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【発明の名称】釣り糸の結線用具 【特許権者】 【識別番号】513156102 【氏名又は名称】能島 一夫 【住所又は居所】広島県府中市父石町603−1 【代理人】 【識別番号】100074055 【弁理士】 【氏名又は名称】三原 靖雄 【発明者】 【氏名】能島 一夫 【住所又は居所】広島県府中市父石町603−1 【要約】 【課題】 簡単な手順で昼夜を問わず、年齢に関係なく、どのような場所でも安全で結線前の準備作業がし易く、結線作業及び仕上げ作業が素早く完了でき、小形で持ち運びが容易な釣り糸の結線用具を得る。 【解決手段】 釣り糸の結線用具本体1と、この釣り糸の結線用具本体1に装着されたOリング10と、釣り糸の結線用具本体の軸方向の中心にメインライン2を通し易い貫通穴aと、作業し易く指で持ち易い平面部cと、メインライン2を仮止めしOリングの接触面10aに巻き込みし易い切り欠き溝bを有し、遠心力で編み込み締め込むため適度な重量を備える。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 メインラインに比べて太い釣り糸であるリーダーの表面の周りに、リーダーに比べて細い釣り糸であるメインラインを編み付けて締め込み、両糸を結線する際に用いる釣り糸の結線用具であって、 釣り糸の結線用具本体の軸方向の中心にメインラインを通し易い適度な大きさを有し、 また、該結線用具を回転させ使用する際に、振れ防止となる貫通穴を設け、 結線用具本体外周部分にメインラインを保持するためのOリングを数個備えた 釣り糸の結線用具において、 前記結線用具本体に貫通した穴の出口手前より、結線用具本体の外周Oリング用溝に架け、メインラインを通し易い適度な幅で深い切り欠き溝を数箇所に設けると共に、 前記切り欠き溝の深さを、前記外周Oリング用溝の幅内位置に達するよう設け、該外周Oリング用溝に設けたOリングのうち、切り欠き溝側の端部に位置するOリングが、前記切り欠き溝の深さ底部より突出し、前記貫通穴に通したメインラインと直接接触するよう設けたことを特徴とする釣り糸の結線用具。 【請求項2】 上記Oリングは、結線用具本体のOリング用溝部分に、数個密接に備えられており、これらOリングの各接触面にメインラインをどの接触面にでも数回巻き込むことにより、簡単に保持できることを特徴とする請求項1記載の釣り糸の結線用具。 【請求項3】 上記釣り糸の結線用具本体は、結線に必要な適度な重量を有することを特徴とする 請求項1または2記載の釣り糸の結線用具。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、比較的太い釣り糸(リーダー)の外周表面の周りに、比較的細い釣り糸(メインライン)を巻きつけて結線するために用いる結線用具に関する。特には、パックラットノット(PRノット)や同等の結線方法を安全かつ簡単に素早く作製でき、仕上げ作業(ハーフヒッチ、エンドノット)まで完了出来る釣り糸の結線用具及び結線方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 釣具のリールに巻く糸(メインライン)としては、遠投が出来ることや、水の抵抗が少ないことから、細めの糸(例えば、ポリエチレン製の編み糸=PEライン)が使用される。そしてこの糸の先端に、太めの釣り糸(リーダー)(例えば、ナイロンやフロロカーボン製)をつないで魚がかかった際に、先端部の糸が岩、貝、海藻、魚体などと擦れて切れることを防いでいる。 【0003】 メインラインとしては、軽く、しなやかで細く、引張強度を有する事が望ましいため、近年では、従来のナイロンラインの3倍以上の引張強度を有するPEラインが使用される割合が高まっているが、PEラインには以下のような短所もある。 1) 表面がつるつるで滑り易く結線及び結線作業が困難である。 2) 糸が細すぎるため結線時に素手で引っ張ると手を切り易い。 3) 糸を折り曲げると強度が低下し切れ易い。 4) 熱に対して非常に弱く強度が著しく低下する。 5) 根ズレ等、キズに対して非常に弱い 【0004】 リーダーとしては磨耗に対する耐久性に優れたフロロカーボンラインや、PEラインとの結線し易いナイロン系ラインを使用することが通常行われているが、以下のような問題点がある。 1) PEラインの引張強度に対応するため、リーダーとしてPEラインの3〜4倍程度 の直径のフロロカーボンライン、ナイロン系ラインを使用する事が多い。このよう に両者の直径が極端に異なる場合、従来の結線方法では適さない。 2) リーダーとPEラインを結線する場合、PEライン表面の滑り易さから、ライン同 士の表面摩擦が少なく、従来の結線方法では糸抜けし易くなる。 【0005】 このような理由から、糸抜けの発生しない特殊な方法で結線する必要がある。