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【発明の名称】果実採取作業具 【出願人】 【識別番号】303067917 【氏名又は名称】岩瀬 敏 【住所又は居所】島根県松江市朝日町488−22 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100081673 【氏名又は名称】河野 誠 【発明者】 【氏名】岩瀬 敏 【住所又は居所】島根県松江市朝日町488−22 【要約】 【課題】 果実の採取作業を行う際に、竿を握った最寄りの位置に設けた中途操作具によって、作業動作部を簡単に操作することができる果実採取作業具を提供する。 【解決手段】 竿2の先端に設けた果実の採取作業を行う作業部3と、基端部側に設けた上記作業部3の作動操作を行う操作具9と、竿2内に挿通され上記作業部3を操作具9の操作により往復連動させる連動部材13を設けた作業具1において、上記作業部3と操作具9間の連動部材13の一ケ所以上の中途部に、該連動部材13と連繋して作業部3を作動操作する中途部操作具9aを設ける構成とした。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 竿(2)の先端に設けた遠隔的な採取作業を行う作業部(3)と、基端部側に設けた上記作業部(3)の作動操作を行う操作具(9)と、竿(2)内に挿通され上記作業部(3)を操作具(9)の操作により往復連動させる連動部材(13)を設けた作業具(1)において、上記作業部(3)と操作具(9)間の連動部材(13)の一ケ所以上の中途部に、該連動部材(13)と連繋して作業部(3)を作動操作する中途部操作具(9a)を設けてなる果実採取作業具。 【請求項2】 竿(2)が作業部(3)を取付けた作業竿(2a)と、該作業竿(2a)の基端部側において、ジョイント部(5)を介し着脱可能に接続して竿長さを延長する延長竿(2b)とで構成し、上記ジョイント部(5)において、該ジョイント部(5)両側の連動部材(13)を連結する連結部材(13a)を設けてなる請求項1の果実採取作業具。 【請求項3】 連結部材(13a)の両端に連結される2つの連動部材(13),(13)に接続されて竿(2)の外周に突出して設けられ、各連動部材(13),(13)と連結部材(13a)の端部同士を連結係止する係止部材(32),(32)を設けてなる請求項1又は2の果実採取作業具。 【請求項4】 上記係止部材(32),(32)の少なくとも一方が中途部操作具(9a)である請求項1又は2又は3の果実採取作業具。 【請求項5】 竿(2)が作業部(3)を備えた作業竿(2a)とジョイント部(5)を介して順次着脱自在に接続延長される複数の延長竿(2b)からなる請求項1又は2又は3又は4の果実採取作業具。 【請求項6】 作業部(3)が先端が開閉することにより、対象物を収容採取する一対の籠状又は椀状の作業動作部(4),(4)からなり、作業動作部(4),(4)を閉じ方向に付勢するスプリング(20)を設けた請求項1又は2又は3又は4又は5の果実採取作業具。 【請求項7】 連動部材(13)の往復動により作業動作部(4),(4)を開閉作動させる開閉機構(3a)を設けてなる請求項1又は2又は3又は4又は5又は6の果実採取作業具。 【請求項8】 作業動作部(4),(4)自体に閉状態から開方向への力が作用した際に作業作動の開作動を規制し、連動部材(13)及び開閉機構(3a)を介して開操作した場合にのみ、作業動作部(4),(4)が開作動する規制機構を開閉機構内に設けた果実採取作業具。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、手の届かない高所になっている柿,蜜柑,柚,リンゴ,梅,キウイ等の果実を採取する果実採取作業具に関する。 【背景技術】 従来、果樹の高枝になっている果実を手元側から遠隔操作される鋏(作業部)で枝から切り取り採取する作業具は特許文献1に示されるように既に公知である。 また各種の果実を中空(バケット状)の果実容器(作業部)に収容した状態で、枝からもぎ取り又は切り取りにより採取する採取作業具は、特許文献2で示されるものが知られている。 【特許文献1】 実公昭48−16858号公報(第1ページ,図1) 【特許文献2】 特開2000−83442号公報(第2ページ,図1) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 上記特許文献1で示される切断作業具は、竿の先端に設けた切断作業部を固定鋏杆と可動鋏杆で構成し、両者間に介在させた果実の軸(柄)を、竿の基端部側に設置される操作具によって可動鋏杆を遠隔操作することにより採取作業が行われる。