閉じる
運輸
 
【発明の名称】不正駐車防止システム
【出願人】
【識別番号】517070981
【氏名又は名称】山本 親幸
【住所又は居所】福岡県北九州市小倉北区高尾1丁目19-7
【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】高津 一也
【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
【発明者】
【氏名】山本 親幸
【住所又は居所】福岡県北九州市小倉北区高尾1丁目19-7
【要約】
【課題】極めて簡素な構成で、車両が駐車スペース内に正しく駐車されているか否かを検知し、不正駐車を防止することができる不正駐車防止システムを提供する。
【解決手段】各駐車スペース11に機械式のロック機構12が設置された駐車場13での不正駐車を検知する不正駐車防止システム10において、各駐車スペース11の上方に配置された駐車位置検出手段19と、駐車位置検出手段19により、平面視して、対象となる車両22が、ロック機構12と重ならない位置に不正駐車していると判定した時に警報を発する警報手段20と備える。
【選択図】図3
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車スペースを有し、該各駐車スペースに機械式のロック機構が設置された駐車場での不正駐車を検知する不正駐車防止システムにおいて、
前記各駐車スペースの上方に配置された駐車位置検出手段と、該駐車位置検出手段により、平面視して、対象となる車両が、前記ロック機構と重ならない位置に不正駐車していると判定した時に警報を発する警報手段とを備えたことを特徴とする不正駐車防止システム。
【請求項2】
請求項1記載の不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、前記駐車スペースを示す駐車枠の一部が前記車両で所定時間連続して遮られた時に、前記車両が不正駐車していると判定することを特徴とする不正駐車防止システム。
【請求項3】
請求項1記載の不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、前記駐車スペースを示す駐車枠の一部が前記車両で所定時間連続して遮られ、かつ前記ロック機構が作動していない時に、前記車両が不正駐車していると判定することを特徴とする不正駐車防止システム。
【請求項4】
請求項2又は3記載の不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、前記駐車枠の表面の一部からの反射光が検知できない時に前記駐車枠の一部が前記車両で遮られたものと判別することを特徴とする不正駐車防止システム。
【請求項5】
請求項4記載の不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、蛍光体検出UVセンサーであり、前記駐車枠の標示用塗料に蛍光物質が含まれていることを特徴とする不正駐車防止システム。
【請求項6】
請求項1記載の不正駐車防止システムにおいて、前記警報手段は、前記車両の運転者及び/又は前記駐車場の管理者に対し、音及び/又は光により、警報を発することを特徴とする不正駐車防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式のロック機構が設置された駐車場における不正駐車を防止するための不正駐車防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コインパーキング等の有料駐車場では、駐車料金を徴収するために、各駐車スペースに機械式のロック機構が設置されている。例えば、特許文献1には、フラップ板を制御する車両検知信号を得る為に超音波センサーユニットと赤外線センサーユニットとを組込んだ二つ以上の感知センサーユニットをフラップ板取付部と一体化させた車両感知装置が開示されている。これにより、駐車スペースへの車両の進入を確実に検知し、それに連動させてフラップ板を作動させ、駐車料金が支払われるまで車両を駐車スペースに留めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2007−207206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような機械式のロック機構では、車両が正しく駐車スペース内に駐車されている場合、つまり、車両がロック機構の上に重なるように駐車されている場合には、ロック機構により車両の前後動が妨げられ、駐車料金を徴収することができるが、車両が、ロック機構を避け、駐車スペースからはみ出すように駐車されている場合には、ロック機構が機能せず、駐車料金を徴収することができない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、極めて簡素な構成で、車両が駐車スペース内に正しく駐車されているか否かを検知し、不正駐車を防止することができる不正駐車防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る不正駐車防止システムは、複数の駐車スペースを有し、該各駐車スペースに機械式のロック機構が設置された駐車場での不正駐車を検知する不正駐車防止システムにおいて、
前記各駐車スペースの上方に配置された駐車位置検出手段と、該駐車位置検出手段により、平面視して、対象となる車両が、前記ロック機構と重ならない位置に不正駐車していると判定した時に警報を発する警報手段とを備える。
