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機械器具
 
【発明の名称】インパクト工具
【出願人】
【識別番号】520269064
【氏名又は名称】中溝 誠一
【住所又は居所】佐賀県三養基郡みやき町原古賀115-4
【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
【発明者】
【氏名】中溝 誠一
【住所又は居所】佐賀県三養基郡みやき町原古賀115-4
【要約】
【課題】作業者の身体に振動(衝撃)が伝達されてしまうのを防ぐとともに、作業時に発生する騒音を低減して、作業時の安全性や作業環境を向上させること。
【解決手段】本発明では、駆動軸(4)の回転に伴って回転と進退移動を繰り返すハンマ(20)を出力軸(5)のアンビル(17)に間欠的に係合させて出力軸(5)にインパクトを与えるインパクト工具(1)において、アンビル(17)とケージキャップ(24)とでスラストプレート(23)を挟持する一方、ケージキャップ(24)とケーシング(3)との間に間隙(27)を形成して、ハンマ(20)とアンビル(17)との係合時にスラストプレート(23)にかかる衝撃をケージキャップ(24)で受け止めてケーシング(3)には伝達させないように構成することにした。
【選択図】図1
選択図 


1. 特許出願に至る経緯
長年インパクトレンチの設汁製造にかかわってきましたが、音や振動及びトルク精度の問題でオイルパルスレンチへと市場の変化かあり、オイルパルスレンチの設計製造の経験をした結果、オイルパルスレンチはオイルの密封性維持の難しさや発熱によるロックアウトや部品の寸法精度の管理や組立の難しさがあり、これを解決したい所から特許出願に至る。

2. 特性(従来のオイルパルスレンチに対して)
・オイルパルスレンチの1/3の製造コスト
・オイルパルスレンチの1/3のメンテナンス
・オイルパルスレンチの 3倍の出力

3. 市場性
最近のトルク精度は、電動化のいちじるしい発展にともない制御機能が向上し、インパクト機構でも充分対応できると思う。
 
1. The background of patent application

I have been in a field of impact wrenches manufactures for long years, and I found some changes in the market shifting to oil pulse wrenches due to some problems between the accuracy of torque and sound and vibration, and with having an experience of designing and manufacturing oil pulse wrenches, I found its difficulties of assembling and managing the accuracy for the size of the products and the maintenance of its sealability and preventing lockout due to overheat. My intention of patent application is to solve those problems.

2. Traits (in comparison with conventional oil pulse wrenches)
・ Manufacturing cost cut by 1/3
・ Maintenance cost cut by 1/3
・ 3 times rate of output
3. Marketability
The accuracy of recent torques has been improving along with its control functions thanks to remarkable development of motorization, as the result, impact function alone is enough to cover the whole.
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸の回転に伴って回転と進退移動を繰り返すハンマを出力軸のアンビルに間欠的に係合させて出力軸にインパクトを与えるインパクト工具において、
駆動源に接続された駆動軸と、
