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【発明の名称】自転車のハンドルロック装置
【特許権者】
【識別番号】511101173
【氏名又は名称】岡室 勝美
【住所又は居所】東京都杉並区今川1丁目3番7号
【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
【発明者】
【氏名】高口 博行
【住所又は居所】長崎県西彼杵郡長与町岡郷552−4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のハンドルの回転を防止する自転車のハンドルロック装置において、自転車のフロントフォークの上部に該フロントフォークと共に動くように固定される取付部と、該取付部に上下に揺動可能に支持された二股のストッパ片とを備え、ストッパ片を該ストッパ片の先端側を斜め上にはね上げた状態の揺動位置でメインフレームを挟むようにし、使用しないときは斜め下に降ろした状態にするようにしたことを特徴とする自転車のハンドルロック装置。
【請求項2】
ストッパ片の揺動を仮固定するラッチ機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の自転車のハンドルロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、自転車のハンドルロック装置に関し、特に、停車時や駐輪時の自転車の転倒を防止するハンドルロック装置に関するものである。
【背景技術】
例えば、図12(a)に示すように、店頭で、荷物を前かごに載せたまま、自転車を止めて買い物をする主婦の姿はよく見られる。また、後部台に子供を乗せていることもある。
この場合、図12(b)に示すように、ハンドルが前を向いているときは転倒しにくいが、図12(c)に示すように、ハンドルが横を向くと極めて短時間に重心が移動し、バランスが崩れて自転車は転倒する。
このような事態を防止するために、駐輪中のハンドルの回転を防止するハンドルロック装置を車体に備えた自転車が開発されている。
ハンドルロック装置は、例えば、下記特許文献1に開示されるように、自転車に組み込まれ、ハンドルの軸をフレームのヘッドチューブの部分で固定する構造のものが多い。
しかしながら、上記従来のハンドルロック装置は、軸と軸受けを固定することから、ハンドルの大きな回転トルクに耐えるために強固な構造が必要となり、また、走行中の誤作動を防止する機構が必要になるなど、ハンドルロック装置が複雑で高価になり、普及しづらいという問題を有している。
【特許文献1】特開2001−322580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の自転車のハンドルロック装置が有する問題点に鑑み、構造が簡単で安価に製造することができ、かつ、適用車種が限定されず互換性の高い自転車のハンドルロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止する自転車のハンドルロック装置において、自転車のフロントフォークの上部に該フロントフォークと共に動くように固定される取付部と、該取付部に上下に揺動可能に支持された二股のストッパ片とを備え、ストッパ片を該ストッパ片の先端側を斜め上にはね上げた状態の揺動位置でメインフレームを挟むようにし、使用しないときは斜め下に降ろした状態にするようにしたことを特徴とする。
この場合において、ストッパ片の揺動を仮固定するラッチ機構を設けることができる。
【発明の効果】
本発明の自転車のハンドルロック装置によれば、自転車のハンドルの回転を防止する自転車のハンドルロック装置において、自転車のフロントフォークの上部に固定される取付部と、該取付部に上下に揺動可能に支持された二股のストッパ片とを備え、ストッパ片が所定の揺動位置でメインフレームを挟むことから、ストッパ片を揺動させてその二股の先端部でメインフレームを挟むことにより、フロントフォークを介して前輪を固定することができ、これにより、ハンドルの回転を防止し、停車時や駐輪時の自転車の転倒を防止することができる。
この場合、ストッパ片の揺動を仮固定するラッチ機構を設けることにより、ストッパ片を任意の揺動位置で仮固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の自転車のハンドルロック装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図4に、自転車のハンドルロック装置の第1参考例を示す。
