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スポーツ・娯楽
 
【発明の名称】ヘッドアップ防止具
【出願人】
【識別番号】523221555
【氏名又は名称】尾崎 誠
【住所又は居所】愛知県豊田市高美町5丁目10-1
【代理人】
【識別番号】100119792
【弁理士】
【氏名又は名称】熊崎 陽一
【発明者】
【氏名】尾崎 誠
【住所又は居所】愛知県豊田市高美町5丁目10-1
【要約】
【課題】ゴルフコースおよびゴルフ練習場の両方で使用することができるヘッドアップ防止具を提供する。
【解決手段】地面Eに配置するためのベース部材2と、ベース部材2の上面2cから突出した筒状部3と、ベース部材2の上面2cに設けられたアイキャッチャー4と、筒状部3の底面からベース部材2の下面に貫通形成された挿通孔3bとを備えている。さらに、ティーペグが開口部3aから挿通孔3bを介して地面Eに差し込まれた場合は、そのティーペグ7の頭部7aが開口部3aから突出し、かつ、ゴム製ティーペグ(図6にて符号9で示す)が挿通孔3bを介して筒状部3の内部に挿通された場合は、そのゴム製ティーペグの頭部が開口部3aから突出するように形成されている。
【選択図】図5
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティーショットを行うときのゴルフプレーヤーのヘッドアップを防止するためのヘッドアップ防止具であって、
地面に配置するためのベース部材と、
前記ベース部材の上面から突出した筒状部と、
前記ベース部材の上面に設けられており、当該ヘッドアップ防止具を用いてゴルフスイングするゴルフプレーヤーの視線をキャッチするためのアイキャッチャーと、
前記筒状部の底面から前記ベース部材の下面に貫通形成された挿通孔と、を備えており、
ティーペグを前記筒状部の上端の開口部から前記挿通孔に挿通可能であり、かつ、筒状のゴム製ティーペグを下方から前記挿通孔を介して前記筒状部の内部に挿通可能であり、
前記ティーペグが前記開口部から前記挿通孔を介して前記地面に差し込まれた場合は、そのティーペグの頭部が前記開口部から突出し、かつ、前記ゴム製ティーペグが前記挿通孔を介して前記筒状部の内部に挿通された場合は、そのゴム製ティーペグの頭部が前記開口部から突出するように形成されていることを特徴とするヘッドアップ防止具。
【請求項2】
前記アイキャッチャーは、前記ティーショットを行うときのスイング方向に沿った箇所に設けられており、
前記アイキャッチャーには、前記スイングの軌道の目安となるラインが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップ防止具。
【請求項3】
前記ベース部材は板状に形成されており、
前記ベース部材および前記筒状部は、それぞれ軟質材料によって形成されており、
前記ベース部材の上面のうち、前記スイング方向と交差する端部には、リブが上方に突出形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップ防止具。
【請求項4】
前記ベース部材は非蛍光色を呈しており、
前記アイキャッチャーは前記ベース部材の色とは異なる色であって、かつ、蛍光色を呈していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のヘッドアップ防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのティーショットのときにヘッドアップが起きないようにすることができるヘッドアップ防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフのティーショットにおいてヘッドアップが起きると、ボールの軌道が悪くなることが多い。ここで、ヘッドアップとは、クラブヘッドがボールを打撃する前にゴルフプレーヤーの視線がボールから離れ、頭が早く上がってしまう姿勢のことである。このようなヘッドアップは、ゴルフプレーヤーがボールの行方を早く見たいという心理が働くことが原因と思われるが、プレーヤー自身はそれを分かっていても修正することが難しい。
【0003】