そこで特殊な結線方法としてFGノット、SFノット、ミッドノット、PRノット等が提案された。これらの結線方法の中でも特にPRノットは、結線部分に大きな結び目を作らずに結線する方法の一つである。(例えば、特許文献1参照) 【0006】 PRノットは重量のあるドラグ機能を備えた器具を、リーダーの周辺で回転させ、メインラインであるPEラインを、リーダーの外周表面の周りに二重に巻きつけて形成される。PRノット用の機能を備えた結線用具は多く考案され実用化されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0007】 【特許文献1】特開平2010−187632 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 従来の釣り糸の結線具においては、結線前の準備作業は複雑であり難しくかなり困難である。なぜならば、まず小さい穴の開いたパイプにPEラインを通し、次にはボビンに巻きつけ、二個ある小さな突起部分に決まった方向からPEラインを張りながら交互に数回巻きつけ、更にドラグ調整を行わなくてはならない。この様に複雑に決められた結線前の準備作業を終えた後PEラインとリーダーの結線作業を行うのである。釣り糸の結線具を用いてリーダーとPEラインとの結線前の準備作業が複雑だと、自宅であれば落ち着いて集中でき時間を費やし結線前の準備作業は可能であるが、屋外でそれも魚釣りを行う場所では、結線前の準備作業は複雑で難しく時間がかかるという問題があった。さらに結線作業から結線後の仕上げ作業にいたる一連の作業も非常に難しく時間がかかるという問題点があった。 【0009】 また、時合の時だとなおさらで、根がかり又は障害物による擦れで糸が切れた場合は、誰しも早く現状復帰したいと考え、急いで結線作業に取りかかるのであるが、気持ちに余裕が無く結線前の準備作業が大変複雑で、焦って幾度も失敗し余計に時間を費やし、結線完了時には時合も終了し時合を逃すという問題がある。 【0010】 また、船上での結線作業だと、揺れる船上では結線前の準備作業は非常に困難であり、この様に結線前の準備に時間がかかる結線具だと、結線完了までに船に弱い人は船酔いし、釣りどころではなく大変な問題であった。また風の強い時は、PEラインは軽くしなやかでつるつるしているため、風に流され指で摘まみ難く結線作業が非常に難しいという問題点があった。 【0011】 釣りは昼夜問わず行われるものであり、夜間での結線作業は難しく、特に年配の方々には結線具の小さな部分が見え難く、小さい穴にPEラインを通し、その後小さい突起部にPEラインを回しつけ固定するという、指先での繊細な作業が非常に難しいという問題点があった。 【0012】 従来の釣り糸の結線具は、PEラインをリーダーに巻きつけた後の仕上げ作業(ハーフヒッチ、エンドノット)は手で編み込む作業であり、細くしなやかでつるつるしているPEラインを指で持ち、仕上げ作業を行うには力も加え難く締め難いという問題点があった。 【0013】 従来の釣り糸の結線具は、相当練習しない限り釣り場では短時間で結線できないという問題があり、また結線作業にてリーダー外周上にPEラインを巻きつける為、リーダーの外周上を釣り糸の結線具を回転さすのであるが、結線具が70グラムから90グラムと重たく、細いメインライン持つ手及び指にメインラインが食い込む為非常に痛く、皮膚を傷つけるという問題点があった。 【0014】 また、移動を繰り返す釣りにおいては、なるべくコンパクトに釣具をまとめて持ち歩きたいので、従来の結線具は形態も大きく突起部もあり重量もあるため、移動を幾度も繰り返す釣りでは携帯しにくいという問題点があった。 【0015】 この発明は、結線の準備作業が昼夜問わず風の影響をうけることなく行え、どの様な場所においても年齢に関係なく、簡単に素早く、また安全に結線作業し易く、更に結線の仕上げ作業も簡単に終えることができ、小型で持ち運びが容易な釣り糸の結線用具を得ることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0016】 この発明の釣り糸の結線用具は、釣り糸の結線用具本体と、この釣り糸の結線用具本体にOリングを備え、メインラインを通し易い適度な穴が軸方向に貫通しており、貫通穴の出口穴の途中より外周のOリング溝にかけ、メインラインを素早くOリングとOリング接触面に巻き込みが可能な切り欠き溝を施し、遠心力によりテンションを加え編み込み締めこむための適度な重量を有するものである。 【発明の効果】 【0017】 本発明の釣り糸の結線用具は、従来からある釣り糸の結線具(特開平2010−187632)よりも、機能性かつ作業性に優れたものであり、どんな場所でも天候を気にせず昼夜問わず対処できる様に作られている。また、使用する年齢を問わず性別に関係なく素早く簡単に結線前の準備作業が行え、安全に短時間で結線作業を完了し、なおかつ仕上げ作業が容易にできる様に作られている。