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【考案の名称】電動車両 【実用新案権者】 【識別番号】523198718 【氏名又は名称】柳田 秀人 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区神之木町19-53-101 【代理人】 【識別番号】100089026 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 高明 【考案者】 【氏名】柳田 秀人 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区神之木町19-53-101 【要約】 【課題】ユーザーの運転中の欠電の不安をなくし、安定して運用可能な電動車両を提供すること。 【解決手段】電動車両1は、電動車両1の貨物室42、駆動装置収納室41又は車室43下方のフロアサイドメンバーの少なくとも一つには交換式バッテリ装着部421,412,22が設けられる。交換式バッテリ装着部421,412,22には、予め充電され、電動車両1の駆動用モータ411に電力を供給できる交換式バッテリ6が着脱可能に装着されて使用される。交換式バッテリ6は、異なる製造メーカの電動車両1に共通して使用されると共に、駆動用モータ411の消費電力に応じた電力容量を有する複数種類のバッテリ本体により構成される。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 電動車両の貨物室、駆動装置収納室又は車室下方のフロアサイドメンバーの少なくとも一つには交換式バッテリ装着部が設けられ、 前記交換式バッテリ装着部には、予め充電され、電動車両の駆動用モータに電力を供給できる交換式バッテリが着脱可能に装着されて使用され、 前記交換式バッテリは、異なる製造メーカの電動車両に共通して使用されると共に、前記駆動用モータの消費電力に応じた電力容量を有する複数種類のバッテリ本体により構成される ことを特徴とする電動車両。 【請求項2】 前記交換式バッテリには電力を外部へ供給できるバッテリ側接続コネクタ部が設けられると共に、 前記交換式バッテリ装着部には、前記交換式バッテリが装着された場合には、前記交換式バッテリ側の接続コネクタに接続して電力を前記駆動用モータへ供給できる車体側接続コネクタが設けられている ことを特徴とする請求項1記載の電動車両。 【請求項3】 前記交換式バッテリは箱型に形成されると共に、 前記交換式バッテリ装着部は前記交換式バッテリを着脱可能に収納できる箱状に形成されている ことを特徴とする請求項2記載の電動車両。 【請求項4】 前記交換式バッテリは、大型車、中型車又は小型車に搭載される前記駆動用モータに、それぞれ電力を供給できる電力容量を有する大型車用、中型車用又は小型車用のバッテリ本体を有することを特徴とする請求項1記載の電動車両。 【請求項5】 充電済の前記交換式バッテリは、充電ステーション、ガスステーション、パーキングエリア、サービスエリア、メーカ直販店又はカー用品の量販店の交換式バッテリ供給拠点において供給可能に準備されており、 使用中の前記交換式バッテリの充電量が減少した場合には、前記充電済の前記交換式バッテリを、適宜、取得して交換し使用することができる ことを特徴とする請求項1記載の電動車両。 【請求項6】 前記交換式バッテリ装着部は、電動車両の貨物室、駆動装置収納室及び前記フロアサイドメンバーに設けられることを特徴とする請求項1記載の電動車両。 【請求項7】 前記交換式バッテリは、大型車、中型車又は小型車に搭載される前記駆動用モータに、それぞれ供給される電力を供給できる電力容量を有する大型車用、中型車用、小型車用のバッテリ本体を有し、 充電済の前記交換式バッテリは、ガスステーション、パーキングエリア又はサービスエリアの交換式バッテリ供給拠点において供給可能に準備されており、 使用中の前記交換式バッテリの充電量が減少した場合には、前記充電済の前記交換式バッテリを、適宜、取得して交換し使用することができる ことを特徴とする請求項3記載の電動車両。 【請求項8】 前記交換式バッテリ装着部は、電動車両の貨物室、駆動装置収納室及び前記フロアサイドメンバーに設けられることを特徴とする請求項1記載の電動車両。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、電動車両に関する。 【背景技術】 【0002】 現在、車体に備えられたバッテリにより駆動可能なEV車(電気自動車)等の電動車両が広く利用されている。例えば、特許文献1に開示される電動車両は、複数個の着脱式バッテリから供給された電力で駆動される電動駆動装置を有する。