この自転車のハンドルロック装置は、停車時や駐輪時の自転車のハンドルの回転を防止するもので、自転車のメインフレームFに跨乗する二股部1と、該二股部1から延設され、前輪の泥よけDを固定するための泥よけステーSとスポークSPの間に挿入される2本の脚部2とを備えている。
二股部1は、図4に示すように、本参考例では、内側の曲率半径Rが自転車のメインフレームFの外径に近い約14mmに設けられるとともに、先端側がやや拡開するように設けられている。
二股部1の上部には、環3が設けられており、この環3には、二股部1をメインフレームFの跨乗位置に保持する吊り部材4が付設されている。
吊り部材4は、チェーン等の紐状体からなり、図2に示すように、その先端はハンドルバーやその近傍に係着される。
脚部2は、二股部1の先端部から略平行に延設されており、脚部2と二股部1を合わせた跨乗長さLは、本参考例では約350mm、また、2本の脚部2の間隔Wは58mmとなっている。
脚部2と二股部1は、例えば、金属や合成樹脂製のパイプ等の棒材や板材により一体に形成することができる。
ハンドルロック装置は、使用する際には、図2に示すように、自転車のメインフレームFの上から、二股部1がメインフレームFに乗るまで、脚部2をそれぞれ泥よけステーSとスポークSPの間に差し込む。
これにより、メインフレームFと泥よけステーSにより支持された2本の脚部2により前輪のタイヤ付近が挟まれ、前輪及びハンドルの回転を防止する。
また、使用しないときは、例えば、図3に示すように、ハンドルに掛けて移動することができる。この場合、吊り部材4をハンドルロック装置の紛失や盗難防止に役立てることもできる。
かくして、本第1参考例の自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止する自転車のハンドルロック装置において、自転車のメインフレームFに跨乗する二股部1と、該二股部1から延設され、前輪の泥よけステーSとスポークSPの間に挿入される2本の脚部2とを備えることから、メインフレームFと泥よけステーSにより支持された2本の脚部2により前輪のタイヤ付近を挟むようにして、ハンドルの回転を防止し、停車時や駐輪時の自転車の転倒を防止することができる。
そして、このハンドルロック装置は、使用しないときは取り外せることから、走行中の誤作動を防止する機構は不要であり、さらに、金属やプラスチック製の棒材や板材をU字状に形成することによって作製できることから、簡単な構造により安価に製造することができる。
また、二股部1をメインフレームFの跨乗位置に保持する吊り部材4を設けることにより、二股部1の跨乗位置や姿勢を安定させ、二股部1と脚部2を自転車に確実に取り付けるとともに、ハンドルロック装置の紛失や盗難防止に役立てることができる。
図5〜図6に、自転車のハンドルロック装置の第2参考例を示す。
この自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止するもので、自転車のメインフレームFに固定される取付部5と、該取付部5に上下に揺動可能に支持され、所定の揺動位置でその先端部がフロントフォークAの上部後面を押さえるストッパ片6とを備えている。
取付部5は、下側のメインフレームF1を跨ぐように装着されるU字状の板部材51と、該板部材51の先端側を締め付けるボルト52とを備えている。
板部材51には、ばね53により板部材51の内側に付勢され、ストッパ片6のラッチ片61と係合することにより、ストッパ片6の揺動を仮固定するラッチボール54が設けられている。
ストッパ片6は、その基部が取付部5のボルト52に貫通され、該ボルト52を軸に上下に揺動する。
ストッパ片6の先端部はフロントフォークAの上部の幅程度に拡幅されるとともに、両端が所要突出するように形成されている。
ストッパ片6は、図5、図6(a)に示すように、本参考例では、ストッパ片6がフロントフォークA上部の回転軸と略直交する位置まで揺動した状態で、その先端部がフロントフォークAの上部後面に当接し、フロントフォークAの左右端部を後方から押さえることにより、フロントフォークAが回転しないように固定する。
また、ストッパ片6は、使用しないときは、図5の1点鎖線に示すように、メインフレームF1まではね上げられ、ラッチ片61とラッチボール54の係合によりその位置に保持される。
かくして、本第2参考例の自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止する自転車のハンドルロック装置において、自転車のメインフレームFに固定される取付部5と、該取付部5に上下に揺動可能に支持され、所定の揺動位置でその先端部がフロントフォークAの上部後面を押さえるストッパ片6とを備えることから、ストッパ片6を揺動させてその先端部をフロントフォークAの上部後面に当接することにより、フロントフォークAの左右端部を後方から押さえて固定することができ、これにより、ハンドルの回転を防止し、停車時や駐輪時の自転車の転倒を防止することができる。
