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【考案の名称】自動車用表示装置 【実用新案権者】 【識別番号】513052882 【氏名又は名称】中村 眞雄 【住所又は居所】長野県長野市豊野町蟹沢717−1 【代理人】 【識別番号】100165434 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 克行 【考案者】 【氏名】中村 眞雄 【住所又は居所】長野県長野市豊野町蟹沢717−1 【要約】 (修正有) 【課題】部品や作業の手間を減らせして、かつコストを節約した自動車用表示装置を提供する。 【解決手段】自動車のリヤウインド3の室内側又はリヤウインド3の内部に設けられた熱線に自動車のバッテリー4の電流を供給することでリヤウインド3に付着した霜を取るためにバッテリー4の電流を熱線に伝達する熱線用リレー5と熱線用リレー5を動作させる操作部2とを設けた自動車用リアウインドデフォッガ装置10を備えた自動車において、操作部2の操作に応じて熱線用リレー5が動作することで電流が供給されて後続車両に向かって文字や図形を表示する表示部20を備える。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 自動車のリヤウインドの室内側又は前記リヤウインドの内部に設けられた熱線に自動車のバッテリーの電流を供給することで前記リヤウインドに付着した霜を取るために前記バッテリーの電流を前記熱線に伝達する熱線用リレーと前記熱線用リレーを動作させる操作部とを設けた自動車用リアウインドデフォッガ装置を備えた自動車において、 前記熱線用リレーが動作することで前記電流が供給されて後続車両に向かって文字や図形を表示する表示部を備えた自動車用表示装置。 【請求項2】 自動車のリヤウインドの室内側又は前記リヤウインドの内部に設けられた熱線に自動車のバッテリーの電流を供給することで前記リヤウインドに付着した霜を取るために前記バッテリーの電流を前記熱線に伝達する熱線用リレーと前記熱線用リレーを動作させる操作部とを設けた自動車用リアウインドデフォッガ装置を備えた自動車において、 前記バッテリーの電流を用いて後続車両に向かって文字や図形を表示する表示部と、 前記バッテリーの電流を前記表示部に伝達するための表示部用リレーと、 前記操作部の操作に応じて前記熱線用リレーと前記表示部用リレーの動作を制御し、かつ前記表示部に表示される文字や図形を切り替える制御部とを備えた自動車用表示装置。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、後続車両に対して文字や図形でメッセージを表示することができる自動車用表示装置に関する。 【背景技術】 従来より、自動車が他の自動車レーンに移動する際、その他の自動車レーンを通行していた車両の前に入ったときはハザードランプを点滅させて感謝の意や謝意などを表すことがある。しかしながら、ハザードランプは現在頻繁に用いられており、感謝の意などを表す表示として認識されなくなりつつある。また、ハザードランプの点滅によって後続車両の運転者に誤解を与えて急ブレーキを踏ませるおそれもあり、逆に煩わしく思われることもある。 そこで、特許文献1のように、ハザードランプではなく、自動車のリアトレイ等の後続車から見える位置に固定され、「ありがとう」等の表示板が内蔵の光源によって表示される表示体と、運転席の近傍に配置され、シガライター等の自動車バッテリに接続されるプッシュスイッチと、該プッシュスイッチと前記表示体内の光源との間に接続され、該プッシュスイッチが一旦オンされると一定時間出力を装置する単安定マルチバイブレータ等のタイマ回路と、該タイマ回路よりのオン信号の間オン・オフする発振器とを具備した自動車用表示装置が考案されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【特許文献1】実用新案登録番号第3054069号 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 上記自動車用表示装置によればプッシュスイッチやタイマ回路などを接続するためのケーブルや配線コードが必要となり、またこれらの部品を自動車室内で組み込む作業の手間がかかる。