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【発明の名称】固定金具 【出願人】 【識別番号】508261699 【氏名又は名称】宮城 則文 【住所又は居所】東京都大田区大森中1−17−12 コーポ室町101 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100077735 【氏名又は名称】市橋 俊一郎 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100148792 【氏名又は名称】三田 大智 【発明者】 【氏名】宮城 則文 【住所又は居所】東京都大田区大森中1−17−12 コーポ室町101 【要約】 【課題】 トラックのあおりよりも背の低い荷物でも確実に固定できる固定金具の提供。 【解決手段】 少なくとも、トラック荷台の両サイドにおいて対の関係をもって使用されて、トラックのあおりと荷台の間に画成される空間内に移動可能に取り付けられる固定金具であって、上下方向に一体に連続する上部フック体1と下部ベース体2とを備え、上部フック体1は、あおりの高さよりも低く設定されて、荷物に掛け渡されるロープ類の端部を留める留め部3を有し、下部ベース体2は、荷台の側面に着脱可能に嵌め込まれる形状が付与されて、荷台の下部側に引っ掛かる引掛り部5を有して、固定金具を荷台の側面に嵌め込んで、ロープ類の端部を上部フック体1の留め部3に留めるだけで、トラックのあおりよりも背の低い荷物でも、荷台に対して確実に固定できる。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも、トラック荷台の両サイドにおいて対の関係をもって使用されて、トラックのあおりと荷台の間に画成される空間内に移動可能に取り付けられる固定金具であって、上下方向に一体に連続する上部フック体と下部ベース体とを備え、上部フック体は、あおりの高さよりも低く設定されて、荷物に掛け渡されるロープ類の端部を留める留め部を有し、下部ベース体は、荷台の側面に着脱可能に嵌め込まれる形状が付与されて、荷台の下部側に引っ掛かる引掛り部を有することを特徴とする固定金具。 【請求項2】 上部フック体は、荷台方向に傾斜していることを特徴とする請求項1記載の固定金具。 【請求項3】 下部ベース体は、上部フック体との境にあおりの底面で押圧される肩部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の固定金具。 【請求項4】 上部フック体の留め部は、孔状を呈し、該孔状の留め部内にロープ類の環状端部を差し込んで、該環状端部に留め棒を通すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の固定金具。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、特に、トラックの荷台に対して、荷物を固定する固定金具に関するものである。 【背景技術】 トラック21の荷台22に荷物を固定する場合には、従来は、図7に示す如く、荷台22の側方に蝶番を介して回動可能に設けられる所謂あおり23に複数のロープフック24を一定の間隔をおいて固設して、該各ロープフック24にロープ類を掛け渡すことにより、トラックの荷台に対して荷物を固定していた。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 従って、従来にあっては、あおり23よりも背の高い荷物は、その十分な高さを利用して、ロープ類を縦横に掛け渡すことができるので、移動することなく確実に固定することができるが、逆に、あおり23よりも背の低い荷物は、そのままでは、ロープ類を掛け渡すことができないので、容易に移動してしまう恐れがあった。 そこで、通常は、あおり23自体の外側にロープフック24を固設することに加えて、内側の荷台底部にも対の関係にあるロープフックを固設して、この内側のロープフックを利用して、あおり23よりも背の低い荷物を固定する工夫が採られているが、この場合には、ロープフックの固設位置が予め決定されることとなるので、固定位置が変更できない不都合があると共に、荷物の大きさも自ずと限定されてしまう不利不便があった。 