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【発明の名称】台車引掛装置
【特許権者】
【識別番号】314007371
【氏名又は名称】岩川 浩二
【住所又は居所】大阪府大阪市大正区平尾5−15−17 セレストパレ1203
【代理人】
【識別番号】100096080
【弁理士】
【氏名又は名称】井内 龍二
【発明者】
【氏名】岩川 浩二
【住所又は居所】大阪府大阪市大正区平尾5−15−17セレストパレ1203
【参考文献】
【文献】登録実用新案第3168023(JP,U)
【文献】特開2000−142410(JP,A)
【文献】特開2005−324642(JP,A)
【文献】特開昭63−247206(JP,A)
【文献】特開2007−50744(JP,A)
【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 5/00
【要約】
【課題】ハンドルが折り畳まれた状態の台車を所定の収納箇所に簡単に引っ掛けた状態で収納することができ、使い勝手が良く、床面の有効活用を図ることができる台車引掛装置を提供すること。
【解決手段】ハンドルを荷台に取り付けるための一対のハンドル取付部の間にロックバーが掛け渡された形態のハンドル折り畳み式台車を折り畳んだ状態で収納するための台車引掛装置1であって、ハンドルが折り畳まれた状態の台車の荷台とロックバーとの隙間に引っ掛ける台車引掛部13b(10a)を備えた台車引掛部材10と、台車引掛部材10を所定の収納箇所に吊設するための吊設部材30とを装備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車の荷台にハンドルを取り付けるための一対のハンドル取付部の間にロックバーが掛け渡された形態のハンドル折り畳み式台車を引っ掛けて収納するための台車引掛装置であって、
前記ハンドルが折り畳まれた状態の前記台車の前記荷台と前記ロックバーとの隙間に引っ掛ける台車引掛部を備えた台車引掛部材と、
該台車引掛部材を所定の収納箇所に吊設するための吊設部材とを備えていることを特徴とする台車引掛装置。
【請求項2】
前記台車引掛部材が、
略矩形形状をした一対の枠体が側面視略X字状に開閉自在に枢着された開閉枠体と、
前記一対の枠体の下辺部の間に着脱可能に設けられた連結部材とを含んで構成され、
前記一対の枠体のうちの一方の枠体の上辺部が前記吊設部材に取付けられ、
前記一対の枠体のうちの他方の枠体の上辺部が前記台車引掛部として機能するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の台車用掛け部。
【請求項3】
前記台車引掛部材の前記連結部材が、
前記他方の枠体の下辺部に回動可能に連結された回動連結部と、
前記一方の枠体の下辺部に掛止可能な枠体掛止部とを備えていることを特徴とする請求項2記載の台車引掛装置。
【請求項4】
前記台車引掛部として機能する前記他方の枠体の上辺部が、
前記一方の枠体の上辺部よりも上方に延設されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の台車引掛装置。
【請求項5】
前記台車引掛部として機能する前記他方の枠体の上辺部が、
前記台車の前記荷台と前記ロックバーとの隙間に挿着可能形状に形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかの項に記載の台車引掛装置。
【請求項6】
前記吊設部材が、
下向き略コ字状をした1つ以上の嵌合部材と、
該嵌合部材に前記台車引掛部材を取り付けるための取付具とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の台車引掛装置。
【請求項7】
前記吊設部材が、
前記台車引掛部材を壁面に取り付けるための壁面取付具で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の台車引掛装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は台車引掛装置に関し、より詳細にはハンドル折り畳み式の台車を、所定の収納箇所にハンドルを折り畳んだ状態で引っ掛けて収納することができる台車引掛装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から荷物運搬用具として手押し台車(以下、台車と言う)が広く利用されている。図6は、従来から広く利用されている一般的な台車を示した斜視図である。台車50は、複数の車輪(キャスター)51が底面に配設された荷台52と、荷台52の上面一側寄りに固着された上向きコ字状をした一対のハンドル取付部(ブラケットとも言う)53と、ハンドル取付部53に折り畳み可能に枢着された下向きコ字状をしたハンドル54と、ハンドル取付部53の間に掛け渡された態様で取付けられたロックバー55とを含んで構成されている。
