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【発明の名称】サイドリアビュー確認装置
【特許権者】
【識別番号】514321596
【氏名又は名称】川越 祥忠
【住所又は居所】東京都江東区東砂4丁目24番地3号コスモ21ザ・ガーデンズフォート614
【代理人】
【識別番号】100167715
【弁理士】
【氏名又は名称】古岩 信嗣
【代理人】
【識別番号】100084445
【弁理士】
【氏名又は名称】古岩 信幸
【発明者】
【氏名】川越 祥忠
【住所又は居所】東京都江東区東砂4丁目24番地3号コスモ21ザ・ガーデンズフォート614
【文献】特開平09−024769(JP,A)
【文献】特表2014−533630(JP,A)
【文献】特開2006−035876(JP,A)
【文献】特開2003−158649(JP,A)
【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの運転室の左右外側に設置されたそれぞれ左後方、右後方の情景を写すサイドリアビューミラーと、
前記トラックの運転室の外側の運転席のサイドとは反対側のサイドの外側の適所であって前記サイドリアビューミラーとは異なった場所に、前記運転室から離れた位置と運転室に近いホーム位置との間で水平方向に突出・後退可能に設置されたサイドリアビューカメラと、
前記サイドリアビューカメラを前記突出・後退動作させる水平駆動装置と、
前記サイドリアビューカメラの撮影方向の向きを所定角度だけ変化させるカメラ回転駆動装置と、
前記運転席のサイドとは反対側のサイドのウインカーの作動に連動して前記水平駆動装置と前記カメラ回転駆動装置とを作動させ、前記サイドリアビューカメラを前記ホーム位置から前記運転席から離れた位置まで突出させ、かつ、前記サイドリアビューカメラの撮影方向の向きを前記トラックの側面側に内向きに所定角度だけ回転させ、前記ウインカーの作動停止時には前記サイドリアビューカメラを元の角度、元の位置に復帰させる制御をする制御装置と、
前記サイドリアビューカメラの撮影像を映し出す映像モニターとを備えたことを特徴とするサイドリアビュー確認装置。
【請求項2】
前記トラックは、トレーラーと当該トレーラーを牽引するトラクターとで構成され、
前記トラクターに、前記サイドリアビューミラー、前記サイドリアビューカメラ、前記水平駆動装置、前記カメラ回転駆動装置、前記制御装置及び前記映像モニターは設置され、
前記サイドリアビューカメラは、前記運転室に近いホーム位置が前記トレーラーの側面の前方延長線よりもやや外側の位置であり、前記運転室から離れた位置が前記トレーラーの側面の前方延長線よりも所定距離だけ外側に離れた位置であり、
前記サイドリアビューカメラの撮影方向の向きは、前記サイドリアビューカメラが前記運転室に近いホーム位置にある時には前記トレーラーの側面にほぼ平行な向きであり、前記サイドリアビューカメラが前記運転室から離れた位置にある時には前記トレーラーの後輪に向く向きであることを特徴とする請求項1に記載のサイドリアビュー確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドリアビュー確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、説明を簡明にするために、日本国のように車両の左側通行が定められている国や地域での運転を前提として、左折時の運転について説明する。車両の右側通行が定められている国や地域では、それとは左右を入れ換え、右折運転時の説明となることに注意されたい。
【0003】
トラックの運転者、特に、大型トレーラーを牽引するトラクターの運転者にとって、運転席のサイドとは反対側のサイドに転回する際、つまり左折運転時には、内輪差により物体を左後輪に巻き込む可能性が大きく、トレーラーの後輪の近くに物体が存在しないことを左サイドリアビューミラーで注意深く確認しながらハンドル操作する。
【0004】
しかしながら、サイドリアビューミラーは運転者が自分で良いと思った向きに調整すると、その後はその角度に固定され、左折時だけに向きを自動的に変化させることはできない。そのため、左折を始める直前に後輪の直外側に何らかの物体が存在していないかを確認するにも、ミラーがトレーラーの側面の前方延長線上に存在するので、遠く離れている左後輪そのものが見えづらく、ましてやミラーに映っている物体と左後輪との前後関係が認識しづらいものである。つまり、ミラーに映っている物体がトレーラーの後端よりもさらに後方に存在しているのか、それとも左後輪の位置あるいはそれよりも前方に存在しているのかを判別しづらいのである。
【0005】
このような問題点は、サイドリアビューミラーを可能な限り左側方に伸ばした位置に設置すれば解決できるが、法律上、サイドリアビューミラーの突出距離には制限があり、また運転上でもサイドリアビューミラーが極端に外側に突出していれば側方の物体と接触する可能性が高く、運転しにくくなる。
