閉じる | ||
【考案の名称】ロック用ナット 【実用新案権者】 【識別番号】515043129 【氏名又は名称】軽部 征治 【住所又は居所】茨城県神栖市知手中央5−1−16 グランディール知手205号 【代理人】 【識別番号】100089026 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 高明 【考案者】 【氏名】軽部 征治 【住所又は居所】茨城県神栖市知手中央5−1−16 グランディール知手205号 【要約】 (修正有) 【課題】スタッドボルト及びナットによって締付固定された被締付物を取外す場合に、ナットと供回りせずに、且つ所望の一方のナットのみを緩まないよう固定することができるロック用ナットを提供する。 【解決手段】スタッドボルト11を挿通して、前記スタッドボルト11の軸方向外方から一対の固定ナット12a、12bにより締付固定された被締付物13から、前記スタッドボルト11及び前記固定ナット12a、12bを取外す場合に、前記固定ナット12a、12bを前記スタッドボルト11軸方向外方から締付して前記固定ナット12a、12bの回転動作を固定しうるロック用ナット10であって、前記固定ナット12a、12b及び前記ロック用ナット10は、周方向の外形は多角形状に形成され、前記ロック用ナット10の外形の最大径部は、前記固定ナット12a、12bの外形の最小径部よりも小さく形成されていることを特徴とする。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 スタッドボルトを挿通して、前記スタッドボルトの軸方向外方から一対の固定ナットにより締付固定された被締付物から、前記スタッドボルト及び前記固定ナットを取外す場合に、前記固定ナットを前記スタッドボルト軸方向外方から締付して前記固定ナットの回転動作を固定しうるロック用ナットであって、前記固定ナット及び前記ロック用ナットは、周方向の外形は多角形状に形成され、前記ロック用ナットの外形の最大径部は、前記固定ナットの外形の最小径部よりも小さく形成されていることを特徴とするロック用ナット。 【請求項2】 前記固定ナット及び前記ロック用ナットは、径方向中央に厚さ方向に貫通され前記スタッドボルトが挿通される挿通孔部を有すると共に、前記挿通孔部の内周面には、前記スタッドボルトのネジ山に対応するネジ山が形成されており、周方向の外形は六角形状に形成された六角ナットであり、前記ロック用ナットの厚さ寸法は、前記固定ナットの厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロック用ナット。 【請求項3】 前記ロック用ナットの厚さ寸法は、前記固定ナットの厚さ寸法の半分に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のロック用ナット。 【請求項4】 前記固定ナットの厚さ寸法は、前記スタッドボルトの径寸法と略同一であることを特徴とする請求項2または3の何れか1項に記載のロック用ナット。 【請求項5】 前記被締付物は、配管のフランジであることを特徴とする請求項4に記載のロック用ナット。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、ナットを固定するためのロック用ナットに関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、粉末や液体あるいはガス等を移送するための配管は、所定の長さを有しており、長さ方向の両端部には、他の配管と接続するためのフランジが形成されている。フランジには、六角ボルトを挿通させる孔部が形成されており、2つのフランジに形成された孔部を一致させて六角ボルトを挿通し、六角ボルトの頭部とは対向する端部よりナットを回転させながら導入して締め付けることにより、2つのフランジ及び配管は締付固定される。 【0003】 一方で、工場等において、比較的高圧の液体やガスの移送に用いる配管を締付固定する際には、ボルトとボルト穴の間から液体やガスが漏れることを防ぐために、前述のような六角ボルトではなく、長さ方向の両端にねじ部が形成されたスタッドボルトが広く用いられている。 【0004】 スタッドボルトは、2つの配管フランジに形成された孔部を一致させて挿通させたのち、長さ方向の両端から其々、スタッドボルトに形成されているねじ山に沿ってナットを回転させながら導入してナット及びフランジを当接させ、さらに強く締め付けることにより、強固に挟持されて固定することができる。 