【0003】
ハンドル54の下端部はハンドル取付部53に枢軸56によって軸支され、ロックバー55はハンドル取付部53に形成された傾斜スリット57に挿着されている。またロックバー55と枢軸56とがスプリング58によって連結され、このスプリング58の復元力によって、ロックバー55が、枢軸56方向、すなわち傾斜スリット57の上端側に付勢されている。このロックバー55の機構によってハンドル54が起立状態と折り畳み状態とに切り替え可能になっている。また、ハンドル54の中間部分には、パネル59が配設されている。
【0004】
このような台車50は、工場だけでなくビルや一般家庭でもよく使用されている。また、運送業においては、台車50は貨物車へ携帯する必須の用具となっている。
【0005】
しかしながら、貨物車が軽トラックなどの小型車の場合、荷台52上面を上にしたまま台車50を貨物車の荷台に載せてしまうと、台車50によって貨物車の荷台スペースが大きくとられてしまう。そのため、台車50のハンドル54を折り畳んだ状態で、貨物車の荷台の側壁(パネル)面に立て掛けて配置されることもあるが、自立しにくい構造であるため安定感が悪い。
【0006】
一方、下記の特許文献1には、自立させることが可能な台車が開示されているが、台車を自立できたとしても、折り畳んだ状態の台車は、キャスター部分を含めて通常20cm程度の幅を有するため、台車によって貨物車の荷台スペースがやはり大きくとられてしまう。このように貨物車の荷台スペースの有効活用が台車によって妨げられており、多くの運送業者は、台車の収納箇所や収納方法に不便さを感じているという課題があった。このような課題は、狭い収納庫に台車を保管する場合にも同様に発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−121425号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、ハンドルが折り畳まれた状態の台車を所定の収納箇所に引っ掛けた状態で簡単に収納することができ、使い勝手が良く、床面の有効活用を図ることができる台車引掛装置を提供することを目的としている。
【0009】
本発明者は、一般的な台車に使用されている構造、すなわちロックバーの構造に着目し、このロックバーの構造部分を利用して、台車を壁面等に簡単に引っ掛けて収納することができる装置を発明した。
【0010】
すなわち本発明に係る台車引掛装置(1)は、台車の荷台にハンドルを取り付けるための一対のハンドル取付部の間にロックバーが掛け渡された形態のハンドル折り畳み式台車を引っ掛けて収納するための台車引掛装置であって、前記ハンドルが折り畳まれた状態の前記台車の前記荷台と前記ロックバーとの隙間に引っ掛ける台車引掛部を備えた台車引掛部材と、該台車引掛部材を所定の収納箇所に吊設するための吊設部材とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記台車引掛装置(1)によれば、前記台車引掛部を備えた前記台車引掛部材と、前記吊設部材とを備えているので、前記所定の収納箇所に前記台車引掛部材を前記吊設部材により吊り下げた状態で設置することができる。そして、前記ハンドルが折り畳まれた状態の台車の前記荷台と前記ロックバーとの隙間部分に前記台車引掛部を引っ掛けることにより、前記台車を前記所定の収納箇所に掛けた状態で簡単に収納することができ、非常に使い勝手が良く、また床面に直接載置しないため床面の有効活用を図ることができる。
【0012】
また本発明に係る台車引掛装置(2)は、上記台車引掛装置(1)において、前記台車引掛部材が、略矩形形状をした一対の枠体が側面視略X字状に開閉自在に枢着された開閉枠体と、前記一対の枠体の下辺部の間に着脱可能に設けられた連結部材とを含んで構成され、前記一対の枠体のうちの一方の枠体の上辺部が前記吊設部材に取付けられ、前記一対の枠体のうちの他方の枠体の上辺部が前記台車引掛部として機能するように構成されていることを特徴としている。