しかし上記竿には一般に基端部側に作業部の操作具が設けられているので、竿長が長い場合は、長い竿の中途を把持した状態で竿基端部側にある遠い操作具を操作する必要があり、この操作が困難で作業を能率よく行うことができない。また切断作業部と操作具を連結する連動部材(ロープ)を竿表面に露出させているので、把持の邪魔になったり枝に引っかかること、及び延長竿を順次継ぎ足すと、ロープも別途調達して用意する必要がある。 また特許文献2で示される採取作業具は、果実を果実容器内に収容した状態で採取するものであるが、竿を様々に持ち替えて枝をかわして回収部に運ぶ際に、果実容器の開口部から果実を不慮に放出し落下させる等の課題がある。 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するためにこの果実採取作業具は、第1に、竿2の先端に設けた遠隔的な採取作業を行う作業部3と、基端部側に設けた上記作業部3の作動操作を行う操作具9と、竿2内に挿通され上記作業部3を操作具9の操作により往復連動させる連動部材13を設けた作業具1において、上記作業部3と操作具9間の連動部材13の一ケ所以上の中途部に、該連動部材13と連繋して作業部3を作動操作する中途部操作具9aを設けてなることを特徴としている。 第2に、竿2が作業部3を取付けた作業竿2aと、該作業竿2aの基端部側において、ジョイント部5を介し着脱可能に接続して竿長さを延長する延長竿2bとで構成し、上記ジョイント部5において、該ジョイント部5両側の連動部材13を連結する連結部材13aを設けてなることを特徴としている。 第3に、連結部材13aの両端に連結される2つの連動部材13,13に接続されて竿2の外周に突出して設けられ、各連動部材13,13と連結部材13aの端部同士を連結係止する係止部材32,32を設けてなることを特徴としている。 第4に、上記係止部材32,32の少なくとも一方が中途部操作具9aであることを特徴としている。 第5に、竿2が作業部3を備えた作業竿2aとジョイント部5を介して順次着脱自在に接続延長される複数の延長竿2bからなることを特徴としている。 第6に、作業部3が先端が開閉することにより、対象物を収容採取する一対の籠状又は椀状の作業動作部4,4からなり、作業動作部4,4を閉じ方向に付勢するスプリング20を設けたことを特徴としている。 第7に、連動部材13の往復動により作業動作部4,4を開閉作動させる開閉機構3aを設けてなることを特徴としている。 第8に、作業動作部4,4自体に閉状態から開方向への力が作用した際に作業作動の開作動を規制し、連動部材13及び開閉機構3aを介して開操作した場合にのみ、作業動作部4,4が開作動する規制機構を開閉機構内に設けたことを特徴としている。 【発明の効果】 以上のように本発明の果実採取作業具によれば、大小の果実の採取作業を行う際に、作業者は竿を握った最寄りの位置にある中途操作具又は操作具を往復動することができ、作業動作部を竿の握り位置から簡単に操作することができる。 また作業動作部が開作動をする規制機構を開閉機構内に設けたことにより、枝から採取した果実等を作業動作部の閉状態で保持し、果実等を不慮に落下させることなく竿の持ち直しを自在に行うことができる。 また作業部を有する作業竿に延長竿を簡単に連結することにより、作業対象の遠近に応じた竿長さを調節すると共に、この場合も任意位置での作業部操作を行うことができる。 さらに作業部を開閉可能な一対の籠状又は椀状の作業部とすることにより、例えば柚等のように棘のある樹木やキウイのように蔓の絡み合った樹木でも、これらの間を縫って果実を傷つけることなく採取できる。 【発明を実施するための最良の形態】 以下図示する本発明の実施形態について説明する。図1は果実の1例として柿を採取する果実採取作業具(以下作業具と言う)1の構成、及び連結される竿2を分解した状態を示し、この例では作業竿2aの先端部に装着されて柿を採取する作業部(採取部)3は、開閉作動される左右の作業動作部(把持部)4,4を備え、木になっている柿を両側から把持した状態で収容し且つ排出することができる。 また竿2を長くしたい場合に、作業部3を備えた作業竿2aの他端(基端部側)に図1,図3で示す構成のジョイント部5を介し延長竿2bを適数本連結することにより延長される。これにより作業者は地上に居ながら又は脚立等に登った状態で、高所にある柿等を採取することができる。 上記作業動作部4,4は、可撓性を有する金網或いはプラスチック材からなる軽量部材によって、採取容器となるバケット7を柿を収容把持する一対の半球形の籠状又は椀状の形状に形成されている。また作業竿2a及び延長竿2bは、アルミパイプ或いはグラスファイバーパイプ等で構成され、各竿長さは例えば略140cm程度の取り扱い易い長さにしている。 