そこで、部品や作業の手間を減らせして、かつコストを節約した自動車用表示装置を提供することが課題である。 【課題を解決するための手段】 本考案に係る自動車用表示装置は、自動車のリヤウインドの室内側又は前記リヤウインドの内部に設けられた熱線に自動車のバッテリーの電流を供給することで前記リヤウインドに付着した霜を取るために前記バッテリーの電流を前記熱線に伝達する熱線用リレーと前記熱線用リレーを動作させる操作部とを設けた自動車用リアウインドデフォッガ装置を備えた自動車において、前記操作部の操作に応じて前記熱線用リレーが動作することで前記電流が供給されて後続車両に向かって文字や図形を表示する表示部を備えることとした。 また、本考案に係る自動車用表示装置は、前記自動車用リアウインドデフォッガ装置を備えた自動車において、前記バッテリーの電流を用いて後続車両に向かって文字や図形を表示する表示部と、前記バッテリーの電流を前記表示部に伝達するための表示部用リレーと、前記操作部の操作に応じて前記熱線用リレーと前記表示部用リレーの動作を制御し、かつ前記表示部に表示される文字や図形を切り替える制御部とを備えることとした。 【考案の効果】 本考案によれば、自動車内の自動車用リアウインドデフォッガ装置における既存の装備を利用できるので、部品や作業労力を低減することができ、コスト的にも有利な自動車用表示装置を提供できる。また、自動車内の既存の装備を利用しながら、自動車用リアウインドデフォッガ装置10と表示部20とをそれぞれ別に動作させて自動車用リアウインドデフォッガ装置の電流の消費を抑え、文字等の表示を切り替えることができる自動車用表示装置を提供できる。 【考案を実施するための形態】 以下、本考案に係る自動車用表示装置について、図1〜図5を参照しながら説明する。 図1は、本考案に係る自動車用表示装置1を使用する状態を示す図である。前方の自動車運転者Aが自動車用リアウインドデフォッガ装置10用の操作部2、例えば押しボタンスイッチを押すと、自動車室内後部に設置した表示部20に文字や図形等を表示して後続車両の運転者Bに対してメッセージを送ることができる。表示部20は、後続の運転者Bに何らかのメッセージを送るもので、例えば、「THANK YOU」、「すみません」、「どうも」などの文字の他、笑顔などの図形を表示するものである。 既存の自動車用リアウインドデフォッガ装置10は、自動車のリヤウインド3の室内側又はリヤウインド3の内部に設けられた熱線11に自動車のバッテリー4の電流を供給することで熱線11が発熱し、リヤウインド3に付着した霜を取る。そのためにバッテリー4の電流を熱線11に伝達する熱線用リレー5と熱線用リレー5を動作させる操作部2とが設けられている。 熱線11の両側部には熱線11の母線となるバスバー12、13と、このバスバー12、13にそれぞれ接続されて熱線用リレー5を介してバッテリー4からの電流を流すためのコード14、15を備えられている。操作部2が操作されると、熱線用リレー5の動作によって自動車用バッテリー4から電流が供給され、コード14、15及びバスバー12、13により熱線11が発熱し、リヤウインド3に付着した霜をとることができる。 図2は、本考案の実施形態に係る自動車用表示装置の機能ブロック図である。図2に示すように、本考案は自動車用リアウインドデフォッガ装置10の操作部2の操作に応じて熱線用リレー5が動作することで自動車のバッテリー4から電流が供給されて後続車両に向かって文字や図形を表示する表示部20を備えている。操作部2は、押しボタンスイッチの他、シーソースイッチ、スライドスライドスイッチなど熱線用リレー5にオンとオフの信号を送ることができるものであれば各種の構成を採用することができる。以下、操作部2を押しボタンスイッチとして説明する。 表示部20は、内部に電球を配して、打ち抜き文字等の隙間から漏れる光で文字等を表示したり、発光ダイオードを所定の文字部分について点灯させたり、液晶で文字等を表示させたりする。