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運輸
 
【発明の名称】格納ミラー自動開閉装置
【出願人】
【識別番号】514043012
【氏名又は名称】井上 正彦
【住所又は居所】静岡県浜松市中区上浅田1丁目10−32
【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
【発明者】
【氏名】井上 正彦
【住所又は居所】静岡県浜松市中区上浅田1丁目10−32
【要約】
【課題】運転者が操作忘れをしたとしても、電動格納ミラーの適切なセット状態および格納状態を得ることができる格納ミラー自動開閉装置を提供する。
【解決手段】パーキングブレーキスイッチ11がOFFとなったとき、そのOFF信号に基づいて作動し、自動車が備える電動格納ミラースイッチ13に代わって電動格納ミラーコントロールユニット14に対し電動格納ミラー12を格納状態とするためのクローズ信号C1’を送出し、パーキングブレーキスイッチ11がONとなったとき、そのON信号に基づいて作動し、自動車が備える電動格納ミラースイッチ13に代わって電動格納ミラーコントロールユニット14に対し電動格納ミラー12をセット状態とするためのセット信号S1’を送出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキングブレーキと、
このパーキングブレーキが作動状態となったときOFFとなり、パーキングブレーキが非作動状態となったときONとなるパーキングブレーキスイッチと、
電動でセット状態と格納状態とを取り得る電動格納ミラーと、
この電動格納ミラーをセット状態または格納状態にするために操作者によって操作され、電動格納ミラーをセット状態とするためのセット信号、または電動格納ミラーを格納状態とするためのクローズ信号を送出し得る電動格納ミラースイッチと、
この電動格納ミラースイッチからセット信号を受信したとき前記電動格納ミラーをセット状態に作動させ、電動格納ミラースイッチからクローズ信号を受信したとき前記電動格納ミラーを格納状態に作動させる電動格納ミラーコントロールユニットと、
を備える自動車に取り付け可能な格納ミラー自動開閉装置であって、
前記パーキングブレーキスイッチがOFFとなったとき、そのOFF信号に基づいて作動し、前記電動格納ミラースイッチに代わって前記電動格納ミラーコントロールユニットに対し電動格納ミラーを格納状態とするためのクローズ信号を送出し、
前記パーキングブレーキスイッチがONとなったとき、そのON信号に基づいて作動し、前記電動格納ミラースイッチに代わって前記電動格納ミラーコントロールユニットに対し電動格納ミラーをセット状態とするためのセット信号を送出することを特徴とする格納ミラー自動開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格納ミラー自動開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、操作者(通常、運転者)が電動格納ミラースイッチを操作することにより、電動で、セット状態(通常の展開状態)と格納状態とを取り得る電動格納ミラー(一般にはドアミラー)が知られている。
このような電動格納ミラーは、通常、運転者によるスイッチ操作により、駐車時には、格納状態とされ、走行時にはセット状態とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-107429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電動格納ミラーは、運転者のスイッチ操作によって作動するから、運転者の操作忘れによって、適切なセット状態または格納状態が得られないことがある。特に、駐車時等に格納状態とすることを忘れると、隣接車両に迷惑をかけるおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、運転者が操作忘れをしたとしても、電動格納ミラーの適切なセット状態および格納状態を得ることができる格納ミラー自動開閉装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の格納ミラー自動開閉装置は、
パーキングブレーキと、
このパーキングブレーキが作動状態となったときOFFとなり、パーキングブレーキが非作動状態となったときONとなるパーキングブレーキスイッチと、
電動でセット状態と格納状態とを取り得る電動格納ミラーと、
この電動格納ミラーをセット状態または格納状態にするために操作者によって操作され、電動格納ミラーをセット状態とするためのセット信号、または電動格納ミラーを格納状態とするためのクローズ信号を送出し得る電動格納ミラースイッチと、
この電動格納ミラースイッチからセット信号を受信したとき前記電動格納ミラーをセット状態に作動させ、電動格納ミラースイッチからクローズ信号を受信したとき前記電動格納ミラーを格納状態に作動させる電動格納ミラーコントロールユニットと、