また、ストッパ片6の揺動を仮固定するラッチ機構を設けることにより、ストッパ片6を任意の揺動位置で仮固定することができる。
図7〜図8に、自転車のハンドルロック装置の第3参考例を示す。
この自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止するもので、自転車のメインフレームFに固定される取付部7と、該取付部7に上下に揺動可能に支持された二股のストッパ片8とを備え、ストッパ片8が所定の揺動位置で前輪Bを挟むようにしている。
取付部7は、上下のメインフレームF1、F2を挟むように装着される2枚の板部材71と、該板部材71の中間部を上下のメインフレームF1、F2の間で締め付けるボルト72とを備えている。
板部材71には、ストッパ片8の揺動を、ロック位置と解除位置とでそれぞれ仮固定するラッチ機構(図示省略)が設けられている。
ストッパ片8は、その基部が取付部7の先端部を貫通するように設けられたコ字状の部材からなり、該基部を軸に上下に揺動する。
ストッパ片8の先端側は前輪の幅程度の二股に形成されるとともに、略鉛直に降ろした状態で、前輪BのリムB1に届く程度の長さに設けられている。
ストッパ片8は、図7に示すように、本参考例では、ストッパ片8が下に揺動した状態で、前輪後部のタイヤB2や泥よけDを挟むことにより、前輪Bを固定するようにしている。
また、ストッパ片8は、使用しないときは、図7の1点鎖線に示すように、下側のメインフレームF1と略平行となる位置まではね上げられ、ラッチ機構(図示省略)によりその位置に保持される。
かくして、本第3参考例の自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止する自転車のハンドルロック装置において、自転車のメインフレームFに固定される取付部7と、該取付部7に上下に揺動可能に支持された二股のストッパ片8とを備え、ストッパ片8が所定の揺動位置で前輪を挟むことから、ストッパ片8を揺動させてその二股の先端部で前輪を挟むことにより、前輪を固定することができ、これにより、ハンドルの回転を防止し、停車時や駐輪時の自転車の転倒を防止することができる。
また、ストッパ片8の揺動を仮固定するラッチ機構を設けることにより、ストッパ片8を任意の揺動位置で仮固定することができる。
図9〜図11に、本発明の自転車のハンドルロック装置の一実施例を示す。
この自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止するもので、自転車のフロントフォークAの上部に固定される取付部9と、該取付部9に上下に揺動可能に支持された二股のストッパ片10とを備え、ストッパ片10が所定の揺動位置でメインフレームFを挟むようにしている。
取付部9は、フロントフォークAの長円状の上部を前後から挟む1対の挟持片91と、該挟持片91を一体に固定するボルト92と、挟持片91に設けられ、自転車のブレーキ及び泥よけ止め部材Cを嵌挿する凹穴93と、ストッパ片10を揺動可能に支持する1対の揺動支持部94とを備えている。
片方の揺動支持部94には、後述するストッパ片10のラッチボール13が嵌合する凹部94aが、ストッパ片10のロック位置と解除位置とにそれぞれ設けられている。
ストッパ片10は、その基部が取付部9の揺動支持部にボルト11を介して枢支されコ字状の部材からなり、該基部を軸に上下に揺動する。
ストッパ片10は、その先端側がメインフレームFの幅程度の二股に形成されるとともに、斜め上にはね上げた状態で、メインフレームFを挟むことにより、フロントフォークAを介して前輪Bを固定するようにしている。
また、ストッパ片10は、使用しないときは、1点鎖線に示すように、斜め下に降ろされる。
ストッパ片10は、ばね12により揺動支持部94側に付勢された状態で内挿されたラッチボール13を有し、揺動支持部94の凹部94aと、このラッチボール13とで構成されるラッチ機構により、ロック位置と解除位置とでそれぞれ仮固定することができる。
なお、本実施例においては、ストッパ片10をロック位置と解除位置とでそれぞれ仮固定するための仮固定機構を、揺動支持部94の凹部94aと、ラッチボール13とで構成するようにしたが、ラッチボール13に代えて、図10(d)に示すように、ばね12により揺動支持部94側に付勢されるとともに、操作片13bによって操作されるボルト13aを用い、ボルト13aを揺動支持部94の凹部94aに係止することにより、ストッパ片10をロック位置と解除位置とでそれぞれ仮固定するようにすることもできる。
