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スポーツ・娯楽
 
【発明の名称】卓球などの球技練習装置
【出願人】
【識別番号】501478207
【氏名又は名称】岡本 武彦
【住所又は居所】福井県小浜市小浜竜田53番地の5
【発明者】
【氏名】岡本 武彦
【住所又は居所】福井県小浜市小浜竜田53番地の5
【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外3名)
【要約】
【課題】 リアルな打球感が得られて有効な練習ができるとともに、連続打球や広角打球についても実感的練習をおこなうことができ、耐久性に優れているばかりでなく、構造簡単にして安価に製作できる卓球などの球技練習装置を提供する。
【解決手段】 基台1と、基台に対して少なくとも上下動可能に取り付けられた支柱6と、支柱に取着され先端が支柱の端面より所定長突出する揺動バネ棒9と、揺動バネ棒の先端に取り付けられ端面に球固着具15の取着部を設けた支持具14と、球面状の固着面を前記取着部の支持面に対応させて取り付けられた軟質材からなる球固着具15と、球固着具の球面に固着した打撃球8とからなることを特徴とする卓球などの球技練習装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基台と、基台に対して少なくとも上下動可能に取り付けられた支柱と、支柱に取着され先端が支柱の端面より所定長突出する揺動バネ棒と、揺動バネ棒の先端に取り付けられ端面に球固着具の取着部を設けた支持具と、球面状の固着面を前記取着部の支持面に対応させて取り付けられた軟質材からなる球固着具と、球固着具の球面に固着した打撃球とからなることを特徴とする卓球などの球技練習装置。
【請求項2】 揺動バネ棒を板バネで形成し、板バネの板面を支持具の球固着具の支持面と同一方向としたことを特徴とする請求項1記載の卓球などの球技練習装置。
【請求項3】 揺動バネ棒を複数の棒状コイルバネの集束体で形成したことを特徴とする請求項1記載の卓球などの球技練習装置。
【請求項4】 支柱と揺動バネ棒を所定長に亙って重合し、重合部の上端を弾性伸縮体で連結して係止するとともに、その下方部の揺動バネ棒を支柱に固定したことを特徴とする請求項1または2記載の卓球などの球技練習装置。
【請求項5】 揺動バネ棒の支柱への下端固定部を支柱に固着した弾性バネ体に連結することにより打球時の衝撃力によって移動可能としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の卓球などの球技練習装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、卓球などの球技練習装置に係り、特にフォームや打撃感覚を養う練習装置に関する。
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、卓球などの練習においては、素振りが基礎となり、ラケットを持っての打撃フォームの練習が主であった。しかし、素振り練習では、球を直接打つことがないため、打球感覚の修得ができないことから、近年では、高さを調節できるスタンドの上部に打撃によって揺動する支持棒を取り付け、この先端に球体を固着することによって、練習効率を向上させたスポーツ用練習器が提案されており、実開平3−24169号ほかとして出願公開されている。
このスポーツ用練習器は、球を打ちながらおこなう素振り練習に際して、乱打練習と同様に、こちらが打つとともに相手が打ち返した球を続いて打ち返すタイミングや、打撃感覚において実感が得られることを効果としている。
しかしながら、現実に打撃練習をする場合、特に卓球の場合は、1分間に60〜70回を越す打球となることから打撃間隔がきわめて短いだけでなく、打撃回数も非常に多くなる練習を必要とするが、これまでに提案されている構成では、打球後揺動支持棒が揺れて打撃球が静止しない、あるいは静止するまでに長時間を要する欠点があり、また、頻繁な打撃によって打撃球が破壊したり、揺動支持部が折損するなど耐久性の面で実用に耐えるものがなかった。