そこで、従来、ヘッドアップを防止することを目的としたヘッドアップ防止具(ヘッドアップ防止用補助具)が提案されている(特許文献1)。このヘッドアップ防止具は、上下に重なった二枚の板材と、上方の板材をティーペグ(一般的には「ティー」と略称されている)に結ぶための紐とで構成されており、ティーショットを行うと、上方の板材はティーペグと共に飛ぶが、下方の板材が残るという原理を利用している。そして、このヘッドアップ防止具は、上下の板材にそれぞれ異なるデザインを施し、ボールを打った後に残った下方の板材のデザインを見たいというプレーヤーの心理を利用し、ヘッドアップを防止しようというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特許第5824184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ヘッドアップの癖を持っているゴルフプレーヤーの多くは、ゴルフの経験が浅いため、ゴルフ練習場に通ってヘッドアップの癖を直そうと努力することが多い。
しかし、ゴルフ練習場では、地面に固定されたゴム製のティーペグ(一般的には「ゴムティー」と略称されている)を使用するため、ティーショットによってティーペグを飛ばすことを前提とした前述のヘッドアップ防止具を使用することができない。つまり、従来のヘッドアップ防止具は、ゴルフコースおよびゴルフ練習場の両方で使用することができないという問題がある。
【0006】
そこで、本願発明は、ゴルフコースおよびゴルフ練習場の両方で使用することができるヘッドアップ防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1の発明)
前述した目的を達成するため、本願の第1の発明は、
ティーショットを行うときのゴルフプレーヤーのヘッドアップを防止するためのヘッドアップ防止具(1:図1)であって、
地面(E:図5)に配置するためのベース部材(2)と、
前記ベース部材(2)の上面(2c)から突出した筒状部(3)と、
前記ベース部材(2)の上面(2c)に設けられており、当該ヘッドアップ防止具(1)を用いてゴルフスイングするゴルフプレーヤーの視線をキャッチするためのアイキャッチャー(4)と、
前記筒状部(3)の底面から前記ベース部材(2)の下面(2d)に貫通形成された挿通孔(3b:図2))と、を備えており、
ティーペグ(7:図5)を前記筒状部(3)の上端の開口部(3a)から前記挿通孔(3b)に挿通可能であり、かつ、筒状のゴム製ティーペグ(9:図6)を下方から前記挿通孔(3b)を介して前記筒状部(3)の内部に挿通可能であり、
前記ティーペグ(7)が前記開口部(3a)から前記挿通孔(3b)を介して前記地面(E)に差し込まれた場合は、そのティーペグ(7)の頭部(7a)が前記開口部(3a)から突出し、かつ、前記ゴム製ティーペグ(9)が前記挿通孔(3b)を介して前記筒状部(3)の内部に挿通された場合は、そのゴム製ティーペグ(9)の頭部(9c)が前記開口部(3a)から突出するように形成されていることを特徴とする。
【0008】
(第1の発明の効果)
第1の発明に係るヘッドアップ防止具は、地面に配置するためのベース部材と、ベース部材の上面から突出した筒状部と、ベース部材の上面に設けられており、当該ヘッドアップ防止具を用いてゴルフスイングするゴルフプレーヤーの視線をキャッチするためのアイキャッチャーと、筒状部の底面からベース部材の下面に貫通形成された挿通孔と、を備えている。さらに、ティーペグを筒状部の上端の開口部から挿通孔に挿通可能であり、かつ、筒状のゴム製ティーペグを下方から挿通孔を介して筒状部の内部に挿通可能である。さらに、ティーペグが開口部から挿通孔を介して地面に差し込まれた場合は、そのティーペグの頭部が開口部から突出し、かつ、ゴム製ティーペグが挿通孔を介して筒状部の内部に挿通された場合は、そのゴム製ティーペグの頭部が開口部から突出するように形成されている。
従って、第1の発明に係るヘッドアップ防止具によれば、ティーショットを行うときに、ボールを打った後も、ベース部材の上面に設けられたアイキャッチャーが視界に入るようにすることができるため、ヘッドアップしないようにすることができる。
