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【発明の名称】釣り用撒餌かご及び釣り用仕掛け 【出願人】 【識別番号】507019938 【氏名又は名称】藤川 日出夫 【住所又は居所】兵庫県宝塚市中山桜台6丁目16−1 1513 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100107711 【氏名又は名称】磯兼 智生 【発明者】 【氏名】藤川 日出夫 【住所又は居所】兵庫県宝塚市中山桜台6丁目16−1 1513 【要約】 【課題】 反転型の撒餌かごの重量を、沈下速度を確保しながら軽くすることを課題とする。 【解決手段】 釣り用撒餌かごXとして、上面が封止された筒状体からなる本体部10と、本体部10上面近傍に設けられる1以上の貫通穴である空気放出穴11と、本体部10内部に設けられる内部を上下に仕切る仕切り板20と、本体部10上面近傍から本体部10下縁近傍に両端が固定される線材からなる、本体部10側方に設けられる取付部30とから構成する。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 上面が封止された筒状体からなる本体部と、 前記本体部上面近傍に設けられる1以上の貫通穴である空気放出穴と、 前記本体部内部に設けられる内部を上下に仕切る仕切り板と、 前記本体部上面近傍から前記本体部下縁近傍に両端が固定される線材からなる、前記本体部側方に設けられる取付部と を有する釣り用撒餌かご。 【請求項2】 前記本体部下方に錘が設けられる請求項1に記載の釣り用撒餌かご。 【請求項3】 前記仕切り板には貫通穴が設けられるとともに、 本体部側壁の前記仕切り板よりも下方にも貫通穴が設けられる 請求項1又は2に記載の釣り用餌かご。 【請求項4】 前記本体部の上面は内壁が上方に向って縮径するドーム状に形成される請求項1から3のいずれか1項に記載の釣り用撒餌かご。 【請求項5】 上端に糸を摺動可能に保持する糸保持部が設けられるとともに、下端に釣り用撒餌かごを取り付けるかご取付部が形成される棒状の天秤主部と、細いパイプからなり、その上端と前記糸支持部とが所定距離空くように当該上端近傍が前記天秤主部側面に支持固定される、先端から斜め下方に向かって延びるハリス支持パイプとから形成される天秤と、 前記かご取付部に取り付けられる、請求項1から4のいずれか1項に記載の釣り用撒餌かごと からなる釣り用仕掛け。 【請求項6】 前記天秤主部の上端には浮きが固定されるとともに、前記糸保持部は前記浮きに設けられる貫通孔により形成される請求項5に記載の釣り用仕掛け。 【請求項7】 前記ハリス支持パイプは前記天秤主部を中心軸として回動可能に前記天秤主部側面に支持固定される請求項5又は6に記載の釣り用仕掛け。 【請求項8】 前記ハリス支持パイプは、360度以内の所定角度以上は回動しないように規制される請求項7に記載の釣り用仕掛け。 【請求項9】 前記ハリス支持パイプは可撓性素材により形成される請求項5から8のいずれか1項に記載の釣り用仕掛け。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は釣りに用いる撒餌かごおよび当該撒餌かごを用いた釣り用仕掛けに関する。 【背景技術】 釣りに用いられる撒餌かごとして、かごが水中において反転することで餌を撒く、いわゆる反転かごと言われるものがある。従来の反転かごは、水中で反転させるために上端側に浮きを設けたり、下端側に錘を設けたりすることが一般的である。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、かごに浮きをつけるとかごの沈下速度が遅くなるのでこれを補うために錘をつける必要が生じ、また、錘のみで反転させる場合も反転動作を行わせるために錘が重くなりがちである。いずれにせよ、反転かごが重くなってしまうので、竿も太くする必要が生じ、アタリ浮きも小さなものが使用しづらかった。 また、反転かごに用いられる天秤はL型であり遠投時の飛行方向に対して横に長く張り出すためバランスが悪くハリスが絡むことがしばしば起こる。また、道糸とハリスとは直接に繋がっておらず、また、ハリスはかごと連結しているのでアタリがわかりにくいとともに、魚に違和感を与えやすいという欠点もある。 