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【考案の名称】循環式浴槽装置用の水処理装置 【実用新案権者】 【識別番号】523434694 【氏名又は名称】櫻井 隆 【住所又は居所】新潟県南魚沼市塩沢618番地2 【代理人】 【識別番号】100091373 【弁理士】 【氏名又は名称】吉井 剛 【考案者】 【氏名】櫻井 隆 【住所又は居所】新潟県南魚沼市塩沢618番地2 【要約】 (修正有) 【課題】従来に無い非常に実用的な循環式浴槽装置用の水処理装置を提供する。 【解決手段】浴槽部と熱源部との間に設けられ浴槽水を循環する浴槽水循環パイプを具備した循環式浴槽装置用の水処理装置であって、浴槽水循環パイプの所定位置に設けられ該浴槽水循環パイプを流れる浴槽水が通過する浴槽水通過部1aを有し、浴槽水通過部1aには、鳥の卵殻を850℃以上の高温下で30分以上焼成して得た卵殻粉末2’と、この卵殻粉末2’を収納可能な通水性を有するフィルター部材2”とから成る水処理体2が配設されるものである。 【選択図】図3 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 浴槽部と熱源部との間に設けられ浴槽水を循環する浴槽水循環パイプを具備した循環式浴槽装置用の水処理装置であって、前記浴槽水循環パイプの所定位置に設けられ該浴槽水循環パイプを流れる浴槽水が通過する浴槽水通過部を有し、前記浴槽水通過部には、鳥の卵殻を850℃以上の高温下で30分以上焼成して得た卵殻粉末と、この卵殻粉末を収納可能な通水性を有するフィルター部材とから成る水処理体が配設されていることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置。 【請求項2】 請求項1記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記卵殻粉末は、水溶液とした場合にpHが12以上であることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置。 【請求項3】 請求項1,2いずれか1項に記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記フィルター部材はグラスファイバーを筒状に成形したものであることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置。 【請求項4】 請求項1,2いずれか1項に記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記水処理体が配設される前記浴槽水通過部を設けた管状本体を具備し、この管状本体は、外側開口端部が浴槽水導入部を成す第一管状部材と、外側開口端部が浴槽水導出部を成す第二管状部材とから成り、前記第一管状部材及び前記第二管状部材の内側開口端部同士が分離可能に通水連結され、前記第一管状部材と前記第二管状部材とを分離した場合に前記内側開口端部から前記浴槽水通過部に前記水処理体を出し入れできるように構成されていることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置。 【請求項5】 請求項3記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記水処理体が配設される前記浴槽水通過部を設けた管状本体を具備し、この管状本体は、外側開口端部が浴槽水導入部を成す第一管状部材と、外側開口端部が浴槽水導出部を成す第二管状部材とから成り、前記第一管状部材及び前記第二管状部材の内側開口端部同士が分離可能に通水連結され、前記第一管状部材と前記第二管状部材とを分離した場合に前記内側開口端部から前記浴槽水通過部に前記水処理体を出し入れできるように構成されていることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、循環式浴槽装置用の水処理装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、例えば浴槽水を殺菌処理する水処理装置として、特許文献1に開示される浴槽水滅菌装置(以下、「従来例」という。)が提案されている。 【0003】 この従来例は、吸入口及び吐出口を有する中空の流路管と、浴槽水を前記吸入口から前記吐出口に向かって送るポンプと、流路管の内部に組み込まれた紫外線源(紫外線発光ダイオード)とを備えたものであり、流路管を流れる浴槽水に紫外線源から紫外線が照射されて殺菌処理が行われる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開2005−81227号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0005】 本考案者は、前述した浴槽水の処理装置について開発を進めた結果、従来に無い非常に実用的な循環式浴槽装置用の水処理装置を考案した。 【課題を解決するための手段】 【0006】 添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。 【0007】 浴槽部50と熱源部52との間に設けられ浴槽水Wを循環する浴槽水循環パイプ51を具備した循環式浴槽装置用の水処理装置であって、前記浴槽水循環パイプ51の所定位置に設けられ該浴槽水循環パイプ51を流れる浴槽水Wが通過する浴槽水通過部1aを有し、前記浴槽水通過部1aには、鳥の卵殻を850℃以上の高温下で30分以上焼成して得た卵殻粉末2’と、この卵殻粉末2’を収納可能な通水性を有するフィルター部材2”とから成る水処理体2が配設されていることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置に係るものである。 