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運輸
 
【発明の名称】体重掛けリフト台車
【出願人】
【識別番号】523195728
【氏名又は名称】堀内 隆司
【住所又は居所】群馬県高崎市箕郷町善地840-1
【発明者】
【氏名】堀内 隆司
【住所又は居所】群馬県高崎市箕郷町善地840-1
【要約】 (修正有)
【課題】人手による搬送で扱われる範囲の重量物を、瞬時に昇降可能にする装置を提供する。
【解決手段】台車の前方に配置した荷台1と、荷台を上昇させるための踏み台3とを、台車の骨格である支柱5に固定した、直線ガイド部品2および直線ガイド部品4に固定する。支柱の上端には滑車6を固定し、1本のワイヤー7の片端を荷台に固定し、他端を滑車を周回して踏み台に固定する。荷台と踏み台は、水平状態を保って上下移動が可能となる。荷台を踏み台より重く設定することにより、常時は荷台が着地部品15に当接した下限位置で待機状態となり、踏み台に作業者が体重を掛けるだけで、瞬時に荷物を上昇させることが可能となる。さらに支柱側面にバネで搖動可能になるレバー8を固定し、踏み台の下降端で、レバーが踏み台上部にバネの作用ではみ出して、踏み台の上昇を抑えることにより、滑車の反対側の荷台が上昇位置で保持される。
【選択図】図1
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を載せる荷台1を具備し、該荷台を移動かつ上昇下降を可能にする、リフト付き台車であり、該台車は、大径の前車輪22を前方に並列に2個と、方向操舵とブレーキを兼ねた後車輪9を後方に並列に2個具備して、果樹園や荒れ地等の起伏地面をも移動が可能であり、加えて荷台1の上昇下降動作に関し、以下の特徴を有する。
荷台1の上昇下降を支持する支柱5を該台車の真ん中あたりに設け、荷台1の上下平衡移動を可能にする直線ガイド部品2を支柱5の前側に固定、荷台1を上昇させるための踏み台3の直線ガイド部品4を支柱5の後ろ側に固定する。そして荷台1を該台車前方に配置して直線ガイド部品2に固定し、該台車後方に踏み台3を直線ガイド部品4に固定した状態で、支柱5の上部に滑車6を固定し、該滑車にワイヤー7をかけて、ワイヤー7両端を下方に向けて、荷台1と踏み台3に固定した構造とする。そして荷台1に、作業者の体重範囲の荷物を載せた状態で、作業者が踏み台3に足を乗せて体重を掛けることにより、荷台1を、滑車を周回したワイヤーが引き揚げて荷物を所定高さに上昇させる。
上昇動作の一方で、支柱5の側面に支点軸17を中心としてバネ18で搖動可能になるレバー8を固定し、踏み台3が下降端に達した位置で、レバー8が踏み台3の上にバネ18の作用ではみ出して、踏み台3の上昇を抑えることにより、滑車6反対側の荷台1が上昇端で保持される。
その後、作業者が荷台1の上昇端に在る荷物を目的場所に移載した後、レバー8を作動させて、踏み台3に対してはみ出してロックしていたレバー8を解除させる。この時、荷台1は踏み台3より1、2kgほど重く設定しているので、重力により荷台1は下がり、踏み台3は上がって元の位置に戻る。
上記の構造により、荷台1に荷物を載せて移動させた後、作業者が踏み台3に体重をかけることで、瞬時に荷台1を上昇させかつ、上昇端での保持を可能とし、作業者による荷降ろし後、レバー8を作動して、荷台1と踏み台3を元にもどす、これら一連を可能にすることを特徴とした昇降機能付き台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日用品の運搬作業や農産物の選果機への投入、玄米の精米機への投入、ホームセンター等での商品搬送および陳列、被災地での救援物資運搬等に活用される、昇降機能付き台車に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の運搬を担う、積載移動に加え目的とする高さへの上昇保持の機能を備えた、昇降機能付き台車を背景とする。
【0003】
昇降機能付き台車の上昇機能の技術は、世に普及しているものでは、油圧式、電動式、ハンドルの手回し式等である。
【0004】
これらの昇降機能付き台車の多くは、積載荷重が概略150kgから500kg等で、工場や建設現場に適応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−001549
【0006】
【特許文献2】 特開平07−172784
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現状の昇降機能付き台車は、最大積載荷重により区分されているが、上昇行程に要する時間が、最大積載荷重仕様の上位ほど長い。たとえば当方で保有の油圧式昇降台車で調べたところ、最大積載荷重150kg仕様のもので、該発明品との比較条件として、荷物無し、450mmの上昇では、油圧を作動させる足踏みが11回、同250kg仕様では23回、同500kg仕様では37回であった。