すなわち、1分間に60〜70回ということは、1秒に1回以上のスピードで打球するということである。これを30分間継続すれば、2000回打球することになるものであり、連続打球の練習をおこなったり、静止球打球をおこなうためには、打球後すみやかに球を静止させる必要があり、また継続練習によっても練習装置が容易に故障しないものである必要があった。
本発明は、上記点に着目してなされたものであり、リアルな打球感が得られて有効な練習ができるとともに、連続打球や広角打球についても実感的練習をおこなうことができ、耐久性に優れているばかりでなく、構造簡単にして安価に製作できる卓球などの球技練習装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1記載の卓球などの球技練習装置の発明は、基台と、基台に対して少なくとも上下動可能に取り付けられた支柱と、支柱に取着され先端が支柱の端面より所定長突出する揺動バネ棒と、揺動バネ棒の先端に取り付けられ端面に球固着具の取着部を設けた支持具と、球面状の固着面を前記取着部の支持面に対応させて取り付けられた軟質材からなる球固着具と、球固着具の球面に固着した打撃球とからなることを特徴とするものである。
この構成により、球固着具は打撃球の背面に位置するため、使用者は球のみを打球する感覚となり、揺動バネ棒との相互の作用によりリアルな打球感を得ることができ、快適な打球練習をおこなうことができる。また、球固着具は広い球面で打撃球を覆っているとともに、軟質材で形成されていることから、打球時の衝撃の吸収力は大きくなり、打撃球の使用寿命を格段に延ばすことができる。
請求項2記載の発明は、揺動バネ棒を板バネで形成し、板バネの板面を支持具の球固着具の支持面と同一方向としたことを特徴とするものであり、板バネの形状と作用により、打球はきわめて短時間で静止状態に復帰するものであり、打球後静止するまでの時間を長く要しないので、快適な打球練習をおこなうことができる。
請求項3記載の発明は、揺動バネ棒を複数の棒状コイルバネの集束体で形成したことを特徴とするものである。この構成により、併置した2本乃至数本のコイルバネ相互の伸びと引っ張り作用により、従来のごとく1本のコイルバネでは到底困難であった打撃後の揺動から静止安定するまでの時間が格段に短縮できるとともに、角度をつけた打撃に対しても安定した揺動により耐久性を向上させることができる。
請求項4記載の発明は、支柱と揺動バネ棒を所定長に亙って重合し、重合部の上端を弾性伸縮体で連結して係止するとともに、その下方部の揺動バネ棒を支柱に固定したことを特徴とするものであり、揺動バネ棒と弾性伸縮体の相互の作用により、打球感覚に優れ、弾性伸縮体の振動吸収力によって打球の際の揺動バネ棒の変位量を軽減し、すみやかに原位置に復帰して静止させることができるだけでなく、打球時の板バネ部に対する衝撃負荷を大きく減ずることができ、長く耐久性を保つことができるものである。
請求項5記載の発明は、揺動バネ棒の支柱への下端固定部を支柱に固着した弾性バネ体に連結することにより打球時の衝撃力によって移動可能としたことを特徴とするものであり、この構成によって、広角打球練習のように角度をつけて打球したような場合でも、固定部はバネ力に抗して外方へ移動するとともに回動にも追随できるものであり、打撃球に対する球固着具の弾力性と相俟って耐久性を向上させることができる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を卓球の練習装置について説明する。全体構成を示す斜視図である図1と、その側面図である図2に示すように、卓球の練習装置(1)は、基台(2)上に設けた円柱形状のスタンド(3)の上端に、スタンド上端部が摺動自在に嵌入するように設けた透孔(4a)によって上下動および回転自在に横支柱(4)を設け、この横支柱(4)の両端部には、前記と同様に、透孔(4b)によって左右動および回転自在にアーム(5)を設けている。
