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【考案の名称】植物の成育管理装置 【実用新案権者】 【識別番号】509031693 【氏名又は名称】安東 久憲 【住所又は居所】大分県豊後大野市大野町田中117番地1 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100092163 【氏名又は名称】穴見 健策 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100136928 【氏名又は名称】高宮 章 【考案者】 【氏名】安東 久憲 【住所又は居所】大分県豊後大野市大野町田中117番地1 【要約】 【課題】 植物の根元側周辺に水分を保つことができるとともに、植物の周囲に雑草が生えるのを防止し、かつ草刈機による植物の切断、傷付けを防止できるうえ、防虫効果にも優れた植物の成育を管理できる植物の成育管理装置を提供する。 【解決手段】 植物Pの根元側周サイズより十分に大きな貫通孔12を略中央位置に設けて植物Pの根元側を貫通させ、植物Pの周囲の地面GLを覆うように広がって形成された地面被覆部14とを設ける。さらに、植物Pの根元側の周囲で保水材26を充填して保持する上下面を開口したケース状の空間28を形成するように、地面被覆部14の貫通孔12の縁から上方に一体的に立ち上がり連設された保水材収容筒部16と、を備えて植物の成育管理装置10を形成する。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 植物の根元側周サイズより十分に大きな貫通孔を略中央位置に設けて植物の根元側を貫通させ、植物の周囲の地面を覆うように広がって形成された地面被覆部と、 植物の根元側の周囲で保水材を充填して保持する上下面を開口したケース状の空間を形成するように、地面被覆部の貫通孔の縁から上方に立ち上がり連設された保水材収容筒部と、を備えたことを特徴とする植物の成育管理装置。 【請求項2】 保水材収容筒部は、横断面形状が上端側に向けて次第に小さくなるテーパ筒形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の植物の成育管理装置。 【請求項3】 地面被覆部は略中央位置に植物の根元側を貫通させる貫通孔を設けた板状部材で形成され、 保水材収容筒部は、板状部材とは別体で設けられ、板状部材の貫通孔内に下側から貫通されて上方に立ち上がる中空筒体であって、該貫通孔より大きな筒下端を有する中空筒体からなり、 板状部材の貫通孔内に保水材収容筒部を嵌め込むことにより、板状部材と保水材収容筒部とをハット状に組み付け又は分離可能に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の植物の成育管理装置。 【請求項4】 地面被覆部及び保水材収容筒部は、周方向に分割された複数の部材を分離、連結自在に連結して構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の成育管理装置。 【請求項5】 地面被覆部を地面に固定する固定部材を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の植物の成育管理装置。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、植物の根元側の周囲に設置され植物を保護しながら成育管理を行える植物の成育管理装置に関する。 【背景技術】 植物を栽培するには、温度や水分の管理、及び雑草の除去、防虫等、様々な点に注意する必要がある。従来、植物を栽培する地面に敷き藁等を敷くことにより、地面の乾燥を防いで適度な水分を保持するとともに、地面の急激な温度変化を防いで地面の温度を安定させる管理方法が知られている。また、雑草は、定期的に除去する必要があり、近似では、エンジン等の動力で刃を高速回転させて草を刈る草刈機が使用される場合が多いが、樹木等の根元に草刈機の刃が当たって樹木を切断したり、傷付けてしまう問題があった。従来、樹木などの根元付近の雑草対策、及び樹木等を草刈機の刃から保護するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、樹木などの根元が挿通できる孔2を中央に設け、前記根元の周辺地表を被覆できる可撓性被覆体1を備えるとともに、この可撓性被覆体1には外部から中央の孔2に通ずる差込用切込3を設けて成る根元用雑草成育防止カバーが開示されている。