【0005】 一旦締付固定した一対のフランジを取外す場合においては、例えば、スパナを用いて一方のナットを保持した状態において、他方のナットをインパクトレンチにより回転させて緩めることによってスタッドボルトより取外し、一方のナットとスタッドボルトを一体に抜き取り除去することによって、取外す作業が行われている。 【0006】 しかしながら、スタッドボルトとナットを用いて固定した場合には、一方のナットを回転させて緩める際に、意図せずに他方のナットが緩んでしまうことがある。このような場合には、希望する方向へスタッドボルトを抜き取るためには、他方のナットを締め直してもう一度同様の操作を行う等の作業が必要となる。 【0007】 例えば、工場等の多数の配管が複雑に隣接して設置されている場合には、スタッドボルトをフランジの孔部から抜き取り除去する際に必要な空間が、フランジを介していずれか一方の面にしかないといった場合もある。このような場面において前述のような事態が発生した際には、例えば、手でスタッドボルトとナットを操作して、スタッドボルトを所望の方向より抜き取る作業を行う必要があり、スタッドボルトの抜き取り作業が煩雑となる場合があった。 【0008】 多数のスタッドボルト及びナットについて取外しを行う作業においては、このような煩わしい作業を必要とせず、例えば、インパクトレンチのような電動工具を用いて効率よく取外しを行うことができることが望まれていた。 【0009】 このような要望に応え得るものとしては、一方のナットの外方から隣接して別のロック用ナットを締付固定することにより、ロック用ナットによって一方のナットの回転動作を規制して緩みを防止する所謂ダブルナットという方法がある。 【0010】 しかしながら、ロック用ナットは、フランジを直接固定するナットと隣接して配されるために、例えば、一方のナットと隣接して配した場合には、スパナで一方のナットを保持して他方のナットを緩める際に、誤って一方のナット及びロック用ナットをスパナによって同時に保持してしまうことがある。 【0011】 このような場合には、一方のナット及びロック用ナットが供回りしてしまい、固定効果が得られないといった不具合があり、このような問題を解決しうるロック用ナットが望まれていた。 【0012】 本考案者は、このような観点から特許調査を行い、特許文献1および特許文献2を確認したが、特許文献1の緩み止めナットは、六角形状の頭部を有する六角ボルトによって固定される際の例が記載されており、スタッドボルトを用いて固定した被締付物を取外す際に用いられることの具体的開示はなく、特許文献2のボルト及びナットにおいても同様である。 【特許文献1】公開特許第2007−107716号公報 【特許文献2】公開特許第平10−073118号公報 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 【0013】 そこで、本考案は、このような従来の要請に基づくものであって、スタッドボルト及びナットによって締付固定された被締付物を取外す場合に、ナットと供回りせずに、且つ所望の一方のナットのみを緩まないよう固定することができるロック用ナットを提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0014】 前記課題を解決するために、請求項1に記載のロック用ナットにあっては、スタッドボルトを挿通して、前記スタッドボルトの軸方向外方から一対の固定ナットにより締付固定された被締付物から、前記スタッドボルト及び前記固定ナットを取外す場合に、前記固定ナットを前記スタッドボルト軸方向外方から締付して前記固定ナットの回転動作を固定しうるロック用ナットであって、前記固定ナット及び前記ロック用ナットは、周方向の外形は多角形状に形成され、前記ロック用ナットの外形の最大径部は、前記固定ナットの外形の最小径部よりも小さく形成されていることを特徴とする。 【0015】 従って、請求項1に記載のロック用ナットは、スタッドボルトの軸方向外方から、一方の固定ナットに締付することによって、一方の固定ナットの回転動作を規制した状態においては、一方の固定ナット、ロック用ナット及びスタッドボルトは一体に回転動作すると共に、他方の固定ナットは別個に回転動作させることができる。 【0016】 また、ロック用ナットの外形の最大径部は、固定ナットの外形の最小径部よりも小さく形成されていることから、例えば、ロック用ナットにより締付固定された固定ナットを平らな挟持面を持つスパナで挟持して保持する際には、スパナの挟持面がロック用ナットに当接することがない。 【0017】 請求項2に記載のロック用ナットにあっては、前記固定ナット及び前記ロック用ナットは、径方向中央に厚さ方向に貫通され前記スタッドボルトが挿通される挿通孔部を有すると共に、前記挿通孔部の内周面には、前記スタッドボルトのネジ山に対応するネジ山が形成されており、周方向の外形は六角形状に形成された六角ナットであり、前記ロック用ナットの厚さ寸法は、前記固定ナットの厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法に形成されていることを特徴とする。 