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【考案の名称】動力発生装置(外部からのエネルギー供給を一切必要としない、また、環境負荷を発生しない動力発生装置) 【実用新案権者】 【識別番号】522051926 【氏名又は名称】割貝 直 【住所又は居所】茨城県笠間市大橋450番地 【代理人】 【識別番号】110001922 【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所 【考案者】 【氏名】割貝 直 【住所又は居所】茨城県笠間市大橋450番地 【要約】 【課題】重力と浮力を利用して回転体を連続的に回転させることができる動力発生装置を提供する。 【解決手段】動力発生装置は、気室と水室の間に設けた支点を軸として回転可能な円筒状のドラムと、前記気室と前記水室を仕切る隔壁と前記ドラムとの間で水漏れを抑止するシール部と、前記ドラムの側周面から突出又は側周面に収容可能な複数の回転体と、前記ドラムと前記回転体を伸縮可能に繋いだアームと、を有し、前記回転体のうち、気側の前記ドラムから突出したものは重力、水側の前記ドラムから突出したものは浮力により回転させ、前記隔壁において前記回転体を前記ドラムに収容させることで前記気室と前記水室の間を通過させる、ことを特徴とする。 【選択図】図3 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 気室と水室の間に設けた支点を軸として回転可能な円筒状のドラムと、 前記気室と前記水室を仕切る隔壁と前記ドラムとの間で水漏れを抑止するシール部と、 前記ドラムの側周面から突出又は側周面に収容可能な複数の回転体と、 前記ドラムと前記回転体を伸縮可能に繋いだアームと、を有し、 前記回転体のうち、気側の前記ドラムから突出したものは重力、水側の前記ドラムから突出したものは浮力により回転させ、前記隔壁において前記回転体を前記ドラムに収容させることで前記気室と前記水室の間を通過させる、 ことを特徴とする動力発生装置。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、重力と浮力を利用した動力発生装置に関する。 【背景技術】 【0002】 空間中の支点を軸として回転可能に延ばしたアームの先端に取り付けた物体は、支点での摩擦抵抗や空気抵抗が少なければ、重力の作用により一番上から一番下まで回動する。また、水中の支点を軸として回転可能に延ばしたアームの先端に取り付けた物体は、水に対する比重が1より小さければ、浮力の作用により一番下から一番上まで回動する。 【0003】 特許文献1に記載されているように、全くエネルギーを必要としない浮力と重力を利用したトルク発生システムの発明も開示されている。トルク発生システムは、回転体となる円筒形のドラム1と、浮体2と重り3をシャフトで結んだピストンによって構成され、ドラム1内は水などの液体で満たされる。ピストンは浮体2をドラムの内側に中心に向けて配置され、重り3はドラム1の外側に配置され、シャフトはスライドベアリングなどを使ったガイドによって支えられる。重り3は浮体2の浮力に応じて円滑に浮き上がるように調整される。ドラム1は密閉され、回転しやすいようにシャフト等によって固定される。上部の重り3は浮体2の浮力によって上に持ち上げられ、下部の重り3は引き上げられる。ドラム1は重力バランスによって回転が始まる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開2013−217356号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、特許文献1に記載の発明において、上部の重り3が浮体2の浮力によって持ち上げられた後、上部の重り3を下方に回動させるために横方向の力が必要となる。また、上部から下部に回動した重り3が、浮体2の浮力によって引き上げられるまでドラム1の回転は停止するので、連続的に回転させることが困難である。 【0006】 そこで、本考案は、重力と浮力を利用して回転体を連続的に回転させることができる動力発生装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記の課題を解決するために、本考案である動力発生装置は、気室と水室の間に設けた支点を軸として回転可能な円筒状のドラムと、前記気室と前記水室を仕切る隔壁と前記ドラムとの間で水漏れを抑止するシール部と、前記ドラムの側周面から突出又は側周面に収容可能な複数の回転体と、前記ドラムと前記回転体を伸縮可能に繋いだアームと、を有し、前記回転体のうち、気側の前記ドラムから突出したものは重力、水側の前記ドラムから突出したものは浮力により回転させ、前記隔壁において前記回転体を前記ドラムに収容させることで前記気室と前記水室の間を通過させる、ことを特徴とする。 【考案の効果】 【0008】 本考案によれば、重力と浮力を利用して回転体を連続的に回転させることができる。空室と水室の間で回転体をスムーズに移動させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0009】 【図1】本考案である動力発生装置の原理を説明する図である。 【図2】本考案である動力発生装置の回転体の構造を説明する図である。 【図3】本考案である動力発生装置の回転体の動作を説明する図である。 【図4】本考案である動力発生装置の回転体の収納を説明する図である。 【図5】本考案である動力発生装置の回転体の収納を説明する図である。 【図6】本考案である動力発生装置の回転体の収納を説明する図である。 【考案を実施するための形態】 【0010】 以下に、本考案の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。 【実施例1】 【0011】 まず、本考案である動力発生装置について説明する。図1は、動力発生装置の原理を説明する図である。図2は、動力発生装置の回転体の構造を説明する図である。図3は、動力発生装置の回転体の動作を説明する図である。図4〜6は、動力発生装置の回転体の収納を説明する図である。 【0012】 図1(a)に示すように、気室110は、水のない空気だけの空間であり、水室120は、水を入れた部屋である。気室110と水室120とは、隔壁130によって仕切られる。隔壁130の中間あたりには支点140が設けられ、支点140においてアーム300が貫通し、支点140を軸として回動可能である。 【0013】 気室110側のアーム300aの先端には回転体200aが取り付けられ、水室120側のアーム300bの先端には回転体200bが取り付けられる。