【0008】 また、請求項1記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記卵殻粉末2’は、水溶液とした場合にpHが12以上であることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置に係るものである。 【0009】 また、請求項1,2いずれか1項に記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記フィルター部材2”はグラスファイバーを筒状に成形したものであることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置に係るものである。 【0010】 また、請求項1,2いずれか1項に記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記水処理体2が配設される前記浴槽水通過部1aを設けた管状本体1を具備し、この管状本体1は、外側開口端部が浴槽水導入部1a’を成す第一管状部材1’と、外側開口端部が浴槽水導出部1a”を成す第二管状部材1”とから成り、前記第一管状部材1’及び前記第二管状部材1”の内側開口端部同士が分離可能に通水連結され、前記第一管状部材1’と前記第二管状部材1”とを分離した場合に前記内側開口端部から前記浴槽水通過部1aに前記水処理体2を出し入れできるように構成されていることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置に係るものである。 【0011】 また、請求項3記載の循環式浴槽装置用の水処理装置において、前記水処理体2が配設される前記浴槽水通過部1aを設けた管状本体1を具備し、この管状本体1は、外側開口端部が浴槽水導入部1a’を成す第一管状部材1’と、外側開口端部が浴槽水導出部1a”を成す第二管状部材1”とから成り、前記第一管状部材1’及び前記第二管状部材1”の内側開口端部同士が分離可能に通水連結され、前記第一管状部材1’と前記第二管状部材1”とを分離した場合に前記内側開口端部から前記浴槽水通過部1aに前記水処理体2を出し入れできるように構成されていることを特徴とする循環式浴槽装置用の水処理装置に係るものである。 【考案の効果】 【0012】 本考案は上述のように構成したから、浴槽部と熱源部との間を循環する浴槽水を良好に抗菌処理することができ、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れるなど、従来に無い非常に実用的な循環式浴槽装置用の水処理装置となる。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】本実施例の使用状態説明図である。 【図2】本実施例の分解斜視図である。 【図3】本実施例の説明断面図である。 【図4】本実施例に係る水処理体の分解斜視図である。 【図5】本実施例の水処理状態を説明する断面図である。 【考案を実施するための形態】 【0014】 好適と考える本考案の実施形態を、図面に基づいて本考案の作用を示して簡単に説明する。 【0015】 本考案は、浴槽部50と熱源部52との間に設けられる浴槽水循環パイプ51を介して浴槽水Wが循環し、この浴槽水循環パイプ51を流れる浴槽水Wが浴槽水通過部1aを通過した際、この浴槽水Wは浴槽水通過部1aに配設される水処理体2に係る卵殻粉末2’に触れて抗菌処理が行われる。 【0016】 この水処理体2に係る卵殻粉末2’は、鳥の卵殻を850℃以上の高温下で30分以上焼成して得たpHが高いアルカリ性のものであり、良好な抗菌処理が行われる。 【0017】 また、水処理体2は、卵殻粉末2’を通水性を有するフィルター部材2”に収納したものであり、取り扱い性が良好なのは勿論、浴槽水通過部1aに卵殻粉末2’を確実に保持することができて前述した抗菌効果が持続的に得られる。 【実施例】 【0018】 本考案の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。 【0019】 本実施例は、浴槽部50と熱源部52との間に設けられ浴槽水Wを循環する浴槽水循環パイプ51を具備した循環式浴槽装置Y用の水処理装置Xである。尚、本実施例に適用される循環式浴槽装置Yは、浴槽水循環パイプ51が、熱源部52(加熱装置を具備する筐体内)に設けられる図示省略の循環ポンプに接続される吸入パイプ51a(戻り側)及び吐出パイプ51b(往き側)から成り、循環ポンプの作動により浴槽部50の浴槽水Wは吸入パイプ51aを通過して熱源部52に送られて加熱され、この熱源部52から導出される加熱済みの浴槽水Wは吐出パイプ51bを通過して浴槽部50に吐出されるように構成されている。符号51cは水処理装置Xを接続すべく吐出パイプ51bの所定位置を分離した分離部であり、上流側分離端部51c’と下流側分離端部51c”とで構成されている。 【0020】 具体的には、本実施例に係る水処理装置Xは、浴槽水Wが通過する浴槽水通過部1aを設けた管状本体1と、浴槽水通過部1aに配設される水処理体2とで構成されている。 【0021】 管状本体1は、図1〜3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成したものであり、外側開口端部が浴槽水導入部1a’を成す第一管状部材1’と、外側開口端部が浴槽水導出部1a”を成す第二管状部材1”とから成り、第一管状部材1’及び第二管状部材1”の内側開口端部同士が分離可能に通水連結された構成であり、第一管状部材1’と第二管状部材1”とを分離した場合に各内側開口端部から浴槽水通過部1aに水処理体2を出し入れできるように構成されている。 