も同時に前記基台の幅方向中心に対し相反する方向に平行移動し、対称位置に正確に位置決めすることができる。
請求項3に記載の考案によれば、所定量移動した一方のラックギヤは、背面側の噛合い歯に係合部材が弾力的に係合するので、相反する方向に平行移動した一対の綴じ具は位置決めされ、その状態を確実に保持することができる。
請求項4に記載の考案によれば、所定量移動した一方のラックギヤは、操作レバーの操作により一方のラックギヤの上面が押圧部材により弾力的に押圧付勢されるようになっているので、簡単な構成で相反する方向に平行移動した一対の綴じ具を容易に位置決めすることができる。
【考案を実施するための最良の形態】
以下に本考案による実施例を示す。
図1には、穴あけ綴じ具1が示されている。図1は、本考案の実施例に係る穴あけ綴じ具の全体斜視図、図2は本考案の実施例に係る穴あけ綴じ具の分解斜視図、図3は穴あけ綴じ具の相対移動機構を示す基台の部分断面斜視図、図4は穴あけ綴じ具の位置決め手段を示す断面図である。
図1において、穴あけ綴じ具1は、基台B上面に位置決めされた用紙の所定位置に穴あけと紙綴じを、同時にまたは選択的に行うようにしたものであって、上記基台Bは、平板矩形状の筐体で構成されて基台Bの上面には幅方向中央に穴あけ具Pが載置されると共に前記穴あけ具Pの両側には一対の紙綴じ具S1,S2がそれぞれ載置されている。
前記基台Bの両側端に立設した対向する一対のガイド板2a,2bには、丸棒状の横長作動杆4の両端が上下方向に案内支持されるとともに前記穴あけ具Pの操作レバー5には、前記作動杆4を選択的に把持すべく開閉可能な把持具8が設けられ、一対の紙綴じ具S1,S2の各操作レバー6a,6bのそれぞれには、前記作動杆4を選択的に把持すべく開閉可能な把持具10a,10bが設けられている。
詳しくは、前記一対のガイド板2a,2bには、前記紙綴じ具S1,S2の各操作レバー6a,6bの回動半径と同一半径となる円弧長孔18a,18bが形成されており、これら円弧長孔18a,18bに挿通した一対のガイド板2a,2b外側に位置する作動杆4両端の係止溝(不図示)には、止め具としてCリングが係止されていて前記作動杆4の離脱を防止している。
前記一対の紙綴じ具S1,S2は、前記基台Bの幅方向中心Oに設けた後述する相対移動機構M(図3参照)により前記中心Oに対し相反する方向に移動可能とされるとともに、それらの移動位置は後述する位置決め手段R(図4参照)によりロック又はロック解除されるよう構成されている。
前記基台Bは、図2、図3に示すように矩形状底板12の前端ないし両側端の周縁に立設した所定高さの板状フレームF1,F2,F3と、前記底板12の中間を空けて左右に離間した領域に配設された紙綴じ具支持台14a,14bと、それらの中間の空間領域となす底板12の前方(図中左側)に配設され前記板状フレームF1と同一高さの矩形状立方体の蓋体15と、前記各紙綴じ具支持台14a,14b後方領域(図中右側)の底板12上に配設され前記板状フレームF2,F3と同一高さとなる一対の横長立方体状に形成される用紙載置台16a,16bとから構成されている。
図3、図4に示すように、前記蓋体15の略中央内部には、前記相対移動機構Mが配設されており、この相対移動機構Mは、前記底板12の上面に立設した支持軸42に回転自在に軸支されたピニオンギヤPGと、このピニオンギヤPGを挟む前後外周に噛合して互いに反対方向に平行移動する一対のラックギヤRG1,RG2とから構成されており、これら一対のラックギヤRG1,RG2は底板12上面のガイドレール43上に摺動可能に案内支持されると共に前記各ラックギヤRG1,RG2の上面には、前記ピニオンギヤPGを中心とする対称位置にスペーサブロック38a,38bが固定され、これらスペーサブロック38a,38bは前記一対の紙綴じ具S1,S2前方に止着されている。
また、一対の紙綴じ具S1,S2の後方にもスペーサブロック40a,40bが止着されており、前方のスペーサブロック38a,38bは、左右の紙綴じ具支持台14a,14bのそれぞれ異なる位相に前記各ラックギヤRG1,RG2に対応して形成された一対の横長ガイド孔26a,26bに案内可能に挿嵌しており、後方のスペーサブロック40a,40bは、前記紙綴じ具支持台14a,14b後方の左右に同一軸線上に形成された一対の横長ガイド孔28に案内可能に挿嵌しており、これによって、紙綴じ具支持台14a,14b上に載置された一対の紙綴じ具S1,S2は、前記ピニオンギヤPGを中心として接近、離間可能に円滑に平行移動できるようになっている。