駆動軸に設けられた中空状のハンマケージと、
ハンマケージの中空部に回動自在に設けられた出力軸と、
ハンマケージと共に回動するカムボールと、
出力軸の後端を回動自在に保持するとともにカムボールを回転方向に案内するカムボールパイロットと、
カムボールの回転に伴って繰り返し出力軸に沿って進退移動するハンマカムと、
ハンマカムを後退させる方向に付勢するカムスプリングと、
ハンマカムと共に進退移動し、前進によって出力軸のアンビルと係合するハンマと、
ハンマとの係合によるアンビルの出力軸方向への荷重を受けるスラストプレートと、
出力軸に回転シールを介して設けられ、ハンマケージの中空部を密閉するケージキャップと、
出力軸の前端を突出させた状態で上記各部品を収容するケーシングと、
を有し、
アンビルとケージキャップとでスラストプレートを挟持する一方、ケージキャップとケーシングとの間に間隙を形成して、ハンマとアンビルとの係合時にスラストプレートにかかる衝撃をケージキャップで受け止めてケーシングには伝達させないように構成したことを特徴とするインパクト工具。
【請求項2】
前記ハンマケージにケージキャップを着脱可能に取付けるとともに、ケージキャップで密閉されたハンマケージの中空部に潤滑オイルを注入させたことを特徴とする請求項1に記載のインパクト工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動軸の回転に伴って回転と進退移動を繰り返すハンマを出力軸のアンビルに間欠的に係合させて出力軸にインパクトを与えるインパクト工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、インパクトレンチやインパクトドライバなどに代表されるインパクト工具は、駆動軸の回転に伴って回転と出力軸方向への進退移動を繰り返すハンマを出力軸に形成したアンビルに間欠的に係合させることによって、出力軸に回転方向のインパクト(衝撃)を与えている。
【0003】
従来のインパクト工具では、出力軸に形成したアンビルとケーシングとの間にスラストプレートを介在させて、ハンマがアンビルに係合した時に発生する出力軸方向への荷重(衝撃)をスラストプレートで受けるように構成している(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開平7−52062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来のインパクト工具では、出力軸に形成したアンビルとケーシングとの間にスラストプレートを介在させていたために、ハンマとアンビルとの係合時に、出力軸方向への衝撃がスラストプレートを介してケーシングに伝達されていた。
【0006】
そのため、ケーシングを介して作業者の手等の身体に振動(衝撃)が伝達されてしまい、作業者の負傷といった事故の原因となるおそれがあった。
【0007】
また、ケーシングに伝達された衝撃や回転打撃によって騒音が発生してしまい、作業現場での騒音の原因となるおそれがあった。
【0008】
このように、従来のインパクト工具では、作業時の安全性の低下や作業環境の低下を招くおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1に係る本発明では、駆動軸の回転に伴って回転と進退移動を繰り返すハンマを出力軸のアンビルに間欠的に係合させて出力軸にインパクトを与えるインパクト工具において、駆動源に接続された駆動軸と、駆動軸に設けられた中空状のハンマケージと、ハンマケージの中空部に回動自在に設けられた出力軸と、ハンマケージと共に回動するカムボールと、出力軸の後端を回動自在に保持するとともにカムボールを回転方向に案内するカムボールパイロットと、カムボールの回転に伴って繰り返し出力軸に沿って進退移動するハンマカムと、ハンマカムを後退させる方向に付勢するカムスプリングと、ハンマカムと共に進退移動し、前進によって出力軸のアンビルと係合するハンマと、ハンマとの係合によるアンビルの出力軸方向への荷重を受けるスラストプレートと、出力軸に回転シールを介して設けられ、ハンマケージの中空部を密閉するケージキャップと、出力軸の前端を突出させた状態で上記各部品を収容するケーシングとを有し、アンビルとケージキャップとでスラストプレートを挟持する一方、ケージキャップとケーシングとの間に間隙を形成して、ハンマとアンビルとの係合時にスラストプレートにかかる衝撃をケージキャップで受け止めてケーシングには伝達させないように構成することにした。