電動車両は、リヤホイールハウスの上方に位置するサイドパネルの内側において、車幅方向に沿って延在する有底のバッテリ収容部を設け、バッテリ収納部に着脱式バッテリを挿入又は引き出すための開口をサイドパネルに臨むように構成している。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 国際公開第2019/235380号 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0004】 自宅又は充電スタンドにおけるバッテリの充電時間は、フル充電する場合には、10時間〜18時間程度の長時間を要することがある。この充電時間はフル充電しない場合には、短時間で済ませることもできるが、バッテリが「欠電」した場合には電動車両の走行が不可能となるため、充電時間及び充電量は十分に確保されることが望ましい。一方で、電動車両は、放電したバッテリと充電済みのバッテリとを交換することによって充電時間を省いて駆動を継続することもできる。しかし、バッテリの規格は、電動車両の製造メーカ又は容量毎に異なることがあるため、供給拠点において電動車両に対応する充電済みのバッテリを準備できず、適時のバッテリ交換が行えないことがある。 【0005】 本考案は、ユーザーの運転中の欠電の不安をなくし、安定して運用可能な電動車両を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本考案に係る電動車両は、電動車両の貨物室、駆動装置収納室又は車室下方のフロアサイドメンバーの少なくとも一つには交換式バッテリ装着部が設けられ、前記交換式バッテリ装着部には、予め充電され、電動車両の駆動用モータに電力を供給できる交換式バッテリが着脱可能に装着されて使用され、前記交換式バッテリは、異なる製造メーカの電動車両に共通して使用されると共に、前記駆動用モータの消費電力に応じた電力容量を有する複数種類のバッテリ本体により構成されることを特徴とする。 【考案の効果】 【0007】 本考案によると、ユーザーの運転中の欠電の不安をなくし、安定して運用可能な電動車両を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0008】 【図1】電動車両の側面図である。 【図2】電動車両の平面図である。 【図3】電動車両の底面斜視図である。 【図4】交換式バッテリ及び交換式バッテリ装着部の模式図である。 【図5】電動車両及び交換式バッテリ供給拠点を示す図である。 【考案を実施するための形態】 【0009】 以下に図面を参照して、本考案の実施形態について説明する。図1は、電動車両1の側面図である。図2は、電動車両1の平面図である。また、図3は、電動車両1の一部の構成を省略した底面斜視図である。なお、本実施形態の電動車両1の説明において、電動車両1のシートに着座したユーザーの前方、後方、左方、右方、上方及び下方を、それぞれ、電動車両1の前方、後方、左方、右方、上方及び下方とする。 【0010】 本実施形態の電動車両1は、例えば、EV車(電気自動車)、ハイブリッド自動車等を含む。電動車両1は、フレーム3に対してパネル4を組み付けることで形成される車体2を有する。車体2は、左右に懸架された前輪51及び後輪52が回転することで走行可能な四輪駆動車である。 【0011】 フレーム3は、図3に示すように、前後方向に延在する左右一対のサイドメンバー31を有する。サイドメンバー31は、フロントサイドメンバー311、フロアサイドメンバー312、及びリアサイドメンバー313を有する。 【0012】 フロントサイドメンバー311は、車体2の前方に設けられる。フロントサイドメンバー311の上方には、電動車両1の駆動装置を収納する駆動装置収納室41が設けられる。フロアサイドメンバー312は、車体2の前後方向における中央部に設けられる。 フロアサイドメンバー312の上方には、車室43の床構造の一部を構成するフロア部21が配置される。また、リアサイドメンバー313は、車体2の後方に設けられる。リアサイドメンバー313の上方には、貨物室42(又は荷室)が配置される。フロアサイドメンバー312は、フロントサイドメンバー311及びリアサイドメンバー313よりも下方に設けられる。 【0013】 フレーム3は、左右のサイドメンバー31を接続するクロスメンバーを有する。例えば、図3に示すように、フレーム3は、左右のフロントサイドメンバー311を互いに接続するフロントクロスメンバー321を有する。その他のクロスメンバーについては図示を省略する。 【0014】 駆動装置収納室41には、駆動用モータ411、交換式バッテリ装着部412、並びに、図示しない変速装置及びコンバータ等を備える。貨物室42は、車体2の後方に設けられ、開閉扉を有する。貨物室42は、交換式バッテリ装着部421を有する。 交換式バッテリ装着部421は、例えば、貨物室42の床部に設けられ、開閉扉を該床部の一部として有する。 