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スポーツ・娯楽
 
【発明の名称】誘いうき
【出願人】
【識別番号】503369576
【氏名又は名称】竹内 榮三
【住所又は居所】福岡県北九州市八幡西区引野3丁目7番18号
【発明者】
【氏名】竹内 榮三
【住所又は居所】福岡県北九州市八幡西区引野3丁目7番18号
【要約】
【課題】
水中にある針のついている餌をあたかも生きているが如く竿で操る「誘い技術」を自由に駆使するには長年の経験と勘が必要であり、初級、中級あるいは上級の一部の釣り人などは思い通りの「誘い」即ち竿捌きができず、また「誘い技術」を駆使できる釣り名人の場合でも竿捌きをすることで餌が不自然な動きをし、釣果を減ずる事もある。釣り人が特別な竿捌きをしなくても、水中にある針のついた餌を、例えば潮の流れに逆らうことなく、ごく自然に自動的に動かし釣果を上げるための装置即ち「誘いうき」を提供することを課題とする。
【解決手段】
水中にあって、自力で浮力が増減できるよう、また従来の仕掛けに簡単に装着できるよう、気体発生物を収納する部分と、気体を貯めかつ排気口を有する部分とが一体となった魚釣り用誘いうきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中にあって、自力で浮力が増減できる事を特徴とする魚釣り用誘いうき。
【請求項2】
気体発生物を収納する部分と、気体を貯めかつ排気口を有する部分とが一体となった請求項1記載の魚釣り用誘いうき。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、魚釣りの対象となる魚の「動く餌に興味を示す」という習性を利用し、積極的に餌を動かすために使用されるうきに関する。
【背景技術】
一般的に洋の東西を問わず、魚釣りの最終目的は「如何に釣果をあげるか」につきる。釣果を左右する条件は次の通りである。まず自然条件、即ち季節、天候、地形、海であれば潮の干満、潮流、水温等々である。一方では人為的物理的条件、即ち釣りの仕掛けでは竿、糸、針、うき、重り等々の種類の選び方、組み合わせ、あるいは餌の種類、つけ方、また撒餌の種類、撒き方などである。更に人為的知的条件、即ち魚種による習性の違い、例えば上層を好む魚種、中層、あるいは下層を好む魚種。流れの静かな場所を好む魚種、逆に流れの速い場所を好む魚種。また鮎の如き縄張りを守る習性、変わったものでは蛸の如き狭い場所にもぐる習性、烏賊の如き白いものに興味を持つ習性、等々枚挙に暇がないが、これらの習性を熟知しているかどうか。以上の条件が複雑に絡み合って釣果を左右している。一般的な魚の場合の共通した習性として「動く餌に興味を示す」という習性は周知の事実であるが、この習性を利用して釣果を上げるために餌釣りの場合、如何に餌を動かすか。又、ルアー釣りの場合も同様にルアーアクションを如何に自然に行うか、即ち竿捌きを如何に行うかが決め手となる場合が多い。図3に従来の仕掛け例を示す。ごく標準的な仕掛けは竿11に装着されたリール12からの道糸15に当たりうき13をつけ、針14を結び更に必要に応じて小重り18をつけたハリス16を連結部17で道糸15と連結し、針に餅をつけ水中に投じる。水中での深さ(タナと呼ばれる)はうき止め19の位置を調整することで自由に調整できる。これらの仕掛けを使用して、いわゆる釣り名人といわれる釣り人は先述のいわゆる「誘い技術」を駆使して往々にして多大な釣果を獲得している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の「誘い技術」を自由に駆使するには長年の経験と勘が必要であり、初級、中級あるいは上級の一部の釣り人などは思い通りの「誘い」即ち竿捌きができず、釣果を逸している場合が多い。また「誘い技術」を駆使できる釣り名人の場合でも竿捌きをすることで餌が不自然な動きをし、釣果を減ずる事もある。この発明はこれらの釣り人が特別な竿捌きをしなくても魚の興味を呼ぶ為に、水中にある針のついた餌を、例えば潮の流れに逆らうことなく、ごく自然に自動的に動かし釣果を上げるための装置即ち「誘いうき」を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、第一発明は、水中にあって、自力で浮力が増減できる事を特徴とする魚釣り用誘いうきである。 また、第二発明は、気体発生物を収納する部分と、気体を貯めかつ排気口を有する部分とが一体となった魚釣り用誘いうきである。
【発明の効果】
第一発明によれば、この「誘いうき」の下部に針のついた糸をつけ、その針に餌をつけて水中に投入することで、「誘いうき」の動き即ち、水中での上昇、下降に同期して餌は動く。また、第二発明によれば気体を貯める部分と、気体発生物を収納する部分とが一体となっているため、従来の仕掛けにもすぐ装着でき、複雑な構造でなく糸がらみ等の不具合もない。
