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スポーツ・娯楽
 
【発明の名称】弦楽器練習具
【出願人】
【識別番号】512283900
【氏名又は名称】篠原 安彦
【住所又は居所】東京都北区田端新町3−25−3ロイヤル・ベル601
【代理人】
【識別番号】100092989
【弁理士】
【氏名又は名称】片伯部 敏
【発明者】
【氏名】篠原 安彦
【住所又は居所】東京都北区田端新町3−25−3ロイヤル・ベル601
【要約】
【課題】ギターなどの弦楽器の練習において、部品点数を少なくでき、弦を弾く練習ができる練習具を提供することを目的とする。
【解決手段】平面的な形状を有するベース部19の一方の端にブリッジ部25を突設し、このブリッジ部25に一体的に、実際の弦9に模した弦部29を形成する。この弦部29は、ベース部19に沿って他方の端へ向かって長く延設され、薄い縦リブ状をなす。すなわち、細い板状に形成され、この板状の細い幅方向はベース部19の平面に直角である。そして、板状の厚さ方向に複数が配列され、各々、平行に設けられる。このように、弦部29を細い板状とすることで、指で弾いたときに撓り、実際の感覚にある程度近づけることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の弦を片手で弾いて演奏する弦楽器における前記複数の弦の部分を模した練習具であって、平面的な形状を有するベース部と、このベース部の一方の端に突設されたブリッジ部と、このブリッジ部に一体的に前記ベース部に沿って他方の端へ向かって長く延設され、細い板状に形成され、この板状の細い幅方向は前記ベース部の平面に直角で、前記板状の厚さ方向に複数が配列され各々平行に設けられた弦部と、を一体的に有して構成されることを特徴とする弦楽器練習具。
【請求項2】
前記複数の弦部は、各々、前記ブリッジ部にのみ連続して片持ち状態に形成されることを特徴とする請求項1に記載の弦楽器練習具。
【請求項3】
前記複数の弦部の先端は、各々、前記ベース部の他方の端で、撓りすぎ防止の凹部に遊嵌されていることを特徴とする請求項2に記載の弦楽器練習具。
【請求項4】
前記ベース部の一方の端の裏側、および他方の端の裏側には、ズボンのベルトを通して携帯するためのスリットが、前記ベース部の平面に平行に設けられたことを特徴とする請求項1、2、または3に記載の弦楽器練習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ギターやウクレレなどの弦楽器における弦の部分を模した練習具に関する。
【背景技術】
【0002】
図2の下部分に示すように、ギターやウクレレなどの弦楽器(1)においては、一般に、空洞を有する大きなボディー(3)と、このボディー(3)から細く延びるネック(5)を経て設けられるヘッド(7)を有する。複数の弦(9)は、各々、ボディー(3)の表面に設けられたブリッジ(11)に、一端が固定され、ボディー(3)の略中央に開けられたサウンドホール(13)の上を通って配置され、他端がヘッド(7)に巻き取られる。
【0003】
演奏者や練習者は、右利きの場合には、左手の指でネック(5)の部分の弦(9)を押さえ、右手の指で、ボディー(3)の上の弦(9)を弾く。
練習を行う場合に、どこでも気軽に練習できるように、弦楽器(1)の全体を用いるのではなく、弦(9)の部分を模した練習具を用いることがある。例えば、図4(A)や図4(B)に示すように、右手で用いる練習具103がある。これらの練習具は、実際に弦105が備えられる。
【0004】
また、特許文献1には、実際の弦を備えずに、弦に似せた指棒を寝かせて設け、左手で用いる練習具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公開和文抄録2005/39592
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図4の練習具は、実際に弦を備えるためにどうしても部品点数が多くなり、製造コストが高くなる。
特許文献1は、右利きの場合に、左手の指でネックの部分の弦を押さえる練習は可能であるが、右手の指で、弦を弾く練習はできない。
この発明は、以上の問題点を解決するために、部品点数を少なくでき、弦を弾く練習ができる練習具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、第一発明は、複数の弦を片手で弾いて演奏する弦楽器における前記複数の弦の部分を模した練習具であって、平面的な形状を有するベース部と、このベース部の一方の端に突設されたブリッジ部と、このブリッジ部に一体的に前記ベース部に沿って他方の端へ向かって長く延設され、細い板状に形成され、この板状の細い幅方向は前記ベース部の平面に直角で、前記板状の厚さ方向に複数が配列され各々平行に設けられた弦部と、を一体的に有して構成されることを特徴とする弦楽器練習具である。
【0008】
第二発明は、更に、前記複数の弦部は、各々、前記ブリッジ部にのみ連続して片持ち状態に形成されることを特徴とする弦楽器練習具である。