またポケットにも収まる形態は、釣り道具の多種多様性の中においてコンパクトで携帯し易く、結線前の準備作業及び結線作業、そして仕上げ作業が簡単であるため喜ばれることと思われる。 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】 本発明の実施の形態を示す釣り糸の結線用具の図であり、図1(A)は上面側より示す斜視図、図1(B)は下面側より示す斜視図である。 【図2】 図1の釣り糸の結線用具を示す図であり、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図、図2(C)は上面図、図2(D)は下面図である。 【図3】 本発明の釣り糸の結線用具本体の正面断面の拡大図である。 【図4】 本発明の釣り糸の結線用具を用いて結線前の準備作業を説明する図である。 【図5】 本発明の釣り糸の結線用具にメインラインが保持された状態を示す図である。 【図6】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線作業を示す説明図である。 【図7】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線作業を示す説明図である。 【図8】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線作業を示す説明図である。 【図9】 結線作業においてメインラインとリーダーの状態を示す図である。 【図10】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた仕上げ作業を示す説明図である。 【図11】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線仕上げ作業終了後のメインラインとリーダーの状態を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【実施例1】 【0019】 図1は、本発明の実施の形態を示す釣り糸の結線用具の図であり、図1(A)は上面側より示す斜視図であり、図1(B)は下面側より示す斜視図である。図2は、図1の結線用具を示す図であり、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図、図2(C)は上面図、図2(D)は下面図である。図3は、釣り糸の結線用具本体の正面断面の拡大図である。図4は、釣り糸の結線用具を用いて結線前の準備作業を説明する図である。図5は、釣り糸の結線用具にメインラインが保持された状態を示す図である。図6、図7、図8は、釣り糸の結線用具を用いた結線作業を示す説明図である。図9は、結線作業においてメインラインとリーダーの状態を示す図である。図10は、釣り糸の結線用具を用いた仕上げ作業を示す説明図である。図11は、釣り糸の結線用具を用いた結線仕上げ作業終了後のメインラインとリーダーの状態を示す図である。 【0020】 図において、100は釣り糸の結線用具であり、釣り糸の結線用具本体1とOリング10により構成されている。釣り糸の結線用具本体1は比重があり、錆びにくいもの(例えば、ステンレス鋼等)であり、外周にOリング10を数個備え外れ難い様に溝dがあり、図1で示すように指で持ち易くするため外周に平面部cを設けている。釣り糸の結線用具本体1の中心に穴aが軸方向に貫通しており、切り欠き溝bが設けられている。また全ての各角部はかえりがなく滑らかである。 【0021】 上述の釣り糸の結線用具100は、メインライン2をリーダー3の外周上に釣り糸の結線用具を回転さし遠心力により力強く編み込み締め込む為、結線に必要な適度な重量が必要である。 【0022】 釣り糸の結線用具本体1の貫通した穴aは、メインラインを通し易い適度な大きさの穴であり、釣り糸の結線用具100をリーダー3の外周上を回転させ、結線作業を行うため釣り糸の結線用具本体1の軸方向の中心に貫通した穴aを設けることにより、回転振れの防止となる。 【0023】 切り欠き溝bは、図3に示すように下面側より深さb1まであることにより、結線前の準備作業においてメインライン2を穴aの上面側穴aより入れ、下面側穴aより取り出し、素早く切り欠き溝bに添えて仮止めが行え、その後釣り糸の結線用具本体1の外周部に数個装着されたOリング10の接触面10aに、メインラインを難なく巻き込み保持することが可能である。また結線前の作業おいて、釣り糸の結線用具本体1を親指と人指し指にて力強くつかみ易い平面部cを設けてある。 【0024】 上述のように構成された本発明の釣り糸の結線用具100を用いての、結線前の準備作業での使用方法を、図4及び図5に基づき説明する。まず結線の前準備であるが、釣り糸の結線用具100の上面側穴aよりメインライン2を入れ、下面側穴aよりメインライン2を取り出す。