【課題を解決するための手段】 本発明は、斯かる実情に鑑み開発されたもので、請求項1記載の発明は、少なくとも、トラック荷台の両サイドにおいて対の関係をもって使用されて、トラックのあおりと荷台の間に画成される空間内に移動可能に取り付けられる固定金具であって、上下方向に一体に連続する上部フック体と下部ベース体とを備え、上部フック体は、あおりの高さよりも低く設定されて、荷物に掛け渡されるロープ類の端部を留める留め部を有し、下部ベース体は、荷台の側面に着脱可能に嵌め込まれる形状が付与されて、荷台の下部側に引っ掛かる引掛り部を有することを特徴とする。 請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、上部フック体は、荷台方向に傾斜していることを特徴とする。 請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2を前提として、下部ベース体は、上部フック体との境にあおりの底面で押圧される肩部を有することを特徴とする。 請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3を前提として、上部フック体の留め部は、孔状を呈し、該孔状の留め部内にロープ類の環状端部を差し込んで、該環状端部に留め棒を通すことを特徴とする。 【発明の効果】 依って、請求項1記載の発明にあっては、起立状態にあるあおりのロックを解いて、あおりを外側に倒すと、あおりと荷台の間に空間が画成されるので、この空間を利用して、固定金具の下部ベース体を荷台の側面に嵌め込むと、下部ベース体の引掛り部が荷台の下部に引っ掛かって、固定金具自体が荷台に対して移動可能に取り付けられるので、後は、固定金具を所望の位置に移動させて、荷物に掛け渡されたロープ類の端部を対の関係にある固定金具の上部フック体の留め部に留めれば、これにより、あおりよりも背の低い荷物でも、荷台に対して移動することなく確実に固定できる。 請求項2記載の発明にあっては、上部フック体が荷台方向に傾斜しているので、ロープ類の端部を留め部に留める作業が容易となると共に、ロープ類を緊張して荷物に掛け渡すことが可能となる。 請求項3記載の発明にあっては、下部ベース体があおりの底面で押圧される肩部を有する関係で、あおりを起立状態にロックすると、肩部に対する押圧で、固定金具がその位置に移動不能にロックされるので、荷物の確実な固定状態が一層保障される。 請求項4記載の発明にあっては、孔状の留め部にロープ類の環状端部を差し込んで、該環状端部に留め棒を通すだけで、ロープ類の端部を留め部に留められるので、作業が容易に行なえる。 【発明を実施するための最良の形態】 本発明は、少なくとも、トラック荷台の両サイドにおいて対の関係をもって使用されて、トラックのあおりと荷台の間に画成される空間内に移動可能に取り付けられる固定金具を前提として、上下方向に一体に連続する上部フック体と下部ベース体とを備え、上部フック体は、あおりの高さよりも低く設定されて、荷物に掛け渡されるロープ類の端部を留める留め部を有し、下部ベース体は、荷台の側面に着脱可能に嵌め込まれる形状が付与されて、荷台の下部側に引っ掛かる引掛り部を有することにより、固定金具を荷台の自由な位置に移動させて、その場で、あおりよりも背の低い荷物を確実に固定せんとするものである。 【実施例】 以下、本発明を図示する好適な実施例に基づいて詳述すると、該実施例に係る固定金具は、ステンレス板により一体に成形されて、トラック荷台の両サイドにおいて対の関係をもって使用されるもので、その具体的構造は、図1乃至図2に示す如く、上下方向に連続する上部フック体1と下部ベース体2とを備え、前者の上部フック体1は、剛性を得るために三層構造を呈し、後述するトラックのあおり7の高さよりも低く設定されて、その中央に荷物9に掛け渡されるロープ類10の環状端部10aを留める留め部たる留め孔3を開設すると共に、上部フック体1自体をトラックの荷台6方向に傾斜させる構成となっている。 