を備える自動車に取り付け可能な格納ミラー自動開閉装置であって、
前記パーキングブレーキスイッチがOFFとなったとき、そのOFF信号に基づいて作動し、前記電動格納ミラースイッチに代わって前記電動格納ミラーコントロールユニットに対し電動格納ミラーを格納状態とするためのクローズ信号を送出し、
前記パーキングブレーキスイッチがONとなったとき、そのON信号に基づいて作動し、前記電動格納ミラースイッチに代わって前記電動格納ミラーコントロールユニットに対し電動格納ミラーをセット状態とするためのセット信号を送出することを特徴とする。
【0006】
この格納ミラー自動開閉装置は通常次のように作動する。
運転者により、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)が引かれて作動状態(制動状態)となり、パーキングブレーキスイッチがOFFになると、そのOFF信号に基づき、電動格納ミラーを格納状態とするためのクローズ信号を電動格納ミラースイッチに代わって電動格納ミラーコントロールユニットに対して送出する。
これによって、運転者が電動格納ミラースイッチの操作を忘れたとしても、電動格納ミラーは格納状態となる。
一方、運転者により、パーキングブレーキが押されて非作動状態(非制動状態)となり、パーキングブレーキスイッチがONになると、そのON信号に基づき、電動格納ミラーをセット状態とするためのセット信号を電動格納ミラースイッチに代わって電動格納ミラーコントロールユニットに対して送出する。
これによって、運転者が電動格納ミラースイッチの操作を忘れたとしても、電動格納ミラーはセット状態となる。
以上のように、本発明の格納ミラー自動開閉装置によれば、運転者が操作忘れをしたとしても、電動格納ミラーの適切なセット状態および格納状態を得ることが可能となる。
しかも、仮にパーキングブレーキをかけ忘れた場合には、電動格納ミラーがセット状態(通常運転時の展開状態)となっていることから、これを目視することによって、パーキングブレーキのかけ忘れを車両から離れたところからでも確認することができる。
また、特に、トラック等の大型車両の場合、駐車時、ドアの施錠はしなくてもパーキングブレーキを引いていることが一般的である。
この発明によると、電動格納ミラーを目視することによって、パーキングブレーキのかけ忘れを車両から離れたところからでも確認することができるから、この発明は、トラック等の大型車両に採用した場合、特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る格納ミラー自動開閉装置の実施の形態の構成例を示す基本回路図(ブロック図)。
【図2】具体的回路例を示す図。
【図3】タイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る格納ミラー自動開閉装置の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0009】
図1,図2に示すように、この実施の形態の格納ミラー自動開閉装置20は、
パーキングブレーキ(図示せず)と、
パーキングブレーキが作動状態(通常、引かれた状態)となったときOFFとなり、パーキングブレーキが非作動状態(通常、押し戻された状態)となったときONとなるパーキングブレーキスイッチ11と、
電動でセット状態と格納状態とを取り得る電動格納ミラー(ドアミラー)12と、
この電動格納ミラー12をセット状態(通常、運転時の展開状態)または格納状態(車体側への折り畳み状態)にするために操作者によって操作され、電動格納ミラー12をセット状態とするためのセット信号S1、または電動格納ミラー12を格納状態とするためのクローズ信号C1を送出し得る電動格納ミラースイッチ13と、
この電動格納ミラースイッチ13からセット信号S1を受信したとき電動格納ミラー12をセット状態に作動させ、電動格納ミラースイッチ13からクローズ信号C1を受信したとき電動格納ミラー12を格納状態に作動させる電動格納ミラーコントロールユニット14と、
を備える自動車10に取り付け可能な装置である。
【0010】
この格納ミラー自動開閉装置20は、パーキングブレーキスイッチ11がOFFとなったとき、そのOFF信号に基づいて作動し、電動格納ミラースイッチ13に代わって電動格納ミラーコントロールユニット14に対し電動格納ミラー12を格納状態とするためのクローズ信号C1’を送出し、
パーキングブレーキスイッチ11がONとなったとき、そのON信号に基づいて作動し、電動格納ミラースイッチ13に代わって電動格納ミラーコントロールユニット14に対し電動格納ミラー12をセット状態とするためのセット信号S1’を送出する。
【0011】
この格納ミラー自動開閉装置20は次のように作動する。
(1)運転者により、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)が引かれて作動状態(制動状態)となり、パーキングブレーキスイッチ11がOFFになると、そのOFF信号に基づき、電動格納ミラー12を格納状態とするためのクローズ信号C1’を電動格納ミラースイッチ13に代わって電動格納ミラーコントロールユニット14に対して送出する。