自動車用バッテリー4からは熱線11を発熱させるための大きな電流が流れるので、各種の構成を採用することが可能である。なお、大きな電流が不要な表示部20であれば、適宜抵抗を備えて調整することができる。 表示部20は、正極側の端子と負極側の端子を備えて、熱線11に電流を流すためのバスバー12、13又はコード14、15と接続されて用いられる。表示部20の正極側を上記バスバーやコードの正極側に、表示部20の負極側を上記バスバーやコードの負極側に接続する。表示部20は、後席のヘッドレストの後ろのスペースに置いたり、リヤウインド3の室内側に張り付けたりすることができる。表示部20の位置は、運転の際、後方の視界を大きく遮らず後続の運転者にメッセージを伝えることができる箇所であれば、どこでもよい。また、表示部20は、後続の運転手Bに文字等が見えるものであれば大きさや形も問わない。 自動車用表示装置1の動作について、以下に説明する。本自動車用表示装置1は、押しボタンスイッチ2を押すことで、熱線11と並列に接続された表示部20に電流を流すことができる。表示部20による表示を消したい場合は、押しボタンスイッチ2を再度押す。これにより、自動車用リアウインドデフォッガ装置10もオフとなる。なお、表示部20を自動車用リアウインドデフォッガ装置10より早く消したい場合は、バイメタルスイッチやタイマー回路を採用することができる。 以上のように構成することで、自動車用リアウインドデフォッガ装置10に用いられる押しボタンスイッチ2、コード14、15等の配線等自動車内の既存の装備を利用できるので、表示部20を設置するための部品や作業労力を低減することができ、コスト的にも有利な自動車用表示装置1を提供できる。 さらに、本考案は、自動車用リアウインドデフォッガ装置10を備えた自動車において、バッテリー4の電流を用いて後続車両に向かって文字や図形を表示する表示部20と、バッテリー4の電流を表示部20に伝達するための表示部用リレー35と、操作部2の操作に応じて熱線用リレー5と表示部用リレー35の動作を制御し、かつ表示部20に表示される文字や図形を切り替える制御部30とを備えることもできる。以下、前記実施態様と同様に操作部2を押しボタンスイッチとして説明する。 図3は、本考案の他の実施形態に係る自動車用表示装置の機能ブロック図である。従来の自動車用リアウインドデフォッガ装置10が備えている押しボタンスイッチ2と、自動車用バッテリー4、熱線用リレー5及び熱線11の他に、表示部20、制御部30及び表示部用リレー35とを備えている。なお、一つの筐体内に表示部用リレーと熱線用リレーとを備えたリレーを採用することもできる。これによりリレー用のスペースを節約することができる。 図4は、制御部30を示す構成図である。制御部30は、ボタン入力処理部31と熱線出力処理部32と表示出力処理部33と表示データ格納部34を備えている。 ボタン入力処理部31は、押しボタンスイッチ2が一旦押された後、再度押されるまでの間の経過時間を計測し、その経過時間に応じて、自動車用リアウインドデフォッガ装置10を動作させるか、表示部20を動作させるかを判断する。押しボタンスイッチ2が押された後、一定の時間が経過すれば後述の熱線出力処理部32に信号を送る。一方、一定の時間内に再度押しボタンスイッチ2が押されれば、後述の表示出力処理部に信号を送る。 ボタン入力処理部31には、経過時間、経過時間と連動して押しボタン2の押された回数、表示部20と熱線11の動作の状況、すなわち表示部20の動作中は熱線11を動作させず、熱線11の動作中は表示部20を動作させないように、判断・記憶し、信号を送るための判断プログラムが格納されている。なお、押しボタンスイッチ2が押される回数で判断する他に、押しボタンスイッチが押されたままの時間の長さに応じて自動車用リアウインドデフォッガ装置10を動作させるか、表示部20を動作させるかを判断するように制御することも可能である。 熱線出力処理部32は、ボタン入力処理部31からの信号を受けて熱線用リレー5を動作させる。これにより、熱線11に電流が流れ、熱線11が発熱しリヤウインド3に付着した霜を取ることができる。 