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【考案の名称】ペダル操作補助具 【実用新案権者】 【識別番号】319008708 【氏名又は名称】野田 貴司 【住所又は居所】岐阜県羽島市上中町沖2059番地3 【代理人】 【識別番号】100140671 【弁理士】 【氏名又は名称】大矢 正代 【代理人】 【識別番号】100098224 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 勘次 【考案者】 【氏名】野田 貴司 【住所又は居所】岐阜県羽島市上中町沖2059番地3 【要約】 【課題】アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み替え操作を補助するペダル操作補助具を提供する。 【解決手段】ペダル操作補助具1では、自動車の運転席フロアに載置される支持台10に、回転自在な複数のローラ20a,20b,20cが、それぞれの回転軸20pの方向を平行として支持されている。支持台において、ブレーキペダル51側とされる端部を第一端部E1とすると共に、アクセルペダル52側とされる端部を第二端部E2としたとき、第一端部に最も近い第一端部ローラ21と第二端部に最も近い第二端部ローラ22に、無端ベルトが巻回されている構成とすることもできる。 【選択図】図3 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 自動車の運転席フロアに載置される支持台に、回転自在なローラの複数が、それぞれの回転軸の方向を平行として支持されている ことを特徴とするペダル操作補助具。 【請求項2】 前記支持台において、ブレーキペダル側とされる端部を第一端部とすると共に、アクセルペダル側とされる端部を第二端部としたとき、 複数の前記ローラのうち、前記第一端部に最も近い第一端部ローラは、前記第二端部に最も近い第二端部ローラより小径であり、その他の前記ローラは何れも、前記第二端部側で隣接している前記ローラより小径であるか同径である ことを特徴とする請求項1に記載のペダル操作補助具。 【請求項3】 前記第一端部ローラと前記第二端部ローラに無端ベルトが巻回されており、該無端ベルトの外表面には複数の凹凸が設けられている ことを特徴とする請求項2に記載のペダル操作補助具。 【請求項4】 前記支持台の底面に、面ファスナーが貼着されている ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載のペダル操作補助具。 【請求項5】 前記面ファスナーによって前記支持台が着脱可能に取り付けられるフロアマットを備えている ことを特徴とする請求項4に記載のペダル操作補助具。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み替え操作を補助するペダル操作補助具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えが原因とされる事故が相次ぎ、大きな問題となっている。 【0003】 本考案者は、事故の原因として、アクセルペダルからブレーキペダルに踏み替えるという運転者の意思に身体動作が伴わず、自分ではブレーキペダルに踏み替えたつもりでアクセルペダルを踏み込んでいることが多いのではないかと考えた。特に、高齢者、病人、怪我人など、筋力が低下している人や関節の可動域が狭小となっている人は、健常な人に比べて自己の意思通りに足を敏捷に移動させることが難しいと考えられる。 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0004】 そこで、本考案は、上記の実情を鑑み、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み替え操作を補助するペダル操作補助具の提供を、課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記課題を解決するため、本考案にかかるペダル操作補助具は、 「自動車の運転席フロアに載置される支持台に、回転自在なローラの複数が、それぞれの回転軸の方向を平行として支持されている」ものである。 【0006】 以下では、自動車の運転席に着座した運転者にとっての前後及び左右を、それぞれ「前 後」及び「左右」と称する。 【0007】 本構成のペダル操作補助具は、自動車の運転席フロアに配置して使用する。その際、ローラの回転軸の方向が前後方向となるように、運転席フロアに支持台を載置する。また、運転者の足裏における足指の付け根部分でアクセルペダル及びブレーキペダルを踏むときに、踵部が位置するあたりにローラが配されるように支持台の位置を調整する。 