(6)はアームの端部に形成した透孔(5a)によって、上下動および回転自在に摺動設置された支柱であり、これら支柱(6)や前記アーム(5)、横支柱(4)は、それぞれが摺動回転する母体の透孔部に設けた蝶ネジ(7)の回動によって、摺動長さや方向を調節し、任意の位置に固定できるように構成されている。
支柱(6)には、先端に打撃球(8)を固着した揺動バネ棒(9)を取り付けている。揺動バネ棒(9)は、厚さ0.6mm、幅5mmで長さ20mm程度の板バネで形成したものであり、先端を傾斜状として垂直に立設させた支柱(6)と、これに沿って一部を重合させて立設した揺動バネ棒(9)とは、揺動バネ棒(9)の下方部を支柱(6)に固定バンド(10)取り付けるとともに、支柱(6)の上端部は、ゴムなどの弾性伸縮体(11)によって打球による衝撃時には所定の移動が可能なように揺動バネ棒(9)を係止している。
揺動バネ棒(9)の弾性伸縮体(11)による係止部の下方には、円弧状の係止ガイド(12)を取り付けている。係止ガイド(12)は内径10mm程度のワイヤで形成して、ワイヤ内部に揺動バネ棒(9)を位置させており、打撃時における揺動バネ棒のワイヤ外方への移動を規制しているまた、図3に詳細構成を示すように、これら弾性伸縮体や係止ガイドの取り付け位置を含む上下位置に亙って、揺動バネ棒(9)にはビニルチューブ(13)を被覆しており、打撃によってバネ棒が揺動した際に発生する振動音を消音するように作用させている。
揺動バネ棒(9)の先端には、ネジなどで揺動バネ棒を挟着して着脱自在とした支持具(14)を取り付けており、支持具(14)は、ネジ止め部の上部を後方へ折曲してその端部を上方に立ち上げた支持面(14a)から水平方向に円柱状の固定凸起(14b)を突出させている。
この固定凸起(14b)には、前面の水平方向に球面状の固着面(15a)を有する吸盤からなる軟質材製の球固着具(15)を、その後部に形成した円筒状部(15b)を嵌入させて取着固定する。
そして、揺動バネ棒(9)の先端に取り付けられ、垂直面となる支持具の支持面(14a)に対応する球固着具(15)の球面状の打撃球の固着面(15a)には、卓球ボールである打撃球(8)を固着する。このとき、固着面(15a)は球面であるとともに球固着具(15)が軟質材で形成されていることから、打撃球(8)はその側面に接着剤を塗布して接着させることで、固着面(15a)に完全に密着して固定される。
次に、揺動バネ棒(9)の支柱(6)への取り付け構成につき、さらにその詳細を説明する。揺動バネ棒の支柱への取り付けは、図1、図2に示すような、固定バンド(10)による固定でもよいが、図3およびそのA−A線に沿う要部の断面図である図4でさらに改良した固定構成を示すように、揺動バネ棒の固定具(17)を、支柱(6)を挿通して対向側から引っ張り力を加える弾性バネ(18)に連結して係止することによって、所定以上の衝撃力ではわずかに移動するとともに、30度程度の角度で回動可能とするようにしてもよい。
すなわち、弾性バネ(18)で係止された固定具(17)は、揺動バネ棒(9)を挟み込んで蝶ネジ(7)で締め付け固定する挟着部(19)と、この挟着部(19)と支柱(6)壁との間に下方への凸軸(20)を設けている。凸軸(20)は支柱の側壁に取り付けた円筒カラー(21)を貫通し、下方への突出端をピンで係止して抜け止めとした構成であり、この構造により、固定具(17)は、常時は弾性バネ(18)によって支柱壁に吸着しており、揺動バネ棒(9)に所定以上の打撃力や捻り荷重がかかった際には、バネ力に抗して、円筒カラー(21)による凸軸(20)の回動によって揺動バネ棒(9)の左右方向の30度程度の回動にも追随できるように形成されているものである。
以下、上記実施例における練習装置の作用について説明する。卓球の打撃練習をおこなう際には、スタンド(3)に対して横支柱(4)、アーム(5)、支柱(6)の高さや方向、角度を、蝶ネジ(7)により、使用者の身長や希望する練習目的に対応して設定し、ラケットにより、所定位置に保持した打撃球(8)を打球する。