【0010】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記ハンマケージにケージキャップを着脱可能に取付けるとともに、ケージキャップで密閉されたハンマケージの中空部に潤滑オイルを注入させることにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、アンビルとケージキャップとでスラストプレートを挟持する一方、ケージキャップとケーシングとの間に間隙を形成して、ハンマとアンビルとの係合時にスラストプレートにかかる衝撃をケージキャップで受け止めてケーシングには伝達させないように構成しているために、作業者の身体に振動(衝撃)が伝達されてしまうのを防ぐことができるとともに、作業時に発生する騒音を低減することができるので、作業時の安全性や作業環境を向上させることができる。
【0013】
特に、ハンマケージにケージキャップを着脱可能に取付けるとともに、ケージキャップで密閉されたハンマケージの中空部に潤滑オイルを注入させることにした場合には、ハンマケージの中空部に収容された出力軸等の各部品の回転が円滑なものとなり、インパクト工具のメンテナンスを頻繁に行わなくても故障を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るインパクト工具を示す部分拡大断面図。
【図2】同インパクト時の部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
インパクトレンチやインパクトドライバなどに代表されるインパクト工具には、駆動軸の回転に伴って回転と進退移動を繰り返して行うハンマが、前進時に出力軸のアンビルに間欠的に係合することで、出力軸を強制的に回転させるインパクト(衝撃)を発生させる構成のものが知られている。
【0016】
本発明では、上記構成のインパクト工具のインパクトを発生させる機構(インパクト発生機構)に最も特徴を有している。
【0017】
以下に、本発明に係るインパクト工具のインパクト発生機構の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、インパクト工具1のインパクト発生機構2は、ケーシング3の前端部分内側に収容されている。
【0019】
ケーシング3の後部内側には、空圧モータや電動モータなどの駆動源に接続された駆動軸4が収容されている。一方、ケーシング3の前部内側には、駆動軸4と同一軸線上に出力軸5が前端部分を前方へ向けて突出させた状態で収容されている。駆動軸4は、ケーシング3の内部に軸受6を介して回動自在に保持されている。また、出力軸5は、ケーシング3の前端部分に円筒状の軸受7を介して回動自在に保持されている。これら駆動軸4と出力軸5とは、インパクト発生機構2を介して接続されている。なお、出力軸5は、インパクトレンチの場合には先端にソケットが装着される角ドライブ8が形成されているが、インパクトドライバの場合には先端が各種のドライバ形状に形成されたり、先端に各種のドライバビットが着脱可能に装着されている。
【0020】
インパクト発生機構2は、駆動軸4の前端に前端を開口させた中空円筒状のハンマケージ9の後端部を取付け、ハンマケージ9の中空部に出力軸5の後部を回動自在に収容している。
【0021】
ハンマケージ9の中空部には、後端にカムボールパイロット10が取付けられている。このカムボールパイロット10は、中心部分に前後方向に向けて形成された貫通孔11で出力軸5の後端を回動自在に保持するとともに、外周面に円周方向に沿って形成された半円弧状の凹部12でカムボール13を摺動自在に保持している。カムボール13は、ハンマケージ9の中空部後端部に保持されており、カムボールパイロット10の凹部12に案内されてハンマケージ9と共に回動するようになっている。
【0022】
また、ハンマケージ9の中空部には、出力軸5の後部にハンマカム14が前後摺動自在に装着されている。このハンマカム14は、中心部分に前後方向に向けて形成された貫通孔15の内周面で出力軸5の外周面とスプライン結合されている。これにより、ハンマカム14は、出力軸5と共に回転すると同時に、出力軸5に沿って前後方向に向けて進退移動できるようになっている。また、ハンマカム14は、後端に後方へ向けて突出させた突起状のカム16を形成している。このカム16は、ハンマカム14の円周方向に向けて漸次高さ(後方への突出量)が最低→最高→最低の1サイクルで連続して変化する形状となっており、後端部分でカムボール13と係合している。ハンマカム14と出力軸5の中途外周部分に鍔状に形成されたアンビル17との間には、ハンマカム14を後退させる方向に付勢するカムスプリング18が設けられている。これにより、ハンマカム14は、カムボール13が出力軸5の周りで回転するのに伴って、カムボール13によってカム16が前方に向けて押圧されてハンマカム14が出力軸5とともに回転しながら出力軸5に沿って前進し、その後、カムスプリング18の反発力(付勢力)でハンマカム14が出力軸5とともに回転しながら出力軸5に沿って後退するようになっている。