本発明は、このような問題に鑑みて、反転型の撒餌かごの重量を、沈下速度を確保しながら軽くすること、また、撒餌かごに適した仕掛けを提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。 請求項1に記載の発明は、上面が封止された筒状体からなる本体部と、本体部上面近傍に設けられる1以上の貫通穴である空気放出穴と、本体部内部に設けられる内部を上下に仕切る仕切り板と、本体部上面近傍から本体部下縁近傍に両端が固定される線材からなる、本体部側方に設けられる取付部とからなる釣り用撒餌かごである。 請求項2に記載の発明は、前記釣り用撒餌かごにおいて、前記本体部下方に錘が設けられるものである。 請求項3に記載の発明は、前記釣り用撒餌かごにおいて、前記仕切り板には貫通穴が設けられるとともに、前記本体部側壁の前記仕切り板よりも下方にも貫通穴が設けられるものである。 請求項4に記載の発明は、前記釣り用撒餌かごにおいて、前記本体部の上面を内壁が上方に向って縮径するドーム状に形成したものである。 請求項5に記載の発明は、前記釣り用餌かごと天秤とから構成される釣り用仕掛けである。天秤は、上端に糸を摺動可能に保持する糸保持部が設けられるとともに、下端に釣り用撒餌かごを固定するかご取付部が形成される棒状の天秤主部と、細いパイプからなり、その上端と前記糸支持部とが所定距離空くように当該上端近傍が前記天秤主部側面に支持固定される、当該先端から斜め下方に向かって延びるハリス支持パイプとから形成される。そして、前記釣り用撒餌かごを天秤の前記かご取付部に取り付けることで本発明に係る釣り用仕掛けは形成される。なお、糸保持部は、通常は糸を通すリングや、ブロック体に設けられる穴により形成される。 請求項6に記載の発明は、前記釣り用仕掛けにおいて、前記天秤主部の上端には浮きが固定されるとともに、前記糸保持部は前記浮きに設けられる貫通孔により形成されるものである。 請求項7に記載の発明は、前記釣り用仕掛けにおいて、前記ハリス支持パイプは前記天秤主部を中心軸として回動可能に前記天秤主部側面に支持固定されるものである。 請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の釣り用仕掛けにおいて、前記ハリス支持パイプは、360度以内の所定角度以上は回動しないように規制されるものである。 請求項9に記載の発明は、前記釣り用仕掛けにおいて、前記ハリス支持パイプを可撓性素材により形成したものである。 【発明の効果】 請求項1に記載の発明は、取付部を天秤などの端部に取り付け、撒餌を本体部開口部から押し込む。この際、仕切り板により撒餌は本体部の上端側には入ることがなく、本体部内部の仕切り板より上に空気が溜まる。そして、これが水中に達すると空気がある上方が軽いので上方を向くようにかごが反転する。そして、かごが水中を沈むにつれて本体部上方の空気は、空気放出穴から外部に逃げ、これにより浮力が低下するのでかごは早く沈下していくこととなる。即ち、本釣り用撒餌かごは、沈下速度の低下を抑えながら、かごの重量を小さくすることができる。 請求項2に記載の発明は、本体部下方に錘を設けることにより、本体部を早く反転させることができるとともに、沈下速度も大きくすることができる。なお、ここで設ける錘は本体部から空気が放出されたあとは浮力も小さくなるので、重いものを用いる必要はない。 請求項3に記載の発明は、仕切り板と本体部側壁に貫通孔を設けることで、水中で、水がこれらの貫通孔を通ることとなり、空気を早く放出することができるとともに、空気が放出したあとは、内部の撒餌をスムーズに外部へ放出することができる。 請求項4に記載の発明は、本体部の上部をドーム状に形成することで、空気が上部中央に溜まるので本体部をほぼ真直ぐになるように反転させることができる。 請求項5に記載の発明は、ハリス支持パイプの下方からハリスの後端を通し、糸保持部に通された道糸とサルカンなどを介して連結する。この際、ハリスが糸保持部から後方に移動しないように抜け止め用にビーズなどを固定しておく。この状態で、仕掛けを遠投すると、天秤のハリス支持パイプは飛行方向に対して斜め後方に向うので抵抗が少なくスムーズに飛行し、ハリスのからみも抑制することができる。そして、ハリスと道糸が直接繋がりかごとは連結されないので、フカセ釣りの形となり、アタリがわかりやすく、また、魚に違和感を与えない。また、ハリス支持パイプを十分長くすることでハリスが絡むことを抑制することができる。 