このとき、打撃球(8)の位置は、図1に示すように、複数、この例では2箇所に設定できるものであり、アーム(5)(5´)や支柱(6)(6´)の調整により、双方の高さを変えたり、間隔幅を調整することで、打撃球(8)(8´)相互の高さ、間隔位置を変化させることができ、シュートやドライブ、カーブドライブなどあらゆる打球練習や、フットワークの練習など多種の練習をおこなうことができる。
そして、打撃球(8)を打球した場合には、その衝撃力は打撃球(8)の背面を広く覆っている吸盤からなる球固着具(15)で正面から受け、これをその背面支持具(14)で受け、支持具に近接して固着されている揺動バネ棒(9)の揺動で吸収し減衰して静止状態に復帰させ、次の打撃に備えるものである。
打球時には、打撃球(8)および揺動バネ棒(9)は図3の2点鎖線に示す状態となり、揺動バネ(9)は後方へ大きく変位するが、バネ棒自体の弾性力とともに、ゴム弾性伸縮体の振動吸収力およびワイヤ係止ガイド(12)の係止力によって変位量を軽減し、すみやかに原位置に復帰して静止する。
打球後、静止までの所要時間は、本発明者の実験結果によれば、約3,5秒ときわめて短時間で復帰するものであり、静止球打球の練習に際しても、打球後静止するまでの時間が短いことから、快適な打球練習をおこなうことができる。また、完全に静止せずとも打球はおこなえるものであり、1分間60〜70回の連続打球練習についても何ら問題なくおこなうことができる。
さらに、前記したごとく、図3に示す固定具(17)構成にすると、打撃によって、固定具(17)自体も回動するものであり、特に、広角打球練習のように、前陣、中陣より相手方のコーナーを狙える約70〜80度を角度をつけて打球したような場合は、板バネで形成した揺動バネ棒(9)には捻り応力が発生し、負荷が大きくなることになるが、所定以上の荷重がかかった際には、固定具(17)はバネ力に抗して外方へ移動するとともに、図4の矢印で示すように、円筒カラー(21)内で凸軸(20)が回動することにより、揺動バネ棒(9)のある程度の回動にも追随できるものであり、打撃球(8)に対する球固着具(15)の吸盤面の弾力性と相俟って耐久性が大きくなるものである。
以上説明したごとく、上記実施例による球技練習装置によれば、打撃球(8)は実際の卓球用セルロイド球であり、球固着具(15)は打撃球(8)の背面に位置し、その円筒状部(15b)に支持具(14)の固定凸起(14b)を嵌入して打撃の衝撃を支持面(14b)で受けるとともに、揺動バネ棒(9)に近接して固着されているため、使用者は球のみを打球する感覚となり、揺動バネ棒(9)と弾性伸縮体(11)、および固定具(17)の相互の作用により、リアルな打球感を得ることができる。
しかも、最も重要な要件である耐久力についても、打撃球(8)と球固着具(15)との位置関係、および球固着具(15)が吸盤であり、広い球面で打撃球(8)を覆っているとともに、軟質材で形成されて、前記のように支持具(14)に取り付けられていることから、打球時の衝撃の吸収力は大きくなり、以て、打撃球の使用寿命を格段に延ばすことができる。
揺動バネ棒(9)についても、材質が板バネであること、固定部の上部を弾性伸縮体(11)で係止していることから、打球感覚に優れ、すみやかに静止状態に復帰させる効果を有するだけでなく、打球時の板バネ部に対する衝撃負荷を大きく減ずることができ、長く耐久性を保つことができるものである。
揺動バネ棒(9)に被覆したビニルチューブ(13)は、打撃時に揺動バネ棒が支柱(6)やワイヤ係止ガイド(12)に当接して発する打撃音、および板バネが振動するときに発するビビリ音を消勢するのに有効であるばかりでなく、揺動バネ棒(9)の変位に対して緩衝効果を有し、耐久性の助長に寄与する。
なお、この揺動バネ棒(9)には、練習に際して大きな負荷が継続してかかるものであり、上記構造作用によって耐久力を長く維持できるといえども、長期使用による応力部の折損は避けられない。発明者の実験結果によれば、板バネは約1万回の打撃に耐える耐久力を有し、疲労によりゴム弾性伸縮体(11)部分で折損するケースが多かった。しかしながら、上記構成によれば、上端および下部の固定ネジを外すことで揺動バネ棒(9)の取り外しはきわめて容易におこなえるものであり、新しい板バネとの交換作業も容易である。
