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【発明の名称】パーマネント方法を利用した発汗促進方法 【特許権者】 【識別番号】517206018 【氏名又は名称】小寺 浩市 【住所又は居所】愛知県名古屋市中川区万場2丁目204番地 【代理人】 【識別番号】100121784 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 稔 【発明者】 【氏名】小寺 浩市 【住所又は居所】愛知県名古屋市中川区万場2丁目204番地 【特許請求の範囲】 【請求項1】 毛髪を巻髪状態に保形するパーマネント方法を利用した発汗促進方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)であって、 毛細血管を刺激して発汗作用を促進する物質を含有する発汗促進剤を被処置者の頭皮に塗布する第1ステップと、 被処置者の毛髪に巻髪保形具を取り付けて巻髪状態を形成する第2ステップと、 巻髪保形具に取り付けられた毛髪に還元剤を含有するパーマ1剤を塗布して所定時間放置することにより当該毛髪を軟化させると共にシスチン結合を切断する第3ステップと、 巻髪保形具に取り付けられ軟化した毛髪に酸化剤を含有するパーマ2剤を塗布して所定時間放置することにより切断状態にあるシスチン結合を再結合させる第4ステップと、 シスチン結合が再結合した毛髪から巻髪保形具を取り外す第5ステップと、 巻髪保形具を取り外した毛髪を洗浄する第6ステップとを有し、 前記第1ステップにおいて、発汗促進剤を被処置者の頭皮に塗布した後に蒸タオルにて頭部を覆い、毛髪や頭皮の汚れを浮き出させて除去すると共に、発汗促進剤を活性化し、 前記第2ステップにおいて、未だパーマ1剤が塗布されていない被処置者の毛髪に巻髪保形具を取り付け、 前記第3ステップにおいて、パーマ1剤の塗布の後に蒸タオルにて頭部を覆い還元剤の温度を調節して活性化させると共に、毛髪や頭皮の汚れを更に浮き出させて除去し、 前記第4ステップにおいて、パーマ2剤を複数回分に小分けして各小分けしたパーマ2剤を巻髪状態にある毛髪に少なくとも10回以上にわたり塗布と拭き取りとを繰り返すことにより、パーマ2剤の塗布にある程度の時間を要して所定時間放置することで、頭皮からは活発な発汗作用が生じると共に、塗布と拭き取りに際して前記巻髪保形具に取り付けられた毛髪を介して頭皮に押圧刺激を与えることにより、被処置者の頭皮からの発汗が更に促進されることを特徴とするパーマネント方法を利用した発汗促進方法。 【請求項2】 前記第1ステップにおいて、発汗作用を促進する物質として毛細血管を刺激する効果のある桑根抽出液を含有する発汗促進剤を使用することを特徴とする請求項1に記載のパーマネント方法を利用した発汗促進方法。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、主に美容院などで処置されるパーマネント方法を利用した発汗促進方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 通常に行われているパーマネント方法は、2浴式パーマネント方法といわれ、パーマ1剤を用いる還元工程とパーマ2剤を用いる酸化工程とを行うことによりパーマネントを処置している。これらのパーマネント方法に関しては、例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2に説明されている。 【0003】 具体的には、まず、還元剤とアルカリ剤とを併用したパーマ1剤を塗布して毛髪を軟化させ、毛髪を構成するケラチンタンパク質を形成するポリペプチドとポリペプチドとを結合するシスチン結合を切断(還元)して2分子のシステインにした後に、毛髪をロッドに巻いてウェーブを形成させる。次に、酸化剤を主要成分としたパーマ2剤をウェーブした毛髪に塗布して、切断されたシスチン結合を再結合させてウェーブを固定させる。 