請求項6に記載の発明は、天秤主部の上端に浮きが固定され、これに糸保持部が形成されることで、水中で浮きが上方に位置し、かごやハリス先端が下方に向くような姿勢を容易に形成することができる。 請求項7に記載の発明は、ハリス支持パイプを天秤主部に対して回動自在とすることで、ハリス先端の移動した方に、スムーズにハリス支持パイプが向くので魚に対して違和感を与えない。 請求項8に記載の発明は、ハリス支持パイプの回転によって天秤主部にハリスが巻き付くことを防ぐことができる。 請求項9に記載の発明は、ハリス支持パイプを可撓性素材により形成することで、魚が針に掛かった場合に魚の動きに応じてハリス支持パイプが撓り、魚の動きに追従することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 以下、本発明の実施の形態について説明する。 図1に本実施形態に係る釣り用撒餌かごXの斜視図を示す。釣り用撒餌かごXは、内部が上方に向って縮径するドーム状に封止された上面10aをもつ円筒状の本体部10と、本体部10の内部に設けられる本体部の内径とほぼ等しい外径を有する円板から形成される仕切り板20と、本体部10上面頂部から本体部10下縁側に両端が固定される針金から形成される取付部30と、本体部10下縁に固定されるリング状の鉛でできた錘40とから構成される。 本体部10は軽い合成樹脂性であり、本体部10のドーム状の上部には2つの直径1mm程度の貫通穴である空気放出穴11が2つ設けられる。また、仕切り板20よりも下方の側壁に複数の貫通穴12が形成され、さらに本体部10の頂点には取付部30を構成する針金が通る穴が形成されている。また、仕切り板20にも複数の貫通穴21が形成されている。錘40は目的とする沈下速度が得られる程度に、比較的軽いものが使用される。 取付部30は下端が本体部10下縁に固定される錘40の外縁に固定され、固定部にはビーズ31が通されている。取付部30は下端から本体部10の側方を弓状の曲がりながら本体部10頂部近傍で小さな円弧状に曲げられた吊下げ部32を経て、本体部10の頂点に形成された穴から本体部10内部へ至る。本体部の頂点の穴には仕切り板20上面に至る細いパイプ33が固定されており、取付部30を構成する針金はこのパイプ33を通り、パイプ下端で仕切り板20に沿って折れ曲がり、仕切り板20の端部でさらに下方に折れ曲がり、最後に、仕切り板20の下方から折り返され、仕切り板20に係合する係合部34を形成している。この係合部34により、仕切り板20は本体部10内部に固定されることなる。 次に、上述した釣り用撒餌かごXを用いた釣り用仕掛けZについて説明する。図2に釣り用仕掛けZの斜視図を示す。釣り用仕掛けZは釣り用撒餌かごXと天秤Yとから構成される。 天秤Yは、縦に延びる棒状部材からなる天秤主部50と、棒状部材50の側部に固定されるハリス支持パイプ60とから構成される。 天秤主部50は上部51、下部52、回転軸部53から構成される。上部51は細いパイプとパイプを通る針金により形成され、針金の上端には球形の浮き54内部に固定される。浮き54には糸保持部54aとなる貫通孔が形成されている。下部52も細いパイプとパイプを通る針金により形成され、針金の下端は折り曲げられてフックを形成することで、かご取付部52aを構成する。かご取付部52aにかごを取り付けた後に、ゴムチューブ52bを被せることで、取り付けたかごを脱落させないように保持することができる。回転軸部53は、回転軸となる円筒体53c、円筒体53cの上部及び下部に固定される円筒体53cを支持する軸支持体53a、53b、軸支持体53a、53bに固定される針金からなるストッパー53dから構成される。軸支持体53a、53bはぞれぞれ上部51のパイプ及び針金の下端、下部52のパイプ及び針金の上端が固定される。ストッパー53dは針金を円弧状に曲げ、端部をそれぞれ軸支持体53a、53bに固定により形成されている。 ハリス支持パイプ60は、細い可撓性のある合成樹脂性のパイプ61であり、上端近傍において、前記天秤主部50の回動軸部53の円筒体53cに軸支されるパイプからなる被軸支体62と連結杆63により連結されている。また、ハリス支持パイプ60は天秤主部50の長手方向下方に対し約20度の角度をもって斜め下方を向くように固定される。このような構成により、ハリス支持パイプ60は天秤主部50に回動自在に固定されることとなるが、天秤主部50に設けられたストッパー53dにより360度以上回転することはできないように規制される。 