根元用雑草成育防止カバーは、樹木などの根元周辺の地表に雑草が生育しないようにして、草刈機の使用を効率化するとともに、樹木などの根元の保護を図るものであった。なお、符号は特許文献1のものである。 【先行技術文献】 【特許文献】 【特許文献1】 特開2000−60230号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 従来のように、植物の根元に単に敷き藁等を敷くだけでは、風が吹くと藁が飛散してしまい、保温、保水効果が機能しなくなるので、敷き藁の監視や、藁を敷きなおす作業等が必要であり、煩雑で重労働となる問題があった。また、特許文献1の根元用雑草成育防止カバーでは、雑草が生育しないように樹木の根元側と可撓性被覆体1の中央の孔1の縁との間にほとんど隙間がないように形成して、地面を覆っているので水が地面に直接には行かず植物の成育に障害が生じたり、水分管理が煩雑となるおそれがあった。特に、植物が苗・苗木の時期には、温度、水分の条件は生育に影響を及ぼしやすく、管理を怠ると枯らしてしまいやすい問題があった。 本考案は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、植物の根元側周辺に水分を保つことができるとともに、雑草が生育するのを防止し、草刈機による植物の切断、傷付けを防止できるうえ、防虫効果にも優れた植物の成育を管理できる植物の成育管理装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために本考案は、植物Pの根元側周サイズより十分に大きな貫通孔12を略中央位置に設けて植物Pの根元側を貫通させ、植物Pの周囲の地面GLを覆うように広がって形成された地面被覆部14と、植物Pの根元側の周囲で保水材26を充填して保持する上下面を開口したケース状の空間28を形成するように、地面被覆部14の貫通孔12の縁から上方に立ち上がり連設された保水材収容筒部16と、を備えたことを特徴とする植物の成育管理装置10から構成される。 また、保水材収容筒部16は、横断面形状が上端側に向けて次第に小さくなるテーパ筒形状に形成されたこととしてもよい。 また、地面被覆部14は略中央位置に植物Pの根元側を貫通させる貫通孔12を設けた板状部材18で形成され、保水材収容筒部16は、板状部材18とは別体で設けられ、板状部材18の貫通孔12内に下側から貫通されて上方に立ち上がる中空筒体であって、該貫通孔12より大きな筒下端を有する中空筒体30からなり、板状部材18の貫通孔12内に保水材収容筒部16を嵌め込むことにより、板状部材18と保水材収容筒部16とをハット状に組み付け又は分離可能に設けたこととしてもよい。 また、地面被覆部14及び保水材収容部16は、周方向に分割された複数の部材32a、32bを分離、連結自在に連結して構成されることとしてもよい。 また、地面被覆部14を地面GLに固定する固定部材(46)を有することとしてもよい。 【考案の効果】 本考案の植物の成育管理装置によれば、植物の根元側周サイズより十分に大きな貫通孔を略中央位置に設けて植物の根元側を貫通させ、植物の周囲の地面を覆うように広がって形成された地面被覆部と、植物の根元側の周囲で保水材を充填して保持する上下面を開口したケース状の空間を形成するように、地面被覆部の貫通孔の縁から上方に一体的に立ち上がり連設された保水材収容筒部と、を備えた構成であるから、藁、籾殻、乾草等の保水材を植物の周囲に確実に保持して、該保水材が風で飛ばされたり雨で流されたりするのを確実に防止して、植物に必要な水分を常に保持し乾燥を防止できる。同時に、保水材収容筒部が植物の周囲を囲んで保護しているので、周りの地面の雑草を除草する際などに草刈機の刃が植物に当たるのを防いで、植物の切断や傷付きを防止できる。さらに、地面から立ち上がる防虫壁となって植物に害虫がつくのを防止できる。さらに、地面被覆部が地面を覆っているので植物の周囲の地面に雑草が生えるのを防止できる。また、地面の温度の安定的に維持できる。その結果、植物を適切に管理、保護しながら好条件で成育でき、苗、苗木等の成育にも実用的に利用できる。 また、保水材収容筒部は、横断面形状が上端側に向けて次第に小さくなるテーパ筒形状に形成された構成とすることにより、設置状態での安定性がよいとともに、保水材収容筒部の上端側の開口が狭いので、内部の空間に収容した保水材等が強風等で飛ばされにくく、確実に保水材を保水材収容筒部の空間内に保持することができる。