【0004】 しかし、従来のパーマネント方法は、還元工程において、毛髪のタンパク質を軟化させてシスチン結合を切断するための還元剤、アルカリ剤を多く用いるため、毛髪を傷めてしまうという問題がある。また、この還元工程においては、毛髪だけでなく頭皮にもダメージを与えるという問題がある。更に、続く酸化工程においても、シスチン結合を再結合させるための酸化剤を多く用いるため、毛髪を傷めてしまうという問題がある。また、この酸化工程においても、毛髪だけでなく頭皮にもダメージを与えるという問題がある。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】特公平8−18959号公報 【特許文献2】特公平6−21052号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、頭皮のダメージを解消するには、血流やリンパの流れを促進し皮膚の新陳代謝を活発にすることが好ましい。これらの作用として、発汗を促進することが考えられる。人の頭皮には多くの汗腺や皮脂腺が存在する。人の汗腺には、脂質やタンパク質などを分泌する大汗腺(アポクリン腺)と主に水分を分泌する小汗腺(エクリン腺)とがあるが、頭皮には特に多くの汗腺が存在し小汗腺だけでも約250個/cm2もの数が存在するといわれている。また、頭皮や毛髪を乾燥から保護するために頭皮には皮脂腺が多く存在する。 【0007】 発汗の効果は、これまで多く紹介されてきた。例えば、体内に溜まっている老廃物や毒素を体外に出すデトックス効果がある。また、発汗には体調を整える働きがあり、ストレスや病気に対する抵抗力が増進する。また、リンパの流れを活発にして肩こりの解消などの効果もある。更に、発汗作用は、血液がドロドロになることを解消し、脳梗塞や動脈硬化になりにくい体を作るといわれている。 【0008】 そこで、デトックス効果、ストレスや肩こりの解消、病気に対する抵抗力の増進、脳梗塞や動脈硬化の予防の意味からに、発汗を促進することが推奨されている。例えば、運動による発汗促進作用、薬剤による発汗促進作用などが挙げられる。このうち、発汗促進作用のある薬剤(以下「発汗促進剤」という)としては、例えば、トウガラシ(カプサイシン)、ショウキョウ、ウイキョウ、海水乾燥物および塩類、ワサビ(シニグリン)の粉砕物及び抽出物及びその乾燥物、乾燥粉末及び又は高分子スクラブ剤等を挙げることができる。 【0009】 しかし、これらの発汗促進剤を皮膚に塗布するだけでは、発汗促進作用が不十分であった。これらの薬剤は、毛細血管を刺激して拡張する作用などが認められるが、これに加えてマッサージなどの物理的刺激を併用することが望ましいとされている。 【0010】 そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、パーマネント処置の際に同時に頭皮からの発汗を促進し、パーマネント処置でダメージを受けやすい頭皮の健康を維持すると共に、発汗促進作用による健康促進効果をも得ることのできるパーマネント方法を利用した発汗促進方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記課題の解決にあたり、本発明者は、鋭意研究の結果、パーマネント処置の際に使用する還元剤や酸化剤の量を極力少なくすると共に、酸化剤の処置を複数回に分けて行うと同時に頭皮に押圧刺激を与えることにより、予め頭皮に塗布した発汗促進剤の作用を十分に引き出せることを見出して本発明の完成に至った。 