アーム300aとアーム300bは同じ長さであり、回転体200aと回転体200bは、同じ形状及び重量で、水に対する比重が1より小さいものとする。 【0014】 図1(b)に示すように、気室110内の回転体200aには重力により下方に回転する力が働き、水室120内の回転体200には浮力により上方に回転する力が働く。なお、回転体200aと回転体200bは、隔壁130を通過できないので、隔壁130に当たって回転は止まる。 【0015】 図2(a)に示すように、中央に支点140が通る円筒状のドラム400を用いる。ドラム400は、支点140を軸として回転可能であり、側周面に複数の回転体200を設ける。回転体200は、ドラム400から切り抜いた形状(例えば、円弧状)であり、ドラム400に収容可能で、全ての回転体200が収容されたときドラム400の断面は円形となる。回転体200は、円周に沿って等間隔に偶数個(例えば、6個、8個など)設ければ良い。 【0016】 図2(b)に示すように、ドラム400には回転体200が嵌合可能なホルダ部410が空けられ、回転体200は、支点140から延びる方向に伸縮可能なアーム300を介してドラム400と連結している。アーム300を伸長させて回転体200をドラム400から突出、又はアーム300を収縮させて回転体200をホルダ部410に収容可能である。 【0017】 図3(a)に示すように、動力発生装置100は、気室110と水室120の間に設けた支点140を軸として回転可能な円筒状のドラム400と、気室110と水室120を仕切る隔壁130とドラム400との間で水120aが漏れるのを抑止するシール部150と、ドラム400の側周面から突出又は側周面に収容可能な複数の回転体200と、ドラム400と回転体200を伸縮可能に繋いだアーム300と、を有する。 【0018】 図3(b)に示すように、動力発生装置100は、回転体200のうち、気側のドラム400aから突出した回転体200aは重力、水側のドラム400bから突出した回転体200bは浮力により回転させ、隔壁130において回転体200をドラム400に収容させることで気室110と水室120の間を通過させる。 【0019】 ドラム400を空気中に配置したときは重力のバランスが取れているため自発的に回転しないが、水室120に水120aを入れることで水側の回転体200bに浮力を発生させることで重力のバランスが崩れ、ドラム400が支点140を軸として回転する。 【0020】 ドラム400は回転することから、シール部150を完全に封止することは困難であり、水室120から気室110へ水120aが漏れた場合、回収手段160により水120aを水室120に戻しても良い。なお、水室120において、下側のシール部150bは水中となるが、上側のシール部150aは水面よりも高い位置になっても良い。 【0021】 図4(a)に示すように、回転体200は、ガイドレール500を用いてドラム400のホルダ部410に押し込めば良い。なお、回転体200とホルダ部410の間にガイドピン510を挿して位置がずれないように調整しても良い。 【0022】 通常では回転体200はドラム400から突出した状態で、ガイドレール500に沿って押されることでホルダ部410に収容される。隔壁130を通過し、ガイドレール500から解放されると回転体200はドラム400から突出した状態に戻る。 【0023】 図4(b)に示すように、ホルダ部410からアーム300が出ており、アーム300の周りにコイルバネ310を被せて伸縮可能にする。回転体200のホルダ部410と接する側に軸溝210を空け、コイルバネ310を軸溝210に挿し込んでネジ320で固定する。アーム300の根元には磁石330を固定し、コイルバネ310を磁力で引き付ける。 【0024】 コイルバネ310は、螺旋状に巻かれたスプリングであり、収縮状態で維持し、解放すると伸長状態に戻る。強く引けば、ドラム400から回転体200を引き剥がすことができ、メンテナンス可能である。また、ホルダ部410側にピン溝420、回転体200側にピン溝220を空け、ガイドピン510を挿し込んでおくことで、位置ズレが抑制される。 【0025】 図5(a)に示すように、ガイドレール500の代わりに又は併用して、押込手段520を設けても良い。押込手段520は、プーリーの周りで複数のローラなどを回転させて回転体200を押し込めば良い。支点140とプーリーのシャフトをベルト等で連結した動力伝達手段530を用いて回転させても良い。ローラの数や間隔は回転体200が来るタイミングと合わせれば良い。 【0026】 図5(b)に示すように、回転体200をホルダ部410に押し込む際に、ホルダ部410に溜まった水120aを吐き出すために排水孔430を空けても良い。なお、回転体200がホルダ部410に収容されれば、排水孔430も塞がる。 【0027】 図6(a)に示すように、気室110にドラム400を配置して、水側400bの空間に水120aを入れ、気側400aの空間に水120aが流出しないようにしても良い。下側のガイドレール500及びシール部150bは必要だが、上側の隔壁130及びシール部150aは無くても良く、下側の回転体200aは収容するが、上側の回転体200bは収容しなくても良い。 【0028】 図6(b)に示すように、水120aがドラム400を越えなければ良く、ドラム400における上側の排水孔430から水側400bの空間に流れ落ちれば良い。また、ドラム400における下側の排水孔430は、回転体200が押し込まれることで塞がるので、気側400aの空間に水120aが流出しない。 【0029】 本考案によれば、重力と浮力を利用して回転体を連続的に回転させることができる。空室と水室の間で回転体をスムーズに移動させることができる。回転を動力として他へ伝達することができる。 【0030】 以上、本考案の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。 【符号の説明】 【0031】 100:動力発生装置 110:気室 120:水室 120a:水 130:隔壁 140:支点 150:シール部 160:回収手段 200:回転体 210:軸溝 220:ピン溝 300:アーム 310:コイルバネ 320:ネジ 330:磁石 400:ドラム 400a:気側 400b:水側 410:ホルダ部 420:ピン溝 430:排水孔 500:ガイドレール 510:ガイドピン 520:押込手段 530:動力伝達手段 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
【図6】 |
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