また、テーパ形状により同一形状の複数のものを重ねることができるので、保管収納する際に場所をとらない。 また、地面被覆部は略中央位置に貫通孔を設けた板状部材で形成され、該板状部材の貫通孔縁に対して、中空筒からなる保水材収容部の周壁の下端側を係着、離脱可能に組み付けた構成とすることにより、地面被覆部と保水材収容部とを別部材とすることで、製造しやすく、保管も便利で、持ち運びも便利である。また、地面被覆部の広さや、保水材収容部の周壁の高さが異なるものを自由に組み合わせて、植物の成長や植物の種類等に適した条件で成育管理を行うことができる。 また、地面被覆部及び保水材収容部は、周方向に分割された複数の部材を分離、連結自在に連結して構成されることにより、地面被覆部及び保水材収容部を分割できるので植物を傷つけることなく簡便に取り外すことができる。さらに、取り外した成育管理装置は再び使用することができ、経済的で、農業廃棄物を低減し、使い勝手も良い。また、複数の部材に分割して、持ち運び等が便利である。 また、地面被覆部を地面に固定する固定部材を有する構成とすることにより、例えば、強風等で成育管理装置自体が所定の設置位置からずれたり、煽られたりするのを確実に防止できる結果、収容している藁等の保水材が外部に飛散したり、保水材収容筒部が植物を傷付けたりするのを防止できる。 【考案を実施するための形態】 以下、添付図面を参照しつつ本考案の植物の成育管理装置の実施の形態について説明する。本考案の植物の成育管理装置は、果樹、樹木、野菜等の植物を栽培する際に、植物の根元側に設置されて植物の保護、及び保水材の保持を行いながら成育管理を行えるものである。図1ないし図5は、本考案に係る植物の成育管理装置の一実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態において、植物の成育管理装置10は、貫通孔12を設けた地面被覆部14と、保水材収容筒部16と、を含む。本実施形態では、植物の成育管理装置10の適用対象となる植物Pは、例えば、グミ、キンカン、ブルーベリー等の果樹の苗木に適用される。なお、植物Pは、果樹に限らず、野菜、たばこ、花卉類等の農作物、その他任意の植物の成育に幅広く利用できる。 図1、図2、図3に示すように、地面被覆部14は、略中央位置に植物Pの根元側を貫通させる貫通孔12が設けられ、貫通孔12に植物の根元側を貫通させた状態で植物Pの周囲の地面GLを覆う被覆手段である。地面被覆部14は、ある程度の範囲に亘って地面を覆うことで植物の周囲に雑草が生えるのを防止する。また、地面被覆部14は、後述の保水材収容筒部16を地面上で安定的に支持する安定支持部としても機能する。本実施形態では、地面被覆部14は、例えば、プラスチック等の合成樹脂で形成された平面視円形状の板状部材18からなり、板状部材18の円形略中心位置に同心で円形状の貫通孔12が形成されている。板状部材18からなる地面被覆部14は、貫通孔12の縁の周囲の円形部分が被覆本体部分から上方に向けて段上がり状に一体的に突出して段付き部20が形成されている。すなわち、段付き部20は、貫通孔12の径より若干大きい径で円形短筒状に立ち上がった短筒状周壁22と、短筒状周壁22の上端から断面L字状に水平方向内側に突出して貫通孔12の縁を形成する段上縁壁24と、を含む。貫通孔12の径は、植物Pの根元側周サイズより十分に大きく形成されており、貫通孔12の縁と、該貫通孔12を貫通する植物Pの根元側と、の間には十分な余裕(隙間)が形成されている。なお、地面被覆部14及び貫通孔12の大きさや形状は任意でよく、例えば、円形状に限らず、楕円形状、四角形状、六角形状等その他任意の形状でもよい。 図1、図2、図4に示すように、保水材収容筒部16は、地面被覆部14の貫通孔12を貫通した植物Pの根元側の周囲で保水材26を充填して保持する上下面を開口したケース状の空間28を形成するように、地面被覆部14の貫通孔12の縁から上方に一体的に立ち上がり連設された保水材の保持手段である。本実施形態では、保水材収容筒部16は、例えば、プラスチック等の合成樹脂で形成された中空筒体からなる。図4、図5に示すように、保水材収容筒部16は、例えば、板状部材18からなる地面被覆部14とは別の部材で形成されており、板状部材18の貫通孔12の縁に対して中空筒体の下端側を係着、離脱可能に一体的に組み付けられる。具体的には、保水材収容筒部16は、例えば、横断面形状が円形状であって、下端側から上端側に向けて次第に直線的に小さく形成されて、外形輪郭形状が円錐台形状となる中空のテーパ筒体30で設けられている。