このような構成を有する天秤Yのかご取付部52aに前述した釣り用撒餌かごXの吊下げ部32を固定することで釣り用仕掛けZは形成される 次に、以上のような構成を有する釣り用撒餌かごX、天秤Yからなる仕掛けZの使用方法について説明する。 使用者は、まず、図2に示すように天秤Yの浮き54に形成される糸保持部54aに道糸Mを上から通す。また、先端に釣り針Tが固定されたハリスHの後端をハリス支持パイプ60の下端から通して、ハリスHの後端と道糸Mの先端とをサルカンSにより連結する。この際、道糸M側に抜け止めのビースBを通しておく。次に、釣り針Tにさし餌をつけ、これを撒餌内に入れて、この撒餌を釣り用撒餌かごXの本体部10内へと詰め込む。この際、仕切り板20があるので撒餌は仕切り板20より下方に詰め込まれ仕切り板20から上方には空気層ができることとなる。 次に、図3(a)の状態に釣り用撒餌かごXを上部が下方を向くようにセットし、この状態で目的のポイントへと仕掛けを投じる。この際、天秤Yのハリス支持パイプ60は飛行方向に対して斜め後方を向くので、抵抗が少なく安定して飛行する。 海中に到達した釣り用撒餌かごXは、上部に空気層があり、また、下端に錘40が設けられているので、図3(b)に示すように上部が上を向くように反転する。本体部10の上部には空気放出穴11が設けられているので、上部の空気層に溜まった空気はこの空気放出穴11から徐々に抜けていく。これにつれて仕掛けの沈下速度も加速される。なお、天秤Yも浮き54により天秤主部50上端が上方を向いた状態で安定する。本体部内の撒餌は本体部10が反転すると本体部10側面の貫通孔12から海水が入り自然に放出されるが、撒餌の密度が高い場合は竿をあおることで撒餌の放出を促すことができる。また、餌が放出された後は、仕切り板20に設けられた貫通孔21から海水が抜けるので、抵抗が少なくなり沈下速度をより促進することができる。釣り用撒餌かごXは、このように浮きが固定されておらず、錘も極端に重いものを使用する必要がないことから比較的軽量に形成することができるので、釣竿をフカセ釣りで用いられる1.5号〜2号の磯用ロッドのような細い釣り竿を使用することができる。 撒餌の放出とともに、ハリス先端の釣り針Tも落下し、図3(c)のような状態となる。この状態において、道糸MとハリスTとは直接繋がり、フカセ釣りの形となり、釣り針Tと釣り用撒餌かごXとは直接連結されないので釣り針Tに釣り用撒餌かごXによる抵抗がかからず魚に違和感を与えることがない。また、ハリス支持パイプ60が斜め後方に延びるように設けられることでハリスHの絡みを抑制できるので、ハリスHを3ヒロ(4.5m)程度の長さに設定してもほとんどハリスHが絡むことはない。 そして、釣り針Tに魚が掛かった場合、直接道糸Mにアタリが伝わるので小さなアタリも感知しやすく、1〜2号程度の小さなアタリ浮きを使用することができる。また、針をくわえた魚が海中で移動するような場合も、ハリス支持パイプ60が撓るとともに、天秤主部50の回りを回動することでスムーズに追従することができる。この際、ハリス支持パイプ60は回動をストッパー53dにより規制されているので、ハリスHは天秤主部50に巻きつくことがない。 そして、仕掛けを回収する際には、釣り用撒餌かごXが海面上に上がると上部に再び空気が入り浮力が付いて浮くので楽に回収することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】実施形態に係る釣り用撒餌かご斜視図である。 【図2】実施形態に係る釣り用仕掛け斜視図である。 【図3】(a)は、遠投前の撒餌をセットした状態の釣り用仕掛けを示す斜視図であり (b)は、海中に入った直後の釣り用仕掛けを示す斜視図であり (c)は釣り針が完全に放出された状態を示す釣り用仕掛けを示す斜視図である。 【符号の説明】 X 釣り用撒餌かご Y 天秤 Z 釣り用仕掛け 本体部 10 空気放出穴 11 側面貫通穴 12 仕切り版 20 仕切り版貫通穴 21 取付部 30 錘 40 天秤主部 50 かご取付部 52a 53d ストッパー 浮き 54 糸支持部54a ハリス支持パイプ 60 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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