【0012】 即ち、本発明に係るパーマネント方法を利用した発汗促進方法は、請求項1の記載によると、 毛髪を巻髪状態に保形するパーマネント方法を利用した発汗促進方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)であって、 毛細血管を刺激して発汗作用を促進する物質を含有する発汗促進剤を被処置者の頭皮に塗布する第1ステップと、 被処置者の毛髪に巻髪保形具を取り付けて巻髪状態を形成する第2ステップと、 巻髪保形具に取り付けられた毛髪に還元剤を含有するパーマ1剤を塗布して所定時間放置することにより当該毛髪を軟化させると共にシスチン結合を切断する第3ステップと、 巻髪保形具に取り付けられ軟化した毛髪に酸化剤を含有するパーマ2剤を塗布して所定時間放置することにより切断状態にあるシスチン結合を再結合させる第4ステップと、 シスチン結合が再結合した毛髪から巻髪保形具を取り外す第5ステップと、 巻髪保形具を取り外した毛髪を洗浄する第6ステップとを有し、 前記第1ステップにおいて、発汗促進剤を被処置者の頭皮に塗布した後に蒸タオルにて頭部を覆い、毛髪や頭皮の汚れを浮き出させて除去すると共に、発汗促進剤を活性化し、 前記第2ステップにおいて、未だパーマ1剤が塗布されていない被処置者の毛髪に巻髪保形具を取り付け、 前記第3ステップにおいて、パーマ1剤の塗布の後に蒸タオルにて頭部を覆い還元剤の温度を調節して活性化させると共に、毛髪や頭皮の汚れを更に浮き出させて除去し、 前記第4ステップにおいて、パーマ2剤を複数回分に小分けして各小分けしたパーマ2剤を巻髪状態にある毛髪に少なくとも10回以上にわたり塗布と拭き取りとを繰り返すことにより、パーマ2剤の塗布にある程度の時間を要して所定時間放置することで、頭皮からは活発な発汗作用が生じると共に、塗布と拭き取りに際して前記巻髪保形具に取り付けられた毛髪を介して頭皮に押圧刺激を与えることにより、被処置者の頭皮からの発汗が更に促進されることを特徴とする。 【0015】 また、本発明は、請求項1に記載のパーマネント方法を利用した発汗促進方法であって、 前記第1ステップにおいて、発汗作用を促進する物質として毛細血管を刺激する効果のある桑根抽出液を含有する発汗促進剤を使用することを特徴とする。 【発明の効果】 【0016】 上記構成によれば、本発明に係るパーマネント方法を利用した発汗促進方法は、第1ステップ〜第6ステップによって毛髪を巻髪状態に保形する方法である。 第1ステップは、毛細血管を刺激して発汗作用を促進する物質を含有する発汗促進剤を被処置者の頭皮に塗布する。第2ステップは、被処置者の毛髪に巻髪保形具を取り付けて巻髪状態を形成する。第3ステップは、巻髪保形具に取り付けられた毛髪に還元剤を含有するパーマ1剤を塗布して所定時間放置することにより当該毛髪を軟化させると共にシスチン結合を切断する。第4ステップは、巻髪保形具に取り付けられ軟化した毛髪に酸化剤を含有するパーマ2剤を塗布して所定時間放置することにより切断状態にあるシスチン結合を再結合させる。第5ステップは、シスチン結合が再結合した毛髪から巻髪保形具を取り外す。第6ステップは、巻髪保形具を取り外した毛髪を洗浄する。 【0017】 また、上記構成によれば、第2ステップにおいて、未だパーマ1剤が塗布されていない被処置者の毛髪に巻髪保形具を取り付ける。 また、上記構成によれば、第3ステップにおいて、パーマ1剤の塗布の後に蒸タオルにて頭部を覆い還元剤の温度を調節して活性化させると共に、毛髪や頭皮の汚れを更に浮き出させて除去する。 また、上記構成によれば、第4ステップにおいて、パーマ2剤を複数回分に小分けする。この小分けしたパーマ2剤を巻髪状態にある毛髪に塗布と拭き取りとを繰り返す。このとき、塗布と拭き取りに際して前記巻髪保形具に取り付けられた毛髪を介して頭皮に押圧刺激を与える。このことにより、被処置者の頭皮からの発汗が促進される。 【0019】 また、上記構成によれば、第4ステップにおいて、小分けしたパーマ2剤を少なくとも10回以上にわたり塗布と拭き取りとを繰り返すようにしてもよい。このとき、各回の塗布と拭き取りに際して前記巻髪保形具に取り付けられた毛髪を介して頭皮に押圧刺激を与える。 【0020】 また、上記構成によれば、第1ステップにおいて、発汗作用を促進する物質として毛細血管を刺激する効果のある桑根抽出液を含有する発汗促進剤を使用するようにしてもよい。 