【0008】
ところが、これら現状の昇降機能付き台車を、たとえば農産物の選果機への投入や、被災地での救援物資運搬等に使用した場合、上昇までに時間が掛り過ぎ、頻繁に繰り返される搬送作業には適さず、現状のものとは指向を変えた、積載荷重が、人が持ち上げるのを助けられる領域で、瞬時に上昇が可能な昇降機能付き台車が、多くの現場に待ち望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1から図14を参照して詳細に説明する。
本発明による台車の骨組みは、総重量の軽量化に配慮し、アルミフレームで構成され、全体は図1に示すように、移動させるための4つの車輪用の枠組みと、荷台1および踏み台3を上下させるための支柱5を具備する。そして支柱5に直線ガイド部品2を前側に、直線ガイド部品4を後ろ側に固定し、荷台1を直線ガイド部品2に、踏み台3を直線ガイド部品4に、図5のように固定する。
【0010】
支柱5の最上部に滑車6を図9のように滑車固定板11に固定し、昇降動作を導くワイヤー7を、滑車6を周回して両端を図5に示すワイヤー割締め部品14で荷台1および踏み台3にボルトで固定する。
【0011】
操舵や昇降時に把持するハンドル10を、図8のようにハンドル割締め部品12で締め、滑車固定板11に固定する。滑車固定板11は操舵時のねじれ作用にも対応できるように、図10のように支柱5に補助フレーム13を並列にねじ止めした状態で、両側面に固定されている。方向操舵とブレーキを兼ねた後車輪9を図6のように後車輪固定部品23で、前車輪22を図7のように前車輪固定部品24で、該アルミフレームに固定する。
【0012】
上記構造で荷台1と踏み台3とは台面が水平を維持した状態で、互いに反対方向に上下移動することになるが、荷台1の重量を踏み台3の重量よりやや重く、当発明では1.2kgの差を設定することで、荷台1が下側に降り着地部品15に当たって定位置となる。
【0013】
定位置となった荷台1に作業者の体重より約5kg程軽い範囲の荷物を載せて、作業者が足を踏み台3に乗せ、図11のように他方の足を浮かしながら全体重を掛ければ荷台1に乗せた荷物は上昇する。
【0014】
荷台1の上昇後、自ずと上昇位置でロックがかかる仕組みを説明する。
図11において、支柱5の側面にはレバー台16が固定されており、該上面でレバー8が滑り摺動可能に固定された支点軸17を中心に搖動可能であり、バネ18により紙面に向かって左回転方向に引っ張られて定位置ストッパー19に当たって待機状態にある。
【0015】
踏み台3の下降過程では、踏み台3が下がるにつれて背面で、レバー8下方を矢印aに示す通り左に押しのける。踏み台3が床面まで着地させられると、図12に示す通りレバー8下端と踏み台3の上端との間に矢印bで示す隙間ができるように構造設計されているので、レバー8はバネ18の引っ張り力で定位置に戻り、その後作業者が図13に示すように足を踏み台3から放すと、踏み台3は滑車6反対側から荷台1の荷重によりワイヤー7を通して引かれ、矢印cで示すレバー8下端と踏み台3の上端が当接するロック状態となり、荷物を乗せた荷台1が上昇位置で保持される。
【0016】
所定の高さで作業者により荷物が取り除かれた後、荷台1および踏み台3を定位置に戻す過程を説明する。図14において、レバー8の上側面に固定されたノブ20を作業者が手前に引くと、レバー8上部は矢印dに示す紙面に向かって右方向に動かされ、支点軸17を通して反対の下部は矢印eの通り紙面に向かって左方向に解除ストッパー21に当たるまで動き、踏み台3上端に対して働いていたロック作用が外れることになり、踏み台3はより重く設定された荷台1からワイヤー7を通して上方向に引かれることになるので、矢印fの通りレバー8を通り抜け、直後から作業者が矢印gに示すようにノブ20から手を解放しても、踏み台3は上昇し続けるとともに、荷台1は下方向に向かい、着地部品15に当接して定位置に戻る。
【発明の効果】
【0017】
荷物の運搬および所定高さへの上昇が頻繁に行われる、たとえば農産物のトラックへの荷積みや選果機への投入、また被災地での救援物資搬送現場等において、人の作業負担が最も大きくなる膝上から胸部高さへの持ち上げ作業に対し、本発明の体重掛けリフト台車を適用することで労力が軽減され、人の疲労を和らげたり、特に力のある特定人員でなくとも、たとえば女性や高齢者等でも役割を分担でき、しかも上昇に要する手間が従来の昇降機能付き台車に比べ格段に省ける。たとえば米の30kg入り袋を精米機に投入する場合の上昇は、周知の積載荷重150kgの油圧式では11回の足踏み動作を要するが、本発明の体重掛けリフト台車であれば、一般的な成人で僅か2秒前後で上昇できることが、当方での繰り返しの実用のなかで確認されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明の台車で作業者が荷物を搬送した後、これから上昇させようとして足を踏み台3に乗せた状態を進行方向左側からみた図およびその平面図である。