これによって、運転者が電動格納ミラースイッチ13の操作を忘れたとしても、電動格納ミラーコントロールユニット14の作動により電動格納ミラー12は格納状態となる。
【0012】
(2)一方、運転者により、パーキングブレーキが押し戻されて非作動状態(非制動状態)となり、パーキングブレーキスイッチ11がONになると、そのON信号に基づき、電動格納ミラー12をセット状態とするためのセット信号S1’を電動格納ミラースイッチ13に代わって電動格納ミラーコントロールユニット14に対して送出する。
これによって、運転者が電動格納ミラースイッチ13の操作を忘れたとしても、電動格納ミラーコントロールユニット14の作動により電動格納ミラー12はセット状態となる。
【0013】
以上のように、この格納ミラー自動開閉装置20によれば、運転者が操作忘れをしたとしても、電動格納ミラー12の適切なセット状態および格納状態を得ることが可能となる。
しかも、仮にパーキングブレーキをかけ忘れた場合には、電動格納ミラー12がセット状態(通常運転時の展開状態)となっていることから、これを目視することによって、パーキングブレーキのかけ忘れを車両から離れたところからでも確認することができる。
また、特に、自動車10がトラック等の大型車両の場合、駐車時、ドアの施錠はしなくてもパーキングブレーキを引いていることが一般的である。
この格納ミラー自動開閉装置20によると、電動格納ミラー12を目視することによって、パーキングブレーキのかけ忘れを車両から離れたところからでも確認することができるから、この格納ミラー自動開閉装置20は、トラック等の大型車両に採用した場合に、特に有効である。
【0014】
自動車10における、パーキングブレーキ、パーキングブレーキスイッチ11、電動格納ミラー12、電動格納ミラースイッチ13、および電動格納ミラーコントロールユニット14は、いずれも、公知の構成のものを採用することができる。
【0015】
図1,図2において、21は、パーキングブレーキスイッチ11のON/OFF信号の入力部であり、例えば、パーキングブレーキスイッチ11とパーキングブレーキ警告灯11Lとの間に接続される入力端子で構成することができる。
【0016】
22は上記入力部21の電圧の有無(パーキングブレーキスイッチ11のON/OFF)を判断する判断部、23はセット信号S1’を出力するセット信号出力部、26はクローズ信号C1’を出力するクローズ信号出力部である。
【0017】
判断部22は、入力部21の電圧がON(パーキングブレーキスイッチ11がON)のとき、セット信号出力部23を作動させてセット信号S1’を電動格納ミラーコントロールユニット14へ出力させ、入力部21の電圧がOFF(パーキングブレーキスイッチ11がOFF)のとき、クローズ信号出力部26を作動させてクローズ信号C1’を電動格納ミラーコントロールユニット14へ出力させる。
【0018】
例えば図2に示すように、判断部22はリレー(22)で構成することができ、セット信号出力部23は、判断部を構成するリレー22と連動するリレー24およびこのリレー24と連動するリレー25で構成することができ、クローズ信号出力部26は判断部を構成するリレー22と連動するリレー(26)で構成することができる。
【0019】
この回路は次のように作動する。
<セット時>
運転者により、パーキングブレーキが押し戻されてパーキングブレーキスイッチ11のON信号が入力部21に入力されると、リレー22、24,25がそれぞれONとなり、電動格納ミラー12をセット状態とするためのセット信号S1’が出力される。
【0020】
<クローズ時>
運転者により、パーキングブレーキが引かれてパーキングブレーキスイッチ11のOFF信号が入力部21に入力されると、リレー22がOFF状態となり、これに連動するリレー26がONとなり、電動格納ミラー12を格納状態とするためのクローズ信号C1’が出力される。
【0021】
図2において、27はセット信号S1’が送出されているとき点灯して、セット信号S1が送出状態にあることを操作者に知らせるための表示灯(LED(Green))、28はクローズ信号C1’が送出されているとき点灯して、クローズ信号C1’が送出状態にあることを操作者に知らせるための表示灯(LED(Red))である。
【0022】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0023】
11: パーキングブレーキスイッチ
12: 電動格納ミラ
13: 電動格納ミラースイッチ
14: 電動格納ミラーコントロールユニット
20: 格納ミラー自動開閉装置
S1,S1’:セット信号
C1,C1’:クローズ信号
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る格納ミラー自動開閉装置の実施の形態の構成例を示す基本回路図(ブロック図)。
【図2】具体的回路例を示す図。
【図3】タイミングチャート。
試作写真1 
試作写真2 
発明者からのメッセージ