テーパ筒体30は、上下両面を開口しており、中空の筒内部に保水材26を保持するケース状の空間28を形成するように周壁が所定の高さで設けられている。よって、テーパ筒体30は、その周壁を所定の高さで形成して地面被覆部14の貫通孔12の縁からある程度高く立ち上げることにより、植物の根元側の周囲に周壁で連続的に囲まれたケース状の空間28を形成する。テーパ筒体30の上端側開口の大きさは、十分に大きな径で設定されている。すなわち、テーパ筒体30の周壁のいずれの横断面においても、その内壁周サイズが植物Pの根元側周サイズより十分に大きく形成されており、該貫通孔を貫通する植物Pの根元側との間には十分な余裕(隙間)が形成されている。このテーパ筒体30の内壁と植物Pの根元側との間に形成される隙間が保水材26を充填し、その充填した状態を保持できるケース状の空間28となっている。ケース状の空間28は、植物の根元側周サイズより大きい横断面形状で、かつ保水材を収容する高さの周壁で形成されるテーパ筒体30で実現されているといえる。テーパ筒体30は、例えば、下端側の径が板状部材18の貫通孔12より若干大きく、かつ短筒状周壁22の内径より若干小さな径で形成されている。そしてテーパ筒体30の下端部が板状部材18に係着した状態では、該テーパ筒体30の下端部は板状部材の段付き部20の内側に収容され、貫通孔12からの抜け止めが規制された状態で嵌合状に係着する。さらに、図2に示すように、テーパ筒体30の周壁の勾配は、テーパ筒体30の下端側と板状部材18とを一体的に係着させ、かつテーパ筒体30の下端縁及び板状部材18の下面が地面GLに当着した状態で、テーパ筒体30の周壁が板状部材18の貫通孔12の縁に当接して隙間ができないような勾配角度で設定されており、該係着状態では該板状部材18の貫通孔12の縁からテーパ筒体30の周壁が立ち上がるように設けられている。 図5に示すように、テーパ筒体30からなる保水材収容筒部16を、板状部材18からなる地面被覆部14と組み付ける場合には、例えば、保水材収容筒部16の周壁で植物を囲むように所定の位置に配置した状態で、該保水材収容筒部16の上方側から地面被覆部14を貫通孔12を介して遊嵌状に挿し込む。保水材収容筒部16は上端が小さく形成されているので保水材収容筒部16の上端と地面被覆部14の貫通孔12との位置合わせはある程度ラフでよい。さらに、地面被覆部14を保水材収容筒部16の周壁に沿って下方に降下させると、地面被覆部14の下面が地面に着く状態で、貫通孔12の縁に保水材収容筒部16の下端より若干上方側の位置で係着され、保水材収容筒部16の下端側が地面被覆部14の貫通孔12に位置決め状に嵌まり込んで組み付けられる。地面被覆部14と保水材収容筒部16とを組み付けた状態では、図1、図2に示すように、例えば、保水材収容筒部16の下端側から、地面被覆部14が周方向に連続しかつ外側に向けてフランジ状に突設されており、全体的に縁有り帽子状(ハット状)に形成される。なお、保水材収容筒部16は、テーパ筒形状に限らず、例えば、下端から上端まで同一系の円筒体で形成してもよい。また、保水材収容筒部16は、貫通孔12の形状に応じて、横断面円形状に限らず、例えば、楕円形状、四角形状、六角形状等その他任意の形状でもよい。また、保水材収容筒部16の周壁の高さは任意でよく、植物の成長段階や種類等に応じて高さが異なる複数の筒体を用意して、それらを自由に交換可能としてもよい。 保水材収容筒部16に充填する保水材26としては、例えば、藁、籾殻、乾燥した草等の天然の素材が利用される。基本的には、保水材26は、保水、保湿して植物を乾燥から防ぐものがあればよく、合成樹脂製の繊維質、スポンジ質等の人工的な素材など任意の保水性素材等でも良い。しかしながら、藁、籾殻、乾燥した草等は、植物の周囲の地面の温度を保つ保温機能を得ることもできる上、時間が経過すると分解して植物の肥料として機能することから、植物の成育を有効に補助できるとともに、別途に廃棄処理しなくて良い点でも有利である。なお、保水材収容筒部16のケース状の空間28には、保水材26だけではなく、植物の肥料等を入れてもよい。 次に本実施形態に係る植物の成育管理装置10の作用を説明する。図1、図2に示すように、例えば、地面GLに植えたグミ等の植物Pの苗木の周囲に植物の成育管理装置10を設置する。この設置作業は、図5に示すように、テーパ筒体30をその下端開口を通した状態で周壁が植物の周囲を囲むように置き、板状部材18をテーパ筒体30の上端側から貫通孔12を介して嵌め込むだけでよく、簡単に設置することができる。