【0013】
上記台車引掛装置(2)によれば、前記台車を収納する(引っ掛ける)ときは、前記開閉枠体を側面視略X字状に開いて、前記連結部材で前記一対の枠体の下辺部の間を連結した状態で使用することができる。一方前記台車を収納しないとき(前記台車を取り外した後)は、前記連結部材による前記一対の枠体の下辺部の間の連結状態を開放する(連結しない状態とする)ことで、前記開閉枠体を側面視略I字状にコンパクトに折り畳むことができ、狭い場所に設置しても邪魔にならず、取り扱い性に優れたものとすることができる。
【0014】
また本発明に係る台車引掛装置(3)は、上記台車引掛装置(2)において、前記台車引掛部材の前記連結部材が、前記他方の枠体の下辺部に回動可能に連結された回動連結部と、前記一方の枠体の下辺部に掛止可能な枠体掛止部とを備えていることを特徴としている。
【0015】
上記台車引掛装置(3)によれば、前記連結部材が、前記回動連結部と前記枠体掛止部とを備えているので、前記連結部材による前記一対の枠体の下辺部の間の連結操作や連結開放操作を簡単に行うことができ、取り扱い性の良いものにすることができる。
【0016】
また本発明に係る台車引掛装置(4)は、上記台車引掛装置(2)又は(3)において、前記台車引掛部として機能する前記他方の枠体の上辺部が、前記一方の枠体の上辺部よりも上方に延設されていることを特徴としている。
【0017】
上記台車引掛装置(4)によれば、前記台車引掛部として機能する前記他方の枠体の上辺部に、前記台車の前記荷台と前記ロックバーとの隙間部分を引っ掛けることがより容易になり、また引っ掛けた状態の前記台車の安定感を高めることができる。
【0018】
また本発明に係る台車引掛装置(5)は、上記台車引掛装置(2)〜(4)のいずれかにおいて、前記台車引掛部として機能する前記他方の枠体の上辺部が、前記台車の前記荷台と前記ロックバーとの隙間に挿着可能形状に形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記台車引掛装置(5)によれば、前記台車引掛部として機能する前記他方の枠体の上辺部に、前記台車の前記荷台と前記ロックバーとの隙間部分をより確実に引っ掛けることができ、また、引っ掛けた状態の前記台車の安定感を高めることができる。
【0020】
また本発明に係る台車引掛装置(6)は、上記台車引掛装置(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記吊設部材が、下向き略コ字状をした1つ以上の嵌合部材と、該嵌合部材に前記台車引掛部材を取り付けるための取付具とを含んで構成されていることを特徴としている。
【0021】
上記台車引掛装置(6)によれば、前記吊設部材が、前記嵌合部材と前記取付具とを含んで構成されているので、壁面やパネル材などの上縁部に前記嵌合部材を嵌め合わせることができ、前記壁面やパネル材などの上縁部に、当該台車引掛装置を簡単かつ安定した状態で吊設することができる。
【0022】
また本発明に係る台車引掛装置(7)は、上記台車引掛装置(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記吊設部材が、前記台車引掛部材を壁面に取り付けるための壁面取付具で構成されていることを特徴としている。
【0023】
上記台車引掛装置(7)によれば、壁面部分に前記壁面取付具によって前記台車引掛部材を吊設することができ、様々な場所に吊設することが可能となり、使い勝手の良いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る台車引掛装置を示す外観斜視図である。
【図2】実施の形態に係る台車引掛装置が壁面パネルの上縁部に吊設された状態(台車を掛止可能な状態)を示した側面図である。
【図3】実施の形態に係る台車引掛装置が壁面パネルの上縁部に吊設された状態(台車引掛部材が折り畳まれた状態)を示した側面図である。
【図4】実施の形態に係る台車引掛装置に台車が引っ掛けられた状態を示した側面図である。
【図5】実施の形態に係る台車引掛装置が壁面に吊設された状態を示した側面図である。
【図6】一般的な台車を示す斜視図である、
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る台車引掛装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0026】