ここで、駐車位置検出手段は、車両の位置を直接検出するものでもよいし、車両と各駐車スペースを示す駐車枠及び/又は各駐車スペースに設置されたロック機構との位置関係を検出するものでもよい。例えば、駐車位置検出手段としてカメラ、金属検出センサー又は各種の光センサー等が用いられる。
【0006】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、前記駐車スペースを示す駐車枠の一部が前記車両で所定時間連続して遮られた時に、前記車両が不正駐車していると判定することができる。
【0007】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、前記駐車スペースを示す駐車枠の一部が前記車両で所定時間連続して遮られ、かつ前記ロック機構が作動していない時に、前記車両が不正駐車していると判定することもできる。
【0008】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、前記駐車枠の表面の一部からの反射光が検知できない時に前記駐車枠の一部が前記車両で遮られたものと判別することが好ましい。
【0009】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、前記駐車位置検出手段は、蛍光体検出UVセンサーであり、前記駐車枠の標示用塗料に蛍光物質が含まれていることがさらに好ましい。
【0010】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、前記警報手段は、前記車両の運転者及び/又は前記駐車場の管理者に対し、音及び/又は光により、警報を発することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る不正駐車防止システムは、対象となる車両が、ロック機構と重ならない位置に不正駐車していると判定した時に警報を発することにより、車両の運転者に警告を与えて適正な位置への駐車を促すことや、駐車場の管理者に不正駐車が発生したことを知らせて対処させることができる。
【0012】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、駐車位置検出手段が、駐車スペースを示す駐車枠の一部が車両で所定時間連続して遮られた時に、車両が不正駐車していると判定する場合、極めて簡単に不正駐車を検出することができる。
【0013】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、駐車位置検出手段が、駐車スペースを示す駐車枠の一部が車両で所定時間連続して遮られ、かつロック機構が作動していない時に、車両が不正駐車していると判定する場合、車両の大きさの影響を受けることなく確実に不正駐車を検出することができる。
【0014】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、駐車位置検出手段が、駐車枠の表面の一部からの反射光が検知できない時に駐車枠の一部が車両で遮られたものと判別する場合、不正駐車を簡単かつ確実に検出することができる。
【0015】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、駐車位置検出手段が、蛍光体検出UVセンサーであり、駐車枠の標示用塗料に蛍光物質が含まれている場合、反射光の検出性能の安定性に優れ、不正駐車検出の確実性を向上させることができる。
【0016】
本発明に係る不正駐車防止システムにおいて、警報手段が、車両の運転者及び/又は駐車場の管理者に対し、音及び/又は光により、警報を発する場合、不正駐車を効果的に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係る不正駐車防止システムの構成を示す側面図である。
【図2】同不正駐車防止システムの使用状態を示す平面図である。
【図3】同不正駐車防止システムにおける不正駐車状態を示す側面図である。
【図4】同不正駐車防止システムにおける不正駐車状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図4に示す本発明の一実施の形態に係る不正駐車防止システム10は、複数の駐車スペース11を有し、各駐車スペース11に機械式のロック機構12が設置された駐車場13での不正駐車を検知するものである。各駐車スペース11の後方には左右2つの車止め14が設置されている。また、各駐車スペース11は、前後2本の横線15と左右2本の縦線16からなる四角形状の駐車枠17で仕切られている。
不正駐車防止システム10は、図1に示すように、各駐車スペース11の上方(ここでは天井18)に配置された駐車位置検出手段19と、警報手段20を備えている。そして、図3及び図4に示すように、駐車位置検出手段19により、平面視して、対象となる車両22が、ロック機構12と重ならない位置(=ロック機構12が作動しない位置)に不正駐車していると判定した時に、警報手段20により警報を発する。
【0019】
