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【発明の名称】ルアー 【出願人】 【識別番号】517439535 【氏名又は名称】石井 修一 【住所又は居所】福岡県福岡市東区唐原4丁目3番3−605号 【発明者】 【氏名】石井 修一 【住所又は居所】福岡県福岡市東区唐原4丁目3番3−605号 【要約】 (修正有) 【課題】ルアー本体への餌魚の装着を簡単かつ確実に行うことができ、しかも、餌魚の遊泳動作を、捕食対象魚の食性に適合する生きた餌魚の自然な遊泳動作のように見せることができて、釣果を向上させることができるルアーを提供すること。 【解決手段】ルアー本体10と、ルアー本体10の後面部から後方へ向けて突出状に設けて、餌魚20を装着して保持する装着・保持片30とを具備しており、装着・保持片30は、弾性を有する細い線材を螺旋状に巻回させて形成するとともに、その螺旋径Wを、装着する餌魚20の脊椎骨24を挿入可能な大きさで、かつ、その脊椎骨24の周囲の普通筋25中に埋め込み可能な大きさに形成している。そして、ルアー本体10の後面部には、後方へ向けて開口する凹部11を形成するとともに、この凹部11は、装着・保持片30に装着した餌魚20の先端部を後方から挿入して収容可能としている。 【選択図】図4 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ルアー本体と、ルアー本体の後面部から後方へ向けて突出状に設けて、餌魚を装着して保持する装着・保持片とを具備し、 装着・保持片は、弾性を有する細い線材を螺旋状に巻回して形成するとともに、その螺旋径を、装着する餌魚の脊椎骨を挿入可能な大きさで、かつ、その脊椎骨の周囲の普通筋中に埋め込み可能な大きさに形成したルアー。 【請求項2】 ルアー本体の後面部には、後方へ向けて開口する凹部を形成するとともに、 この凹部は、装着・保持片に装着した餌魚の先端部を後方から挿入して収容可能とした請求項1記載のルアー。 【請求項3】 ルアー本体は、重錘となした請求項1又は2記載のルアー。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、餌魚を簡単かつ確実に装着することができて、しかも、釣果を向上させることができるルアーに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、テンヤ釣りは、テンヤ針に餌魚を取り付けて行われており、テンヤ針の一形態としては、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1では、テンヤ針の軸部に餌魚挟み枠を取り付けて、餌魚挟み枠を介してテンヤ針に餌魚を容易に取り付け・取り外しできるようにしている。 【0003】 ところが、上記したテンヤ釣りでは、特許文献1のテンヤ針に餌魚を、餌魚挟み枠を介して取り付け、この状態で釣り場のポイントにテンヤ針を投げ込み、釣り糸を引くことで餌魚を遊泳させるわけであるが、このテンヤ針では、餌魚の遊泳動作が、生きている餌魚の自然な遊泳動作のように見えないために、釣果があまりないという不具合がある。 【0004】 そこで、以前、本発明者は、特許文献2に示すように、魚類を模したルアー本体の背部に、その背部に沿わせて餌魚を載置して、ルアー本体と餌魚を紐状片で緊縛することで、餌魚の遊泳動作を、捕食対象魚の食性に適合する生きた餌魚の自然な遊泳動作のように見せることができるようにして、釣果を向上させることができるルアーを提供した。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】 実用新案登録第3139885号公報 【特許文献2】 特開2019−134684号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献2のルアーでは、ルアー本体と餌魚を紐状片で緊縛するようにしているため、釣り人の中には、この紐状片による緊縛作業を煩わしく感じて、このルアーの使用を敬遠する人がいた。 【0007】 そこで、本発明では、魚類の頭部を模したルアー本体への餌魚の装着を簡単かつ確実に行うことができ、しかも、餌魚の遊泳動作を、捕食対象魚の食性に適合する生きた餌魚の自然な遊泳動作のように見せることができて、釣果を向上させることができるルアーを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記した目的を達成するために、本発明に係るルアーは、魚類の頭部を模したルアー本体と、ルアー本体の後面部から後方へ向けて突出状に設けて、餌魚を装着して保持する装着・保持片とを具備している。