【0021】 よって、本発明によれば、パーマネント処置の際に同時に頭皮からの発汗を促進し、パーマネント処置でダメージを受けやすい頭皮の健康を維持すると共に、発汗促進作用による健康促進効果をも得ることのできるパーマネント方法を利用した発汗促進方法を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】本発明に係るパーマネント方法を利用した発汗促進方法の処置フロー図である。 【発明を実施するための形態】 【0023】 本発明において、パーマネント処置に使用するパーマ1剤(還元剤)とパーマ2剤(酸化剤)は、一般に使用されている薬剤を使用すればよい。なお、パーマ1剤(還元剤)とパーマ2剤(酸化剤)の使用量は、頭皮への刺激を考慮して必要最小限の量とすることが好ましい。 【0024】 パーマ1剤は、例えば、還元剤としてチオグリコール酸(HSCH2COOH)塩を使用し、これにアルカリ剤を併用する。アルカリ剤としては、アンモニア(NH3)、モノエタノールアミン(HOCH2CH2NH2)、トリエタノールアミン((HOCH2CH2)3N)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸アンモニウム((NH4)2CO3)、重炭酸アンモニウム(NH4HCO3)等を使用すればよい。 【0025】 パーマ2剤は、例えば、酸化剤として臭素酸カリウム(KBrO3)、臭素酸ナトリウム(NaBrO3)、過ホウ酸ナトリウム(NaBO3・4H2O)、過酸化水素(H2O2)等を使用すればよい。 【0026】 また、本発明において、発汗促進作用に使用する薬剤は、特に限定するものではなく、発汗促進作用を得られる薬剤であればよい。但し、トウガラシ(カプサイシン)やワサビ(シニグリン)のような皮膚刺激性のある薬剤でなく、頭皮に優しい薬剤を使用することが好ましい。また、還元剤・酸化剤などと反応する可能性の低い薬剤を使用することが好ましい。 【0027】 そこで、本発明においては、発汗促進剤として、頭皮の育毛剤などとして広く使用されている各種ハーブなどを使用することが好ましい。なお、本実施形態においては、ハーブの一種である桑根エキス(桑根の抽出液)を使用した。この桑根エキスは、皮膚刺激性が低く、頭皮の毛細血管を刺激して血流を促進するとされている。 【0028】 ここで、本発明に係るパーマネント方法を利用した発汗促進方法をその工程(ステップ)に沿って説明する。図1は、本発明に係るパーマネント方法を利用した発汗促進方法の処置フロー図である。まず、第1ステップにおいて、頭皮への発汗促進剤の塗布を行う。本実施形態においては、発汗促進剤として桑根エキスを主成分とする市販の育毛剤を使用した。具体的には、桑根エキスを3〜5重量%、エチルアルコールを10〜15重量%、その他の成分として木酢液、酒石酸、椿オイルを含有する水溶液であった。この育毛剤の主成分である桑根エキスは、上述のように、頭皮の毛細血管を刺激して血流を促進するので発汗促進剤として作用する。 【0029】 第1ステップでは、この発汗促進剤を頭皮に刷り込むようにしてまんべんなく塗布する。次に、蒸タオルにて頭部を覆い、毛髪や頭皮の汚れを浮き出させる。浮き出た汚れは、覆っていた蒸タオルで拭い、再度、発汗促進剤を頭皮に刷り込むようにしてまんべんなく塗布する。この操作を複数回繰り返すことにより、毛髪や頭皮の汚れが除去されると共に、発汗促進剤を活性化することができる。 【0030】 次に、第2ステップにおいて、巻髪保形具(ロッド)に被処置者の毛髪を巻いてウェーブを形成させる。次に、第3ステップにおいて、巻髪保形具(ロッド)に取り付けられた毛髪へのパーマ1剤(還元剤)の塗布を行う。巻髪保形具に取り付けられた毛髪に還元剤を含有するパーマ1剤を塗布して所定時間放置することにより当該毛髪を軟化させると共にシスチン結合を切断する。 【0032】 なお、パーマ1剤(還元剤)の塗布の後に蒸タオルにて頭部を覆い還元剤の温度を調節して活性化させると共に、毛髪や頭皮の汚れを浮き出させる。ここで、所定時間とは、例えば、5〜15分程度放置することで、パーマ1剤(還元剤)の毛髪への浸透が進み毛髪の軟化とシスチン結合の切断が進行する。