【0008】 ペダル操作補助具をこのように配置することにより、運転者の足元に、回転自在な複数のローラが左右方向に列設されている状態となる。そのため、ローラ間の窪みに踵部を置いておけば、ペダルを踏み替える際、左右の何れかに向かって踵部に力を加えれば、踵部の移動がローラの回転によって補助される。健常な人は、踵部を軸として足を回転させるような動きでペダルを踏み替えるのが通常であるが、高齢者、病人、怪我人など、筋力が低下している人や関節の可動域が狭小となっている人は、そのような足首の動作に制限があり、アクセルペダルとブレーキペダルとの間で踵部を左右に少し動かす必要がある。本構成のペダル操作補助具では、このような踵部を左右に移動させる動作が、左右方向に列設されたローラによって補助される。 【0009】 本考案にかかるペダル操作補助具は、上記構成に加え、 「前記支持台において、ブレーキペダル側とされる端部を第一端部とすると共に、アクセルペダル側とされる端部を第二端部としたとき、 複数の前記ローラのうち、前記第一端部に最も近い第一端部ローラは、前記第二端部に最も近い第二端部ローラより小径であり、その他の前記ローラは何れも、前記第二端部側に隣接している前記ローラより小径であるか同径である」ものとすることができる。 【0010】 本構成のペダル操作補助具は、支持台における第一端部がブレーキペダル側に、第二端部がアクセルペダル側となるように、運転席フロアに配置される。第一端部ローラは第二端部ローラより小径で、その他のローラは何れも第二端部側で隣接しているローラ、すなわち、右隣りのローラより小径であるか同径である。これにより、ローラ面の上端高さは、アクセルペダル側からブレーキペダル側に向かって、漸次または段階的に低くなっている。これにより、運転者の足が高い方から低い方へ案内され易いため、ブレーキペダルへの踏み替えを敏捷に行うことができる。 【0011】 本考案にかかるペダル操作補助具は、上記構成に加え、 「前記第一端部ローラと前記第二端部ローラに無端ベルトが巻回されており、該無端ベルトの外表面には複数の凹凸が設けられている」ものとすることができる。 【0012】 本構成では、第一端部ローラと第二端部ローラに無端ベルトが巻回されているため、踵部を無端ベルトの上面に載せておくことができる。そのため、ローラ間の窪みに踵部を置いておく場合に比べて、運転姿勢がより安定する。そして、無端ベルトの外表面には複数の凹凸が設けられているため、踵部を動かそうとすると、その動きが凹凸を介して無端ベルトに伝わり易く、ローラを回転させつつ無端ベルトが左右に移動する。従って、無端ベルトに足を置いた姿勢を安定させながら、ローラの回転によって踵部の移動を補助することができる。 【0013】 本考案にかかるペダル操作補助具は、上記構成に加え、 「前記支持台の底面に、面ファスナーが貼着されている」ものとすることができる。 【0014】 本構成のペダル操作補助具は、底面に貼着された面ファスナーによって、運転席フロアに固定することができる。従って、既存の自動車にペダル操作補助具を後付けする場合であっても、運転中にペダル操作補助具が動いてしまうことがなく、常に適正な位置にペダ ル操作補助具を配置しておくことができる。 【0015】 本考案にかかるペダル操作補助具は、上記構成に加え、 「前記面ファスナーによって前記支持台が着脱可能に取り付けられるフロアマットを備えている」ものとすることができる。 【0016】 本考案にかかるペダル操作補助具はフロアマットを備えており、このフロアマットは、支持台の底面に貼着された面ファスナーと係合するものである。従って、既存の自動車の運転席フロアが、面ファスナーが係合しない材質である場合であっても、フロアマットを介して支持台を運転席フロアに固定することができるため、常に適正な位置にペダル操作補助具を配置しておくことができる。 【0017】 以上のように、本考案によれば、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み替え操作を補助するペダル操作補助具を、提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本考案の第一実施形態であるペダル操作補助具の斜視図である。 【図2】図1のペダル操作補助具の正面図(正面側の支持板の図示を省略)である。 【図3】図1のペダル操作補助具の運転席フロアへの配置を説明する図である。 【図4】本考案の第二実施形態であるペダル操作補助具の斜視図である。 【図5】図4のペダル操作補助具の斜視図(正面側の支持板の図示を省略)である。 