装着・保持片は、弾性を有する細い線材を螺旋状に巻回して形成するとともに、その螺旋径を、装着する餌魚の脊椎骨を挿入可能な大きさで、かつ、その脊椎骨の周囲の普通筋中に埋め込み可能な大きさに形成している。そして、ルアー本体の後面部には、後方へ向けて開口する凹部を形成するとともに、この凹部は、装着・保持片に装着した餌魚の先端部を後方から挿入して収容可能としている。また、ルアー本体は、重錘となすことができる。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、魚類の頭部を模したルアー本体への餌魚の装着を装着・保持片を介して簡単かつ確実に行うことができ、しかも、餌魚の遊泳動作を、捕食対象魚の食性に適合する生きた餌魚の自然な遊泳動作のように見せることができて、釣果を向上させることができるルアーを提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0010】 【図1】本発明に係るルアーの右側面図である。 【図2】本発明に係るルアーの背面図である。 【図3】本発明に係るルアーの断面右側面図である。 【図4】本発明に係るルアーへの餌魚の装着説明図である。 【発明を実施するための形態】 【0011】 以下に、本発明の実施形態を、図面を参照にしながら説明する。図1〜図4に示すAは、本実施形態に係るルアーである。このルアーAは、フィッシング(釣)に使用されるものであり、図4(d)に示すように、釣り糸Bの先端に連結して、この状態で釣り場のポイントにルアーAを投げ込み、所望の深度において釣り糸Bを引くことで、水中でのルアーAが生きた餌魚のような遊泳動作を採るようにしている。ここでは、ルアーAが牽引される方向を前方とし、その反対方向を後方とする。そして、ルアーAを前方から視ることを正面視、反対に後方(背後)から見ることを背面視という。 【0012】 ルアーAは、図1〜図4に示すように、魚類の頭部を模したルアー本体10と、ルアー本体10の後面部(背面部)から後方へ向けて突出状に設けて、キビナゴ等の餌魚20の本体22(頭部を除く胴部及び尾部)を装着して保持する装着・保持片30と、ルアー本体10の後下部に取り付けた釣り針40とを具備している。 【0013】 ルアー本体10は、釣り場のポイントに投げ込まれて、釣り糸Bを引かれた際に、装着・保持片30を介して装着した餌魚20と協働して、捕食対象魚の食性に適合する生きた餌魚の自然な遊泳動作を採るように形成している。すなわち、ルアー本体10は、プラスチック等の合成樹脂性素材により魚類の頭部を模した魚類形状様に固く成形することができるものであり、合成樹脂製となして内部に重錘を埋設することも、また、外部に重錘を取り付けることもできる。本実施形態のルアー本体10は、鉛等の金属製となして重錘を兼用させている。 【0014】 ルアー本体10の後面部には、後方へ向けて開口する段付き凹状で大径の第1凹部11を形成しており、この第1凹部11の中央部には、後方へ向けて開口する段付き凹状で小径の第2凹部12を形成している。 【0015】 装着・保持片30は、弾性を有する細い線材である材料を螺旋状に巻回して圧縮コイルばね状に形成しており、その螺旋径Wは、装着する餌魚20の脊椎骨24を挿入可能な大きさで、かつ、その脊椎骨24の周囲の普通筋25中に埋め込み可能な大きさに形成している(図4(d)参照)。本実施例では、装着・保持片30の旋回方向は、後面視にて反時計回りに形成している。装着・保持片30の自由長さ(無荷重状態での自然の長さ)Lは、頭部21を取り除いた餌魚20の本体22(胴部及び尾部)を装着した際に、胴部の略三分の一の部分に位置する長さに形成するのが好ましい。すなわち、装着・保持片30の自由長さLが胴部長に比して短尺過ぎると、装着・保持片30の本体22への装着部分が過少となって、本体22が脱落する虞がある。一方、装着・保持片30の自由長さLが胴部長に比して長尺過ぎると、装着・保持片30の本体22への装着部分が過大となって、本体22の装着に手間を無駄に要するという煩わしさがある。そこで、適度な装着・保持片30の自由長さLとしては、胴部の略三分の一に位置する長さに形成するのが好ましいが、言うまでもなく、本体22の装着・保持片30への保持性と装着の容易性とが良好に確保できれば、この自由長さLに限られるものではない。 【0016】 そして、装着・保持片30は、前記したルアー本体10の第2凹部12に基端(前端)31を嵌入して固定するとともに、先端(後端)32を後方へ向けて突出させて自由端となしている。