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【考案の名称】組立ブロック 【実用新案権者】 【識別番号】522140736 【氏名又は名称】剱 幸夫 【住所又は居所】新潟県五泉市城下2丁目774-5 【代理人】 【識別番号】100095407 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 満 【代理人】 【識別番号】100104329 【弁理士】 【氏名又は名称】原田 卓治 【代理人】 【識別番号】100175019 【弁理士】 【氏名又は名称】白井 健朗 【代理人】 【識別番号】100195648 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 悠太 【考案者】 【氏名】剱 幸夫 【住所又は居所】新潟県五泉市城下2丁目774-5 【要約】 【課題】3つの分割ブロックによる立体であっても組立・分離が容易であり、片手でも組立・分離ができる組立ブロックを提供する。 【解決手段】組立ブロックは、正四面体10を8個組み合わせた3つの分割ブロック2〜4からなる凸状12面体の組立ブロックで、分割ブロック2〜4は、1つの正四面体10の高さHの平行な2面間の外表面に2つの正四面体10の正三角形11によるひし形外平面12を形成して配置され、平行な2面間の内側表面に頂点Oで接する4つの正四面体10の正三角形11による2つのひし形内平面13を形成して配置され、ひし形外平面12の2つの正三角形11の底辺11aに直交する投影断面が矩形Aを形成して配置され、これと直交する投影断面が台形Bを形成して配置され8個の正四面体10が連結され、ひし形内平面13の頂点Oを挟む2つの正三角形11の2本の斜辺11bの一方の直線に沿って分割ブロック2〜4の組立・分離を可能とする切欠き部14が形成される。 【選択図】図3 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 正四面体を8個組み合わせた3つの分割ブロックからなる凸状12面体の組立ブロックであって、 前記分割ブロックは、 1つの前記正四面体の高さの平行な2面間の外表面に、2つの前記正四面体の正三角形によるひし形外平面を形成して配置され、 前記平行な2面間の内側表面に、頂点で接する4つの前記正四面体の正三角形による2つのひし形内平面を形成して配置され、 前記ひし形外平面の2つの前記正三角形の底辺に直交する方向の投影断面が矩形を形成するよう配置され、 前記投影断面と直交する方向の投影断面が台形を形成するように配置されて前記8個の正四面体が連結されており、 前記ひし形内平面の前記頂点を挟む2つの正三角形の2本の斜辺の一方の直線に沿って前記分割ブロックの組立・分離を可能とする切欠き部が形成されている、 ことを特徴とする組立ブロック。 【請求項2】 前記組立ブロックの3つの前記分割ブロックは、2つの前記分割ブロックの前記ひし形内平面が並べて配置され、 他の1つの分割ブロックは、前記2つの並べられた前記ひし形内平面上に他の1つの前記ひし形内平面を載置するように配置されており、 並べて配置された2つの前記分割ブロックは、両端部をつまみ上げる状態として前記凸状12面体に組立可能に構成されている、 ことを特徴とする請求項1に記載の組立ブロック。 【請求項3】 前記組立ブロックの3つの前記分割ブロックは、前記凸状12面体の外表面に位置するそれぞれ一箇所の前記正三角形の面に片手の三本の指を当てつまむように押し戻す状態として3つの前記分割ブロックに分解可能に構成されている、 ことを特徴とする請求項1に記載の組立ブロック。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、組立ブロックに関する。 【背景技術】 【0002】 例えば、特許文献1に記載の組立ブロックは、2つのブロックを嵌合させることで柱状体、錐体および球状体のいずれかの立体を形成するものであり、2つのブロックに嵌合可能な1通りの嵌合部を形成することによって立体を形成するようにしている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 特開2004−8442号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0004】 上記特許文献1に記載の組立ブロックでは、2つのブロックの嵌合で立体とすることから、組立・分離が片手でもできるものの、3つの同一形状のブロックで立体を構成すると、組立・分離が難しくなり、特に。