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【発明の名称】玉網の浮力調整器 【出願人】 【識別番号】516121464 【氏名又は名称】松永 一繁 【住所又は居所】福岡県福津市中央2丁目8番1-1003 【発明者】 【氏名】松永 一繁 【住所又は居所】福岡県福津市中央2丁目8番1-1003 【テーマコード(参考)】 2B105 2B106 【Fターム(参考)】 2B105AG05 2B106EA13 【要約】 (修正有) 【課題】玉網を誤って水中に落としても網部を浮かせ回収を可能にし、うねりや激しい波があっても網部を水面付近に維持でき、楽に魚を掬うことができる浮力調整器を提供する。 【解決手段】玉網の先端部に取り付けられた9網部の2網枠や9網部に近接する1玉網の柄に4網枠浮力調整器や5玉網の柄浮力調整器を取り付ければ、10玉網は9網部を上にして水面に浮き、回収が可能となる。また船上や防波堤もしくは岩場でこの10玉網を持って釣り上げた魚を掬う場合、うねりや激しい波があっても9網部を水面付近に水面と平行に浮かせることができ、魚を楽に掬うことができる。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 魚などを掬う玉網であって、玉網の先端部にある網部の網枠、または網部に直近した玉網の柄もしくはその両方に装着することにより、誤って玉網を水中に落下させても水没させず水面に維持することを特徴とする玉網の浮力調整器。 【請求項2】 魚などを掬う玉網であって、請求項1に記載する網部の網枠の部分に玉網の柄を中心として左右対称に装着することにより、うねりや激しい波があっても先端部の網部を水面付近に維持、網部の入口を水面と平行に保ち、玉網の操作を軽減できる玉網の浮力調整器。 【請求項3】 魚などを掬う玉網であって、請求項1に記載する網部に直近した玉網の柄に装着することにより、網部を水面下の水面付近に維持できる玉網の浮力調整器。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、玉網の浮力調整に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、防波堤や岩場から釣った魚などを掬うには、網と網枠からなる網部を棒状又は伸縮する棒状の柄の先端に取り付けた玉網と称するもので掬い上げることとなるが、防波堤や岩場は水面から高く、棒状の柄は延長3メートル以上のものが多く使用される。また誤ってこの玉網を水中に落した場合、網の枠は金属で、また玉網の柄は高密度のガラス繊維やカーボン繊維で作られており、これら素材は水又は海水よりも比重が重く水没してしまう。 【0003】 水没する順序は、棒状の玉網の柄には若干の空気が残るため、最初は網部から沈み始め、次に後を追うように棒状の玉網の柄が沈んでいく。後から沈もうとする玉網の柄は棒状であるために錨状の器具などをもってしても引っ掛ける部分が無く回収は困難で、やがて全て水没してしまう。 【0004】 通常防波堤や岩場から釣れた魚を玉網で掬う場合、片方の手に持った釣り竿で魚を水面に浮かせ、他方の手で玉網を水面に投げ込み掬う作業に入るが、うねりや激しい波がある状況下では水面は激しく変動するため、水面の網部はその影響を受け水中や水上の位置を繰り返すこととなり、片手で水面に長く伸ばした玉網を支え、網部を水面付近に維持する行為は多大な力を必要とする。 【0005】 また同時に玉網の柄を介して水面にある網部入口の面を回転させ、その面を水面に対し平行に維持しながら、魚を掬い易い角度を保たなければならない。これらは玉網を持った片手で操作しなければならず、掬う作業をさらに困難なものとしている。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 従来、防波堤や岩場で使用する柄の長さ3メートル以上の玉網は、誤って水中に落とした場合浮かずに沈むから、網部や網部に近接する玉網の柄に浮力を与え、回収が難しい玉網の柄は沈んでも、回収が容易となる網や網枠で構成される網部を水面付近に維持させ、回収を可能にする。 【0007】 うねりや激しい波がある場合は水面の波の高低差を予測するのは困難である。防波堤や岩場で釣った魚を掬う際、人が水面の高低差に合わせ玉網の柄の操作で網部を水面付近に維持することも難しい。網部を水面に浮かせることでこの波に同調させ、特別な操作をしなくても網部を水面付近に維持できるものにする。 【0008】 玉網の網部を水面に浮かせることで水から受ける抵抗を減少させ、またそこを支点として操作をすれば、玉網の荷重を分散する事ができ、玉網の操作に必要な力は軽減できる。 【0009】 釣った魚を掬うために玉網の網部を水面に投げ込んだ時、特別な操作をしなくても網部の入口面を水面と平行に維持できるようにする。またその面の角度は、水に浮かんだ網部を支点として利用することで操作を楽にする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 玉網の柄の先端部に取り付けられた網部に近接した玉網の柄の部分や網部の網枠に直接浮力調整器を取り付ければ、誤って玉網を水中に落しても玉網の柄は沈んでいくが、網部は水面付近に維持することができる。 網部は円形リング状の網枠とナイロン製の糸で編まれた網で構成される為、錨状の器具や釣り竿又は釣針を装備した釣り具を持ってすれば網の枠や網に引っ掛け易く、回収は容易に可能となる。 【0011】 上述の箇所に浮力調節器を取り付けた玉網は、うねりや激しい波があっても先端部にある網部を浮かせて水面付近を維持できることから、網部は水中に深く沈むことも無く、水からの抵抗は軽減できる。また浮いた網部は支点となり、玉網の総重量は玉網を支える手の支点とで分散され、手元に必要な力は軽減される。 