図示例の竿2は作業竿2aと延長竿2bをジョイント部5を介して接続した状態において、作業部3と最手元の基端部側に設けられる操作具9との間に、竿の中途部から作業動作部4,4の開閉作動を行うことができる中途操作具9aを一か所以上設けている。この中途操作具9a,9a・・は作業竿2a,延長竿2bに内装される連動部材13の中途部と連繋し、操作によって操作具9と同様に連動部材13を往復連動させ、開閉機構3aを介し作業動作部4,4を開閉作動することができる。 以下各部の詳細な構造について説明する。先ず作業部3は図2で示すように、その取付筒10を作業竿2aの先端部内に挿入した状態で取付ネジ11によって着脱可能に取付固定される。この取付筒10は作業動作部4,4を操作具9,中途操作具9aの操作に基づき開閉作動せしめる開閉機構3aを以下のように構成し内装している。 即ち、取付筒10の先端側には、前記作業動作部4,4の作動片12,12を左右から各別に挿入する作動孔15,15を切欠形成し、該作動孔15,15の中間位置に横向きの支軸16を支持している。そして、作動孔15,15に挿入した作動片12,12の中途部を支軸16に回動可能に軸支している。 また取付筒10の中途部内には、連動部材13の連動杆17を上下方向にスライド可能に挿入支持する杆ホルダー19を備えている。この杆ホルダー19はその下部に、連動部材13を戻し方向(作業動作部4,4を閉じる方向)に付勢するスプリング20を支持するスプリングホルダー21を設けている。22は取付筒10の上端開口部を開閉可能に閉鎖する蓋である。 図2で示す作業竿2aに内装される連動部材13は、前記連動杆17とワイヤー部材からなるロープ23と、両者を距離調節可能に連結するロッド25とからなる。またスプリング20はロッド25に嵌挿した状態で、スプリングホルダー21と連動杆17との間に圧縮状態で支持している。 連動杆17は頭部に横向きの作動ピン26を備え、該作動ピン26に前記作動片12,12に穿設した作動孔27が挿入される。作動片12,12は同図で示すように左右対称のL字状に形成され、作業動作部4,4を取付固定する他方の下片部に、上記作動孔27をく字状の長孔として穿設することにより、以下に述べるような規制機構を構成する。 即ち、規制機構は作動孔27の上部の縦溝部27aが、図2で示されるように作動ピン26と係合する位置で作業動作部4,4を閉じ姿勢にし、この閉じ状態から作業動作部4,4自体に開方向への力が作用した際に、縦溝部27aが作動ピン26に接当することにより作業動作部4,4の開作動を規制する。 そして、作業動作部4,4は閉状態から操作具9又は中途操作具9aが操作され、作動ピン26が下方移動すると、該作動ピン26は縦溝部27aから外れ作動孔27の斜面部を介し、作動片12,12を支軸16を中心に回動せしめ、作業動作部4,4を強制的に開作動させ図2の点線で示す開放姿勢に切り換えることができる。 また操作具9又は中途操作具9aから手を放す等の閉じ操作をすると、作動ピン26がスプリング20の付勢力によって上方移動し、作動片12,12は作動孔27,27を介し戻し回動され、作業動作部4,4を元の閉状態にする。 以上のように、連動部材13及び開閉機構3aを介して開操作した場合にのみ、作業動作部4,4を開作動せしめる規制機構を開閉機構3a内に設けた作業具1は、作業動作部4,4の閉状態で柿を採取し収容した状態で、規制機構によって作業動作部4,4の収容姿勢を確実に保持することができる。 これにより作業具1は、竿2を様々に持ち替えて柿を収容した作業部3を収穫容器等が設置される回収部位に向けて枝をかわしながら運ぶとき、作業動作部4,4は不慮に開動しないので、移動中途の柿の放出落下を防止した採取作業を能率よく行うことができる。 尚、上記のように採取物の不慮の放出を防止する規制機構は、後述する図4で示すような構成にすることもできる。 次に図3を参照し竿2の連結構について説明する。作業竿2aは基端部側の内部に筒状の第1ガイド(基端部側ガイド)30をスライド可能に内装し、該第1ガイド30内に立設した連結軸31に前記連動部材13のロープ23の他端を連結している。 また第1ガイド30は、前記連結部材13aの一端を係止せしめる係止部材32を立設し、延長させた突出端を作業竿2aに穿設した長孔状のガイド孔33にスライド可能に挿入している。そして、ガイド孔33から突出した係止部材32にスライド片34を嵌挿して駒状部材を設けることにより中途操作具9aを構成する。 また延長竿2bの先端部には、第2ガイド35が上記第1ガイド30のものと同様な構造を以てジョイント部5をはさんで対称に設けられ、その係止部材32にスライド片34及び駒状部材を設け中途操作具9aが構成される。