【発明を実施するための最良の形態】
この発明の一実施形態を、図1、2に示す。
図1に当発明の誘いうきを使用した仕掛け例を示す。誘いうき1〜8は図3に示す従来の仕掛けの連結部17の上部に配置され、更にその上部に誘いうき用重り10が配置され、それぞれ適当な位置に適当な方法で固定される。このように構成された仕掛けの針14に餌をつけ、誘いうき1〜8に気体発生物6を挿入し水中に投じる。図2に誘いうきの構造と作用を示す。誘いうき全体は上部が密閉された本体1と下部の蓋2で構成される。さらに本体内部は仕切り壁兼通気筒5により上部は気体貯蔵部4、下部は気体発生部3に分けられる。気体貯蔵部4の適当な位置に排気口7を設け、その対面に相当する位置に重り8を配する。気体発生部3に気体発生物6を挿入し蓋2で閉鎖した後水中に投じると最初、水中では実線と破線で示す姿勢を保ち、蓋2にある穴から水が浸入し、気体発生物6が水反応型のいわゆる発泡剤(例えば炭酸塩、クエン酸等)であれば気体が発生し、気体は仕切り壁兼通気筒5を通り、気体貯蔵部4に貯まっていく。気体がある程度たまると「誘いうき」には浮力が生じ水中で上昇する。ある程度上昇すると誘いうき用重り10がいわゆるアンカー役となりそれ以上「誘いうき」は上昇せず、二点鎖線で示すように気体発生部3が上部に、重り8を有した気体貯蔵部4が下部となり、姿勢は逆転する。この時、気体貯蔵部4に貯まっていた気体は排気口7から水中に放出され「誘いうき」は浮力が消滅し水中で下降する。水中での下降位置は誘いうき用重り10との間がほぼ直線となる位置であり、この状態で気体発生物6から発生する気体は、再び気体貯蔵部4に導かれ貯まっていく。再び浮力を得た「誘いうき」は水中で上昇する。このようにして、「誘いうき」は気体発生物6の気体発生効果がなくなるまで水中で上昇、下降を繰り返す。この「誘いうき」の下部に連結されたハリス16および針14に装着された餌は当然「誘いうき」と同期して、水中で上昇下降を繰り返す。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、仕掛け全体は水の流れ、潮の流れに逆らうことなく同調した自然の動きを示し、この状況下で誘いうき用重り10から下部の部分、いわゆる「誘いうき」および先端の針14に装着された餌は気体発生物6の気体発生効果がなくなるまで誘いうき用重り10を中心に水中で上昇、下降を繰り返す。誘いうき用重り10から「誘いうき」までの距離は上昇下降のいわゆるストロークを決めるものであり、任意に設定できる。例えば距離を50cmとすればストロークはほぼ1mとなる。このような上下の動きに更に水の流れ、潮の流れも加わり餌は三次元的な複雑な動きを行う。このように動いている餌は魚から見るとあたかも生き物のように見え、非常に興味を覚えると同時に本能的に餌に食いつく。実際にこの「誘いうき」を有した仕掛けでの魚の食い込みは激しいものがあり、従来の柔らかいアタリとは一変する。従来、魚の警戒心を和らげるため、ハリスおよび針等は極力細く小さいものを使用するのが常識であり、時に大きい魚が掛かった場合ハリスが切れる等の不具合が生じていた。この発明によると、魚の警戒心は極端に弱まるためハリスおよび針等は大胆に太く大きいものの使用が可能であり、大きい魚が掛かった場合でもハリスが切れる等の不具合は生じない。更に餌の種類もこの発明によれば、多種多様な餌が使用可能である。 この発明による釣果は、従来の2〜3倍であり、初級者でも確実な釣果が期待できる。ただしこの発明による効果は、魚が居る場合に発揮されるので、如何に魚を集めるかで釣果が左右されるのは言うまでもない。
「他の実施形態」
図1、2の実施形態では、「誘いうき」の形状は筒型にしているが、他の実施形態では丸型、たまご型、円錐型等形状は問わないし大きさも問わない。又、気体発生物6は水反応型のいわゆる発泡剤(例えば炭酸塩、クエン酸等)としているが、他の実施形態では、気体を発生できるものであれば他の発泡剤でも液体ガス等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す全体図である。
【図2】この発明の一実施形態を示す詳細及び作用図である。
【図3】従来技術を示す全体図である。
【符号の説明】
1 誘いうき本体 8 重り 16 ハリス
2 蓋 10 誘いうき用重り 17 連結部
3 気体発生部 11 竿 18 小重り
4 気体貯蔵部 12 リール 19 うき止め
5 仕切り壁兼通気筒 13 当たりうき
6 気体発生物 14 針
7 排気口 15 道糸
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
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