また、電動車両1は、車室43下方のフロアサイドメンバー312の近傍に交換式バッテリ装着部22を有する。交換式バッテリ装着部22は、例えば、左右のフロアサイドメンバー312の間の位置、又は、フロアサイドメンバー312の上方若しくは下方の位置に設けることができる。交換式バッテリ装着部22は、フロアサイドメンバー312とフロア部21との間の位置に配置してもよい。 交換式バッテリ装着部22は、側方又は上方等に交換式バッテリ6の着脱を行うための開閉扉を有する。開閉扉が交換式バッテリ装着部22の側方に設けられる場合、開閉扉はパネル4の一部に設けられてもよい。また、開閉扉が交換式バッテリ装着部22の上方に設けられる場合、開閉扉はフロア部21の一部として設けられてもよい。 【0015】 なお、本実施形態では、交換式バッテリ装着部421,412,22が電動車両1の貨物室42、駆動装置収納室41及びフロアサイドメンバー312に設けられる例について説明するが、交換式バッテリ装着部421,412,22は、貨物室42、駆動装置収納室41又は車室43下方のフロアサイドメンバー312の少なくとも一つに設けられてもよい。 【0016】 図4は交換式バッテリ6及び交換式バッテリ装着部421の模式図である。交換式バッテリ装着部421は、交換式バッテリ6を着脱可能に収納できる箱状に形成される。交換式バッテリ装着部421には、車体側接続コネクタ421a,421bが設けられている。なお、交換式バッテリ装着部412,22は、図4の交換式バッテリ装着部421と開口部の位置が異なる場合があるが、箱状に形成されて車体側接続コネクタ421a,421bを有する点は共通しており、交換式バッテリ装着部421と略同様に構成される。 【0017】 交換式バッテリ6は、箱型に形成されたカセット式バッテリである。従って、交換式バッテリ6は、交換式バッテリ装着部421(412,22)に容易に着脱可能に構成される。交換式バッテリ6には、電力を外部へ供給できるバッテリ側接続コネクタ部6a,6bが設けられる。交換式バッテリ6は電動車両1の駆動用モータ411に電力を供給できる機能を有する。 【0018】 また、交換式バッテリ装着部421(412,22)には、予め充電された交換式バッテリ6が装着されて、使用される。交換式バッテリ装着部421に交換式バッテリ6が装着された場合、車体側接続コネクタ421a,421bは、バッテリ側接続コネクタ部6a,6bと接続されて駆動用モータ411へ電力を供給することができる。また、交換式バッテリ6は、車体2の異なる位置に設けられたいずれかの交換式バッテリ装着部421,412,22に共通して使用することができる。 【0019】 交換式バッテリ6を装着可能な交換式バッテリ装着部は、異なる製造メーカ(異なる車種の電動車両1を含む)の電動車両1に共通した部位に、共通する構成、大きさによる設けることができる。これにより、交換式バッテリ6は、異なる製造メーカの電動車両1に共通した共通部品として使用することができる。 また、交換式バッテリ6を装着可能な交換式バッテリ装着部は、異なる製造メーカによらず電動車両1に共通して設けることができるが、電動車両1の駆動に必要な電力容量毎には異なる規格とすることができる。 この場合、交換式バッテリ6は、駆動用モータ411の消費電力に応じた電力容量を有し、電動車両1の駆動に必要な電力容量毎(例えば、大型車、中型車、小型車毎)に異なる複数種類のバッテリ本体(詳細は不図示)により構成される。 【0020】 次に、交換式バッテリ6の利用の例について説明する。図5は、電動車両1と、交換式バッテリ供給拠点7を示す図である。図5の交換式バッテリ供給拠点7は、充電ステーションを示しているが、ガスステーション、パーキングエリア、サービスエリア、メーカ直販店又は一般のカー用品の量販店等であってもよい。 【0021】 交換式バッテリ供給拠点7において、充電済の交換式バッテリ6は交換を要する電動車両1に対して供給可能に準備されている。例えば、交換式バッテリ6は、交換式バッテリ供給拠点7において商品として(在庫として)配置しておき、ユーザーが購入することにより供給される。ユーザーは、使用中の交換式バッテリ6の充電量が減少した場合には、交換式バッテリ供給拠点7に電動車両1を移動させる等して、充電済の交換式バッテリ6を、適宜、取得することができる。 ユーザーは、電動車両1の使用により充電量が減少した交換式バッテリ6を、交換式バッテリ装着部(421,412,22)から取り出して、交換式バッテリ供給拠点7から取得した充電済みの交換式バッテリ6と交換し、使用することができる。なお、交換作業はユーザー以外の者が実施してもよい。 【0022】 交換式バッテリ6は、前述したとおり、電動車両1の駆動に必要な電力容量毎に異なる電力容量を有してもよい。例えば、交換式バッテリ6は、大型車、中型車又は小型車に搭載される駆動用モータ411に、それぞれ電力を供給できる電力容量を有して構成される。