【0018】 請求項3に記載のロック用ナットにあっては、前記ロック用ナットの厚さ寸法は、前記固定ナットの厚さ寸法の半分に形成されていることを特徴とする。 【0019】 従って、請求項2及び3に記載のロック用ナットは、ロック用ナットの厚さ寸法は、固定ナットの厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法に形成されている、あるいは半分の厚さ寸法に形成されているため、例えば、固定ナットを、インパクトレンチのソケットのように深さが限定されている保持具を用いて保持する場合であっても、保持部が固定ナットに届いて保持できる。 【0020】 請求項4に記載のロック用ナットにあっては、前記固定ナットの厚さ寸法は、前記スタッドボルトの径寸法と略同一であることを特徴とする。 【0021】 請求項5に記載のロック用ナットにあっては、前記被締付物は、配管のフランジであることを特徴とする。 【考案の効果】 【0022】 請求項1に記載のロック用ナットは、スタッドボルトを抜き取りたい側の固定ナットにロック用ナットを締付して固定した状態においては、一方の固定ナット、ロック用ナット及びスタッドボルトが一体に回転動作すると共に、他方の固定ナットは別個に回転動作させることができる。 【0023】 従って、前記の状態において、他方の固定ナットをスパナで保持し、抜き取りたい側の固定ナットをインパクトレンチによって緩み方向へ回転動作させることにより、上記他方の固定ナットのみをスタッドボルトより外すことができるため、スタッドボルトを抜き取りたい側から確実に抜き取ることができ、特定の一方のみからしかスタッドボルトを抜き取ることができない狭小の作業現場であっても、効率的に取外し作業を行うことができ、作業時間を短縮できる。 【0024】 また、例えば、ロック用ナットにより締付固定された固定ナットを平らな挟持面を持つスパナで挟持して保持する場合には、スパナの挟持面がロック用ナットに当接することがないことから、固定ナットのみを挟持することができ、固定ナットとロック用ナットの供回りを防ぐことが出来るため、より作業性が向上する。 【0025】 請求項2及び3に記載のロック用ナットは、固定ナットを、インパクトレンチのソケットのように保持空隙部の深さが限定されている保持具を用いて保持する場合であっても、保持部が固定ナットに届いて保持できる。従って、インパクトレンチを使用できる機会を増大させることができる反面、手作業で回転動作させる機会を減少させることができ、取外し作業の作業性が向上して短時間に取外し作業を行うことができる。 【0026】 請求項4に記載のロック用ナットは、前記固定ナットの厚さ寸法は、前記スタッドボルトの径寸法と略同一の所謂10割ナットであり強度が高く、高圧ガス配管等に適用される。従って、請求項4に記載のロック用ナットは、高圧ガス配管等の締付固定を解除する場合にも適用することができる。 【0027】 請求項5に記載のロック用ナットは、前記被締付物は、配管のフランジであることから、フランジを備える配管において締付固定を解除する場合にも適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】図1は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、(a)はフランジ部がスタッドボルトを介して固定ナットにより締付固定される場合において、ロック用ナットが装着される前の状態、(b)はロック用ナットが装着された状態を夫々示した側面図である。 【図2】図2は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、図1(b)における縦断面図である。 【図3】図3は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、固定ナットとロック用ナットの側面視方向における大きさの関係を示した概念図である。 【図4】図4は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、固定用ナットを介してフランジ部に挿通固定されたスタッドボルトをスパナとインパクトレンチを用いて、取外す過程を示した概念図である。(a)はスパナ及びインパクトレンチのソケットで固定ナットを把持した状態、(b)は(a)の状態においてインパクトレンチを反時計回りに回転させた状態を夫々示している。 