【図2】 図1に対し、押している作業者側から見た図1の側面図である。
【図3】 図1の状態から、作業者が踏み台3に体重をかけて荷台1を上昇させた状態を進行方向左から見た図である。
【図4】 図3に対し、押している作業者側から見た図3の側面図である。
【図5】 図1で示した断面B−Bで、荷台1および踏み台3を平衡に上下動作させる直線ガイド部品2および直線ガイド部品4の支柱5への固定詳細と、ワイヤー7の荷台1および踏み台3への固定詳細を示した図である。
【図6】 図1で示した断面C−Cで、本発明の台車で搬送移動する際の後車輪9の固定詳細を示した図である。
【図7】 図1で示した断面F−Fで、本発明の台車で搬送移動する際の前車輪22の固定詳細を示した図である。
【図8】 図2で示した断面G−Gで、該台車を手で押す際や踏み台3に体重を掛けて上昇させる際に掴むハンドル10の固定詳細を示した図である。
【図9】 図1で示した断面E−Eで、荷台1および踏み台3の上下動作を担う滑車6の固定詳細を示した図である。
【図10】 図1で示した断面A−Aで、滑車6およびハンドル10を固定する滑車固定板11を支柱5に固定した詳細を示した図である。
【図11】 踏み台3に体重を掛けて下降していく過程でのレバー8の働きを説明する、進行方向左側の図、および該図中に示された断面D−Dを示したレバー8の固定状態を示した図である。
【図12】 踏み台3が床面に接地した際のレバー8と踏み台3との関係をあらわした図である。
【図13】 踏み台3から足を放した時のレバー8と踏み台3との関係をあらわした図である。
【図14】 上昇した荷台1から荷物を取り除いた後、荷台1および踏み台3とを元の位置に戻すために、作業者がレバー8に固定のノブ20を引いてからの状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
作業者はまず、図1で示した発明の台車の荷台1に荷物を載せる。この時荷台1は床面より360mmの位置にあるので、身体の姿勢を無理して曲げることもなく作業が容易である。
【0020】
その後目的地点へ移動するが、発明の台車走行では前車輪22が果樹園や被災地現場等の、でこぼこ地面にも対応できる大きさ(本発明では直径340mm)であり、後車輪9は周知の周回自在で回転ロック機能を具備し、ハンドル10で方向操舵をして進み、停止地点では後車輪9でロックを掛ける。
【0021】
目的地点で停止後、図1で示すように、作業者が踏み台3に足を載せて体重をかけ、瞬時に荷台1を上昇させることができ、図3にあらわした通りの状態でレバー8がバネ18の作用で踏み台3の上端にかかり、足をはなしても図12から図13のようにレバー8が作動するので、荷物を上昇位置で保持できる。この時荷台1は床面より810mmの位置となっているので、荷物の扱いは作業者の胸下辺りであり、腰を曲げるようなこともなくらくな姿勢で作業が可能となる。
【0022】
荷台1の荷物を取り除いた後は、図14に示すように、レバー8の上部に固定のノブ20を手前に引けば踏み台3および荷台1がもとに戻る。
【符号の説明】
【0023】
1 荷台
2 荷台の直線ガイド部品
3 踏み台
4 踏み台の直線ガイド部品
5 支柱
6 滑車
7 ワイヤー
8 レバー
9 後車輪
10 ハンドル
11 滑車固定板
12 ハンドル割締め部品
13 補助フレーム
14 ワイヤー割締め部品
15 着地部品
16 レバー台
17 支点軸
18 バネ
19 定位置ストッパー
20 ノブ
21 解除ストッパー
22 前車輪
23 後車輪固定部品
24 前車輪固定部品
25 荷物
メッセージ

 この度は当特許出願を御覧頂きましてありがとうございます。

 稼業で梅と米をやっていますが、女房に、梅20kg箱や玄米30kg袋の持ち上げが一人ではできず、なにか道具を買うようせがまれていましたが、売っているものはリフトに時間がかかり過ぎ、結局自分で作ることにして、使いながら改善を重ねて7年がたち、周囲の皆にも喜ばれているので、今回の出願に至りました。
 自分は機械技術者としての会社員でもあり、今回の装置はCAD設計図から製作まで全て自ら行っています。
 商品化を検討して頂ける企業様には、現物検証や図面提供、アレンジ設計もお申し付け頂ければお応えできます。
以下メールアドレスに御一報くださるよう、お待ち申し上げます。
ryujidean@mail.fcservice.jp
体重掛けリフト台車足掛け写真 
体重掛けリフト台車足掛け写真
体重掛けリフト台車上昇写真 
体重掛けリフト台車上昇写真 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
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