図1は、実施の形態に係る台車引掛装置を示す外観斜視図であり、図2は、台車引掛装置が壁面パネルの上縁部に吊設された状態(台車を引掛可能な状態)を示した側面図である。図3は、台車引掛装置が壁面パネルの上縁部に吊設された状態(台車引掛部材が折り畳まれた状態)を示した側面図である。また、図4は、台車引掛装置に台車が引っ掛けられた状態を示した側面図である。なお、台車の構成部品には、図6に示した符号を使用することとする。
【0027】
台車引掛装置1は、図4に示すように、台車の荷台52にハンドル54を取り付けるための一対のハンドル取付部53の間にロックバー55が掛け渡された形態のハンドル折り畳み式台車50を折り畳んだ状態で引っ掛けて収納するための装置(用具)である。
【0028】
台車引掛装置1は、台車引掛部材10と、台車引掛部材10を所定の収納箇所に吊り下げた状態で取り付けるための吊設部材30とで構成されている。
【0029】
台車引掛部材10は、略矩形形状をした一対の枠体12、13が側面視略X字状に開閉自在に枢着された開閉枠体11、及び枠体12の下辺部12aと枠体13の下辺部13aとの間に着脱可能(掛止状態で連結可能)に設けられた連結部材20を含んで構成されている。開閉枠体11は、例えば、直径10mm〜15mm程度の金属製パイプ材で構成することができる。
【0030】
一対の枠体12、13のうちの一方の枠体12の上辺部12bが、吊設部材30に取付けられ、他方の枠体13の上辺部13bが、ハンドル54が折り畳まれた状態の台車50の荷台52とロックバー55との隙間に引っ掛けられる台車引掛部10aとして機能するように構成されている。
【0031】
また、枠体13の上辺部13bが、枠体12の上辺部12bよりも上方向にやや延設され、また、台車50の荷台52とロックバー55との隙間に挿着可能な形状(太さ)に形成されている。なお、別の実施の形態では、一対の枠体12、13の上辺部12b、13bの高さが略同じ、又は枠体13の上辺部13bが、枠体12の上辺部12bよりもやや低い位置にある構造であってもよい。
【0032】
開閉枠体11の横幅は、台車50のハンドル54の横幅よりも狭く設計されている。すなわち、開閉枠体11が一対のハンドル取付部53の間に納められ、枠体13の上辺部13bが台車50の荷台52とロックバー55との隙間に引っ掛けられる幅となっている。
【0033】
開閉枠体11の縦幅は、荷台50の縦幅よりも狭く設計されており、台車50を引っ掛けた状態の安定性やコンパクト性という観点から、より好ましくは、開閉枠体11に台車50を引っ掛けたときに、枠体12の下辺部12aが、荷台52の中間部付近、又はハンドル54の中間部分に設けられているパネル59に当接する程度の縦幅(例えば、30cm〜40cm程度)に設計されている。
【0034】
台車引掛部材10の連結部材20は、一定間隔を設けて略並行に配置された帯板状の1対の連結板21、22と、1対の連結板21、22を連結する略L型の第1アングル板23及び第2アングル板24とを含んで構成されている。
【0035】
連結板21、22には、一端側に略J字状の屈曲部21a、22a、他端側に折片部21b、22bが形成されている。屈曲部21a、22aには枠体13の下辺部13aが配置され、折片部21b、22bは、枠体12の下辺部12aに掛止可能となっている。
【0036】
第1アングル板23は、1対の連結板21、22の屈曲部21a、22aに被せられた状態でこれら連結板21、22に固着される。第1アングル板23の固着方法は特に限定されないが、図示しないスプリングワッシャーとネジを使用したネジ締結機構の他、溶接や接着などの各種固着方法が採用され得る。この構造によって、連結部材20が、枠体13の下辺部13aに回動可能な状態で連結されている。
【0037】
なお、本実施の形態では、第1アングル板23が、連結板21、22の屈曲部21a、22aに被せた状態で連結板21、22を連結する部材として採用されているが、当該部材は、L型のアングル板に限定されるものではなく、連結板21、22を枠体13の下辺部13aに回動可能な状態で連結可能な部材であれば種々の形態の部材が採用可能であり、例えば、別の実施の形態では、帯状板(平板)などが採用可能であり、該帯状板が屈曲部21a、22aに被せられた状態で連結板21、22に固着された形態などが採用され得る。
【0038】