つまり、装着・保持片30は、ルアー本体10の後面部に片持ち梁状態に突設しており、装着・保持片30自体は、前記したように弾性素材により圧縮コイルばね状に形成しているため、その軸線と交差する任意の方向から外力を受けるとその方向に屈曲変形(たわみ変形)し、また、その外力が解除されると元の状態に復元する可撓性を有する。 【0017】 したがって、装着・保持片30に餌魚20の本体22を装着した状態で水中にて牽引しながら釣りをした際には、本体22が水抵抗を受けて揺動するが、この本体22を片持ち支持している装着・保持片30自体が任意の方向からの外力に対して可撓性を有しているため、本体22の遊泳姿勢に追随して屈曲変形して本体22の揺動動作に悪影響(不自然さ)を与えることがない。その結果、餌魚20が自然に遊泳している状態を現出することができる。この際、装着・保持片30の自由長さLは、餌魚20の本体22を装着した際に胴部の略三分の一に位置する長さに形成しているため、装着・保持片30による本体22の堅実な保持と自然な遊泳動作の良好な確保とが図れる。 【0018】 また、装着・保持片30の自由長さLにおけるピッチP(図3参照)は、餌魚20の脊椎骨24からその長手方向に間隔をあけて突出している多数の上肋骨や肋骨(図示せず)に適合させて、適宜設定することができる。すなわち、ピッチPを有する装着・保持片30は、多数の上肋骨や肋骨を避けながら、本体22の先端部23から脊椎骨24の周囲において普通筋25にかみ込むようにスムーズにねじ込むことができて、隣接する上肋骨間又は肋骨間において、脊椎骨24の周囲に巻回した状態に配置することができる。つまり、装着・保持片30に本体22を簡単かつ確実に装着することができるとともに、装着した本体22が上肋骨や肋骨を介して装着・保持片30から脱落し難いように装着することができる。 【0019】 ルアー本体10の第1凹部11の段部深さDは、装着・保持片30に装着した餌魚20の本体22の先端部を後方(背後)から挿入して収容可能に形成している(図4(d)参照)。このように構成することで、装着・保持片30に装着した本体22の先端部23を第1凹部11内に収容するとともに、その先端部23の端面を第1凹部11の前面に当接させることができて、先端部23がルアー本体10の外部に露出しないようにすることができる。すなわち、ルアーAが釣り糸Bに引かれて遊泳動作しながら移動する際に、餌魚20の先端部23の端面が水抵抗を直接受けて損壊等されることがないようにしている。その結果、装着・保持片30への餌魚20の装着・保持状態が良好に確保されて、良好な釣果が得られるようにしている。 【0020】 次に、図4を参照しながら、装着・保持片30への餌魚20の装着方法について説明する。まず、図4(a)に示す餌魚20を、図4(b)に示すように、餌魚20の頭部21をはさみや刃物等でカットして取り除く。次に、図4(c)に示すように、装着・保持片30の先端(後端)32には、餌魚20の本体22の先端部23を当接させるとともに、装着・保持片30内に餌魚20の本体22の脊椎骨24を配置して、本体22をその軸線廻りに装着・保持片30の旋回方向(巻き方向)とは反対方向である時計回りに回転させながら装着・保持片30にねじ込む。このねじ込み作業は、図4(d)に示すように、餌魚20の本体22の先端部23が第1凹部11内に挿入・収容されるとともに、第1凹部11の前面に先端部23の端面が当接するまで行う。そうすることで、装着・保持片30に餌魚20の本体22を簡単かつ確実に装着することができる。この際、餌魚20の脊椎骨24は、装着・保持片30内に配置される。つまり、装着・保持片30は、餌魚20の脊椎骨24の周囲において本体22の普通筋25にかみ込むように巻回されているため、餌魚20の本体22は、装着・保持片30から脱落することなくルアー本体10と一体となってともに自然な遊泳動作を採る。 【0021】 このようにして、生きた餌魚のような遊泳動作を採るルアー本体10に餌魚20の本体22が装着されたルアーAを、捕食対象魚が好んで捕食するようにしている。餌魚20としては、経済性や取扱性からして、生きている生餌よりも、死んでいる生餌が好ましい。また、捕食対象魚としては、餌魚20を好んで捕食する魚(いわゆるフィッシュイーター)を対象とすることができ、例えば、スズキ、ブリ、ハタである。 【符号の説明】 【0022】 A:ルアー、B:釣り糸、10:ルアー本体、11:第1凹部、12:第2凹部、 20:餌魚、21:頭部、22:本体、23:先端部、24:脊椎骨、25:普通筋、 30:装着・保持片、31:基端、32:先端、40:釣り針 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
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