【考案を実施するための最良の形態】 【0029】 以下、本考案に係るロック用ナットを実施の形態に基づき、図面を参照して詳細に説明する。 【0030】 図1(a)に示すように、本考案に係るロック用ナット10は、例えば、スタッドボルト11に挿通され、スタッドボルト11の軸方向外方から一対の固定ナット12a,12bにより締付固定された被締付物13から、スタッドボルト11及び固定ナット12を取外す場合に用いられる。 【0031】 本実施の形態においては、被締付物13は2つの配管のフランジ13,13であり、固定ナット12a,12bの厚さ寸法は、スタッドボルト11の径寸法と略同一である所謂10割ナットが用いられている。本実施の形態においては、18mmである。 【0032】 また、図1(b)に示すように、ロック用ナット10は、固定ナット12a,12bをスタッドボルト11の軸方向外方から締付して固定ナット12a,12bがスタッドボルト11に対して回転しないように規制することができる。本実施の形態においては、ロック用ナット10は、一方の固定ナット12bに締付固定されている。ロック用ナット10の厚さ寸法は、固定ナット12a,12bの厚さ寸法の半分に形成されている。本実施の形態においては、9mmである。 【0033】 図2に示すように、2つの配管のフランジ13,13には、夫々スタッドボルト11を挿通させうる孔部14,14が厚さ方向に貫通して形成されており、孔部14,14を一致させた状態において、孔部14,14にスタッドボルト11が挿通されている。 【0034】 一方で、固定ナット12a,12b及びロック用ナット10には、径方向中央に厚さ方向に貫通されスタッドボルト11が挿通される挿通孔部15を有すると共に、挿通孔部15の内周面には、スタッドボルトのネジ山16に対応するネジ山17a,17bが形成されている。 【0035】 スタッドボルトのネジ山16は、スタッドボルト11の軸方向全域に亘って一定のピッチ及び一定の方向に形成されており、スタッドボルトのネジ山16と固定ナット12a,12b及びロック用ナット10のネジ山17a,17bの関係は、固定ナット12b又はロック用ナット10をスタッドボルト11の軸方向に対して時計回りに回転させた場合には締め付ける作用が働き、反時計周りに回転させた場合には緩める作用が働くように形成されている。 【0036】 図3に示すように、固定ナット12a,12b及びロック用ナット10は、周方向の外形は六角形状に形成された六角ナットであり、ロック用ナット10の外形の最大径部Aは、固定ナット12bの外形の最小径部Bよりも小さく形成されている。 【0037】 ここで、最大径部Aは、対向する頂点における間隔寸法であり、最小径部Bは、対向する面の間における間隔寸法である。本実施の形態においては、ロック用ナット10の外形の最大径部Aは、31mmに、固定ナット12bの外形の最小径部Bは、30.5mmに夫々形成されている。 【0038】 以下、本考案に係るロック用ナットの作用について、図面を参照して詳細に説明する。 【0039】 図1(a)に示すように、2つの配管のフランジ13,13が固定ナット12a,12bによって、スタッドボルト11の軸方向外方より挟持し、締め付けた固定状態を解除する場合に、スタッドボルト11を抜き取りたい側に位置する、例えば一方の固定ナット12bに本考案のロック用ナット10をスタッドボルト11周方向において時計回りに回転させながら締付けて固定して図1(b)の状態を形成する。 【0040】 この状態においては、図2に示すように一方の固定ナット12b及びロック用ナット10の当接面には、互いに押し合う方向に応力が発生していると共に、ネジ山17a,17bを介してスタッドボルトのネジ山16には夫々、前記押し合う方向とは逆向きの応力が作用している。従って、ロック用ナット10を締付固定することによって、一方の固定ナット12bとロック用ナット10とは、スタッドボルト11に対して強固に固定され、一方の固定ナット12bとスタッドボルト11との間の相対回転ができない状態となる。 【0041】 以上の作用によって、ロック用ナット10を一方の固定ナット12bに強固に締付固定した場合には、スタッドボルト11、一方の固定ナット12b及びロック用ナット10の夫々は、一体として動作する。 【0042】 従って、図4(a)に示すように、他方の固定ナット12aが回転しないようにスパナの把持部18によって保持した状態において、一方の固定ナット12bに一方の固定ナット12bの外周形状に適合するインパクトレンチ(図示せず)のソケット19を被せる。 