また、打撃球(8)部の耐久性については、上記したとおりであり、充分な寿命を有するものであるが、長期使用によって打撃球が割れるなど破壊した場合には、球固着具(15)である吸盤に卓球のボール(8)を球面を密着させて接着させればよく、この一体品を、吸盤後部の円筒状部(15b)を揺動バネ棒(9)の先端に取り付けた支持具(14)の固定凸起(14b)に嵌入することで、簡単に且つ安価に交換することができる。
次に、本発明の他の実施形態につき、前記実施例と同一部分には同一符号を付した図5を参照して説明する。本実施例は、揺動バネ棒(29)を単位長さの板バネでなく、長尺、例えば3mの長さとしたものであり、余剰部分(29a)はコイル状に巻いて装置の下方に収納したものである。
そして、揺動バネ棒(29)が疲労などにより折損した場合は、折損部は概ね弾性伸縮体(11)のわずかに上方部となるため、折れた部分より上部を除去するとともに、下方の余剰部分(29a)から新しい板バネを約10cm程度引き上げてビニルチューブ(13)に挿通させ、上方を支持具(14)にネジ止めするとともに支柱(6)との先端重合部を弾性伸縮体(11)で係止し、下方を固定具(17)にネジ固定すればよい。
折損時など板バネ(29)の交換は、上記のように随時新規分を供給して設置固定することにより容易におこなうことができるものであり、打撃練習が揺動バネ棒の購入や交換で長時間中断することなく継続できる。
また図示しないが、長尺とした揺動バネ棒の板バネ表面に、例えば20cm間隔で切り目を入れ、長期練習により板バネが折損した際には、切り目の部分で切断することで折れた部分を取り除き、新規の板バネ部分を20cm引き上げて使用するようにすれば、さらに交換作業は簡単なものとなる。
図6は、本発明のさらに他の実施形態を示し、前記と同様に符号を付した打撃練習装置の上部の背面図である。この実施例において、打撃球(8)、球固着具(15)は、前記実施例と同一であるが、球固着具(15)の円筒状部を嵌入固定する円柱状の固定凸起を設けた支持具(34)形状は別構成としている。
支持具(34)は、固定凸起(34b)とともに下方に2つの係止部(34c)を前記固定凸起(34b)の突出方向に対して直角方向に併置して設けており、この係止部(34c)に、前記板バネに代わって直径が2.5〜3mの2本のコイルバネからなる揺動バネ棒(39)(39)を併設している。
揺動バネ棒(39)(39)は、支柱(6)との先端重合部を前記実施例と同様に弾性伸縮体(11)で係止し、下端は固定バンド(30)によって2つのコイルバネの隣接状態を保持したまま支柱(6)に固定しており、図面には記載していないが、前記実施例と同様にビニルチューブをコイルバネに被覆すれば、打撃の際の消音効果とともに、コイルバネの打撃による変位に対して緩衝効果を得ることができる。
上記実施例によれば、併置した2本乃至数本のコイルバネ(39)(39)相互の伸びと引っ張り作用により、前記板バネと同様の打球に対する作用効果が得られ、従来のごとく1本のコイルバネでは到底困難であった打撃後の揺動から原位置に復帰して安定静止するまでの時間が格段に短縮できるとともに、角度をつけた打撃に対しても安定した揺動により耐久性を向上させることができる。
前記実施例においては、揺動バネ棒(39)を2本のコイルバネの併設構成で説明したが、2本の併設部の背面にさらに1本を添わせて3本乃至複数本の集束体としてもよい。
なお、上記実施例においては、図1に示すような床面からのスタンドタイプの構成で説明したが、これに限らず、揺動バネ棒を取り付けた支柱の下端部分に直接基台を設けて、所定高さ調整を可能とし、これを例えば、テーブルの表面に設置することで、コンパクトで簡易型の卓球練習装置としてもよい。
また、練習の対象球技は、卓球に限らず、テニスや野球のバッティングなど打撃練習をおこなうものにも趣旨を損なわない範囲で広く適用できるものであることはいうまでもない。