ここで、車両22を不正駐車させる場合、図3及び図4に示すように、車両22は駐車枠17の前方にはみ出すように駐車することになり、平面視して駐車枠17の一部(ここでは前側の横線15)が車両22で遮られる。なお、車両22を駐車枠17の中に駐車させる途中でも前側の横線15は車両22によって遮られる。従って、不正駐車防止システム10は、駐車に要する時間を考慮して、駐車位置検出手段19が、各駐車スペース11を示す駐車枠17の一部が車両22で所定時間(例えば1〜3分程度)連続して遮られた時に、車両22が不正駐車していると判定することにより誤作動を防止できる。
【0020】
また、不正駐車防止システム10(駐車位置検出手段19)は、ロック機構12と連動して使用されてもよい。つまり、駐車位置検出手段19が、駐車スペース11を示す駐車枠17の一部が車両22で所定時間連続して遮られ、かつロック機構12が作動していない時に、車両22が不正駐車していると判定することにより、さらに確実に不正駐車を検出することができる。特に、車両22が大型で、ロック機構12が作動する適正な位置に車両22を駐車させても、車両22の前方が駐車枠17からはみ出し、前側の横線15を遮るような場合に、誤って警報が発せられることを防止できる。
【0021】
駐車位置検出手段19としては、駐車枠17に向かって光を照射し、駐車枠17の表面からの反射光を検知する光センサーが好適に用いられる。これにより、駐車位置検出手段19は、駐車枠17の表面の一部からの反射光が検知できない時に駐車枠17の一部が車両22で遮られたものと判別することができる。特に、駐車位置検出手段が蛍光体検出UVセンサー(光センサーの一例)であり、駐車枠の標示用塗料に蛍光物質が含まれている場合、駐車位置検出手段の投光部から紫外光を照射することにより、蛍光物質で可視光に変換された反射光を検出することができる。蛍光物質は、通常、目には見えないが、紫外光が照射されることで、可視光領域で明るく輝くので、反射型の光電センサーに比べて、反射光の検出の安定性に優れる。
【0022】
駐車位置検出手段19は駐車枠17の上方に設置される。本実施の形態では、複数の駐車スペース11が左右方向に並んで配置されているので、各駐車スペース11の長手方向中央部に対応させて、前側の横線15の上方に駐車位置検出手段19を1つずつ設置したが、駐車位置検出手段の数及び配置は、駐車枠の大きさ及び駐車スペースのレイアウト等に応じて、適宜、選択される。例えば、駐車スペースの右側又は左側に駐車スペース以外の空きスペースがある場合、車両が駐車枠の右側又は左側(空きスペース側)にはみ出すように駐車されることにより、ロック機構を避けられる(平面視してロック機構と重ならない位置に車両を駐車させることができる)可能性がある。従って、この場合は、駐車枠の右側又は左側の縦線の上方に1又は複数の駐車位置検出手段を設置して、駐車枠の一部(ここでは右側又は左側の縦線)が車両で遮られているか否かを検出することができる。
【0023】
警報手段20は、車両22の運転者及び/又は駐車場13の管理者に対し、音及び/又は光により、警報を発することができればよい。警報手段20として、例えば、ブザー及び/又は警告灯を用いて運転者に警告を与えることができる。この場合、駐車スペース11毎に1つの警報手段20が設置されてもよいし、複数の駐車スペース11に対して共通の1つの警報手段20が設置されてもよい。また、警報手段は、駐車場の管理室等に設置され、管理者に対して、不正駐車が発生したことを知らせることもできる。その場合、不正駐車が発生した駐車スペースに関連付けられた番号又は記号が、モニター等に表示されることにより、管理者は直ちに現場で取り締まりを行うことができる。また、警報手段は、駐車場を巡回する管理者が所持している携帯端末(例えばスマートフォン)に対して、不正駐車の情報を文字又は音声等で知らせることもできる。
【0024】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものであり、本発明の要旨を逸脱しない条件の変更等も全て本発明の適用範囲である。
例えば、天井のない屋外の駐車場では、要所に支柱を設置し、駐車位置検出手段や警報手段を取り付けることができる。なお、駐車位置検出手段は対象となる駐車スペースの真上(鉛直方向)から車両の駐車位置を検出するものに限られず、例えば斜め上方から車両と駐車枠との位置関係を検出するものでもよい。
また、上記実施の形態では、駐車位置検出手段として、蛍光体検出UVセンサー等の光センサーが用いられる場合について説明したが、駐車位置検出手段として、カメラ又は金属検出センサー等の各種のセンサーが用いられてもよい。例えば、カメラで駐車スペースを常時監視し、撮影された画像を処理(画像処理)して車両とロック機構の位置関係を検出することにより、不正駐車の有無を判別することもできる。また、金属検出センサーで駐車スペースに車両が存在するか否かを検出し、ロック機構が作動しているか否かの情報と合わせて、不正駐車の有無を判別することができる。なお、駐車位置検出手段として、上述のカメラ及び各種センサーの中からいずれか一種のみが選択されて使用されてもよいし、複数種が組合されて使用されてもよい。
また、この不正駐車防止システムは、プレートが回動するフラップ式(回動式)のロック機構以外に、ブロックが上下動する昇降式のロック機構又はその他の機械式のロック機構に対しても適用される。
【符号の説明】
【0025】
10:不正駐車防止システム、11:駐車スペース、12:ロック機構、13:駐車場、14:車止め、15:横線、16:縦線、17:駐車枠、18:天井、19:駐車位置検出手段、20:警報手段、22:車両
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
ページtop へ