前記位置決め手段Rは、前記蓋体15前方上面の略中央部位に配置されており、L字型に折曲された垂直な操作部44aと水平な係止部44bとから成る操作レバー44と、前記操作レバー44の折曲部内側に固着されてその両端が前記蓋体15上面に設けられた一対のブラケット45に揺動自在に支持された支軸46と、この支軸46の左右に巻回されて一端を前記蓋体15上面に当接すると共に他端を水平な係止部44b上面を押圧する付勢力に抗して弾力的に係止し前記操作レバー44を時計回りに押圧付勢するコイルばね48と、水平な係止部44bの先端に形成された切欠き溝52に、上端のフランジ50aが係止された状態で挿通支持されて前記一方のラックギヤRG2上面を押圧する位置決めピン50と、この位置決めピン50を上下に移動可能に挿通支持すべく前記蓋体15に装着したガイドブッシュ54と位置決めピン50の下端に装着した押圧部材50bとの間に圧縮状態で介装された圧縮ばねSPとから構成されている。従って、一対の紙綴じ具S1,S2を位置決めする際は、前記操作部44aを前記コイルばね48の付勢力に抗して前方に揺動操作することでラックギヤRG2上面が押圧部材50bの押圧力から開放され、前記操作部44aを押圧したまま一対の紙綴じ具S1,S2を所望の間隔になるまで相対移動した状態で、前記操作部44aを離すとコイルばね48の付勢力により前記一方のラックギヤRG2上面が押圧されるので一対の紙綴じ具S1,S2は正確に位置決めされる。尚、ラックギヤRG2上面は平坦な面で形成されているが、位置決め位置に押圧部材50bを挿嵌するための凹溝を、使用される各種用紙のサイズに合わせて所定間隔毎に形成しても良い。
なお、前述した位置決め手段Rは、ラックギヤRG2上面を弾力的に押圧して位置決めした例に付き説明したが、この構成に限定されるものではない。すなわち、前記ピニオンギヤPGと噛合する噛合い歯と反対側の面にも図示しない同じ噛合い歯を形成し、この背面側の噛合い歯に、操作レバーを前後に揺動操作して係合部材を係合離脱可能に設けても良い。この操作レバーは、前記蓋体15前方上面の略中央部位に配置されており、前記ラックギヤRG2の背面側に形成された噛合い歯に対し前記係合部材を弾力的に押圧付勢する押圧手段(ばね部材など)と、この押圧手段(ばね部材など)の付勢力によって係合部材が前記噛合い歯に対し弾力的に係合するようになっており、前記操作レバーを押圧手段の付勢力に抗して例えば前方に揺動させることで係合部材が前記噛合い歯から離脱するようになっている。
左方の紙綴じ具支持台14a上面に形成された横長ガイド孔28の後方には中央の空間側領域から短いガイド孔30が形成されると共に、同じく右方の紙綴じ具支持台14b上面にも同一軸線上に長いガイド孔30が形成されている。これら左右のガイド孔30によって、底板12上の前記空間側領域に装着した穴あけ具Pの用紙のサイズ別側端縁を位置決めするために横移動可能なガイドアーム32を案内している。なお、穴あけ具Pの内部には打抜き片を収容する容器22が内装されていて手前側から引出せるようになっている。
次に、一対の紙綴じ具S1,S2の把持具10a,10b、並びに穴あけ具Pの把持具8に付き、図1及び図5、図6を参照して説明する。図5は綴じ具における操作レバーの把持具の操作説明図、図6は穴あけ具における操作レバーの把持具の操作説明図である。
図1において、紙綴じ具S1,S2は、その各操作レバー6a,6bの先端部にそれぞれ把持具10a,10bが設けられており、これら把持具10a,10bは、図5に示すように先端部が下顎部55aと上顎部55bとに上下に分割されていて下顎部55aの後端は、上顎部55bの後方にヒンジ56を介して上下に揺動可能に支持されている。
下顎部55aと上顎部55bには、それぞれ対向する把持面が形成されていて