そして、この延長竿2bの基端部側には、前記作業竿2aのものと同様な第1ガイド30及び中途操作具9aが構成される。また延長竿2b内の第1ガイド30と第2ガイド35はロープ状の連動部材13によって連結される。 上記連結部材13aは、作業竿2a側の連動部材(ロープ)13と延長竿2b側の連動部材(ロープ)13の端部同士を、後述する連結構造によって第1ガイド30の係止部材32と、延長竿2b側の第2ガイド35の係止部材32を係脱可能に連結する。 尚、作業竿2aに延長竿2bがジョイント部5を介し連結されるとき、連結延長された竿2の操作具9は最基端部側(手元側)になる延長竿2bの第1ガイド30に設ける操作具が相当する。 次に、作業竿2aと延長竿2b並びに延長竿2bと別の延長竿2bを順次連結するジョイント部5について説明する。このジョイント部5は、作業竿2a及び延長竿2bの基端部側の開口部内にパイプ状の接続部材37を取付固定し、該接続部材37の突出端を延長竿2bの先端開口部内に挿脱可能に嵌挿し接続する構成としている。 また接続部材37の突出端の外周面には係止突起39を突設しており、該係止突起39を延長竿2bの開口端部に穿設した鉤状の係合溝40に係脱可能に噛合させる構成としている。これにより接続された作業竿2aと延長竿2bの抜けを防止し、且つ逆順の操作によって噛合を解除することができる。 尚、上記のように作業竿2aに延長竿2bが連結されるとき、最基端部側(連結終端側)になる延長竿2bの基端部側には接続部材37の設置を省略することができる。 次に作業竿2aと延長竿2b、並びに該延長竿2bとさらに別の延長竿2bに内装される作動部材13,13の連結構造について説明する。この連結構造は、各竿に設けた前記第1ガイド30と第2ガイド35にそれぞれ設けた係止部材32と係止部材32を、各竿のガイド孔33から竿表面側に突出させ、この係止部材32と係止部材32を連結部材13aによって係脱可能に連結する構成となっている。 即ち、図3で示すように延長竿2bの先端に設けられる第2ガイド35は、その係止部材32の突出側に取付片50を嵌挿支持し、該取付片50に可撓性を有するロープ又は紐部材からなる連結部材13aを取付けている。この連結部材13aは他端に第1ガイド30の係止部材32側に連結せしめる係止部51が設けられる。 他方、第1ガイド30の係止部材32は、上記係止部51と係脱可能に係合する係合部52を回動自在に設けている。図示例の係止部51と係合部52とは、押圧嵌合によって係脱可能に連結されるホック型の連結手段にしており、連結部材13aの連結をワンタッチ操作で速やかに行うことができる。以上の構成により作業竿2aに延長竿2bが順次連結された竿2は、任意の中途操作部9aを操作したとき、これより先端部側の連動部材13は往復動作されるが、これより基端部側にある連動部材13は前記連結部材13aが図3の点線で示すように撓んで作動を防止されるので、当該連動部材13に連繋する中途操作部9a並びに操作具9を操作待機姿勢に保持することができる。 また連結部材13aを備える中途操作具9aは、連結される延長竿2bの先端部に設けるので、作業竿2aの基端部側及び作業竿2aに連結した延長竿2bの基端部側に、連動部材13をぶら下げることなく邪魔になることがない。尚、連結部材13aは上記の連結手段に限ることなく、第1ガイド30側の係止部材32に対し、フック型の連結手段或いは紐結び等の連結手段にすることもできる。 次に図1,図2を参照し作業部3について説明する。この作業動作部4,4は前記作動片12,12に対し、左右一対の対称形状をなす半球形の籠状又は椀状の作業部からなり、基部側が取付ネジ55によって着脱可能に取付固定される。 図示例の作業動作部4,4は、前記可撓性を有する幕部材によって半球状に形成されたバケット7と、該バケット7の周囲を補強支持するリング状の縁枠56と、該縁枠56の中央上部に固着されバケット7の外周面に沿って湾曲させた基端部を作動片12に取付固定する支持フレーム57とからなる。 そして、作業動作部4,4は柿を採取する閉状態の採取姿勢において、左右のバケット7,7の開口部の間を、柿の茎が挿入可能な収容間隔を有して離間させている。上記構成からなる収容間隔を有した作業部3は、バケット7,7の深さを浅くしても作業動作部4,4による柿の把持を行うことができる。また操作具9又は中途操作具9aを操作して収容把持した柿を排出する際に、作業動作部4,4の開動量を収容間隔分だけ少なくすることができるので、開閉操作を簡単且つ速やかに行うことができる等の利点がある。 さらにバケット7は縁枠56の上部を支持フレーム57によって片持ち状態で支持されるので、収容される柿の大きさや形状に適応して変形し無理のない把持を行うことができる。