しかも、ゴルフコースで使用するティーペグおよびゴルフ練習場で使用するゴム製ティーペグのどちらも使用することができるため、ゴルフプレーヤーは、ゴルフコース用とゴルフ練習場用の2種類のヘッドアップ防止具を使い分ける必要がないため、便利である。また、2種類のヘッドアップ防止具を購入する必要がないため、経済的である。
【0009】
(第2の発明)
本願の第2の発明は、前述した第1の発明に係るヘッドアップ防止具(1)において、
前記アイキャッチャー(4)は、前記ティーショットを行うときのスイング方向(D:図2(A))に沿った箇所に設けられており、前記アイキャッチャー(4)には、前記スイング方向(D)の目安となるライン(6:図2(A))が形成されていることを特徴とする。
【0010】
(第2の発明の効果)
第2の発明に係るヘッドアップ防止具では、アイキャッチャーは、ティーショットを行うときのスイング方向に沿った箇所に設けられており、アイキャッチャーには、スイング方向の目安となるラインが形成されている。
従って、第2の発明に係るヘッドアップ防止具によれば、ラインに沿ってスイングし、ボールを打った後もアイキャッチャーが視界に入るようにすれば、ヘッドアップしないようにすることができるとともに、正確なスイングを行うことができる。
【0011】
(第3の発明)
本願の第3の発明は、前述した第2の発明に係るヘッドアップ防止具(1)において、
前記ベース部材(2)は板状に形成されており、
前記ベース部材(2)および前記筒状部(3)は、それぞれ軟質材料によって形成されており、
前記ベース部材(2)の上面(2c)のうち、前記スイング方向(D)と交差する端部には、リブ(5)が上方に突出形成されていることを特徴とする。
【0012】
(第3の発明の効果)
第3の発明に係るヘッドアップ防止具は、ベース部材が板状に形成されており、ベース部材および筒状部は、それぞれ軟質材料によって形成されているため、ベース部材または筒状部にクラブヘッドが衝突した場合であっても、その衝撃を緩和することができる。
さらに、ベース部材の上面のうち、スイング方向と交差する端部には、リブが上方に突出形成されているため、その端部の剛性を高めることができる。
従って、第3の発明に係るヘッドアップ防止具によれば、誤ってクラブヘッドでベース部材または筒状部を打撃してしまった場合であっても、ベース部材および筒状部が破損し難いヘッドアップ防止具を提供することができる。
さらに、ベース部材および筒状部は、それぞれ軟質材料によって形成されているため、ティーグランドの芝を痛め難い。
さらに、筒状部が軟質材料によって形成されているため、筒状部をティーペグの代用として使うことができるので、便利であり、かつ、ティーペグを飛ばして紛失するおそれがない。
【0013】
(第4の発明)
本願の第4の発明は、前述した第1ないし第3の発明のいずれか1つの発明に係るヘッドアップ防止具(1)において、
前記ベース部材(2)は非蛍光色を呈しており、
前記アイキャッチャー(4)は前記ベース部材(2)の色とは異なる色であって、かつ、蛍光色を呈していることを特徴とする。
【0014】
(第4の発明の効果)
第4の発明に係るヘッドアップ防止具では、ベース部材は非蛍光色を呈しており、アイキャッチャーはベース部材の色とは異なる色であって、かつ、蛍光色を呈しているため、アイキャッチャーを目立たせることができる。
従って、第4の発明に係るヘッドアップ防止具によれば、ボールを打った後にアイキャッチャーが視界に入り易いため、ヘッドアップしないようにする効果をより一層高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、ゴルフコースおよびゴルフ練習場の両方で使用することができるヘッドアップ防止具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の実施形態に係るヘッドアップ防止具を左側面斜め上方から見た斜視図である。
【図2】(A)は本願発明の実施形態に係るヘッドアップ防止具の平面図であり、(B)は底面図である。
【図3】(A)は本願発明の実施形態に係るヘッドアップ防止具の正面図であり、(B)は背面図である。
【図4】(A)は本願発明の実施形態に係るヘッドアップ防止具の右側面図であり、(B)は左側面図である。
【図5】(A)は本願発明の実施形態に係るヘッドアップ防止具にティーペグを挿入した状態を示す説明図であり、(B)はティーペグにボールが乗った状態を示す説明図である。