【0006】
このような問題点に鑑み、次のような従来技術が知られている。
【0007】
特開平1−247235号公報(特許文献1)には、サイドビューカメラとバックビューカメラを両方同時にモニターに表示させる左右後方情報同時視認装置が開示されている。その中では、カメラの左右及び上下の角度を調節可能にしている。
【0008】
また、実開平7−13588号公報(特許文献2)には、トラクターの左右後端部にカメラ方向を制御できるカメラを設置し、トレーラーの屈曲角に応じてカメラ方向を制御する後方確認装置が開示されている。
【0009】
また、特開2008−77628号公報(特許文献3)には、トラクターの左右にパノラマビュー(視野角の広い)カメラを設置し、このカメラの車体に対する連結角が変動する画像処理装置並びに車両周辺視界支援装置及び方法が開示されている。
【0010】
また、特開平3−65364号公報(特許文献4)には、シフトレバーと連動してカメラがせり出す車載用監視カメラのせり出し制御回路が開示されている。
【0011】
さらに、特開昭63−117179号公報(特許文献5)には、自動車の屋根に取付けられるカメラが昇降可能に取付けられ、光軸も回動可能とされた自動車用周囲監視装置が開示されている。
【0012】
しかしながら、これらの従来技術には、ウインカーと連動して車幅方向に突出・後退可能としているサイドリアビューカメラを備えたサイドリアビュー確認装置は見られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平1−247235号公報
【特許文献2】実開平7−13588号公報
【特許文献3】特開2008−77628号公報
【特許文献4】特開平3−65364号公報
【特許文献5】特開昭63−117179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、ウインカーと連動して車幅方向の外方向に突出し、またそこからホーム位置に後退できるようにし、かつその撮影方向の向きも可変にしたサイドリアビューカメラを備えたサイドリアビュー確認装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、トラックの運転室の左右外側に設置されたそれぞれ左後方、右後方の情景を写すサイドリアビューミラーと、前記トラックの運転室の外側の運転席のサイドとは反対側のサイドの外側の適所であって前記サイドリアビューミラーとは異なった場所に、前記運転室から離れた位置と運転室に近いホーム位置との間で水平方向に突出・後退可能に設置されたサイドリアビューカメラと、前記サイドリアビューカメラを前記突出・後退動作させる水平駆動装置と、前記サイドリアビューカメラの撮影方向の向きを所定角度だけ変化させるカメラ回転駆動装置と、前記運転席のサイドとは反対側のサイドのウインカーの作動に連動して前記水平駆動装置と前記カメラ回転駆動装置とを作動させ、前記サイドリアビューカメラを前記ホーム位置から前記運転席から離れた位置まで突出させ、かつ、前記サイドリアビューカメラの撮影方向の向きを前記トラックの側面側に内向きに所定角度だけ回転させ、前記ウインカーの作動停止時には前記サイドリアビューカメラを元の角度、元の位置に復帰させる制御をする制御装置と、前記サイドリアビューカメラの撮影像を映す映像モニターとを備えたサイドリアビュー確認装置を特徴とする。
【0016】
上記のサイドリアビュー確認装置においては、前記トラックは、トレーラーと当該トレーラーを牽引するトラクターとで構成され、前記トラクターに、前記サイドリアビューミラー、前記サイドリアビューカメラ、前記水平駆動装置、前記カメラ回転駆動装置、前記制御装置及び前記映像モニターは設置され、前記サイドリアビューカメラは、前記運転室に近いホーム位置が前記トレーラーの側面の前方延長線よりもやや外側の位置であり、前記運転室から離れた位置が前記トレーラーの側面の前方延長線よりも所定距離だけ外側に離れた位置であり、前記サイドリアビューカメラの撮影方向の向きは、前記サイドリアビューカメラが前記運転室に近いホーム位置にある時には前記トレーラーの側面にほぼ平行な向きであり、前記サイドリアビューカメラが前記運転室から離れた位置にある時には前記トレーラーの後輪に向く向きであることを特徴とするものとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のサイドリアビュー確認装置によれば、ウインカーと連動して車幅方向の外方向に突出し、またそこからホーム位置に後退できるようにし、かつその撮影方向の向きも可変にしたサイドリアビューカメラを備えているので、運転者からはドアミラーに映っている像では小さくて見にくい転回側の後輪の近辺をサイドリアビューカメラで撮影して運転席近くのモニターに大きく表示させて確認させることができ、巻き込み事故の発生を未然に確実に防げる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の1つの実施の形態のリアサイドビュー確認装置を備えたトラックの正面図。