何れか一方の把持面には弾性変形可能なゴム状または樹脂製の板状弾性体62(例えばスポンジ)が接着されており、前記下顎部55aと上顎部55bの把持面には対向する位置にそれぞれ半円形の凹溝64a,64bが形成されている。
前記下顎部55aには、四角形状に折曲されたフック58が回動可能に支持され、上顎部55bの上面には前記フック58を係合するための係合溝60が形成されている。従って、前記係合溝60から前記フック58を解除した状態では、下顎部55aは自重により垂下して作動杆4から開放状態となる。
また、図1において穴あけ具Pは、操作レバー5の先端部に把持具8が設けられており、この把持具8は、図6に示すように先端部が下顎部65aと上顎部65bとに上下に分割されていて下顎部65aの後端は、上顎部65bの後方にヒンジ66を介して上下に揺動可能に支持されている。
下顎部65aと上顎部65bには、それぞれ対向する把持面が形成されていて
何れか一方の把持面には弾性変形可能なゴム状または樹脂製の板状弾性体62(例えばスポンジ)が接着されており、前記下顎部65aと上顎部65bの把持面には対向する位置にはそれぞれ所定長さの半円長形の凹溝74a,74bが形成されている。従って、下顎部65aと上顎部65bが閉じた状態では長円形の挿通穴74となる。長円形の挿通穴74とした理由は、共通する作動杆4を同時に把持してし様する場合、前記紙綴じ具S1,S2の操作レバー6a,6bと、穴あけ具Pの操作レバー5の異なる揺動半径の差を吸収するためである。
前記下顎部65aには、四角状に折曲されたフック68が回動可能に支持され、上顎部65bの上面には前記フック68を係合するための係合溝70が形成されている。従って、前記係合溝70から前記フック68を解除した状態では、下顎部65aは自重により垂下して開放状態となる。
次に、穴あけ具Pと紙綴じ具S1,S2の操作に付き図7(a)、(b)を参照して説明する。図7(a)は一対の紙綴じ具の操作レバーのみを操作可能とした状態を示す斜視図、(b)は穴あけ具の操作レバーのみを操作可能とした状態を示す斜視図である。
図7(a)において、穴あけ具Pは、把持具8が開放した状態にされており、一対の紙綴じ具S1,S2は、把持具10a,10bが閉じた状態とされている。ここで、把持具10a,10bを閉じる際は、下顎部65aのフック68を上方に回動させることで板状弾性体62が圧縮されるので、フック68は板状弾性体62の弾発力で上顎部65b上面の係合溝70に係合保持され、作動杆4が半円形の凹溝64a,64bを一体化した円形の挿通穴64で把持される。
すなわち、この状態では一対の紙綴じ具S1,S2のみが作動可能な状態となっている。そこで、一対の紙綴じ具S1,S2の操作レバー6a,6bまたは作動杆4を下方に揺動操作すると、この作動杆4を把持している一対の操作レバー6a,6bは同時に下方に揺動するが、前記穴あけ具Pの操作レバー5は、把持具8が開放されて作動杆4の拘束力が解除されているため、一対の紙綴じ具S1,S2のみが同時に作動するので用紙PAの予め設定された2箇所の離間位置が綴針Nで綴じられる。なお、綴針Nによる離間した紙綴じ位置の間隔は、一対の紙綴じ具S1,S2を手動操作により互いに幅方向に相対移動することで決定することができる。
これら紙綴じ具S1,S2の幅方向の移動量は、一方(左側)の用紙載置台16a上面に示された位置目盛り35に一方の紙綴じ具S1後端に取付けられた指示板34の目盛り線を合わせることで正確に設定することができる。
図7(b)において、一対の紙綴じ具S1,S2は、把持具10a,10bが開放した状態にされており、穴あけ具Pは、把持具8が閉じた状態とされている。
ここで、把持具8を閉じる際は、下顎部55a,55bの各フック58を上方に回動させることで板状弾性体62が圧縮変形へされるので、フック58は板状弾性体62の弾発力で上顎部55b上面の係合溝60にガタが無い状態で係合保持され、作動杆4が半長円形の凹溝74a,74bを一体化した長円形の挿通穴74で把持される。
すなわち、この状態では穴あけ具Pのみが作動可能な状態となっている。そこで、操作レバー5または作動杆4を下方に揺動操作すると、この作動杆4を把持している操作レバー5は下方に揺動するが、一対の紙綴じ具S1,S2は、把持具10a,10bが開放されて作動杆4の拘束力が解除されているため、穴あけ具Pのみが作動するので用紙PAの2箇所に予め規定された間隔でパンチ穴Hが穿孔させる。