【0012】 網部の網枠に玉網の柄を中心として左右対称に浮力調整器を取り付ければ、玉網を持って網部をとっさに投げ込んでも網部は水面で水平に浮き、玉網の柄を介して網部の入口面を回転させなくても水面と平行に維持できる。また浮いた網部は水面で支点となり、手元の玉網の柄を上下することで魚を掬う角度は楽に変化できる。 【発明の効果】 【0013】 玉網を水中に落下しても玉網は水没することなく、網部を上にして水面付近に維持でき、回収は容易に可能となる。釣った魚を掬う際、うねりや激しい波があっても網部は水没する事も無く水面に浮き、また網部の入口面は特別な操作をしなくても水面と平行になり、浮いた網部を支点として利用することで、片手で楽に魚を掬うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0014】 【図1】 本発明を取り付けた玉網が水面に浮いた図である。 【図2】 本発明を網部や玉網の柄に取り付けた図である。 【図3】 本発明を網部の網枠に均等に取り付けた図である。 【図4】 本発明を玉網の柄だけに取り付けた図である。 【図5】 防波堤や岩場で釣った魚を掬う状態図である。 【図6】 玉網の重量が各支点に及ぼす力の分布図である。 【発明を実施するための形態】 【0015】 以下、発明の実施をするための形態について説明する。 ここで提案する浮力調整器の素材は、軽く且つ大きい浮力を得られるものが良く、発泡樹脂もしくはゴムまたはビニール製を使用する。また網枠そのものを中空にして必要な浮力を与えても良い。ゴムまたはビニール製であれば持ち運びも便利で、現地でほしい浮力に合わせ膨らませて使用することができる。 【0016】 例えば円筒状の浮力調整器を使用する場合は、円筒の中心は中空のもので、円筒の側面の片側を切断して開いた状態のものが便利である。玉網を組み終わった後でも、この切断して開いた部分から玉網の柄や網枠を差し込み、これに固定することができる。また板状のものであれば、巻きつけて固定し使用することもできる。 【0017】 図1は誤って玉網を水中に落とした時玉網が浮く様子を示した図であるが、2網枠や9網部に近接した1玉網の柄に浮力調整器を取り付けた10玉網は、浮力調整装置を取り付けていない方の1玉網の柄は沈むが9網部の一部は水面から出た状態を維持することができる。船上や防波堤もしくは岩場で誤って玉網を落とした場合、浮いている2網枠やナイロン製の糸で編まれた3網の目に、釣り竿に装備した釣針や縄または棒の先に錨またはフック状の金具を取り付けたもので引っ掛けることで容易に回収できる。 【0018】 玉網を浮かせる浮力は、使用する玉網の総重量に等しいもので良く、水の比重を1とし浮力を求めれば、海水で使用する場合はさらに浮力は増すので安全である。 このような浮力を得るためには、例えば浮力調整器に発泡樹脂の円筒状のものを使用、この発泡樹脂は容積が変化しないものとして、玉網の総重量を1200g、円筒状の円の断面積を30平方センチメートルとした場合では、玉網に取り付ける円筒状の長さは総延長で40センチメートルあれば良い。 【0019】 誤って水中に落とした玉網の回収を目的とした浮力調整器は、図2であれば、4網枠浮力調整器を2網枠に2カ所と1玉網の柄の3か所に取り付けるのであればその長さの合計が、また図3及び図4であっても取り付けた浮力調整器の長さの合計が40センチメートルあれば良い。 【0020】 船上や防波堤もしくは岩場で、釣った魚を楽に掬うには、例えば図2では2網枠に15センチメートルの4網枠浮力調整器を1玉網の柄を中心として左右対称の位置に2カ所、1玉網の柄に10センチメートルの5玉網の柄浮力調整器を取り付ければ良い。同様に図3のように2網枠だけに取り付けるのであれば、20センチメートルの4網枠浮力調整器を1玉網の柄を中心として左右対称の位置に2カ所取り付ければ良い。このように2網枠に左右均等に浮力調整器を取り付ける目的は、とっさに10玉網を水面に投げ込んだ際でも9網部の入口面を水面と平行に浮かせることにある。 【0021】 また、図4のように1玉網の柄だけに取り付けるのであれば、40センチメートルの5玉網の柄浮力調整器を取り付ければ良い。この場合、9網部は水面下の水面付近に維持できるので、大型の魚を掬う場合に便利である。 【0022】 図5は防波堤や岩場から釣った魚を玉網で掬う状態を示したものであるが、手に持った玉網は自分が居る場所から水面へ下り勾配で吊り下げた状態となる。この時、手元で玉網を持つ点を支点A、玉網の先端にある浮いた網部を支点B、玉網の総重量をmg、支点間の長さをL、玉網の柄が水面となす角度をθとして、各支点に作用する力を図6に示す。 【0023】 図6において、理論上では手元支点Aで玉網を支える力は垂直方向の4で良く、角度θが大きくなるほど小さくなる。 例えば、玉網の総質量mgを1200g、角度θを30度とした場合、手元支点Aで支える力は、1/2×1200×cosθ×cosθ=4.5ニュートン、角度45度の場合は、3.0ニュートンとなり、角度が増すと小さくなる。 【0024】 また水面に浮いた網部の入口面は玉網の柄の延長上にあることから、入口面の角度は支点Aを上下することで楽に変化させることができる。 【0025】 浮力調整器にゴムまたはビニール製を使用する際は、上述の浮力計算で得た容積があれば良く、現場で膨らませ使用できる。 【符号の説明】 【0026】 1 玉網の柄 2 網枠 3 網 4 網枠浮力調整器 5 玉網の柄浮力調整器 6 網枠取り付けバンド 7 玉網の柄取り付けバンド 8 網の目 9 網部 10 玉網 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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