【0023】
このハンマカム14には、外周に円周方向に沿って半径方向に向けて突出させた鍔状の凸部19が形成されている。
【0024】
また、ハンマケージ9の中空部には、ハンマ20が中空部内周面に前後方向に向けて形成された案内溝28に沿って進退移動可能に設けられている。ハンマ20は、後端部外周に円周方向に沿って半径方向に向けて凹状の溝21が形成されている。
【0025】
そして、ハンマカム14の凸部19とハンマ20の溝21とを係合させている。これにより、ハンマカム14の進退移動に伴ってハンマ20もハンマケージ9の中空部内周面に案内されて出力軸5に沿って前後方向に向けて進退移動するようになっている。
【0026】
ハンマ20は、前進した際に、出力軸5のアンビル17の外周端部に形成した凹部22に挿入される。これにより、ハンマ20は、アンビル17の凹部22との係合によって出力軸5を強制的に回転させ、出力軸5にインパクト(衝撃)を与えることができる。このインパクト時にハンマ20との係合によってアンビル17には出力軸5に沿って前方へ向けて作用する出力軸方向への荷重が掛かるが、その荷重を受けるために、スラストプレート23がアンビル17の前方に設けられている。
【0027】
スラストプレート23は、円環板状に形成されており、出力軸5の外周に回動自在に係入されている。
【0028】
インパクト発生機構2は、以上に説明したように構成しており、各部品(出力軸5、カムボールパイロット10、カムボール13、ハンマカム14、アンビル17、カムスプリング18、ハンマ20、スラストプレート23)は、出力軸5の前端部分を前方に向けて突出させた状態でハンマケージ9の中空部に収容されている。ハンマケージ9の前方開口には、ケージキャップ24が着脱自在に螺設されている。
【0029】
ケージキャップ24は、出力軸5の外周(スラストプレート23の前方)に回転シール25を介して設けられるとともに、ハンマケージ9の前方開口にパッキン26を介して設けられている。これにより、ケージキャップ24は、ハンマケージ9の中空部を密閉している。密閉されたハンマケージ9の中空部には、潤滑オイルが注入(封入)されている。
【0030】
そして、インパクト工具1では、出力軸5の前端を突出させた状態で上記各部品(出力軸5、軸受6,7、ハンマケージ9、カムボールパイロット10、カムボール13、ハンマカム14、アンビル17、カムスプリング18、ハンマ20、スラストプレート23、ケージキャップ24、回転シール25、パッキン26)をケーシング3の内部に収容している。
【0031】
しかも、インパクト工具1では、出力軸5のアンビル17とケージキャップ24とでスラストプレート23を挟持し、その一方で、ケージキャップ24とケーシング3との間に間隙27を形成している。
【0032】
これにより、インパクト工具1では、ハンマ20とアンビル17との係合時にスラストプレート23にかかる衝撃をケージキャップ24で受け止め、その衝撃が間隙27によってケーシング3には伝達しないようになっている。
【0033】
インパクト工具1は、以上に説明したように構成しており、締結作業時に出力軸5に負荷(トルク)が掛かっていない状態では、図1に示すように、駆動軸4の回転に伴ってハンマケージ9とカムボール13とハンマカム14とが回転し、ハンマカム14とスプライン結合された出力軸5が回転する。一方、出力軸5に負荷(トルク)が掛かっている場合には、図2に示すように、出力軸5とともにハンマカム14にも回転方向の負荷が掛かり、カムボール13とハンマカム14とが相対的に回転し、これにより、カムボール13がカム16を介してハンマカム14を前方に移動させ、ハンマカム14とともにハンマ20が前方に移動して出力軸5のアンビル17の凹部22に係合して、出力軸5を強制的に回転させるインパクト(衝撃)を与え(図2)、その後、カムスプリング18の付勢力でハンマ20及びハンマカム14が後退し(図1)、このハンマ20の進退移動によるインパクト動作を駆動軸4の回転が停止されるまで繰り返し行う。なお、図1及び図2では、説明を容易にするため1個のハンマ20と凹部22とを図示しているが、出力軸5の円周方向に2個のハンマ20と凹部22とが設けられている。