また、本実施例においては、ストッパ片10を、図10(a)に示すように、内側面を略平行に形成したコ字状の部材から構成したが、これに限定されず、例えば、図10(b)に示すように、内側面を先端側が開く傾斜面に形成したコ字状の部材から構成することもでき、これにより、ストッパ片10を斜め上にはね上げることにより、メインフレームFを確実に挟むことができる。
また、本実施例においては、ストッパ片10を、ロック位置と解除位置との間でフリーの状態になるようにしているが、例えば、捻りばね等を用いることによって、ストッパ片10を、ロック位置側又は解除位置側に付勢するようにすることもできる。
かくして、本実施例の自転車のハンドルロック装置は、自転車のハンドルの回転を防止する自転車のハンドルロック装置において、自転車のフロントフォークAの上部に固定される取付部9と、該取付部9に上下に揺動可能に支持された二股のストッパ片10とを備え、ストッパ片10が所定の揺動位置でメインフレームFを挟むことから、ストッパ片10を揺動させてその二股の先端部でメインフレームFを挟むことにより、フロントフォークAを介して前輪を固定することができ、これにより、ハンドルの回転を防止し、停車時や駐輪時の自転車の転倒を防止することができる。
また、ストッパ片10の揺動を仮固定するラッチ機構を設けることにより、ストッパ片10を任意の揺動位置で仮固定することができる。
以上、本発明の自転車のハンドルロック装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
本発明の自転車のハンドルロック装置は、構造が簡単で安価に製造でき、かつ、適用車種が限定されず互換性が高いため、停車時や駐輪時の自転車の転倒を防止するハンドルロック装置として、各種自転車に広く好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自転車のハンドルロック装置の第1参考例を示す装着前の説明図である。
【図2】同ハンドルロック装置を自転車に装着した状態を示す側面図である。
【図3】同ハンドルロック装置を取り外してハンドルに掛けた状態を示す側面図である。
【図4】同ハンドルロック装置を示し、(a)はその正面図、(b)は同側面図、(c)は同底面図である。
【図5】ハンドルロック装置の第2参考例を自転車に装着した状態を示す要部拡大側面図である。
【図6】同ハンドルロック装置を示し、(a)はその正面図、(b)は同側面図、(c)はストッパ片の平面図である。
【図7】ハンドルロック装置の第3参考例を自転車に装着した状態を示す要部拡大側面図である。
【図8】同ハンドルロック装置を示し、(a)はその正面図、(b)は同側面図である。
【図9】(a)は本発明のハンドルロック装置の一実施例を自転車に装着した状態を示す要部拡大側面図、(b)は自転車のフロントフォークの上部を示す平面図である。
【図10】同ハンドルロック装置を示し、(a)はその平面図、(b)は同側面図、(c)はストッパ片を先端側から見た図、(d)は仮固定機構の説明図、(e)は変形例の平面図である。
【図11】同ハンドルロック装置の取付部を示し、(a)はその背面図、(b)は同正面図である。
【図12】従来の自転車を示し、(a)は前かごに荷物を載せ、後部台に子供を乗せた状態を示す側面図、(b)はハンドルが前を向いた状態を示す平面図、(c)はハンドルが横を向いた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 二股部
2 脚部
3 環
4 吊り部材
5 取付部
51 板部材
52 ボルト
53 ばね
54 ラッチボール
6 ストッパ片
61 ラッチ片
7 取付部
71 板部材
72 ボルト
8 ストッパ片
9 取付部
91 挟持片
92 ボルト
93 凹穴
94 揺動支持部
94a 凹部
10 ストッパ片
11 ボルト
12 ばね
13 ラッチボール
13a ボルト(仮固定機構)
F メインフレーム
D 泥よけ
S 泥よけステー
SP スポーク
A フロントフォーク
B 前輪
B1 リム
C ブレーキ及び泥よけ止め部材
リーフレット1 
リーフレット2 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
【図8】
図8 
【図9】
図9
【図10】
図10 
【図11】
図11 
【図12】
図12   
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