【0022】 この第一管状部材1’の浴槽水導入部1a’及び第二管状部材1”の浴槽水導出部1a”は、周面に螺子溝が形成されて雄螺子部として構成されており、第一管状部材1’の浴槽水導入部1a’は、浴槽水循環パイプ51(吐出パイプ51b)の分離部51cにおける上流側分離端部51c’(雌螺子部)に接続(螺着連結)され、第二管状部材1”の浴槽水導出部1a”は下流側分離端部51c”(雌螺子部)に接続(螺着連結)される。 【0023】 従って、浴槽水循環パイプ51(吐出パイプ51b)を通過する浴槽水Wは、浴槽水導入部1a’から管状本体1内に導入されて浴槽水通過部1aを通過し、浴槽水通過部1aを通過した浴槽水Wは浴槽水導出部1a”から管状本体1外に導出される。 【0024】 尚、本実実施例に係る水処理装置Xは、浴槽水循環パイプ51に係る吸入パイプ51aに接続するようにしても良い。 【0025】 また、第一管状部材1’及び第二管状部材1”夫々の内側開口端部は、周面に螺子溝が設けられて雄螺子部1b’,1b”として構成されており、この雄螺子部1b’,1b”同士を突き合せた状態とし、この状態で筒状の雌螺子部材1cを被嵌螺着することで連結される。 【0026】 また、装置本体1(第一管状部材1’及び第二管状部材1”)の周囲には合成樹脂製の断熱材1dが巻回状態に設けられている。 【0027】 符号3はパッキン、4は水処理体2の浴槽水通過部1aにおける移動範囲を規制し、浴槽水導入部1a’及び浴槽水導出部1a”夫々を塞ぐことを防止する網状の移動阻止部材である。 【0028】 水処理体2は、図2,4に図示したように卵殻粉末2’と、この卵殻粉末2’を収納可能な通水性を有するフィルター部材2”とで構成されている。 【0029】 卵殻粉末2’は、鳥(鶏)の卵殻を粉砕して粉末状とし、この粉末状の卵殻を850℃〜約1350℃の高温下で30分以上焼成して得たもの(カルシウム粉末)である。 【0030】 本実施例では、粉末状の卵殻を850℃以上の高温下で30分以上焼成しており、この卵殻粉末2’は、水に混ぜて飽和水溶液としたときのpHが12以上(pH13.5)である。 【0031】 フィルター部材2”は、図4に図示したようにグラスファイバーを円筒状に成形したものである。 【0032】 このフィルター部材2”は内外への水Wの通過を許容し(通水性を有し)、内部に配設した卵殻粉末2’が外部へ漏出するのを阻止するように構成されている。 【0033】 また、フィルター部材2”の左右開口部は樹脂製の蓋体2aで閉塞されている。 【0034】 尚、本実施例では、水処理体2を浴槽水通過部1a内に5個配設する構成(サイズ)としているが、適宜変更し得るものである。 【0035】 本実施例は上述のように構成したから、浴槽部50と熱源部52との間に設けられる浴槽水循環パイプ51を介して浴槽水Wが循環し、この浴槽水循環パイプ51を流れる浴槽水Wが浴槽水導入部1a’から管状本体1内に導入され、浴槽水通過部1aを通過した際、この浴槽水Wは浴槽水通過部1aに配設される水処理体2に係る卵殻粉末2’に触れて抗菌処理が行われ、浴槽水導出部1a”から抗菌処理済み水W’として導出される(図5参照)。 【0036】 この水処理体2に係る卵殻粉末2’は、鳥の卵殻を850℃以上の高温下で30分以上焼成して得たpHが高いアルカリ性のものであり、良好な抗菌処理が行われる。 【0037】 また、水処理体2は、卵殻粉末2’を通水性を有するフィルター部材2”に収納したものであり、取り扱い性が良好なのは勿論、浴槽水通過部1aに卵殻粉末2’を確実に保持することができて前述した抗菌効果が持続的に得られる。 【0038】 本考案者は、実際に試した結果、本実施例を未使用の場合に比し、浴槽部50と熱源部52との間を循環する浴槽水Wにヌメリや臭い(汚臭)が生じにくくなることを確認している。 【0039】 よって、本実施例によれば、浴槽部50と熱源部52との間を循環する浴槽水Wを良好に抗菌処理することができ、配管内が汚れることを防止でき、浴槽部50の掃除回数を減らすことができ、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。 【0040】 また、本実施例は、卵殻粉末は、水溶液とした場合にpHが12以上であるから、前述した作用効果を確実に奏することになる。 【0041】 また、本実施例は、フィルター部材2”はグラスファイバーを筒状に成形したものであるから、この点においても前述した作用効果を確実に奏することになる。 【0042】 また、本実施例は、水処理体2が配設される浴槽水通過部1aを設けた管状本体1を具備し、この管状本体1は、外側開口端部が浴槽水導入部1a’を成す第一管状部材1’と、外側開口端部が浴槽水導出部1a”を成す第二管状部材1”とから成り、第一管状部材1’及び第二管状部材1”の内側開口端部同士が分離可能に通水連結され、第一管状部材1’と第二管状部材1”とを分離した場合に内側開口端部から浴槽水通過部1aに水処理体2を出し入れできるように構成されているから、水処理体2の出し入れやメンテナンスが良好であるなど、簡易構造でありながら前述した作用効果を確実に奏することになる。 【0043】 尚、本考案は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。 【符号の説明】 【0044】 W 浴槽水 1 管状本体 1’ 第一管状部材 1” 第二管状部材 1a 浴槽水通過部 1a’ 浴槽水導入部 1a” 浴槽水導出部 2 水処理体 2’ 卵殻粉末 2” フィルター部材 50 浴槽部 51 浴槽水循環パイプ 52 熱源部 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
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