第2アングル板24は、1対の連結板21、22の折片部21b、22b寄りの裏面側に固着され、第2アングル板24と折片部21b、22bとの間に、枠体12の下辺部12aが嵌め込まれるようになっている。第2アングル板24の固着方法は特に限定されないが、図示しないスプリングワッシャーとネジを使用したネジ締結機構の他、溶接や接着などの各種固着方法が採用され得る。
【0039】
上記した連結板21、22の屈曲部21a、22aと第1アングル板23とで回動連結部20aが形成され、連結板21、22の折片部21b、22bと第2アングル板24とで枠体掛止部20bが形成されている。図3に示したように、枠体12の下辺部12aに掛止された枠体掛止部20bを外すことにより、枠体11を折り畳んだ状態とすることができる。なお、上記した連結部材20は、一例であり、上記した形態に限定されるものではなく、回動連結部と枠体掛止部としての機能を備え、枠体12の下辺部12aと枠体13の下辺部13aとを着脱可能に連結する種々の形態のものが採用され得る。
【0040】
また、連結板21、22の屈曲部21a、22aの外側面には、それぞれパッド25が設けられている。パッド25により台車引掛装置1の取付け面(壁面)へのキズ防止効果や位置ずれ防止効果が高められる。
【0041】
また、連結板21、22の折片部21b、22bの外側面にもそれぞれパッド26が設けられている。台車引掛装置1に台車50を引っ掛けた状態では、連結板21、22の折片部21b、22bの外側面が、台車50の荷台52又はハンドル54のパネル59部分に当接することとなるため、このパッド26を設けることにより、台車50へのキズ防止効果や掛止状態における台車50の位置ずれ防止効果が高められる。
【0042】
吊設部材30は、一定間隔を設けて並列配置された下向き略コ字状の嵌合部材31、32と、嵌合部材31、32に台車引掛部材10を取り付けるための取付板33とを含んで構成されている。
【0043】
嵌合部材31、32は、金属製の帯状板を折り曲げて形成され、それぞれ一対の嵌合片31a、32aとこれら嵌合片31a、32aを連結する連結部31b、32bとを備えており、一対の嵌合片31a、32aのそれぞれの内側先端部には滑り止め用のパッド34が設けられている。一対の嵌合片31a、32aは、それぞれ先端(下端)方向の間隔がやや狭くなるように、一方の嵌合片が内側方向にやや傾斜された形態となっている。これにより取付箇所に嵌合させたときの挟持力が高められるようになっている。嵌合部材31、32の連結部31b、32bの長さは、取付ける壁面パネル40の厚さを考慮して、壁面パネル40を挟持可能なサイズに設定されている。なお、嵌合部材31、32の形態は、本実施の形態のものに限定されるものではなく、壁面パネル40にしっかりと掛止できる形態であればよく、種々の形態のものが採用され得る。
【0044】
取付板33は、略矩形の板状部材からなり、横方向中央部分に、枠体12の上辺部12bを嵌め込むための湾曲凸部33aが形成されている。湾曲凸部33aに枠体12の上辺部12bを嵌め込んだ状態で、取付板33の左右両端部が嵌合部材31、32に固着される。取付板33の固着方法は特に限定されないが、図示しないスプリングワッシャーとネジを使用したネジ締結機構の他、溶接や接着などの各種固着方法が採用され得る。
【0045】
台車引掛装置1は、図2〜図4に示したように、壁面パネル40の上縁部に吊設部材30の嵌合部材31、32を嵌め込んだ状態で吊設することが可能となっている。台車引掛装置1が吊設される壁面パネル40の種類等は、特に限定されない。
【0046】
例えば、軽貨物車(軽トラック)の荷台の側面に側面パネル、後面に開閉(観音開き)パネルドア、及び上面に幌骨を組み付けて幌が被せられた幌付きパネル荷台を備えた軽貨物車の前記側面パネルの上縁部に台車引掛装置1を吊設することができる。このように利用することで、台車50を前記側面パネルに引っ掛けた状態(吊設した状態)で荷台に荷物を収納でき、また、荷台面を荷物の搭載のために広く有効活用することができ、さらに、貨物の取り出しだけでなく台車50の取り出しも容易になり、使用者の利便性が高められる。
【0047】
また、台車引掛装置1は、図2〜図4に示したように壁面パネル40の上縁部に引っ掛けて吊設する方法の他、例えば、図5に示したように、吊設部材30の取付板33をボルトやネジなどの取付け具42で各種の壁面(板壁、コンクリート壁、石膏ボードなど)に固着して吊設することも可能となっている。このような構成とすることにより、様々な場所に吊設することが可能となり、汎用性を広げることが可能となっている。