表示出力処理部33は、ボタン入力処理部31からの信号を受けて表示部用リレー35に信号を送り、表示部用リレー35と表示部20とを接続する配線を通じて表示部20に電流を流す。また、表示出力処理部33は、表示データ格納部34に格納された表示データを読み出して表示部20に信号を送る。 表示部20は、表示出力処理部33の信号を受けた表示部用リレー35を介して文字等を表示する。表示部用リレー20は、熱線用リレー5と併設してもよいし、別の位置に設けてもよいし、一つの筐体内に設けることもできる。 図5は、自動車用表示装置1の動作を示すフローである。本考案の自動車用表示装置1について、自動車用リアウインドデフォッガ装置10の動作とともに表示方法を説明する。 運転者Aによって押しボタンスイッチ2が押されると(STEP1でYes)、ボタン入力処理部31が時間の計測を開始し(STEP2)、一定の時間内(t1)に再び押しボタンスイッチ2が押されたかどうかを判断する(STEP3)。この際、判断プログラムが用いられる。 ボタン入力処理部31は、一定の時間内(t1)に再び押しボタンスイッチ2が押されなかったと判断した場合(STEP3でNo)、熱線出力処理部32に処理信号を出力する。熱線出力処理部32は、熱線用リレー5を動作させ熱線11に電流が流れる(STEP9)。 熱線用リレーが動作すると、それ以降、熱線出力処理部32では、押しボタンスイッチ2による動作又は経過時間に応じて出力されるボタン入力処理部31の処理信号に応じて熱線11の電流をオフする動作が行われる(STEP10〜12)。すなわち、押しボタンスイッチ2が押されると(STEP10でYes)、熱線11の電流が遮断される(STEP12)。一方、押しボタンスイッチ2が押されないまま一定時間(t3)が経過した場合(STEP11でYes)も熱線11の電流が遮断される(STEP12)。 ボタン入力処理部31は、一定の時間内(t1)に再び押しボタンスイッチ2が押されたと判断した場合(STEP3でYes)、表示出力処理部32に処理信号を出力する。表示出力処理部32は、表示部33に電流が流れるように表示部用表示部用リレー35を動作させるとともに、表示データ格納部に格納された表示データを取り出して表示部20に最初の表示を出力させる(STEP4)。 その後、押しボタンスイッチ2が押されると(STEP5のYes)、表示出力処理部33は表示データ格納部に格納された表示データを取り出して表示部20に別の表示を出力させる(STEP6)。 表示部20に最初の表示が出力されてから一定の時間(t2)が経過すると(STEP7のYes)、表示部20に電流が流れないように表示出力処理部33が動作する(STEP8)。 上述のとおり、本考案によれば、自動車用リアウインドデフォッガ装置が一般に自動車の運転の開始時に用いられるが運行中にはあまり用いられない状況、及び既存の自動車用リアウインドデフォッガ装置の操作部等を活用して、ハザードランプの点滅によらずに他の車両の運転手とコミュニケーションを図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本考案に係る自動車用表示装置を使用する状態を示す図である。 【図2】図2は本考案の実施形態に係る自動車用表示装置の機能ブロック図である。 【図3】図3は本考案の他の実施形態に係る自動車用表示装置の機能ブロック図である。 【図4】図4は本考案の他の実施形態に係る制御部を示す構成図である。 【図5】図5は本考案の他の実施形態に係る自動車用表示装置の動作を示すフローである。 【符号の説明】 1 自動車用表示装置 2 押しボタンスイッチ 3 リヤウインド 4 バッテリー 5 熱線用リレー 10 自動車用リアウインドデフォッガ装置 11 熱線 12、13 バスバー 14、15 コード 20 表示部 30 制御部 31 ボタン入力処理部 32 熱線出力処理部 33 表示出力処理部 34 表示データ格納部 35 表示部用リレー |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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