【発明の効果】請求項1の発明によれば、リアルな打球感を得ることができ、快適な打球練習ができるとともに、球固着具は広い球面で打撃球を覆って軟質材で形成されていることから、打球時の衝撃の吸収力が大きくなり、打撃球の使用寿命を格段に延ばすことができる。
請求項2の発明によれば、打球はきわめて短時間で静止状態に復帰するものであり、打球後静止するまでの時間を長く要しないので快適な打球練習をおこなうことができ、また、請求項3の発明によれば、併置した2本乃至数本のコイルバネ相互の伸びと引っ張り作用により、従来のごとく1本のコイルバネでは困難であった打撃後の揺動から静止して安定するまでの時間が格段に短縮できるとともに、角度をつけた打撃に対しても安定した揺動により耐久性を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、打球感覚に優れ、弾性伸縮体の振動吸収力によって打球の際の揺動バネ棒の変位量を軽減し、すみやかに原位置に復帰して静止させることができるだけでなく、打球時の板バネ部に対する衝撃負荷を大きく減ずることができ、長く耐久性を保つことができるものである。
請求項5の発明によれば、広角打球練習のように角度をつけて打球する場合でも、固定部はバネ力に抗して外方へ移動するとともに回動にも追随できるものであり、打撃球に対する球固着具の弾力性と相俟って耐久性を向上させることできる。
図面の簡単な説明】
【図1】本発明の球技練習装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2の要部の詳細構成を示す側断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す要部の側断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態を示す要部の背面図である。
【符号の説明】1…練習装置 2…基台 3…スタンド4…横支柱 5…アーム 6…支柱7…蝶ネジ 8…打撃球9、29、39…揺動バネ棒 10…固定バンド 11…弾性伸縮体 12…係止ガイド 13…ビニルチューブ 14、34…支持具 14a…支持面 14b、34b…固定凸起 15…球固定具 15a…固着面 15b…円筒状部 17…固定具 18…弾性バネ 19…挟着部 20…凸軸 21…円筒カラー 30…固定バンド 34c…係止部
試作写真1 試作写真2 試作写真3
発明者からのメッセージ
ポイント
 ボール受け部に柔軟性のある素材(吸盤)を使用し打球時の圧力を吸盤全体で受け止めるように板バネを側面に取り付けることによりボールに直線的に取り付けたものより(ゴム風船に糸の関係)ボールや吸盤の取付部の耐久力が10倍程度向上した他に広角に打球やボール・板バネの着脱に一考する。
使用効果
 初級者
実際にボールを打つことにより打球フォームの習得には、なみの素振りよりも飽きもなく早く効果が期待できる。
 中級者〜(選手クラス)
工夫次第で様々なイメージトレーニングが可能
 例・・2珠間を操作してフットワークの練習や壁などにポイントを記し卓球の基本練習にある多球練習に似たトレーニングや自分の弱点のポイントを集中的に反復練習ができる。ボールを下向きに反転セットすればカットプレイも可能。
性能
 リアルな打球感を得ながら狭いスペースでトレーニングができる。実戦にもとづいた広角打法60度〜70度 打球間隔60回〜70回(1分間)に打球することが可能。角度・高さ・横幅を調整し基本打法のドライブ・スマッシュ・フリック(台上払い)やカーブ・シュート打法も研究できる。
耐久性
 「ボール」平均11,000回で破損する。ボールは吸盤接着済みのもの使用
部品交換に要する時間 「ボール」リンタッチ(数秒) 「板バネ」(2分)着脱簡単
1日1,000回の打球練習でボール・板バネなど一ヶ月3回程度交換必要
その他ご質問お受けいたします。

開発制作者
福井県小浜市竜田53−5
岡本 武彦 TEL0770-52-1242
 
【図1】
図1
【図2】
図2 
【図3】
図3
【図4】
図4 
【図5】
図5 
【図6】
図6
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