【図2】上記トラックの背面図。
【図3】上記トラックの側面図。
【図4】上記実施の形態のリアサイドビュー確認装置におけるホーム位置にあるリアサイドビューカメラとその駆動部との正面図。
【図5】上記実施の形態のリアサイドビュー確認装置における最突出位置にあるリアサイドビューカメラとその駆動部との正面図。
【図6】上記実施の形態のリアサイドビュー確認装置(リアサイドビューカメラが最突出位置にある)を備えたトラックの正面図。
【図7】上記実施の形態におけるリアサイドビューカメラの動作説明図。
【図8】上記実施の形態におけるリアサイドビューカメラの撮影方向の向きの変化の説明図。
【図9】上記実施の形態のリアサイドビュー確認装置のシステム構成図。
【図10】上記実施の形態のリアサイドビュー確認装置の制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0020】
図1〜図3に示すように、本発明の1つの実施の形態のリアサイドビュー確認装置は、トラック100のトラクター101側に組付けられるものである。このトラック100は、トラクター101とこれに牽引されるトレーラー102で成る。トレーラー102の車幅はトラクター101の車幅と同等あるいはよりも広い。
【0021】
トラクター101の外側両サイドには、サイドリアビューミラー105L,105Rが取り付けられている。トラック100のトラクター101の左右には前輪103L,103Rが設けられ、トラクター102の後部左右には後輪104L,104Rが設けられている。また、トラクター101の前面、トレーラーの後面の左右にはそれぞれウインカー(方向指示器)11L,11Rが設置されている。
【0022】
トレーラー102はその前後長が長いので、運転室(キャビン)内の右側の運転席に座っている運転手にはトレーラー102の左後方をサイドリアビューミラー105Lに映っている像では明確には確認しづらい状態である。そこで、トラック100のトラクター101のキャビン(運転室)の外側の適所、実施の形態では屋根部の左端部分に、実施の形態のサイドリアビューカメラユニット10が設置されている。尚、車両の右側通行義務が制定されている国や地域では、このサイドリアビューカメラユニット10は反対側の右側に取り付けられることになる。
【0023】
図4及び図5に示すように、サイドリアビューカメラユニット10は、デジタルビデオカメラ4と、このデジタルビデオカメラ4を外側に大きく左折時撮影位置まで突出させ、またホーム位置まで後退させるカメラ駆動部13とで構成される。デジタルビデオカメラ4は歯車付き支軸41にて所定角度水平回転できるように支承されている。
【0024】
カメラ駆動部13には、水平方向に外側に突出し、またホーム位置まで後退できるようにスライドするスライダー14が収容してある。そしてこのスライダー14にはラック歯車15が設けてある。
【0025】
またカメラ駆動部13には切り窓131が開けてあり、その切り窓131を通して中のラック歯車15が露出するようにしてある。そしてカメラ駆動部13にはスライダー駆動用の第1モーター5が設置してあり、この第1モーター5の出力歯車51がピニオン歯車としてスライダー14側のラック歯車15に前記切り窓131を通して噛み合うようにしてある。
【0026】
したがって、図4において第1モーター5を回転駆動させ出力歯車51を右回転させると、ラック・ピニオンの噛み合わせでスライダー14を矢付き破線で示す左外方向に突出するようにスライド移動させて図5に示す最突出位置に来たらせることができる。逆に、図5において出力歯車51を左回転させることによってラック・ピニオンの噛み合わせでスライダー14を右内方向に後退させ図4に示すホーム位置に戻るようにスライド移動させることができる。尚、歯車列の個数により第1モーター5の回転方向は逆に設定することもあり得る。
【0027】
スライダー14の外側端部にはカメラ回転駆動用の第2モーター6が設置してある。この第2モーター6の出力歯車61はデジタルビデオカメラ4の歯車付き支軸41の歯車に噛み合わせてある。したがって、第2モーター6が回転することによって出力歯車61が回転すれば、歯車付き支軸41が回転し、デジタルビデオカメラ4も所定角度だけ回転し、また逆回転する。
【0028】
サイドリアビューカメラユニット10には、内側のメインカバー21とこのメインカバーに対してスライドして出入りできる外側のサブカバー22が設けてあり、メインカバー21がトラック100のトラクターの屋根に設置してある。駆動部13はメインカバー21内に覆うように収容し、カメラユニット10はサブカバー22内に覆うように収容してある。
【0029】