【0043】 次に、図4(b)に示すように、インパクトレンチ(図示せず)を反時計周りに回転させた場合には、インパクトレンチのソケット19及び一方の固定ナット12b、ロック用ナット10及びスタッドボルト11も一体的に反時計回りに回転することにより、スタッドボルト11と他方の固定ナット12aの間で緩み方向への回転が生じる。 【0044】 さらに反時計周りに回転させることにより、スタッドボルト11より他方の固定ナット12aが脱離して、スタッドボルト11は、一方の固定ナット12b及びロック用ナット10と一体に、抜き取ることが出来る。 【0045】 前述のようなロック用ナット10を一方の固定ナット12bへと締付固定した状態においては、ロック用ナット10あるいはロック用ナット10及び一方の固定ナット12bの両者を同時に、反時計回りに回転させてしまうと、互いに発生しあう応力が低下して、ロック用ナット10、一方の固定ナット12b及びスタッドボルト11は一体として動作せず、ロック用ナット10の効果が得られない。 【0046】 本実施の形態にあっては、図3に示すように、ロック用ナット10の外形の最大径部Aは、固定ナットの外形の最小径部Bよりも小さく形成されていることから、図4(a)に示すように、ロック用ナット10により締付固定された一方の固定ナット12bをインパクトレンチのソケット19で保持する際には、ロック用ナット10と一方の固定ナット12bがどのような角度関係に位置していた場合であっても、スムーズにインパクトレンチのソケット19を被せることができる。 【0047】 その結果、インパクトレンチのソケット19の保持面20がロック用ナット10の外周面に当接することがなく、一方の固定ナット12bのみに回転力を伝えることができる。 【0048】 また、ロック用ナット10の厚さ寸法は、一方の固定ナット12bの厚さ寸法の半分に形成されているため、インパクトレンチのソケット19のように保持空隙部21の深さに十分な余裕がない場合であっても、保持面20を一方の固定ナット12bの外周面全体に当接させることができる。 【0049】 本考案に係るロック用ナット10の利用場面は、前述のように締付固定状態の取外しの場合に限定されず、被締付物13をスタッドボルト11及び固定ナット12a,12bによって締付固定した状態において、所謂ダブルナットのように、ロック用ナット10をスタッドボルト11を介して固定ナット12a,12bに締付固定することにより、固定ナット12a,12bの経時的な緩みを防止することができるという作用も奏するため、このような利用も可能である。 【0050】 前記実施の形態においては、スタッドボルトのネジ山16は、スタッドボルト11の外周面全体に亘って形成されている例を説明したが、特にこれに限定されることはなく、軸方向両端部のみにネジ山を有するスタッドボルトであっても良い。 【産業上の利用可能性】 【0051】 本考案に係るロック用ナットは、製造販売等することによりスタッドボルトが用いられている工場等の高圧ガス配管の取外し作業に広く用いることができ、産業上利用可能性を有している。 【符号の説明】 【0052】 10 ロック用ナット 11 スタッドボルト 12a、12b 固定ナット 13 被締付物(2つの配管のフランジ) 14 孔部 15 挿通孔部 16 スタッドボルトのネジ山 17a、17b ネジ山 18 スパナの把持部 19 インパクトレンチのソケット 20 保持面 21 保持空隙部 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】図1は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、(a)はフランジ部がスタッドボルトを介して固定ナットにより締付固定される場合において、ロック用ナットが装着される前の状態、(b)はロック用ナットが装着された状態を夫々示した側面図である。 【図2】図2は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、図1(b)における縦断面図である。 【図3】図3は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、固定ナットとロック用ナットの側面視方向における大きさの関係を示した概念図である。 【図4】図4は、本考案に係るロック用ナットの一実施の形態を示し、固定用ナットを介してフランジ部に挿通固定されたスタッドボルトをスパナとインパクトレンチを用いて、取外す過程を示した概念図である。(a)はスパナ及びインパクトレンチのソケットで固定ナットを把持した状態、(b)は(a)の状態においてインパクトレンチを反時計回りに回転させた状態を夫々示している。 |
||
【図1】 |
||
【図2】 |
||
【図3】 |
||
【図4】 |
||
ページtop へ |