1.大型車は、駐車した後にドアミラーを手動で格納している。これを自動化するシステムを考案した。
これにより、狭い駐車場でのミラーの格納忘れをなくし、他車の車庫入れの円滑化を図る。
大型車(マニュアルシフト車)ドライバーの駐車意思は、サイドブレーキを引く行為に一致しており、この操作に連動してミラーを格納する。

2.車両の発進を「ミラーがセットされる」という形で外部から確認することができるシステムである。
ドライバーの「発進する意思」は、サイドブレーキを戻す行為に一致しており、この操作に連動してミラーをセットする。
トラックは常時エンジンを掛けていることが多く、いつ発進するのか分からなかったが、これにより、発進直前の車両の周辺にいる人への喚起となり、巻き込み事故を防ぐ効果がある。

3.このシステムのモジュールは簡単な電子回路で実現することができ、且つ、既存の大型車に簡単に後付けできる特徴を持つ。
従来からのミラー格納スイッチ(手動)の機能を残しながら、自動格納を実現している。

以上をまとめると、駐車と発進のドライバーの意思表示を、ドアミラーの動作に置き換える事で、交通の円滑化と事故防止を狙っている。
 
The Device for Automatic Storing of Side Mirrors

As for parking a large vehicle at a parking lot, it is certain to be a good manner to store the both side mirrors to avoid any minor collisions. To store side mirrors, you need to push a switch for electric retractable door mirror. You may tend to forget to push the switch until it becomes your routine habit, so I invented a device that enables mirror storing process automatic. This device can make the both processes “storing mirror when you park” and “setting up the mirror when you start driving” automatic. This device can be attached anytime possible to any kinds of sold trucks or buses with easy wirings. After equipping the device, you can also use the existing electric door mirror switch for hand-operated along with my product. The timing for automatic operation of storing or setting up the side mirrors is linked with “putting on and off” of the hand brake. To make it more understandable, I made the figure of its electrical diagram using relay. The figure 2 is the sample (scale: 8x5x3 centimeter basis), which I made referring to the electrical diagram mentioned above. The operation of the sample product is quite stable so far. The level of the maximum current value of a hand brake signals is relatively low, so an indirect method for taking out the signals can also be recommended. Considering its scale and costs, it may also do better if its made in the form of integrated circuit. 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3 
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