サイドリアビューカメラユニット10のトラック100に対する取り付け位置について、図1〜図3、図6を参照して説明する。図1〜図3は、サイドリアビューカメラユニット10をトラクター101の運転室の上左端に設置し、かつデジタルビデオカメラ4をそのホーム位置にセットした状態を示している。そして図6は、デジタルビデオカメラ4を最突出位置まで左外方向に突出させた状態を示している。尚、デジタルビデオカメラ4がホーム位置にある状態と左外方向の最突出位置まで突出した状態とでは、その撮影方向の向きが変化する。そこで、図7、図8には、デジタルビデオカメラ4がホーム位置にある場合を符号4Aとして示し、左外方向の最突出位置にある場合を符号4Bとして示している。
【0030】
デジタルビデオカメラ4は、その撮影方向の向きが変化する。すなわち、ホーム位置にある場合、デジタルビデオカメラ4(4A)の撮影方向の向きはトレーラー102の側面にほぼ平行な向き4A1であり、最突出位置にある場合には、デジタルビデオカメラ4(4B)の撮影方向の向きはトレーラー102の左後輪104Lがより明確に撮影できる角度だけ内側向き4B1まで所定角度だけ矢付き破線の向きに回転させる。これにより、特に左折時にデジタルビデオカメラ4Bによって左後輪104Lをトレーラー102のボディの側面に隠れることなく明確に見える視認できる状態で撮影することができ、その映像を運転席に設置された映像モニター3(後述する)に映し出させることができる。そのため、運転者には左後輪104Lの直側方に物体が存在する場合や左後輪よりも前方に物体が存在する場合に、その物体と左後輪104Lやボディの左側面との位置関係を明確に把握させることができる。尚、デジタルビデオカメラ4を4Aのホーム位置に戻した状態では、トラクター102の左側面にほぼ平行な後方を向くことで、後方視野をより広く撮影できることになる。また直進運転中にデジタルビデオカメラ4が側方に飛び出しすぎて障害になることもない。
【0031】
次に、図9、図10を用いて、本実施の形態のサイドリアビュー確認装置のシステム構成と動作フローを説明する。図9に示すように、本実施の形態のサイドリアビュー確認装置の機能構成としては、関連する全ユニットの必要な動作を制御する制御装置1、画像処理装置2、映像モニター3、デジタルビデオカメラ4、第1モーター5、第2モーター6、左側ウインカー11L、左側ウインカー作動スイッチ12L、ホーム位置検出リミットスイッチLm11、最突出位置検出リミットスイッチLm12、カメラ基準回転位置検出リミットスイッチLm21、カメラ内側回転位置検出リミットスイッチLm22を備えている。
【0032】
制御装置1は関連する全ユニットの動作を制御する。画像処理装置2は、デジタルビデオカメラ4の撮影した映像信号を取り込み、映像モニター3に送り出してトラック100の左サイドリアビューを表示させる。
【0033】
第1モーター5は、制御装置1の指令により正回転(右回転)または逆回転(左回転)し、ラック・ピニオンの噛み合いによりスライダー14を左外方向にスライドさせデジタルビデオカメラ4を最突出位置4Bまで突出させ、または左外方向から右方向にスライドさせデジタルビデオカメラ4をホーム位置4Aまで後退させる働きをする。
【0034】
第2モーター6は、制御装置1の指令により右回転または左回転し、歯車のかみ合わせによってデジタルビデオカメラ4を逆に左回転または右回転させる働きをする。
【0035】
ホーム位置検出リミットスイッチLm11はスライダー14のホーム位置帰着を検出する。最突出位置検出リミットスイッチLm12はスライダー14が左外側の最突出位置到達を検出する。カメラ基準回転位置検出リミットスイッチLm21はデジタルビデオカメラ4の基準回転位置への復帰を検出する。カメラ内側回転位置検出リミットスイッチLm22はデジタルビデオカメラ4が所定角度だけ左回転しトレーラー102の左後方輪を直接撮影できる向きになれば検出信号を出力する。尚、デジタルビデオカメラ4の左側方への最突出位置については、法規により規制がある場合、サイドリアビューミラー105Lの最先端位置に合わせることになるが、許容される場合にはそれよりも突出させることも可能である。
【0036】
このようなシステム構成のサイドリアビュー確認装置は、図10に示す動作フローで動作する。エンジンスタートスイッチのスタート操作により電源回路が起動された後に本動作フローが開始し、制御装置1は映像モニター3、デジタルビデオカメラ4を起動させる。そして、左側ウインカー作動スイッチ12の作動信号が入力されるまで動作待機する(ステップS1)。
【0037】
制御装置1は、左側ウインカー作動スイッチ12Lの作動信号を受けて左側ウインカー11Lを作動させると共に第1モーター5の正回転(右回転)を開始させる(ステップS3)。
【0038】
この後、制御装置1は、最突出位置検出リミットスイッチLm12の検出信号が入力されればデジタルビデオカメラ4を最突出位置まで送り出し、その位置に到達したと判断してこの第1モーター5の正回転を停止する(ステップS5)。
