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【考案の名称】農薬散粒機 【実用新案権者】 【識別番号】516039022 【氏名又は名称】防木 進 【考案者】 【氏名】防木 進 【要約】 【課題】 たくさんの育苗箱に農薬粒状組成物を散粒する際において、短時間に、且つ広範囲に散粒させることができる農薬散粒機を提供すること。 【解決手段】 本考案の農薬散粒機1は、上面開口部3及び底面開口部4を形成した筒状本体2と、筒状本体2の側面5に装着された、外部から送り込まれた粒状体Aを、前記筒状本体2内で渦巻状に回転させて底面開口部4より放出する送通管10とを備えることを特徴とする。 また前記筒状本体2は、底面方向にかけて広口状に形成され、且つ上面開口部3は、底面開口部4より小径に形成されている。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 上面開口部及び底面開口部を形成した筒状本体と、筒状本体の側面に装着された、外部から送り込まれた粒状体を、前記筒状本体内で渦巻状に回転させて底面開口部より放出する送通管とを備えることを特徴とする農薬散粒機。 【請求項2】 前記筒状本体は、底面方向にかけて広口状に形成されている請求項1記載の農薬散粒機。 【請求項3】 前記筒状本体の上面開口部は、底面開口部より小径に形成されている請求項1又は2記載の農薬散粒機。 【請求項4】 前記上面開口部の周囲には、筒状本体の内側方向に形成された壁部を備える請求項3記載の農薬散粒機。 【請求項5】 前記送通管は、筒状本体の側面に装着される湾曲状に折曲された先端部と、噴霧機に連結される基端部とで構成されている請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の農薬散粒機。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、粒状の農薬組成物を短時間に、且つ均一に散粒させることができる農薬散粒機に関する。 【背景技術】 【0002】 一般的に、育苗箱へ粒状の農薬組成物を施用する場合、50gの所定量を計量できるカップを用い、育苗箱の上から振りかけていた。しかしながら、この方法では煩わしい手間が生じるとともに、多量の育苗箱に散粒するには多くの作業時間を必要とした。 【0003】 これらの問題を解消するために、稲育苗箱に農薬粒状組成物を簡単に且つ均一に散布できる施用方法及び施用容器がある(例えば特許文献1参照)。 上掲特許文献1記載の農薬粒状組成物の施用方法は、等容積かつ同一形状のふたつの充てん室を有する容器に、異なる2種類の農薬粒状組成物を各室に充てんし、それぞれの充てん室から等面積、同形状、かつ同数の近接した吐出穴を通じて2種類の農薬粒状組成物を同時に散布する方法である。 【0004】 また農薬粒状組成物の施用容器は、等容積かつ同一形状のふたつの充てん室を有し、異なる2種類の農薬粒状組成物を各室に充てんし、それぞれの充てん室から同形状の近接した吐出穴を通じて2種類の農薬粒状組成物を同時に散布できることを特徴とするものである。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】特開2006−246782号公報(特許請求の範囲等) 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら上掲特許文献1の農薬粒状組成物の施用方法及び施用容器は、容器を持って農薬粒状組成物を散布するため、散布できる範囲が狭くなり非効率的であった。そのため、多量の育苗箱に農薬粒状組成物を散布するには多くの時間や労力を必要とした。 【0007】 そこで本考案は上記の点に鑑み、たくさんの育苗箱に農薬粒状組成物を散粒する際において、短時間に、且つ効率よく散粒させることができる農薬散粒機を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決するために、本考案の農薬散粒機は、上面開口部及び底面開口部を形成した筒状本体と、筒状本体の側面に装着された、外部から送り込まれた粒状体を、前記筒状本体内で渦巻状に回転させて底面開口部より放出する送通管とを備えることを特徴とする。 【0009】 また前記筒状本体は、底面方向にかけて広口状に形成されている。 【0010】 また前記筒状本体の上面開口部は、底面開口部より小径に形成されている。 【0011】 また前記上面開口部の周囲には、筒状本体の内側方向に形成された壁部を備える。 【0012】 さらに前記送通管は、筒状本体の側面に装着される湾曲状に折曲された先端部と、噴霧機に連結される基端部とで構成されている。 