【図6】(A)はゴム製ティーペグの斜視図であり、(B)は本願発明の実施形態に係るヘッドアップ防止具にゴム製ティーペグを挿入した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願発明に係るヘッドアップ防止具の実施形態について図を参照しつつ説明する。
[ヘッドアップ防止具の構成]
本実施形態に係るヘッドアップ防止具の構成について説明する。本実施形態のヘッドアップ防止具1は、ティーショットを行うときのゴルフプレーヤーのヘッドアップを防止するためのヘッドアップ防止具であって、図1ないし図4に示すように、ゴルフコースのティーグランドやゴルフ練習場などの地面E(図5)に配置するためのベース部材2と、ベース部材2の上面2cから突出した筒状部3と、ベース部材2の上面2cに設けられたアイキャッチャー4と、筒状部3の底面からベース部材2の下面2d(図2)に貫通形成された挿通孔3bと、ベース部材2の上面2cから上方に突出形成されたリブ5(図3,図4)と、を備えている。以下の説明では、ゴルフスイングする方向を前方とする。
【0018】
ベース部材2および筒状部3は、それぞれウレタンまたはゴム(合成ゴム、天然ゴム)などの軟質材料によって板状に形成されている。ベース部材2は、自身の後部に形成された略円形の後部ベース部材2aと、自身の前部に形成された略長方形の前部ベース部材2bとを有する。前部ベース部材2bは、後部ベース部材2aの周縁のうち、前方の周縁から前方に延びている。前部ベース部材2bの右端および左端はそれぞれ直線状に形成されており、前部ベース部材2bの前端は、前方に膨らんだ円弧状に形成されている。
筒状部3は、前部ベース部材2bの上面2cから上方に突出形成されており、図2に示すように、筒状部3の底面から前部ベース部材2bの下面2dに向けて挿通孔3bが貫通形成されている。換言すると、筒状部3は、挿通孔3bの周囲を囲むように上面2cから突出形成されている。
ところで、ゴルフクラブには、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティー、アイアンなどの種類があり、使用するゴルフクラブによって長さの異なるティーペグを用いる。例えば、ドライバーには、ロングティー(平均的な長さは7〜7.5cm)を用い、フェアウェイウッド、ユーティリティー、アイアンには、ショートティー(平均的な長さは4〜4.5cm)を用いる。そこで、筒状部3をロングディーまたはショートティーの代用となる高さで形成し、筒状部3をティーペグの代用にすることができる。
【0019】
図5(A)に示すティーペグ7は、主としてゴルフコースのティーグランドにおいてティーショットをするときに用いるロングディーである。また、図6(A)に示すゴム製ティーペグ9は、主としてゴルフ練習場などでティーショットを練習するときに用いるものである。ゴム製ティーペグ9は、円板状の基部9bと、この基部9bの中心から上方に突出形成された筒状の本体9aとを備えている。基部9bは、ゴルフ練習場の地面に置かれたマット(図示せず)の下に固定されており、そのマットに貫通形成された貫通孔から本体9aが上方に突出するように構成されている。ゴム製ティーペグ9は、ゴム材料によって形成されており、可撓性を有するため、クラブヘッドが本体9aに衝突すると、衝突した方向に屈曲するようになっている。
【0020】
ヘッドアップ防止具1は、図5(A)に示すように、ティーペグ7を筒状部3の上端の開口部3aから挿通孔3b(図2)に挿通可能に構成されており、かつ、図6(B)に示すように、筒状のゴム製ティーペグ9を下方から挿通孔3bを介して筒状部3の内部に挿通可能に構成されている。さらに、ヘッドアップ防止具1は、図5(A)に示すように、ティーペグ7が筒状部3の開口部3aから挿通孔3bを介して地面Eに差し込まれた場合は、そのティーペグ7の頭部7aが開口部3aから突出するように構成されており、かつ、図6(B)に示すように、ゴム製ティーペグ9が挿通孔3bを介して筒状部3の内部に挿通された場合は、そのゴム製ティーペグ9の頭部9cが開口部3aから突出するように構成されている。
【0021】