片手での操作ができなくなるおそれがある。 【0005】 本考案は、上記実状に鑑みてなされたものであり、3つの分割ブロックによる立体であっても組立・分離が容易であり、片手でも組立・分離ができる組立ブロックを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記目的を達成するため、本考案に係る組立ブロックは、正四面体を8個組み合わせた3つの分割ブロックからなる凸状12面体の組立ブロックであって、前記分割ブロックは、1つの前記正四面体の高さの平行な2面間の外表面に、2つの前記正四面体の正三角形によるひし形外平面を形成して配置され、前記平行な2面間の内側表面に、頂点で接する4つの前記正四面体の正三角形による2つのひし形内平面を形成して配置され、前記ひし形外平面の2つの前記正三角形の底辺に直交する方向の投影断面が矩形を形成するよう配置され、前記投影断面と直交する方向の投影断面が台形を形成するように配置されて前記8個の正四面体が連結されており、前記ひし形内平面の前記頂点を挟む2つの正三角形の2本の斜辺の一方の直線に沿って前記分割ブロックの組立・分離を可能とする切欠き部が形成されている、ことを特徴とする。 【考案の効果】 【0007】 本考案によれば、3つの分割ブロックによる立体であっても組立・分離が容易であり、片手でも組立・分離ができる。 【図面の簡単な説明】 【0008】 【図1】本考案の組立ブロックの一実施の形態にかかり、(a)は組立状態の斜視図、(b)は分離途中の斜視図である。 【図2】本考案の分割ブロックにかかり、(a)は外側から見た斜視図、(b)は内側から見た斜視図である。 【図3】本考案の分割ブロックにかかり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は右側面図である。 【図4】本考案の組立ブロックの組立工程にかかる斜視図であり、(a)は第1の工程、(b)は第2の工程、(c)は第3の工程、(d)は第4の工程をそれぞれ示す。 【図5】本考案の組立ブロックの分離する指の配置の説明図であり、(a)は中指を中心とする斜視図、(b)は親指を中心とする斜視図、(c)は薬指を中心とする斜視図である。 【考案を実施するための形態】 【0009】 本考案の一実施の形態にかかる組立ブロックについて図面を参照して説明する。 組立ブロック1は、図1および図2に示すように、3つの同一形状の分割ブロック2〜4を組み合わせて凸状12面体が構成される。組立ブロック1は、正四面体10を24個組み合わせたものであり、各分割ブロック2〜4は、それぞれ8個の正四面体10からなる同一形状とされる。組立ブロック1は、例えば木材で正4面体を形成し、8個の正四面体を連結して分割ブロックとする。 なお、分割ブロック2〜4は、木材に限らず、合成樹脂材などで正四面体10を形成して分割ブロック2〜4としても良く、合成樹脂材で8個の正四面体を一体成形して分割ブロック2〜4を形成しても良い。 また、組立ブロック1は、例えば、片手での操作を可能とする場合には、手のひらにのる大きさとされるが、特に限定するものでなく、これよりも大きくても小さくても良い。 【0010】 分割ブロック2〜4は、同一形状であるので、ここでは、分割ブロック2を例に詳しく説明する。 分割ブロック2は、図3に示すように、1つの正四面体10の高さHの平行な2面間に8個の正四面体10が配置され、正三角形11の面同士で連結される。平行な2面間の外表面(組立ブロック1の外表面となる面)には、図3(a)に示すように、2つの正四面体10による2つの正三角形11の底辺11a同士を合わせてひし形外平面12を形成するように2つの正四面体10が配置される。 また、分割ブロック2は、平行な2面間の内側表面(組立ブロック1の内表面となる面)には、図3(c)に示すように、頂点Oで接触する4つの正四面体10の4つの正三角形11による2つのひし形内平面13を形成するように4つの正四面体が配置される。 【0011】 分割ブロック2は、8個の正四面体10を連結した状態で、図3(b)に示すように、ひし形外平面12の2つの正三角形11の底辺11aに直交する方向Xの投影断面が矩形Aとされるように正四面体10が配置されている。 分割ブロック2では、8個の正四面体10を連結した状態で、図3(d)に示すように、ひし形外平面12の矩形Aの投影断面と直交する方向Yの投影断面が台形Bとされるように4つの正四面体10が配置されている。