【0034】
このように、インパクト工具1では、締結作業時に、駆動軸4の回転に伴って回転と進退移動を繰り返すハンマ20を出力軸5のアンビル17に間欠的に係合させて出力軸5にインパクトを与えることで、締結具を所定のトルクで締結することができるようになっている。
【0035】
以上に説明したように、上記インパクト工具1は、駆動源に接続された駆動軸4と、駆動軸4に設けられた中空状のハンマケージ9と、ハンマケージ9の中空部に回動自在に設けられた出力軸5と、ハンマケージ9と共に回動するカムボール13と、出力軸5の後端を回動自在に保持するとともにカムボール13を回転方向に案内するカムボールパイロット10と、カムボール13の回転に伴って繰り返し出力軸5に沿って進退移動するハンマカム14と、ハンマカム14を後退させる方向に付勢するカムスプリング18と、ハンマカム14と共に進退移動し、前進によって出力軸5のアンビル17と係合するハンマ20と、ハンマ20との係合によるアンビル17の出力軸方向への荷重を受けるスラストプレート23と、出力軸5に回転シール25を介して設けられ、ハンマケージ9の中空部を密閉するケージキャップ24と、出力軸5の前端を突出させた状態で上記各部品を収容するケーシング3とを有し、アンビル17とケージキャップ24とでスラストプレート23を挟持する一方、ケージキャップ24とケーシング3との間に間隙27を形成して、ハンマ20とアンビル17との係合時にスラストプレート23にかかる衝撃をケージキャップ24で受け止めてケーシング3には伝達させないように構成している。
【0036】
そのため、上記構成のインパクト工具1では、作業者の身体に振動(衝撃)が伝達するのを防ぐことができるとともに、作業時に発生する騒音を低減することができ、これにより、作業時の安全性や作業環境を向上させることができる。
【0037】
また、上記インパクト工具1は、ケージキャップ24をハンマケージ9に着脱可能に取付けた構成となっている。
【0038】
そのため、上記構成のインパクト工具1では、ハンマケージ9の中空部に収容された出力軸5等の各部品のメンテナンスが容易なものとなり、これによっても、インパクト工具1(インパクト発生機構2)の故障や破損を防止することができる。
【0039】
また、上記インパクト工具1は、ケージキャップ24や回転シール25やパッキン26で密閉されたハンマケージ9の中空部に潤滑オイルを注入(封入)した構成となっている。
【0040】
そのため、上記構成のインパクト工具1では、ハンマ20とアンビル17との係合時(インパクト時)に発生する打撃音を潤滑オイルで低減させるとともに密閉したハンマケージ9の中空部内で封印させることができ、また、ハンマケージ9の中空部に収容された出力軸5等の各部品の回転や打撃が円滑なものとなり、インパクト工具1のメンテナンスの頻度を低減させることができ(メンテナンスフリーとすることが期待できる。)、インパクト工具1(インパクト発生機構2)の故障や破損を防止することができる(インパクト工具1の長寿命化が期待できる。)。また、ハンマケージ9の内部だけに潤滑オイルを充填することができるので、駆動源として電動モータを用いた場合には、ケーシング3に冷却用の開口を形成することもできる。
【0041】
インパクト工具においては、インパクト時に発生する打撃音が問題となるが、上記インパクト工具1では、インパクト時に係合するハンマ20やアンビル17をハンマケージ9に収容するとともに、ハンマケージ9を回転シール25やパッキン26で密閉し、内部にオイルを封入しているために、打撃音発生部がハンマケージ9の中で更にオイルで封印されていることでハンマケージ9とオイルとによる二重窓構造のような消音効果を発揮し、極端にインパクト工具1の低音化を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1 インパクト工具 2 インパクト発生機構
3 ケーシング 4 駆動軸
5 出力軸 6 軸受
7 軸受 8 角ドライブ
9 ハンマケージ 10 カムボールパイロット
11 貫通孔 12 凹部
13 カムボール 14 ハンマカム
15 貫通孔 16 カム
17 アンビル 18 カムスプリング
19 凸部 20 ハンマ
21 溝 22 凹部
23 スラストプレート 24 ケージキャップ
25 回転シール 26 パッキン
27 間隙 28 案内溝
【図1】
図1
【図2】
図2
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