後部ベース部材2aには、当該ヘッドアップ防止具1を用いてゴルフスイングするゴルフプレーヤーの視線をキャッチするためのアイキャッチャー4が設けられている。図2(A)において符号Dにて示す矢印は、ティーショットを行うときのスイング方向を示す。アイキャッチャー4および筒状部3は、スイング方向Dに沿った箇所に設けられている。アイキャッチャー4は、円形を二分割した形状に形成されており、半円形の右アイキャッチャー4aと、半円形の左アイキャッチャー4bとを有する。また、右アイキャッチャー4aの直線部4a1と、左アイキャッチャー4bの直線部4b1とは相互に平行で相対向している。各直線部4a1,4b1間には、隙間が形成されており、その隙間が、スイング方向Dの目安となるライン6を形成している。
【0022】
ベース部材2および筒状部3はそれぞれ非蛍光色を呈しており、アイキャッチャー4はベース部材2および筒状部3の色とは異なる色であって、かつ、蛍光色を呈している。例えば、ベース部材2および筒状部3はそれぞれ白色、灰色、黒色などの非蛍光色を呈しており、アイキャッチャー4は、ピンク色、黄色またはオレンジ色の蛍光色を呈している。換言すると、アイキャッチャー4は、ベース部材2および筒状部3の各色よりも目立つ色を呈しており、ヘッドアップ防止具1を用いるゴルフプレーヤーがスイングしたときの視線をキャッチし易くなっている。アイキャッチャー4は、ベース部材2と一体成形してもよいし、合成樹脂により別体で成形し、ベース部材2に固定してもよい。また、紙製のアイキャッチャー4を接着剤でベース部材2に貼着しても良いし、裏面に接着層を有するシールでも良い。また、アイキャッチャー4は、表面が樹脂でコーティングされた紙でも良いし、シールでも良い。
【0023】
図1に示すように、リブ5は、前部ベース部材2bの上面2cであって、スイング方向D(図2(A))と交差する端部であって、前部ベース部材2bの前端から上方に突出形成されている。リブ5は、平面視、前方に膨らんだ半円形に形成されている。リブ5の円弧状の内壁面5bと、筒状部3の円弧状の外壁面3cとは、相互に離間しており、かつ、相対向している。つまり、リブ5は、筒状部3の外壁面3cの前方部分を囲むように形成されている。また、リブ5の上端5aは、平面視、前方に膨らんだ円弧状を呈しており、その高さは、筒状部3よりも低くなっている。このリブ5は、ベース部材2の強度を高める目的でベース部材2と一体形成されている。つまり、スイング時に誤ってクラブヘッドで筒状部3を後方から打撃してしまうと、前部ベース部材2bの前端が地面Eに食い込み、その前端が破損するおそれがある。しかし、その前端にリブ5を形成することにより、その前端の強度を高めることができるので、そのような破損が発生し難くすることができる。
【0024】
[ヘッドアップ防止具の使用方法]
次に、ヘッドアップ防止具の使用方法について説明する。
ヘッドアップ防止具1をゴルフコースで使用する場合は、ティーペグ7(図5(A))をティーグランドに差し込む位置と筒状部3の挿通孔3b(図2(B))の中心とが一致するようにヘッドアップ防止具1をティーグランドに配置する。このとき、筒状部3がスイング方向Dの前方に位置し、アイキャッチャー4がスイング方向Dの後方に位置するようにヘッドアップ防止具1を配置する。そして、ティーペグ7を筒状部3の開口部3aから挿入し、挿通孔3bを介してティーグランドの地面Eに差し込む(図5(A))。すると、図示のように、ティーペグ7の頭部7aが筒状部3の上方の開口部3aから突出する。図中、ティーペグ7の破線で示す部分は、ティーグランドの地面Eに埋没した部分である。開口部3aから頭部7aの上端までの長さ、つまり、ティーペグ7の突出長さは、ティーペグ7をティーグランドの地面Eに差し込む長さによって変化し、ゴルフプレーヤーによって調節することができる。
【0025】
そして、ティーペグ7の頭部7aにボール8を乗せ(図5(B))、つまり、ティーアップし、ゴルフクラブを握り、スタンスを決め、スイングの軌道を確認し、クラブヘッドでボール8を打つ。このとき、ボール8を打った直後にアイキャッチャー4が視界に入るようにすることにより、ヘッドアップしないようにすることができる。また、ライン6に沿ってスイングすることにより、精度の高いスイングを行うことができる。
【0026】