次に、用紙の穴あけ位置及び/又は綴じ位置パターンの各種組合わせに付き図8の(a)〜(g)を参照して説明する。図8は用紙の穴あけ位置及び/又は綴じ位置パターンを示し、(a)は穴あけ位置を示す配置図、(b)は穴あけ及び紙綴じを併用した配置図、(c)は一対の紙綴じ位置を示す配置図、(d)は用紙の右隅に配置された紙綴じ位置の配置図、(e)は用紙の右隅に配置された紙綴じと穴あけを併用した配置図、(f)は用紙の左隅に配置された紙綴じと穴あけを併用した配置図、(g)は用紙の左隅に配置された紙綴じ位置の配置図である。
図8(a)に示す配置図では、図7(b)に示すように穴あけ具Pの把持具8を閉じて作動杆4を把持し、一対の紙綴じ具S1,S2の把持具10a,10bを開放した状態で基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めし、操作レバー5または作動杆4を下方に揺動操作することで、前記用紙PA先端の中央に規定された間隔で一対のパンチ穴Hが穿孔される。
図8(b)に示す配置図では、図7(b)に示すように穴あけ具Pの把持具8を閉じて作動杆4を把持すると共に、一対の紙綴じ具S1,S2の把持具10a,10bを閉じて作動杆4を把持した状態で基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めし、操作レバー5、一対の操作レバー6a,6bまたは作動杆4の何れかを下方に揺動操作すると、これらが同時に下方に移動するので前記用紙PA先端の中央に規定された間隔で一対のパンチ穴Hが穿孔され、同時に両パンチ穴Hの外側が一対の綴針Nで綴じられる。この場合の紙綴じ具S1,S2は、図1に示すように前記蓋体15の両側に位置決めされている。
図8(c)に示す配置図では、図7(a)に示すように一対の紙綴じ具S1,S2の把持具10a,10bを閉じて作動杆4を把持し、穴あけ具Pの把持具8を開放した状態で基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めし、
一対の操作レバー6a,6bまたは作動杆4を下方に揺動操作すると、これらが同時に下方に移動するので前記用紙PA先端の中央が一対の綴針Nで綴じられる。
図8(d)に示す配置図では、何れか一方の紙綴じ具S1またはS2を最外側に移動すると、前記相対移動機構Mの作用で両紙綴じ具S1,S2が同期して外側に移動する。
図7(a)に示すように穴あけ具Pの把持具8を開放すると共に、一方(左側)の紙綴じ具S1の把持具10aを開放した状態で基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めし、他方(右側)の紙綴じ具S2の把持具10bを閉じたまま作動杆4を把持した状態で、右側の操作レバー6bまたは作動杆4を下方に揺動操作すると下方に移動するので前記用紙PA先端の右隅が綴針Nで綴じられる。
図8(e)に示す配置図では、図7(b)に示すように穴あけ具Pの把持具8を閉じて作動杆4を把持すると共に一方(左側)の紙綴じ具S1の把持具10aを開放し、他方(右側)の紙綴じ具S2の把持具10bを閉じたまま作動杆4を把持した状態で基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めし、
操作レバー5、右側の操作レバー6bまたは作動杆4を下方に揺動操作すると、これらが同時に下方に移動するので用紙PA先端の中央に規定された間隔で一対のパンチ穴Hが穿孔され、同時に用紙PA先端の右隅が綴針Nで綴じられる。
図8(f)に示す配置図では、図7(b)に示すように穴あけ具Pの把持具8を閉じて作動杆4を把持すると共に他方(右側)の紙綴じ具S2の把持具10bを開放し、一方(左側)の紙綴じ具S1の把持具10aを閉じたまま作動杆4を把持した状態で基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めし、
操作レバー5、左側の操作レバー6aまたは作動杆4を下方に揺動操作すると、