又、後者の下部ベース体2は、荷台6の側面側に着脱可能に嵌め込まれるもので、上記した上部フック体1との境に位置する上側には、あおり7の底面で押圧される肩部4を形成し、下側には、荷台6の下部に引っ掛かるJ字状の引掛り部5を形成して、トラックのあおり7と荷台6の間に画成される空間を利用して、当該下部ベース体2を嵌め込んで、引掛り部5を荷台6の下部に引っ掛けながら、肩部4を荷台6の側縁に載置すると、固定金具自体が荷台6に対して移動可能に取り付けられる構成となっている。 依って、実際に、斯かる固定金具をトラックの荷台6側に取り付けて、あおり7よりも背の低い荷物9を固定する場合には、図3・図4に示す如く、荷台6の両サイドで起立状態にあるあおり7のロックを解いて、各あおり7を外側に倒すと、あおり7と荷台6の間に空間Sが画成されるので、この両サイドの空間Sを利用して、固定金具の下部ベース体2を荷台6の側面に嵌め込むと、下部ベース体2の引掛り部5が荷台6の下部に引っかかりながら、下部ベース体2の肩部4が荷台6の側縁に載置されるので、これにより、対の関係にある固定金具自体が荷台6に対して移動可能に取り付けられることとなる。 そこで、両サイドの固定金具を対の関係にある所望の位置に移動させて、荷物9に掛け渡されたロープ類10の環状端部10aを上部フック体1の留め孔3に差し込んで、該留め孔3より外側に突出する環状端部10aに留め棒11を通せば、これにより、あおり7のよりも背の低い荷物9でも、移動することなく簡単に固定できる。この場合に、ロープ類10に締め付け可能なラッシングベルトを使用すると、荷物9に対する掛け渡しが容易となる。 尚、この留め孔3に対するロープ類10の環状端部10aの差し込みに際しては、上部フック体1が荷台6方向に傾斜しているので、差込作業が容易となると共に、最後に、あおり7を立ち上げても、あおり7とロープ類10の端部10aとが干渉することがない。又、後は、留め棒11を通すだけなので、留め孔3にロープ類10の環状端部10aを簡単に留めることが可能となる。 そして、最後に、あおり7を立ち上げて、起立状態にロックすると、今度は、図5・図6に示す如く、下部ベース体2の肩部4があおり7の底面で押圧されるので、これにより、固定金具は移動不能となって、その位置にロックされる。従って、この固定金具のロックにより、固定金具自体が不用意に移動することがなくなるので、例え、あおり7よりも背の低い荷物9であっても、トラックの荷台6に対して確実に固定されることとなる。 又、固定金具を使用しない時は、再度、あおり7を外側に倒して、あおり7と荷台6の間に空間Sを画成すれば、固定金具を簡単に取り外すことができるので、固定金具自体の存在が邪魔となることは決してない。尚、固定金具を使用しない時は、従来と同様に、あおり7の外側に固設されたロープフックを使用して、あおり7よりも背の高い荷物9を固定することは言うまでもない。 更に、自動車メーカーによっては、あおり7と荷台6に関して多少の相違はあるが、あおり7が荷台6の側面に蝶番8を介して回動可能に設けられている限りは、必ず、あおり7と荷台6の間に空間Sが画成されることとなるので、本実施例の固定金具は、この空間Sを有効に利用するだけであるから、汎用に使用できる大きな利点がある。 【産業上の利用可能性】 本発明に係る固定金具は、トラック荷台に対して位置を自由に移動して、その所望の位置で、あおりよりも背の低い荷物をロープ類を介して簡単に固定できるので、これを各種トラックに応用すれば、頗る好都合なものとなる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例に係る固定金具を示す斜視図である。 【図2】図1のA−A線断面図である。 【図3】あおりを倒して画成された空間内に固定金具を取り付けた状態を示す要部斜視図である。 【図4】同要部断面図である。 【図5】あおりを起立状態にロックして固定金具を押圧している状態を示す要部斜視図である。 【図6】同要部断面図である。 【図7】従来のトラック構造を示す斜視図である。 【符号の説明】 1 上部フック体 2 下部ベース体 3 留め孔(留め部) 4 肩部 5 引掛り部 6 トラックの荷台 7 あおり 8 蝶番 9 荷物 10 ロープ類 10a 環状端部 11 留め棒 S 空間 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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