【考案を実施するための形態】 【0019】 以下、本考案の実施形態であるペダル操作補助具1,1bについて、具体的に説明する。まず、第一実施形態のペダル操作補助具1について、図1〜図3を用いて説明する。ペダル操作補助具1は、支持台10に回転自在な複数のローラ20a,20b,20cが支持されているものである。 【0020】 より具体的には、支持台10は、細長い平板である支持板11の一対と、一対の支持板11を同じ側で連結している一対の側板12を備えている。一対の支持板11、及び一対の側板12は、それぞれ平行である。そして、側板12の底面には、面ファスナー40が貼着されている。面ファスナー40は、支持板11の底面に貼着してもよい。 【0021】 なお、一対の側板12に加えて、或いは、一対の側板12に代替して、一対の支持板11を連結している底板を備える構成としても良い。底板を備える場合、底板の底面に面ファスナーを貼着してもよい。 【0022】 複数のローラ20a,20b,20cはそれぞれ、回転軸20pの一端が一対の支持板11の一方に、回転軸20pの他端が支持板11の他方に、回転自在に取り付けられている。これにより、複数のローラは、それぞれの回転軸20pを平行として、支持板11の長手方向に列設されている。 【0023】 ローラ20a,20b,20cは細長い円柱状であるが、本実施形態では直径の異なる三種類があり、最も小径のものから順に、「ローラ20a」、「ローラ20b」、「ローラ20c」と称している。支持板11の長手方向において、支持台10の一方の端部を第一端部E1、他方の端部を第二端部E2とすると、第一端部E1から第二端部E2に向かって、ローラ20a、ローラ20b、ローラ20cの順に、それぞれ複数が列設されている。従って、第一端部E1に最も近いローラ20aが第一端部ローラ21であり、第二端部E2に最も近いローラ20cが第二端部ローラ22である。 【0024】 その他のローラ20a,20b,20cは、何れも第二端部E2側で隣接しているローラより小径であるか同径である。つまり、ローラ面の上端高さは、第二端部E2から第一端部E1に向かって、段階的に低くなっている。なお、図では、複数のローラ面の下端高さを同一とすることにより、ローラ20c、ローラ20b、ローラ20aの順に、支持板11に対する回転軸20pの取り付け位置も低くする場合を例示している。このようにすることにより、ローラの直径の差がさほど大きくなくても、ローラ面の上端高さが第二端部E2から第一端部E1に向かって低くなる度合いを、大きくすることができる。もちろん、直径の異なる複数のローラ20a,20b,20cを、それぞれの回転軸20pの高さが同一となるように、支持板11に取り付けてもよい。 【0025】 上記構成のペダル操作補助具1は、支持台10を運転席フロアに載置して使用する。その際、ローラ20a,20b,20cの回転軸20pの方向を前後方向と一致させると共に、図3に示すように、第一端部E1がブレーキペダル51側となり、第二端部E2がアクセルペダル52側となるように配置する。また、運転者の足裏における足指の付け根部分でアクセルペダル52及びブレーキペダル51を踏むときに、踵部が位置するあたりにローラ20a,20b,20cが配されるように支持台10の位置を調整する。 【0026】 支持台10において側板12の底面には面ファスナー40が貼着されているため、面ファスナー40と運転席フロアの敷物との係合により、支持台10を運転席フロアに固定することができる。なお、運転席フロアの敷物が、面ファスナー40とは係合しない材質である場合に備え、面ファスナー40と係合する材質で形成されていることによって、支持台10を着脱可能に取り付けられるフロアマットを、オプショナルな構成として用意しておくことができる。 【0027】 自動車の運転をする際は、上記のように運転席フロアに配置されたペダル操作補助具1において、ローラ間の窪みに踵部を置いておく。アクセルペダル52からブレーキペダル51に踏み替える際は、左に向かって踵部に力を加え、ブレーキペダル51からアクセルペダル52に踏み替える際は、右に向かって踵部に力を加えれば、ローラ20a,20b,20cの回転によって踵部の移動が補助される。これにより、踵部を軸として足を回転させてペダルを踏み替えるような足首の動作がし難い人であっても、ローラ20a,20b,20cの回転による補助によって踵部を左右に移動させることができるため、ペダルの踏み替え操作を容易に行うことができる。 【0028】 また、ローラ面の上端高さは、アクセルペダル52側からブレーキペダル51側に向かって段階的に低くなっているため、運転者の足が高い方から低い方へ案内され易く、ブレーキペダル51への踏み替えを敏捷に行うことができる。 【0029】 次に、第二実施形態のペダル操作補助具1bについて、図4及び図5を用いて説明する。