そしてメインライン2を切り欠き溝bに添えて仮止めをし、数個あるOリング10の接触面10aに数回巻き込み保持し、メインライン2が釣り糸の結線用具100より滑り抜けないか確認をする。ここまでの作業で結線の前準備は終了である。 【0025】 本発明の釣り糸の結線用具100は、図6に示すように、まずリーダー3を片手に持ち、もう一方の手にはリーダー3とメインライン2を合わせ持ち、両手の間隔が約3センチから15センチ程で、釣り糸の結線用具100を結線するメインライン2とリーダー3の強度により適度なたらしで持つ。 【0026】 本発明の釣り糸の結線用具100は、図7に示すように、リーダー3の外周上を釣り糸の結線用具100を力強くX矢印方向に回転させ、遠心力によりY矢印方向に進み、編み込み締め込み巻きつける。10回から30回ほど巻き付けた後、図8に示すように、同じ回転X方向でリーダー3上に巻きつけたメインライン2の外周表面上を、Z矢印方向に戻りながら編み込み締め込み巻きつける。同回数ほど巻き終えると結線作業は終わりである。 【0027】 本発明の釣り糸の結線用具100は、リーダー3とメインライン2の糸よれを取り、次は仕上げ作業となる。釣り糸の結線用具100のOリング10に、メインライン2を数回巻きつけ止めているので、釣り糸の結線用具100よりメインライン2が滑りぬけることはなく、釣り糸の結線用具100を手に持ち仕上げ作業ハーフヒッチ、エンドノットを図10に示すように行うので、力を容易に加えられ簡単になおかつ力強く編み込み締め込みが可能である。 【0028】 本発明の結線用具100は、図10に示す様に釣り糸の結線用具100を用いてハーフヒッチ、エンドノットが可能である。力強く編み込み締め込むことが可能なため、仕上げ作業はリーダー3の外周表面上でハーフヒッチは3回から10回行い、エンドノットで完了するのが最良である。なぜならば、釣り糸の結線用具100を用いて仕上げ作業を行うので、力強く編み込み締め込みが可能になり、リーダー3の外周表面に強く食い込み段をつけることとなり、その段にメインライン2が強く食い込み抜け難くなる。またPRノットは仕上げ作業において、メインライン2であるPEラインを幾多にも交互に編み込むが、PEラインは非常に熱に弱く、この幾多にも編み込み締め込むことにより、摩擦による熱で強度が低下するのである。 【符号の説明】 【0029】 100 釣り糸の結線用具 1 釣り糸の結線用具本体 2 メインライン 3 リーダー 10 Oリング 10a Oリング接触面 a 貫通穴 b 切り欠き溝 b1 切り欠き溝深さ c 平面 d Oリング用溝 X 回転方向 Y 矢印進行方向 Z 矢印進行方向 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】 本発明の実施の形態を示す釣り糸の結線用具の図であり、図1(A)は上面側より示す斜視図、図1(B)は下面側より示す斜視図である。 【図2】 図1の釣り糸の結線用具を示す図であり、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図、図2(C)は上面図、図2(D)は下面図である。 【図3】 本発明の釣り糸の結線用具本体の正面断面の拡大図である。 【図4】 本発明の釣り糸の結線用具を用いて結線前の準備作業を説明する図である。 【図5】 本発明の釣り糸の結線用具にメインラインが保持された状態を示す図である。 【図6】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線作業を示す説明図である。 【図7】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線作業を示す説明図である。 【図8】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線作業を示す説明図である。 【図9】 結線作業においてメインラインとリーダーの状態を示す図である。 【図10】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた仕上げ作業を示す説明図である。 【図11】 本発明の釣り糸の結線用具を用いた結線仕上げ作業終了後のメインラインとリーダーの状態を示す図である。 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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【図10】 |
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【図11】 |
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