大型車、中型車及び小型車で規格の異なる交換式バッテリ6は、大型車用、中型車用又は小型車用のそれぞれ異なるバッテリ本体を有する。なお、異なるバッテリ本体は、バッテリセルの数量の異なるバッテリセルにより構成することができる。 【0023】 以上、本実施形態に係る電動車両1について説明した。 電動車両1は、貨物室42、駆動装置収納室41又は車室43下方のフロアサイドメンバー312の少なくとも一つには交換式バッテリ装着部421,412,22が設けられ、交換式バッテリ装着部421,412,22には、予め充電され、電動車両1の駆動用モータ411に電力を供給できる交換式バッテリ6が着脱可能に装着されて使用される。 また、交換式バッテリ6は、異なる製造メーカの電動車両1に共通して使用されると共に、駆動用モータ411の消費電力に応じた電力容量を有する複数種類のバッテリ本体により構成される。 【0024】 電動車両1は、ユーザーによっては、充電のために多くの充電時間を要することが欠点としてとらえられる場合もあるが、交換式バッテリ6を共通部品化し、交換式バッテリ供給拠点7に配置して、ユーザーが必要に応じて交換可能とすることにより、電動車両1の駆動を継続するために充電に要する時間を抑制又は省略することができる。従って、ユーザーの運転中の欠電の不安をなくすことができ、社会的インフラとなりつつある電動車両1の運用を、社会的に安定して行うことが可能となる。 【0025】 また、交換式バッテリ6及び交換式バッテリ装着部421,412、22は、電動車両1の製造メーカ及び車種にかかわらず、カセット式バッテリとした共通部品であるため、各自動車メーカーの如何にかかわらず統一して装着することができる。従って、交換式バッテリ製造側は単一規格の交換式バッテリを多数製造して販売側へ供給され、販売側から交換式バッテリ供給拠点へ供給される。 その結果、交換式バッテリ供給拠点7においては、単一規格の交換式バッテリ6を準備しておけばよいことから、複数の電動車両の製造メーカーごとにそれぞれのメーカー規格の交換式バッテリを準備する必要がなく、複数規格の交換式バッテリをそれぞれ多数準備する煩雑さを回避することができる。また、交換式バッテリ6の在庫切れの事態を有効に低減できる。そのため、ユーザーは安心して交換式バッテリ6のために交換式バッテリ供給拠点7を利用することができる。 【0026】 また、電動車両1は、車体2に交換式バッテリ装着部421,412,22を複数個所に設けて、交換式バッテリ6を分散して複数搭載することで、蓄電量を確保することができる。このように交換式バッテリ6を分散して複数搭載することで、電力容量を確保しつつ、車体2における交換式バッテリ装着部のレイアウトの自由度を向上させることができる。 【0027】 なお、本実施形態では、交換式バッテリ装着部421,412,22に対して装着できる交換式バッテリ6は、一つである例について説明したが、本実施形態の各交換式バッテリ装着部421,412,22に対して装着可能な交換式バッテリ6は、2つ以上の複数であってもよい。これにより、一か所の交換式バッテリ装着部において供給可能な電力容量を増加させることができる。 【0028】 また、本実施形態では、交換式バッテリ6及び交換式バッテリ装着部421,412,22は、電動車両1の大きさ毎に、異なる規格である例について説明したが、各交換式バッテリ装着部421,412,22に対して装着可能な交換式バッテリ6が2つ以上の複数である構成とした場合、電動車両1の大きさに応じて搭載する交換式バッテリ6を増加させることができる。 そのため、交換式バッテリ6及び交換式バッテリ装着部421,412,22は、電動車両1の大きさ(大型車、中型車又は小型車)に関わらず共通部品として利用することができる。これにより、交換式バッテリ供給拠点7における交換式バッテリ6の在庫切れのリスクをさらに低減できる。 【産業上の利用可能性】 【0029】 本願考案は交換式バッテリが着脱可能に装着された電動車両に関することから広く産業上の利用可能性を有している。 【符号の説明】 【0030】 1 電動車両 2 車体 3 フレーム 4 パネル 6 交換式バッテリ 6a,6b バッテリ側接続コネクタ部 7 交換式バッテリ供給拠点 21 フロア部 22 交換式バッテリ装着部 31 サイドメンバー 41 駆動装置収納室 42 貨物室 43 車室 51 前輪 52 後輪 311 フロントサイドメンバー 312 フロアサイドメンバー 313 リアサイドメンバー 411 駆動用モータ 412 交換式バッテリ装着部 421 交換式バッテリ装着部 421a,421b 車体側接続コネクタ |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
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