そして、藁や籾殻等の保水材26を保水材収容筒部16のケース状の空間28に充填して、植物Pの根元側の周囲に保水材26を保持する。例えば、強風が吹いたり、雨が降ったりした場合でも、保水材収容筒部16により保水材が風によって飛散したり雨によって流されたりするのを確実に保護できるので、藁等の保水材が植物の周囲から低減又は消失してしまうのを防止して、良好な成育環境を維持できる。さらに、地面被覆部14が植物Pの周囲の地面を覆っているので雑草が生えにくい。また、地面被覆部14の外側の地面に生えた雑草を草刈機等で除草する際には、保水材収容筒部16により、草刈機等の刃が植物を切断したり傷付けたりするのを防いで植物Pを確実に保護することができる。また、保水材収容筒部16により、害虫等が植物に近付くのを防止できる。したがって、植物の根元側の管理及び保護を行って、良好に植物の成育を行うことができる。なお、例えば、栽培期間が長い果樹等の植物ではなく、比較的栽培期間が短い野菜等の場合には、野菜の収穫後に植物の成育管理装置10を回収して、再利用することができる。また、上記実施形態では、植物の成育管理装置10の地面被覆部14及び保水材収容筒部16は、プラスチック等の合成樹脂で形成したが、例えば、紙等の生分解性素材で形成してもよい。植物の成育管理装置10を分解性素材で形成すると、年月が経過した際に最終的に分解されて土にかえり植物の肥料となるので、植物の生育環境にもよく、回収する手間もいらないとともにゴミ等が発生することがない。 次に図6、図7を参照しつつ、本発明の第2の実施形態の植物の成育管理装置10−2について説明する。上記した第1実施形態と同一構成、同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。この第2実施形態では、例えば、地面被覆部14と保水材収容筒部16とは、分離可能な別々の部材を一体的に組み付ける構成の上記実施形態とは異なって、一つの成型品として一体的に形成されている。本実施形態では、地面被覆部14は全体的に円形板状に形成されているとともに、貫通孔12の縁にテーパ筒形状の保水材収容筒部16の下端が完全に固定されている。本実施形態においても、植物の根元側の周囲への保水材の保持、雑草防止、草刈機からの植物の保護、防虫効果等の上記実施形態同様の作用効果を奏しうる。また、植物の成育管理装置10を一つの部材として扱えるので、設置、撤去時等の作業工程数が少なく、部品管理等は行いやすい。 次に図8を参照しつつ、本発明の第3の実施形態の植物の成育管理装置10−3について説明するが、上記実施形態と同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省略する。図8に示すように、本実施形態では、地面被覆部14及び保水材収容部16は、周方向に分割された複数の部材32a、32bを分離、連結自在に連結して構成されている。図8では、植物の成育管理装置10は、例えば、平面視円形状の地面被覆部14及び保水材収容筒部16の直径位置で切断され周方向に2分割されており、互いに連結されて地面被覆部14及び保水材収容筒部16を構成する第1、第2分割部材32a、32bと、それらの第1、第2分割部材32a、32bどうしを連結・分離可能に連結する連結・分離装置34と、を含む。第1、第2分割部材32a、32bは、それぞれ周方向への連結状態で地面被覆部14を構成する被覆部要素14a、14bと、保水材収容筒部16を構成する筒部要素16a、16bと、が一体的に固定されて設けられている。すなわち、地面被覆部14は、周方向への連結状態で円形板状となり、内側の中央位置に円形状の貫通孔12を構成する半円形板状の被覆部要素14a、14bに分割されている。同時に、保水材収容筒部16は、周方向への連結状態で横断面円形状の中空テーパ筒体を構成するような半円テーパ筒状の筒部要素16a、16bに分割されている。連結装置34は、例えば、コ字状の連結部材36と、被覆部要素14a、14bの板状本体部分の連結縁端部近傍に設けられて連結部材36が差し込まれる受穴38と、を含み、第1、第2分割部材32a、32bを互いに併せた状態で連結部材36を受穴38に差込むことで、コ字状の連結部材36が分割部材32a、32bにかすがい状に跨って着脱自在に連結される。なお、植物の成育管理装置10の周方向への分割は2分割構成に限らず、3分割以上に構成してもよい。