第三発明は、更に、前記複数の弦部の先端は、各々、前記ベース部の他方の端で、撓りすぎ防止の凹部に遊嵌されていることを特徴とする弦楽器練習具である。
第四発明は、更に、前記ベース部の一方の端の裏側、および他方の端の裏側には、ズボンのベルトを通して携帯するためのスリットが、前記ベース部の平面に平行に設けられたことを特徴とする弦楽器練習具である。
【発明の効果】
【0009】
第一、第二、第三、又は第四発明によれば、実際に弦を備えることなく、弦を模した細い板状の弦部を、ベース部に一体的に形成することで、部品点数を少なくできる。また、弦部を細い板状とすることで、指で弾いたときに撓り、実際の感覚にある程度近づけることができ、よって、弦を弾く練習ができる。
【0010】
第二、第三、又は第四発明によれば、さらに、弦部を片持ち状態にすることで、指で弾いたときの撓りをより大きくでき、実際の感覚により近づけることができる。
第三、又は第四発明によれば、さらに、弦部の先端は、撓りすぎ防止の凹部に遊嵌されていることから、弦部に不意な力がかかった場合の破損防止が可能となる。
第四発明によれば、さらに、弦楽器練習具をズボンのベルトを通して携帯しつつ練習できるので、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施形態に係る弦楽器練習具を示すもので、(A)はケースに入った状態の弦楽器練習具を示す斜視図、(B)は(A)の背面全体を示す斜視図、(C)は(A)の使用状態図である。
【図2】図1の弦楽器練習具と、実際の弦楽器であるギターとの関係を示す図である。
【図3】(A)は、図1(A)の弦楽器練習具を示す斜視図、(B)は他の実施形態に係る弦楽器練習具を示す斜視図、(C)は更に他の実施形態に係る弦楽器練習具を示す斜視図、(D)は更に他の実施形態に係る弦楽器練習具を示す斜視図である。
【図4】(A)(B)は従来の弦楽器練習具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明の一実施形態を、図1、図2、図3(A)に示す。
図2に示すように、この実施形態における弦楽器1はギターである。
一般に、ギターは、空洞を有する木製の大きなボディー3と、このボディー3から細く延びるネック5を経て、先端に設けられるヘッド7を有する。複数の弦9は、各々、ボディー3の表面に設けられたブリッジ11に、一端が固定され、中央は、ボディー3の略中央に開けられたサウンドホール13の上を通って配置され、他端がヘッド7に巻き取られる。
【0013】
演奏者や練習者は、右利きの場合には、左手の指でネック5の部分の弦9を押さえ、右手の指で、ボディー3の上の弦9を弾く。左利きの場合には、左右の手は逆になる。
この実施形態に係る弦楽器練習具15は、図示するように、複数の、長い弦9のうち、ボディー3の表面に設けられ、サウンドホール13の上を通って配置される部分を模したものである。
【0014】
図1(A)(B)(C)や図3(A)に示すように、弦楽器練習具15は全体が合成樹脂製の一体成形であり、ケース17に納められている。
図3(A)に示すように、弦楽器練習具15のベース部19は、やや長い四角形の枠21からなり、平面的な形状を有する。この四角形の一方の端に位置する短辺部23には、一段高いブリッジ部25が突設される。四角形の他方の端に位置する短辺部23には、一段高いヘッド部27が突設される。
【0015】
弦部29は基部31が、ブリッジ部25にのみ連続して、一体的に形成される。すなわち、片持ち状態に形成される。この弦部29は、ベース部19の平面に非接触状態で平行に沿い、他方の端へ向かって長く延設される。そして、薄い縦リブ状をなす。すなわち、細い板状に形成され、この板状の細い幅方向は、ベース部19の平面に直角である。このようにして、弦部29の先端、下側、および左右は、ベース部19から分離されている。
更に、板状の厚さ方向に、複数が配列される。これら複数の弦部29は、各々平行に設けられる。
【0016】
ベース部19を構成する枠21のうち長辺部には、弦部29を弾くためのフラットピック33Aやサムピック33Bを保持するピックホルダー35が、一体的に形成される。
また、枠21の角部には、ストラップの紐を通すためのストラップ孔37が形成される。
図1(A)(B)(C)に示すように、ケース17は革製や合成皮革製で、片面を大きく開放できる大きな蓋39が設けられ、背面にはベルト40を通すベルト通41が設けられる。
【0017】
「実施形態の効果」
以上の実施形態によれば、実際に弦9を備えることなく、弦9を模した細い板状の弦部29を、ベース部19に一体的に形成することで、部品点数を実際上、1つとすることができる。更に、実際に弦9を備える場合のように、弦9の巻き取り部(ペグ50)の先端の鋭いカット部分がなく、安全に、持運びと練習ができる。従来の練習具は、弦が老朽化しやすく、老朽化すると張りかえが必要となるが、この実施形態では、その手間がかからない。
【0018】