また、ヘッドアップ防止具1をゴルフ練習場などで使用する場合は、図6(B)に示すように、ゴルフ練習場などの地面に置かれたマット(図示せず)から突出したゴム製ティーペグ9を挿通孔3b(図2(B))の下から筒状部3の内部に挿通する。すると、図示のように、ゴム製ティーペグ9の頭部9cが筒状部3の上方の開口部3aから突出する。開口部3aから頭部9cの上端までの長さ、つまり、ゴム製ティーペグ9の突出長さは、ゴム製ティーペグ9の全高によって変化し、ゴルフプレーヤーが全高の異なるゴム製ティーペグ9を交換することによって調節することができる。また、全高の異なるゴム製ティーペグを自動的に交換することができる装置が配置されているゴルフ練習場では、装置を操作し、好みの全高のゴム製ティーペグを選択する。また、筒状部3がスイング方向Dの前方に位置し、アイキャッチャー4がスイング方向Dの後方に位置するようにヘッドアップ防止具1を配置する。
【0027】
そして、ゴム製ティーペグ9の頭部9cにボール8を乗せ、つまり、ティーアップし、ゴルフクラブを握り、スタンスを決め、スイングの軌道を確認し、クラブヘッドでボール8を打つ。このとき、ボール8を打った直後にアイキャッチャー4が視界に入るようにすることにより、ヘッドアップしないようにすることができる。また、ライン6に沿ってスイングすることにより、精度の高いスイングを行うことができる。
【0028】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態に係るヘッドアップ防止具1によれば、ティーショットを行うときに、ボール8を打った後も、ベース部材2の上面2cに設けられたアイキャッチャー4が視界に入るようにすることができるため、ヘッドアップしないようにすることができる。
しかも、ゴルフコースで使用するティーペグおよびゴルフ練習場で使用するゴム製ティーペグのどちらも使用することができるため、ゴルフプレーヤーは、ゴルフコース用とゴルフ練習場用の2種類のヘッドアップ防止具を使い分ける必要がないため、便利である。さらに、2種類のヘッドアップ防止具を購入する必要がないため、経済的である。
【0029】
(2)また、前述した実施形態に係るヘッドアップ防止具1によれば、ライン6に沿ってスイングし、ボール8を打つときにアイキャッチャー4が視界に入るようにすれば、ヘッドアップしないようにすることができるとともに、正確なスイングを行うことができる。
【0030】
(3)さらに、前述した実施形態に係るヘッドアップ防止具1によれば、ベース部材2が板状に形成されており、ベース部材2および筒状部3は、それぞれ軟質材料によって形成されているため、ベース部材2または筒状部3にクラブヘッドが衝突した場合であっても、その衝撃を緩和することができる。
さらに、ベース部材2の上面2cのうち、スイング方向Dと交差する前端には、リブ5が上方に突出形成されているため、その前端の剛性を高めることができる。
従って、前述した実施形態に係るヘッドアップ防止具1によれば、誤ってクラブヘッドでベース部材2または筒状部3を打撃してしまった場合であっても、ベース部材2および筒状部3が破損し難いヘッドアップ防止具を提供することができる。
さらに、ベース部材2および筒状部3は、それぞれ軟質材料によって形成されているため、ティーグランドの芝を痛め難い。
さらに、筒状部が軟質材料によって形成されているため、筒状部をティーペグの代用として使うことができるので、便利であり、かつ、ティーペグを飛ばして紛失するおそれがない。
【0031】
(4)さらに、前述した実施形態に係るヘッドアップ防止具1によれば、ベース部材2は非蛍光色を呈しており、アイキャッチャー4はベース部材2の色とは異なる色であって、かつ、蛍光色を呈しているため、アイキャッチャー4を目立たせることができる。
従って、ボール8を打つときにアイキャッチャー4が視界に入り易いため、ヘッドアップしないようにする効果をより一層高めることができる。
【0032】
〈他の実施形態〉
(1)ベース部材2の形状は前述の実施形態において説明した形状に限定されるものではなく、長方形、長孔形状、あるいは、スイング方向を示す矢印形状などでも良い。また、ベース部材2を前後に折り畳むことができる構造にすることもできる。
(2)筒状部3のみをゴム製にすることもできる。この構成によれば、誤って筒状部3を打撃してしまった場合であっても、筒状部3が破損し難くすることができる。また、筒状部3をゴム製ティーペグの代わりに使用することもできるので、自宅の練習場などで使用することができる。