これらが同時に下方に移動するので用紙PA先端の中央に規定された間隔で一対のパンチ穴Hが穿孔され、同時に用紙PA先端の左隅が綴針Nで綴じられる。
図8(g)に示す配置図では、図7(a)に示すように穴あけ具Pの把持具8を開放すると共に、最外側に移動した他方(右側)の紙綴じ具S2の把持具10bを開放した状態で基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めし、一方(左側)の紙綴じ具S1の把持具10aを閉じたまま作動杆4を把持した状態で、左側の操作レバー6aまたは作動杆4を下方に揺動操作すると下方に移動するので前記用紙PA先端の左隅が綴針Nで綴じられる。なお、前述した用紙の穴あけ位置及び/又は綴じ位置パターンの各種組合わせでは、用紙PAを基台Bの幅方向中心に複数枚数の用紙PAの中心を位置決めした状態における配置パターンであって、例えば、パンチ穴Hの穿孔位置や紙綴じ位置を上記以外の位置に変える場合は、用紙PAを必要な量横移動させることで可能となる。
上述した穴あけ綴じ具によれば、用紙PAのパンチ穴Hの穿孔位置に対し綴針Nによる綴じ位置が異なる場合でも移動・位置決め作業が簡単にでき、また
作動杆4を各把持具8、6a,6bで選択的に把持することで穴あけと紙綴じ作業を簡単に切換えることができ、サイズの異なる用紙PAでも所望の位置に穴あけと紙綴じを同時にまたは選択的に効率良く行うことができる。
なお、上述の形態は本考案の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本考案の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係る穴あけ綴じ具の全体斜視図である。
【図2】本考案の実施例に係る穴あけ綴じ具の分解斜視図である。
【図3】穴あけ綴じ具の相対移動機構を示す基台の部分断面斜視図である。
【図4】穴あけ綴じ具の位置決め手段を示す断面図である。
【図5】綴じ具における操作レバーの把持具の操作説明図である。
【図6】穴あけ具における操作レバーの把持具の操作説明図である。
【図7】(a)は一対の紙綴じ具の操作レバーのみを操作可能とした状態を示す斜視図、(b)は穴あけ具の操作レバーのみを操作可能とした状態を示す斜視図である。
【図8】用紙の穴あけ位置及び/又は綴じ位置パターンを示し、(a)は穴あけ位置を示す配置図、(b)は穴あけ及び紙綴じを併用した配置図、(c)は一対の紙綴じ位置を示す配置図、(d)は用紙の右隅に配置された紙綴じ位置の配置図、(e)は用紙の右隅に配置された紙綴じと穴あけを併用した配置図、(f)は用紙の左隅に配置された紙綴じと穴あけを併用した配置図、(g)は用紙の左隅に配置された紙綴じ位置の配置図である。
【符号の説明】
1 穴あけ綴じ具
2a,2b ガイド板
4 作動杆
5,6a,6b 操作レバー
8 把持具
10a,10b 把持具
12 底板
14a,14b 紙綴じ具支持台
15 蓋体
16a,16b 用紙載置台
18a,18b 円弧長孔
22 容器
26a,26b,28 横長ガイド孔
30 ガイド孔
32 ガイドアーム
34 指示板
35 位置目盛り
38a,38b スペーサブロック
40a,40b スペーサブロック
42 支持軸
43 ガイドレール
44 操作レバー
44a 操作部
44b 係止部
45 ブラケット
46 支軸
48 コイルばね
50 ピン
50a フランジ
50b 押圧部材
52 切欠き溝
54 ガイドブッシュ
55a 下顎部
55b 上顎部
56,66 ヒンジ
58 フック
60 係合溝
62 板状弾性体
64 挿通穴
64a,64b 凹溝
65a 下顎部
65b 上顎部
68 フック
70 係合溝
74 挿通穴
74a,74b 凹溝
B 基台
F1,F2,F3 板状フレーム
H パンチ穴
M 相対移動機構
N 綴針
P 穴あけ具
PA 用紙
PG ピニオンギヤ
R 位置決め手段
RG1,RG2 ラックギヤ
S1,S2 紙綴じ具
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
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