【0039】
そして制御装置1は、最突出位置検出リミットスイッチLm12の検出信号が入力されれば、次に第2モーター6の左回転を開始させる。そしてデジタルビデオカメラ4を所定角度だけ左回転させてトレーラー102の左後輪104Lを直接撮影できる向きにし、カメラ内側回転位置検出リミットスイッチLm22の検出信号が入力されればその左回転を停止する(ステップS7)。
【0040】
これまでの制御によって、図7、図8においてデジタルビデオカメラ4は最突出位置4Bに到達し、かつ、その撮影方向の向きがトレーラー102の左後輪104Lが明確に視認できる角度だけ内側向き4B1まで所定角度だけ矢付き破線の向きに回転した状態となる。これにより、特に左折時にデジタルビデオカメラ4Bによって左後輪104Lを直接に撮影し、その映像を運転席に設置された映像モニター3に映し出させ、運転者に視認させることができるようになる。そのため、運転者には左後輪104Lの直側方や前方に物体が存在する場合に、その物体と左後輪104Lとの位置関係を明確に認識させることができ、内輪差による巻き込みを未然に防ぐことができる。
【0041】
左側ウインカー作動スイッチ12Lの作動信号が停止し、左折転回が終了すれば左側ウインカー作動スイッチ12Lが停止し、左側ウインカー11Lも動作を停止する。制御装置1は、最突出位置検出リミットスイッチLm12の検出信号が入力されている状態で左側ウインカー作動スイッチ12Lの作動信号が停止すれば(ステップS9,S11)、第2モーター6の右回転を開始させる。そしてデジタルビデオカメラ4を所定角度だけ右回転させてトレーラー102の左側面の前方延長線とほぼ平行な向き、つまり基準回転位置4Aまで復帰し、カメラ基準回転位置検出リミットスイッチLm21の検出信号が入力されればその右回転を停止する(ステップS13)。
【0042】
続いて制御装置1は、第1モーター5の逆回転(左回転)を開始させ、ホーム位置検出リミットスイッチLm11の検出信号が入力されればデジタルビデオカメラ4がホーム位置4Aに帰着したと判断してこの第1モーター5の逆回転を停止する(ステップS15)。
【0043】
こうして本実施の形態のサイドリアビュー確認装置では、左側通行のトラック100において、左折転回時に右側ハンドルの運転席からサイドリアビューミラー105Lでは見にくい左後輪104Lの付近の様子を映像モニター3に表示させ、目視にて確認させることができ、内輪差による巻き込みを未然に防ぐことができるようになる。
【0044】
特に、トラックの場合、前後長が長いため、運転席からサイドビューミラー105Lまでに距離があり、さらにそこから遠い位置の左後輪103Lまでにも大きな距離があるので、運転者にとって小さく見えるサイドビューミラー105Lを見て、さらにその中に映る小さい左後輪103Lの像を見なければならないので、かなり神経を集中させて左折している。そこでビデオカメラ4を取り付け、左折時には少し左外側に迫り出させ、かつそのビデオカメラ4を内向きにすることによって、左後輪103Lの部分をサイドビューミラー105Lの反射像よりも明確に、またより広範囲に映し出して映像モニター3に表示させることができ、運転者にとって左後輪103Lの付近の様子を明確に確認できる。しかも、映像モニター3を運転席近くの左方向に取り付ければ、その映像モニター3の画面の大きさで左後輪付近の様子を大きな像にして見ることができる。ゆえに、本発明の実施の形態によれば、運転者にとって左折時にかかるストレスを軽減できるのである。
【0045】
尚、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。デジタルビデオカメラ4の駆動系にはラック・ピニオン方式に限らず、他の適切な方式、例えば、ベルトドライブ方式や油圧方式等を採用することができる。またデジタルビデオカメラ4の回転動作も歯車方式に限らず、他の適切な方式、例えば、ベルトドライブ方式、カム方式等を採用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 制御装置 2 画像処理装置
3 映像モニター 4 デジタルビデオカメラ
5 第1モーター 6 第2モーター
10 サイドリアビューカメラユニット 11L,11R ウインカー
13 駆動部 14 スライダー
15 ラック歯車 21 メインカバー
22 サブカバー 41 歯車付き支軸
51 出力歯車 61 回転歯車
100 トラック 101 トラクター
102 トレーラー 103L,103R 前輪
104L,104R 後輪
105L,105R サイドリアビューミラー
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
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