(3)筒状部3を着脱可能に構成することもできる。例えば、筒状部3の下端とベース部材2との間を嵌合構造にしても良いし、ねじ込み式にしても良い。この構成によれば、ゴルフコースで使用するときは、筒状部3を外した状態で持参することができるため、嵩張らない。
【0033】
(4)リブ5は、ベース部材2の前端のみではなく、ベース部材2の他の箇所に形成することもできる。また、リブ5の下端がベース部材2の下面2dから突出するように構成することもできる。この構成によれば、誤って筒状部3を打撃してしまった場合であっても、リブ5の下端が地面Eに食い込むため、ベース部材2がスイング方向に移動したり、飛んだりしたりするおそれが少なくなる。この構成の場合、リブ5のうち、ベース部材2の下面から突出した部分が所定の角度で後方に倒れた構成にすれば、リブ5の下端が地面Eに鋭角で食い込み易くなるため、ベース部材2がスイング方向に移動したり、飛んだりしたりするおそれがより一層少なくなる。
【0034】
(5)アイキャッチャー4の形状は前述の実施形態において説明した形状に限定されるものではなく、三角形、矩形などの多角形、楕円、あるいは、スイング方向を示す矢印形状でも良い。また、アイキャッチャー4を分割しないで、ライン6が印刷されたアイキャッチャー4でも良い。さらに、アイキャッチャー4は、張り替え可能なシールにして、好みの色のアイキャッチャーに交換できるように構成することもできる。さらに、アイキャッチャー4を合成樹脂により形成し、アイキャッチャー4の下面およびベース部材2の上面の一方に凸部を形成し、その凸部と嵌合可能な凹部を他方に形成することにより、ベース部材2に対して着脱可能な嵌合構造を有する構成にすることもできる。さらに、そのような嵌合構造に代えて面ファスナーを用いることもできる。
【0035】
(6)アイキャッチャー4の表面に模様を形成することもできる。また、アイキャッチャー4の表面をスパンコールやクリスタルなどの反射率の高いもので装飾することもできる。さらに、アイキャッチャー4の表面をホログラムによって形成し、所定のデザインが浮かび上がって見えるようにすることもできる。さらに、アイキャッチャー4の表面の全体または一部を鏡にして、自身のヘッドの位置やスイングの軌道を確認できるように構成することもできる。この構成の場合、スタンスを取った位置から見えるように、鏡の面をスタンスの方向に傾けても良い。
さらに、アイキャッチャー4の表面を透光性に形成し、内部にLEDと、そのLEDを点灯させる回路と、その回路をオン・オフするスイッチと、そのLEDおよび回路に電源を共有する電源(例えば電池)とを設けることもできる。この場合、複数のLEDによって所定のデザインを表示するように構成することもできる。この構成によれば、アイキャッチの効果を高めることができる。また、上記のスイッチは手動タイプでも良いし、ベース部材2を折りたたみ式にした場合に、ベース部材2を開いたときに自動的にスイッチが入る構成でも良い。
【0036】
(7)前述した実施形態のヘッドアップ防止具1は、前後を逆にして使用することもできる。この使用の場合も、ボール8を打った直後にアイキャッチャー4が視界に入るようにスイングすれば、ヘッドアップしないようにすることができる。また、ライン6に沿ってスイングするようにすれば、正確なショットを行うことができる。
【符号の説明】
【0037】
1・・・ヘッドアップ防止具
2・・・ベース部材
2a・・後部ベース部材
2b・・前部ベース部材
2c・・上面
2d・・下面
3・・・筒状部
3a・・開口部
3b・・挿通孔
3c・・外壁面
4・・・アイキャッチャー
4a・・右アイキャッチャー
4b・・左アイキャッチャー
5・・・リブ
5a・・上端
5b・・内壁面
6・・・ライン
7・・・ティーペグ
7a・・頭部
8・・・ボール
9・・・ゴム製ティーペグ
9a・・本体
9b・・基部
9c・・頭部
D・・・スイング軌道
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6 
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