また、分割部材を連結する連結・分離構造34は、例えば、雌雄のボタン部材による連結構成、雌雄嵌合による連結構成、ピンやボルトナット等による連結構成等、その他任意の分離・連結可能な連結構造でもよい。また、連結構造は、筒部要素16a、16bどうしを連結させる構造でもよい。本実施形態においても、植物の根元側の周囲への保水材の保持、雑草防止、草刈機からの植物の防護、防虫効果等の上記実施形態同様の作用効果を奏しうる。また、本実施形態では、地面被覆部14及び保水材収容筒部16が周方向に分割できるので、必要に応じて分離して植物の成育管理装置を植物Pの周囲から簡単に離脱させることができるとともに、再び植物の成育管理装置を再利用することができる。 次に図9を参照しつつ、本実施形態に係る植物の成育管理装置の第4の実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省略する。図9に示すように、第4実施形態では、第3の実施形態と同様に、植物の成育管理装置10は、第1、第2分割部材32a、32bと、それらの第1、第2分割部材32a、32bどうしを連結・分離可能に連結する連結・分離装置34と、を含む構成であるが、連結・分離装置34の構造が異なっている。例えば、被覆部要素14a、14bの連結端部において、一方側に周方向に突設された突出片40と、他方側に凹設され突出片40を嵌合状に受け入れる受凹部42と、が設けられている。突出片40と受凹部42には、それらの嵌合状態で板面を垂直方向に同時に貫通するように連結用孔44が設けられている。そして、連結装置34は、この連結用孔44を貫通して地面に穿刺される杭部材46を有している。したがって、第1、第2分割部材32a、32bの連結端縁を互いに合わせて、被覆部要素14a、14bの突出片40と受凹部42を嵌合させ、杭部材46を連結用孔44に貫通させると、第1、第2分割部材32a、32bどうしを連結できる。同時に、杭部材46は、地面被覆部14を貫通して地面に固定させることができる。すなわち、杭部材46は、第1、第2分割部材32a、32bどうしを連結する連結部材と地面被覆部14を地面に固定する固定部材を兼用している。本実施形態においても、植物の根元側の周囲への保水材の保持、雑草防止、草刈機からの植物の保護、防虫効果等の上記実施形態同様の作用効果を奏しうる。また、地面被覆部14、保水材収容筒部16が周方向に分割できるので、必要に応じて周方向に分離して植物Pの周囲から簡単に離脱させることができ、取り外した装置を再利用することができる。さらに、地面被覆部14が杭部材で地面に固定されるので、例えば、強風等で成育管理装置自体が所定の設置位置からずれたり、煽られたりするのを確実に防止できる。その結果、収容している藁等の保水材が外部に飛散したり、保水材収容筒部16が植物を傷付けたりするのを防止できる。また、分割部材32a、32bを連結する連結部材と地面被覆部14の地面固定用の固定部材を同一部材で兼用しているので部品点数が少なく、簡単な構造で形成できる。 以上説明した本考案の植物の成育管理装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。 【産業上の利用可能性】 本考案の植物の成育管理装置は、例えば、果樹、樹木、野菜や花卉等の種々の植物を、露地、ハウスあるいは家庭菜園等で栽培する際に好適に利用できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本考案の第1の実施形態に係る植物の成育管理装置の斜視説明図である。 【図2】図1の植物の成育管理装置の縦断面図である。 【図3】図1の植物の成育管理装置の平面図である。 【図4】図1の植物の成育管理装置の分解斜視図である。 【図5】図1の植物の成育管理装置の装着説明図である。 【図6】本考案の第2の実施形態に係る植物の成育管理装置の斜視説明図である。 【図7】図6の植物の成育管理装置の縦断面図である。 【図8】本考案の第3の実施形態に係る植物の成育管理装置の分解斜視説明図である。 【図9】本考案の第4の実施形態に係る植物の成育管理装置の分解斜視説明図である。 【符号の説明】 10 植物の成育管理装置 12 貫通孔 14 地面被覆部 16 保水材収容筒部 18 板状部材 26 保水材 28 ケース状の空間 30 テーパ筒体 32a、32b 第1、第2分割部材 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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