このY方向の台形Bの投影断面は、ひし形内平面13の4つの正四面体10の4つの正三角形11の底辺11aに沿う方向の投影断面を構成する。すなわち、分割ブロック2では、矩形AのX方向の投影断面と、台形BのY方向の投影断面は、直交する方向に位置している。 【0012】 分割ブロック2では、8個の正四面体10を、1つの正四面体10の高さHの平行な2面間のひし形外平面12およびひし形内平面13を形成する配置と、直交する2つの方向の投影断面を矩形Aおよび台形Bとする配置を満たすようにして8個の正四面体10同士を正三角形11の面で接触させて連結して組み立てられている。 なお、これらの正四面体10の連結・組立に代え、一体に成形されたものであっても良い。 さらに、分割ブロック2は、ひし形内平面13の頂点Oを挟む一方の直線上の2つのひし形内平面13の正三角形11において、連続する2本の斜辺11bに沿って切欠き部14が形成してある。かかる切欠き部14によって形成される空間により、3つの分割ブロック2〜4の組立・分離は、互いが干渉することなく、円滑に組立・分離の操作を可能としている。すなわち、切欠き部14は、分割ブロック2〜4同士の組立・分離の際の干渉を避ける空間(逃げ)となっている。切欠き部14は、図2および図3(c)に示すように、2本の斜辺11bの角部分の2つの斜面を円弧状に削り込むように形成される。 【0013】 (組立) 組立ブロック1は、図4に示すように、3つの分割ブロック2〜4を組み合わせることで凸状12面体に組み立てられる。 まず、2つの分割ブロック2,3を、図4(a)に示すように、ひし形内平面13を上にして、切欠き部14が形成された2本の斜辺11bが同一方向となるように並べて配置する。 次ぎに、他の1つの分割ブロック4を、2つの並べられたひし形内平面13上に分割ブロック4のひし形内平面13を載置して被せるように配置する。この場合、分割ブロック4は、ひし形内平面13の切欠き部14が下に並べた2つの分割ブロック2,3の切欠き部14と同一方向となり、ほぼ中央部となるように配置する(図4(b)参照)。 この後、下に並べた2つの分割ブロック2,3の両端部(2つの分割ブロックの外側に位置する端部)を持ち上げるようにつまみ上げる。 すると、3つの分割ブロック2〜4が空間同士を埋めるように回転しながらかみ合い、図4(c)に示すように、立体的な形状に変化して組み立てられて行く。 かかる組立操作は、3つの分割ブロック2〜4を同時に操作して、空間同士を埋めるようにしなければ、2つを並べてかみ合わせることができても、立体的に組み立てることはできない。 最終的な組立が完了した状態では、図4(d)に示すように、両端の凸状部分がそれぞれ3つのひし形面となり、その間の側面部分が6つのひし形面となる凸状12面体に組み上がる。 【0014】 このような分割ブロック2〜4の組立は、片手(左右いずれでも)の操作でも簡単に行うことができ、上記の組立に必要な状態(図4(b)の状態)を見いだすことができれば)り、知恵の輪のようなパズルとしての組立ブロック1とできるだけでなく、運動補助具としても利用することができ、遊びながら手の指のリハビリが可能となる。 【0015】 (分離) 組立ブロック1は、図5に示すように、組立状体から3つの分割ブロック2〜4に分離することができる。組立ブロック1は、組立操作と同様に、片手で分離することができる。組立ブロック1は、構成する3つの分割ブロック2〜4を同時に操作することで、分離することが可能となる。 【0016】 組立ブロック1の分離は、まず、3つの分割ブロック2〜4の凸状12面体の外表面に位置するそれぞれ一箇所の正三角形11の面に片手の三本の指(例えば、左手の指)を当て、つまむように押し戻す状態にすることで、組立の際とは逆に、3つの分割ブロック2〜4に分離できる構造である。 しかし、組立ブロック1では、片手の3本の指をそれぞれの組木部材2〜4の正三角形の面に当てると、そのまま状態を維持して分離に必要な、つまむように押し戻す力を加えることが難しいことから、ここでは、もう1本の指を支えとして分離する力に影響のない部分に当てることが好ましい。 【0017】 すなわち、組立ブロック1の分離は、図5(a)に示すように、3つのひし形面が接するとがった一端側から、左手の中指をひし形面に当て、この中指の両側の人差し指および薬指を他の正三角形の面に当てる。さらに、親指も、図5(b)に示すように、人差し指と挟むように位置する正三角形の面に当てる。この状態で、中指を支点として、残りの3本の指でつまむように押し戻すように力を加える。 