【考案の効果】 【0013】 本考案の農薬散粒機は、上面開口部及び底面開口部を形成した筒状本体と、筒状本体の側面に装着された、外部から送り込まれた粒状体を、前記筒状本体内で渦巻状に回転させて底面開口部より放出する送通管とを備えることにより、短時間に、且つ効率よく散粒させることができる。 【0014】 また前記筒状本体は、底面方向にかけて広口状に形成され、上面開口部は底面開口部より小径に形成されているため、送通管から送り込まれた粒状体を、効率よく、且つ広範囲に散粒させることができる。 【0015】 また前記上面開口部の周囲には、筒状本体の内側方向に形成された壁部を備えることにより、散粒中における上面開口部からの粒状体の放出を軽減できる。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】本考案の農薬散粒機の全体斜視図である。 【図2】前記農薬散粒機の平面図である。 【図3】前記農薬散粒機の平面方向断面図である。 【図4】前記農薬散粒機の側面方向断面図である。 【図5】本考案の農薬散粒機の使用方法を示す。 【考案を実施するための形態】 【0017】 本考案の農薬散粒機は、たくさんの育苗箱に農薬粒状組成物を散粒する際においても、短時間に、且つ広範囲に散粒させることを特徴とするものである。 以下、本考案における農薬散粒機の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0018】 図1乃至図4に示す農薬散粒機1は、上面開口部3及び底面開口部4を形成した筒状本体2と、筒状本体2の側面5に装着された、外部から送り込まれた粒状体Aを、前記筒状本体2内で渦巻状に回転させて底面開口部4より放出する送通管10とを備える。 【0019】 筒状本体2は円筒状を呈しており、上面開口部3を形成する上面6の径が、底面開口部4を形成する底面7の径より小さい、すなわち底面方向にかけて広口状のテーパ状に形成されている。また前記筒状本体2は、軽量で量産に優れている合成プラスチック等で形成されている。 【0020】 また前記筒状本体2の上面開口部3は、底面開口部4より小径に形成されている。前記底面開口部4は、後述詳細の送通管10より送り込まれた粒状体Aを下方に放出させる開口であり、前記上面開口部3は粒状体Aを放出させる際、外気を筒状本体2内に吸気させる開口である。 【0021】 また前記上面開口部3の周囲には、筒状本体2の内側方向に立設状態に形成された壁部8を備える。上面開口部3の周囲に壁部8を形成することで、送通管10より送り込まれた粒状体Aが、上面開口部3から上方に放出されることを軽減できる。 【0022】 送通管10は長尺筒状を呈しており、塩ビ等の合成樹脂で形成されている。前記送通管10は、筒状本体2の側面5に装着される湾曲状に折曲された先端部11と、農薬散布などに用いられる送風式の噴霧機(ミスト機)20に連結される基端部12とで構成されている。 【0023】 前記送通管10の先端部11は略直角状態に湾曲されており、連結材14を介して筒状本体2の側面5に装着されている。また先端部11の先端開口部13は、図3及び図4に示すように、噴霧機(ミスト機)20から送り込まれた粒状体Aを、前記筒状本体2内で渦巻状に回転させて底面開口部4より放出するように、筒状本体2内に傾斜状態で配設されている。 【0024】 次に、本考案の農薬散粒機1の使用方法を図5に基づいて説明する。 先ず、噴霧器20に農薬成分を含む粒状体Aを収容させる。そして、送通管10の基端部12を噴霧器20の連結口に装着する。 【0025】 次に、送通管10の一部を把持し、稲苗を密集養育させた育苗箱Bの上部に筒状本体2を配置させる。この状態で噴霧器20を作動させると、噴霧器20から送り込まれた粒状体Aは、送通管10の先端開口部13より筒状本体2の内部で螺旋状に旋回して底面開口部4より均一的に、且つ広範囲に放出される。 【0026】 なお、大量の育苗箱Bの上部に粒状体Aを散粒する場合、図示するように、側縁部分においては筒状本体2を傾斜状に配置させ、中央部分においては育苗箱Bに平行状態に配置させ、適宜移動させながら粒状体Aを散粒することが好ましい。 【0027】 上述の如く、本考案の農薬散粒機1は、噴霧器(ミスト機)20から送り込まれた粒状体Aを、前記筒状本体2内で渦巻状に回転させて底面開口部4より放出することにより、効率よく広範囲に、且つ短時間で育苗箱Bの上部に散粒することができる。 【符号の説明】 【0028】 1 農薬散粒機 2 筒状本体 3 上面開口部 4 底面開口部 5 側面 6 上面 7 底面 8 壁部 10 送通管 11 先端部 12 基端部 13 先端開口部 14 連結材 20 噴霧器 A 粒状体 B 育苗箱 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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