【0048】
実施の形態に係る台車引掛装置1によれば、台車引掛部10aを備えた台車引掛部材10と、吊設部材30とを備えているので、壁面パネル40や壁面41に台車引掛部材10を吊設部材30により吊り下げた状態で設置することができ、台車引掛部材10の台車引掛部10a(枠体13の上辺部13b)に、ハンドル54が折り畳まれた状態の台車50を引っ掛けることにより、ハンドル54が折り畳まれた状態の台車50を壁面パネル40に引っ掛けた状態で簡単に収納することができ、非常に使い勝手が良く、また床面の有効活用を図ることができる。
【0049】
また、台車50を収納する(引っ掛ける)ときは、開閉枠体11を側面視略X字状に開いて、連結部材20で一対の枠体12、13の下辺部の間を連結した状態で使用することができ(図2、図4参照)、一方で台車50を収納しないときは、図3に示したように、連結部材20による一対の枠体12、13の下辺部の間の連結状態を開放する(枠体12の下辺部12aに掛止された枠体掛止部20bを外す)ことで、開閉枠体11を側面視略I字状にコンパクトに折り畳むことができ、狭い場所に設置しても邪魔にならない構造にすることができる。
【0050】
また、連結部材20が、回動連結部20aと枠体掛止部20bとを備えているので、連結部材20による一対の枠体12、13の下辺部の間の連結操作や連結開放操作を簡単に行うことができ、取り扱い性の良いものにすることができる。
【0051】
また、台車引掛部10aとして機能する枠体13の上辺部13bが、一方の枠体12の上辺部12bよりも上方に延設されているので、枠体13の上辺部13bに、台車50の荷台52とロックバー55との隙間部分を引っ掛けることがより容易になり、また、引っ掛けた状態の台車50の安定感を高めることができる。
【0052】
また、吊設部材30が、下向き略コ字状をした嵌合部材31、32と取付板33とを含んで構成されているので、壁面パネル40などの上縁部に嵌合部材31、32を嵌め合わせることができ、壁面パネル40などの上縁部に、台車引掛装置1を簡単かつ安定した状態で吊設することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態に係る台車引掛装置1では、台車引掛部材10が、開閉枠体11と連結部材20とで構成されているが、台車引掛部材10の形態は、この形態に限定されるものではなく、台車50の荷台52とロックバー55との隙間に引っ掛ける台車引掛部10aを備えた形態のものが含まれ、種々の形態のもの、例えば、側面視上にコ字状をした枠体なども採用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 台車引掛装置
10 台車引掛部材
10a 台車引掛部
11 開閉枠体
12、13 枠体
20 連結部材
20a 回動連結部
20b 枠体掛止部
21、22 連結板
23 第1アングル板
24 第2アングル板
25、26 パッド
30 吊設部材
31、32 嵌合部材
33 取付板
34 パッド
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る台車引掛装置を示す外観斜視図である。
【図2】実施の形態に係る台車引掛装置が壁面パネルの上縁部に吊設された状態(台車を掛止可能な状態)を示した側面図である。
【図3】実施の形態に係る台車引掛装置が壁面パネルの上縁部に吊設された状態(台車引掛部材が折り畳まれた状態)を示した側面図である。
【図4】実施の形態に係る台車引掛装置に台車が引っ掛けられた状態を示した側面図である。
【図5】実施の形態に係る台車引掛装置が壁面に吊設された状態を示した側面図である。
【図6】一般的な台車を示す斜視図である、
試作写真文 
試作写真1 試作写真2 試作写真3 
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発明者からのメッセージ

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【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6    
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