尚、バケット7及び縁枠56並びに支持フレーム57は、採取収容される果実に適応した形状に定められる。 以上のように構成される作業具1は、中途操作具9a又は操作具9を操作し一対の作業動作部4,4を閉じ方向に付勢するスプリング20に抗して開き作動し、枝になっている柿を作業動作部4,4の間に入れて操作解除すると、作業動作部4,4によって柿を挟持した状態で把持することができる。次いで竿2を押し引き或いは捩じり動作することにより、柿を枝から恰も手でもぎ取るようにスムースに採取することができる。この採取作業において、作業者は竿2を握った最寄りの位置にある任意の中途操作具9a又は操作具9を開き操作することができる。 次いで作業部3内に柿を採取した作業具1は、規制機構によって作業動作部4,4が閉状態を維持し不慮の開動が防止され、作業者は竿2の持ち直しを自在に行って枝をかわすことができ、採取した柿を作業者の近傍に用意される回収部にスムースに運ぶことができる。 このとき上記回収部に向けて作業部3を移動させた状態では、竿2の握り位置は採取時の位置と異にしているので、作業者は新たな握り位置において、操作の行い易い最寄りの中途操作具9aを開方向に素早く操作することができ、柿の排出作業を無理な姿勢で行うことがない。 次に、連動部材13の往復動に基づき作業動作部4,4を開閉作動させる、開閉機構3a及び規制機構の別実施形態を図4を参照し説明する。尚、前記実施形態のものと同様な構成については説明を省略する。 同図で示す開閉機構3aは、作業動作部4,4を取付支持する作動片12,12を、杆ホルダー19側から立設した支柱60の支軸16に回動可能に軸支している。 上記作動片12,12は支軸16の下方で外側寄りにリンク杆61,61を連結ピン62によって枢支し、該リンク杆61,61の他端は連動杆17の頭部に設けた作動ピン26に回動可能に軸支して連結される。そして、作業動作部4,4の閉じ姿勢における作動ピン26の位置は、リンク杆61の連結ピン62より上位となる関係にしている。 この構成により、作業動作部4,4自体に閉状態から開方向への力が作用した際に、リンク杆61とリンク杆61が両張り状態になるので、作業動作部4,4の開作動を規制することができる。このとき連動杆17の上方移動は該連動杆17の頭部が作動片12,12の枢支部分に接当する等のストッパ手段によって規制される。 また中途操作具9a又は操作具9を開方向に操作すると、連動部材13を介し連動杆17が引き作動され、作動ピン26がリンク杆61,61を引き作動し作動片12,12を介し、作業動作部4,4を支軸16を中心に開動させることができる。また操作解除によって、杆ホルダー19にスライド可能に支持した連動杆17が上方移動し、リンク杆61,61を介し作業動作部4,4が閉じて、作業部3は果実を収容した収容姿勢になる。このとき作業動作部4,4自体に閉状態から開方向への力が作用すると、規制機構によって作業動作部4,4の開作動は規制される。 以上のように構成される作業具1は作業竿2aに延長竿2bを連結した状態で、竿2の先端に設けた作業部3と基端部側の操作具9の間に、中途操作具9aを連動部材13の一ケ所以上の中途部に設けた構成にしたが、長い1本の竿2にした場合には、その基端部側に設置される操作具9と先端部側の作業部3との間に中途操作具9aが設けられる。 また連動部材13の往復動により作業動作部4,4を開閉作動させる竿2は、その中途操作具9a及び操作具9を手で握り人為的に往復作動させる構造にすることもでき、この場合には、作業動作部4,4を開方向又は閉方向に付勢させるスプリング20を省略することができる。 【産業上の利用可能性】 この発明の果実採取作業具は、作業部を竿に設けた中途操作具及び操作具を操作して、高所にある柿,蜜柑等の果実の採取を行う果実採取作業具にすることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の作業具と作業竿と延長竿の構造を示す斜視図である。 【図2】図1の作業部の構造を示す断面図である。 【図3】図1の作業竿と延長竿を連結した構造を示す断面図である。 【図4】作業部の別実施形態を示す断面図である。 【符号の説明】 1 採取作業具 2 竿 2a 作業竿 2b 延長竿 3 作業部 3a 開閉機構 4 作業動作部 5 ジョイント部 7 バケット 9 操作具 9a 中途操作具 13 連動部材 13a 連結部材 20 スプリング 32 係止部材 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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