また、弦部29を、片持ち状態の細い板状とすることで、指で弾いたときに大きく撓って振動し(図3(A)中49参照)、実際の演奏時の感覚に、より近づけることができ、よって、弦9を弾く練習ができる。
また、全体が合成樹脂製の一体成形であり、従来の図4の技術のように、木製ではなく、軽い。さらに、図4の技術のようなペグ50やブリッジの出っ張りがなく、邪魔にならない。弦9の先端の鋭いカット部分がなく、衣服などに、引っかかりにくい。
さらに、図1に示すように、ケース17に弦楽器練習具15を収納した状態で、ケース17に設けられたベルト通41へズボンのベルト40を通すことで、携帯しつつ、気軽に練習できる。そして、邪魔にならず、重さも負担にならず、あたかもスマートフォンを携帯しているように見えるので、いろんなところに持ち運べて、便利である。また、ベルトの位置は、実際のギターの弦9の位置に近く、自然な体勢での練習が可能になる。
【0019】
「他の実施形態」
以上の実施形態(図3(A))では、片持ち状態の弦部29の先端は自由端であったが、他の実施形態では、図3(B)に示すように、弦部29の先端が、各々、ベース部19の他方の端で、撓りすぎ防止の凹部43に遊嵌されているものとすることができる。すなわち、ベース部19のヘッド部27には、各弦部29の先端に対応して、左右の撓りを規制するコの字状の凹部43が形成され、この凹部43内部に、弦部29の先端が遊びを伴って非接触状態で、位置している。
これにより、弦部29に不意な力がかかった場合の破損防止が可能となる。また、弦部29の厚さや材質以外に、撓りの程度を調整する手段が得られることとなり、よって、弦楽器練習具15を製造しやすい。
【0020】
以上の実施形態では、弦部29は、片持ち状態であったが、他の実施形態では、図3(C)に示すように、弦部29の先端を、ヘッド部27に一体に連続させることも可能である。これにより、弦部29は両端がベース部19に連続することとなり、そのため、撓りは小さくなるが、弦部29の厚さなどを調整し、なお十分な撓りを得ることは可能である。振動に伴う音が出にくいので、静かな練習が可能となる。
【0021】
以上の実施形態では、ケース17のベルト通41によって、ベルトに携帯されるものであったが、他の実施形態では、図3(D)に示すように、ケース17ではなく、ベース部19により、ベルトに保持させることが可能である。
すなわち、ベース部19の一方の端の裏側、および他方の端の裏側には、脚部45が形成され、この脚部45に、ズボンのベルトを通して携帯するためのスリット47が、一体的に形成される。スリット47は、ベース部19の平面に平行に設けられる。 このようにして、弦楽器練習具15をズボンのベルトを通して携帯しつつ、気軽に練習できるので、便利である。
以上の実施形態では、弦楽器1をギターとして説明したが、他の実施形態では、他の弦楽器1、例えば、ウクレレ、バンジョー、マンドリンなどでも、実施が可能である。
【符号の説明】
【0022】
1…弦楽器、3…ボディー、5…ネック、7…ヘッド、9…弦、11…ブリッジ、13…サウンドホール、15…弦楽器練習具、17…ケース、19…ベース部、21…枠、23…短辺部、25…ブリッジ部、27…ヘッド部、29…弦部、31…基部、33…ピック、35…ピックホルダー、37…ストラップ孔、39…蓋、41…ベルト通、43…凹部、45…脚部、47…スリット、50・・ペグ、51・・ブリッジピン。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施形態に係る弦楽器練習具を示すもので、(A)はケースに入った状態の弦楽器練習具を示す斜視図、(B)は(A)の背面全体を示す斜視図、(C)は(A)の使用状態図である。
【図2】図1の弦楽器練習具と、実際の弦楽器であるギターとの関係を示す図である。
【図3】(A)は、図1(A)の弦楽器練習具を示す斜視図、(B)は他の実施形態に係る弦楽器練習具を示す斜視図、(C)は更に他の実施形態に係る弦楽器練習具を示す斜視図、(D)は更に他の実施形態に係る弦楽器練習具を示す斜視図である。
【図4】(A)(B)は従来の弦楽器練習具を示す斜視図である。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
試作写真 
発明者からのメッセージ

「弦楽器を練習するに当たり、ケースを開けて楽器を取り出すことは、意外に面倒なものです。
又、普段持ち歩けるものではないので、外出先でちょっとした時間に練習出来たらなと
思われてる方は多いのではないかと思います。
そんな時にさらっと取り出せて、練習出来る練習具を考えてみました。

1)写真左が試作1号機(卓上練習用)です。
2)写真中央が試作2号機(ケース付きの持ち歩き用)です。
歩行中や電車の中など、何時でも何処でも使えます。
スマホケースのように腰のベルトに付けて持ち歩き、使う時は蓋を開けて練習出来ます。
※ 右端は、iPhoneとそのケースです。(参考)

製品化したいので、ご協力頂ける方、ご連絡いただけますようお願いします。」

宜しくお願いします。

篠原安彦
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