ペダル操作補助具1bが第一実施形態のペダル操作補助具1と相違する点は、無端ベルト30を備えている点である。また、ローラの本数はペダル操作補助具1より少なく、ローラ間の距離がペダル操作補助具1に比べて大きい。また、ローラの直径の異なる種類についても、ローラ20aとローラ20cとの二種類であり、それぞれ複数が用いられている。 【0030】 複数のローラ20a,20cのうち、ローラ20aの一つが第一端部ローラ21で、ローラ20cの一つが第二端部ローラ22であり、その他のローラ20a,20cは何れも第二端部E2側で隣接しているローラより小径であるか同径である。つまり、ローラ面の上端高さは、第二端部E2から第一端部E1に向かって、段階的に低くなっている。 【0031】 無端ベルト30は、第一端部ローラ21と第二端部ローラ22に巻回されている。無端 ベルト30は、例えば、ゴムベルトとすることができる。無端ベルト30を張設していることにより、無端ベルト30は第一端部ローラ21及び第二端部ローラ22に圧接されている。また、無端ベルト30の上に足を載せると、無端ベルト30が押し下げられて直下のローラ20a,20cに圧接される。無端ベルト30とローラ20a,20cとの間に作用する摩擦力によって、無端ベルト30を移動させるとローラ20a,20cが回転し、ローラ20a,20cが回転すると無端ベルト30が移動する。 【0032】 なお、本実施形態においても、複数のローラ面の下端高さを同一とすることにより、支持板11に対する回転軸20pの取り付け位置が、ローラ20cよりローラ20aの方が低くなる場合を図示している。このようにすることにより、上述したようにローラの直径の差がさほど大きくなくても、ローラ面の上端高さが第二端部E2から第一端部E1に向かって低くなる度合いを、大きくすることができる。加えて、このようにすることにより、複数のローラの直径が異なっていても、全てのローラ20a,20cについてローラ面の下端が無端ベルト30に接触するため、無端ベルト30とローラ20a,20cとの間に作用する摩擦力が大きなものとなる。 【0033】 無端ベルト30の外表面、すなわち、ローラと接しない方の表面には、凹凸が複数設けられている。ここでは、無端ベルト30の移動方向に直交する方向に、突条31が一定間隔で設けられていることにより、凹凸が形成されている場合を例示している。凹凸は、このような突条31による態様のほか、タイヤ表面のようにギザギザした溝を設けた態様、粒状の突起を多数散在させた態様とすることができる。 【0034】 上記構成のペダル操作補助具1bは、ペダル操作補助具1について図3を用いて説明したのと同様に、運転席フロアに配置して使用する。 【0035】 自動車の運転をする際は、運転席フロアに配置されたペダル操作補助具1において、無端ベルト30の上に踵部を置いておく。ペダルを踏み替える際は、その方向に踵部に力を加えれば、突条31を介して無端ベルト30にその力が伝わり、第一端部ローラ21及び第二端部ローラ22の回転に伴い無端ベルト30が移動し、踵部の移動が補助される。加えて、無端ベルト30は弾性に富んだゴムベルトであり、踵部により押し下げられて直下にあるローラに押し付けられるため、この直下のローラの回転によっても無端ベルト30が移動し、踵部の移動が補助される。 【0036】 以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。 【0037】 例えば、上記の実施形態では、第二端部E2から第一端部E1に向かって、ローラ面の上端高さが段階的に低くなっている場合を例示したが、複数のローラの直径を全て異なるものとし、直径の大きさが少しずつ変化する設定とすることにより、第二端部から第一端部に向かって、ローラ面の上端高さが漸次低くなる構成のべダル操作補助具とすることができる。 【0038】 また、上記の実施形態では、複数のローラの直径を異ならせることによって、ローラ面の上端高さを変化させる場合を例示したが、複数のローラとして直径の同一のローラを使用し、ローラの回転軸の支持台に対する高さの変化のみによって、ローラ面の上端高さを変化させることができる。 【符号の説明】 【0039】 1,1b,ペダル操作補助具 10 支持台 20a,20b,20c ローラ 20p 回転軸(ローラの回転軸) 21 第一端部ローラ 22 第二端部ローラ 30 無端ベルト 31 突条 40 面ファスナー E1 第一端部 E2 第二端部 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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