このような状態を保持することで、組立ブロック1の3つの分割ブロック2〜4のかみ込み状態が次第に緩み、図5(c)の分離途中の状態を経て、図示省略したが、組立ブロック1が3つの分割ブロック2〜4に分離された状態となる。 【0018】 このような分割ブロック2〜4の分離は、片手(左右いずれでも)の操作でも簡単に行うことができ、上記の分離に必要な状態(図5の状態)を見いだすことができれば、容易に分離することができる。特に、片手のリハビリを必要とする場合にも有効であり、知恵の輪のようなパズルとしての組立ブロック1とできるだけでなく、運動補助具としても利用することができ、遊びながら手の指のリハビリが可能となる。 【0019】 以上、実施の形態とともに、具体的に説明したように本考案の組立ブロック1は、正四面体10を8個組み合わせた3つの分割ブロック2〜4からなる凸状12面体の組立ブロック1であって、分割ブロック2〜4は、1つの正四面体10の高さHの平行な2面間の外表面に、2つの正四面体10の正三角形11によるひし形外平面12を形成して配置され、平行な2面間の内側表面に、頂点Oで接する4つの正四面体10の正三角形11による2つのひし形内平面13を形成して配置され、ひし形外平面12の2つの正三角形11の底辺11aに直交する方向Xの投影断面が矩形Aを形成するよう配置され、投影断面と直交する方向Yの投影断面が台形Bを形成するように配置されて8個の正四面体10が連結されており、ひし形内平面13の頂点Oを挟む2つの正三角形11の2本の斜辺11bの一方の直線に沿って分割ブロック2〜4の組立・分離を可能とする切欠き部14が形成されている。 かかる構成によれば、8つの正四面体10を連結した3つの分割ブロック2〜4を用いて凸状12面体とすることができ、ひし形内平面13に形成した切欠き部14によって組立・分離を、互いの分割ブロック2〜4を干渉せずに円滑に行うことができる。 さらに、組立ブロック1の組立・分離を片手で簡単に操作することができる。 これにより、知恵の輪のように組立・分離の方法を導き出すパズルとしての機能を備えるほか、片手の指のリハビリを行う運動補助具としても利用することができる。 【0020】 本考案の組立ブロック1は、3つの分割ブロック2〜4が2つの分割ブロック2,3のひし形内平面13が並べて配置され、他の1つの分割ブロック4が2つの並べられたひし形内平面13上に他の1つのひし形内平面13を載置するように配置されて、並べて配置された2つの分割ブロック2,3の両端部をつまみ上げる状態として凸状12面体に組立可能に構成されている。 かかる構成によれば、3つの分割ブロック2〜4の配置と2つの分割ブロック2,3の両端部をつまみ上げる状態とすることで、簡単に組み立てることができる。 これにより、知恵の輪のように組立を可能とする状態を導き出すことで、パズルとしての機能を備えるほか、片手の指で組み立てることで、リハビリを行う運動補助具としても利用することができる。 【0021】 本考案の組立ブロック1は、3つの分割ブロック2〜4が凸状12面体の外表面に位置するそれぞれ一箇所の正三角形11の面に片手の三本の指を当てつまむように押し戻す状態として3つの分割ブロック2〜4に分解可能に構成されている。 かかる構成によれば、組み立てられた凸状12面体の外表面の3つの分割ブロック2〜4の一箇所の正三角形11に指を当ててつまむ状に押し戻す状態とすること、簡単に分離することができる。 これにより、知恵の輪のように分離を可能とする状態を導き出すパズルとしての機能を備えるほか、片手の指のリハビリを行う運動補助具としても利用することができる。 【0022】 なお、本考案は以上の実施の形態及び図面によって限定されるものではない。本考案の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。大きさは、特に限定するものでないが、片手の手のひらにのる程度が片手での組立・分離には、好ましい。 【符号の説明】 【0023】 1 組立ブロック 2〜4 分割ブロック 10 正四面体 11 正三角形 11a 底辺 11b 斜辺 12 ひし形外平面 13 ひし形内平面 14 切欠き部 H 正四面体の高さ A 矩形(投影断面) B 台形(投影断面) O 頂点 X 方向 Y 直交方向 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
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