このように、毛髪にウェーブを形成した状態で所定時間放置することにより、毛髪に所定のウェーブをクセ付けできる(但し、この段階ではウェーブは固定されていない)。 【0033】 本実施形態においては、パーマ1剤(還元剤)としてチオグリコール酸塩とアルカリ剤を主成分とする市販の薬剤を使用した。なお、本実施形態においては、パーマ1剤(還元剤)による毛髪の損傷と頭皮へのダメージを緩和するために、必要最小限の量のパーマ1剤(還元剤)を使用した。本発明者の経験によれば、商品説明に記載されている使用量の1/3〜1/4の量で充分な効果を得ることができる。 【0034】 次に、第4ステップにおいて、毛髪へのパーマ2剤(酸化剤)の塗布と頭皮への押圧刺激とを繰り返す。なお、本実施形態においては、パーマ2剤(酸化剤)として臭素酸ナトリウムを主成分とする市販の薬剤を使用した。 【0035】 本実施形態においては、パーマ2剤(酸化剤)による毛髪の損傷と頭皮へのダメージを緩和するために、必要最小限の量のパーマ2剤(酸化剤)を使用した。従来のパーマネント処置においては、1回の塗布に30cc程度のパーマ2剤を使用し、これを2〜3回繰り返す(合計60〜90cc程度)。これに対して、本実施形態に係るパーマネント処置においては、1回の塗布に3〜5ccに小分けした少量のパーマ2剤を使用し、これを複数回繰り返す。なお、10回以上繰り返すことが好ましい(合計30〜80cc程度)。 【0036】 このように、パーマ2剤の塗布を必要最低限の量で複数回、好ましくは10回以上に分けて塗布することにより、酸化の効率を向上させ、毛髪の損傷と頭皮へのダメージを緩和することができる。具体的には、まず、ロッドに巻き付けられた毛髪からタオルなどを使用して薬剤を拭き取るようにする。本実施形態においては、この拭き取りの時にロッドに巻き付けられた毛髪を介して頭皮に押圧刺激を加えるようにする。この押圧刺激によって頭皮が物理的に刺激され、予め塗布されていた発汗促進剤の効果が増進されて活発な発汗効果が得られるようになる。 【0037】 次に、複数回に小分けしたパーマ2剤の1回分をロッドに巻き付けられた毛髪に塗布するようにする。本実施形態においては、この塗布の時にもロッドに巻き付けられた毛髪を介して頭皮に押圧刺激を加えるようにする。この押圧刺激によって頭皮が物理的に刺激され、予め塗布されていた発汗促進剤の効果が更に増進されて活発な発汗効果が得られるようになる。本実施形態においては、このような拭き取りと塗布とをパーマ2剤を小分けした回数だけ繰り返す。なお、この繰り返しの回数は、特に限定するものではないが、10回以上であることが好ましい。 【0038】 これらの押圧刺激の繰り返しの作用は、上述のように、塗布だけでは十分でない発汗促進剤の効果を大幅に増進することができる。このような拭き取りと塗布とを繰り返す間に、頭皮の毛細血管の血流が促進され新陳代謝を活発にする。また、リンパの流れを活発にして肩こりやストレスの解消などの効果も得られる。このように、パーマ2剤の塗布にある程度の時間を要して所定時間(例えば、30分以上)放置することで、頭皮からは活発な発汗作用が生じると共に、毛髪にはパーマ2剤(酸化剤)の作用によりシスチン結合が再結合され、毛髪に所定のパーマネントウェーブを固定・付与することができる。 【0039】 従来のパーマネント処置においては、パーマ2剤(酸化剤)の塗布後の放置時間は15分程度が限界であった。これは、多くの酸化剤を塗布することで毛髪や頭皮のダメージが大きく、長時間放置することができなかったからである。一方、本実施形態に係るパーマネント処置においては、少量(必要最低限の量)のパーマ2剤を更に小分けして使用し、拭き取りと塗布とを複数回繰り返す。そのため、パーマ2剤の塗布の所定時間を30分以上維持することができ、その間に頭皮からの発汗作用が更に促進される。 【0040】 次に、第5ステップにおいて、毛髪から巻髪保形具(ロッド)を取り外す。更に、第6ステップにおいて、毛髪の洗浄(洗髪)を行い毛髪や頭皮に着いたパーマ剤をよく洗い流す。パーマネントウェーブのかかり具合をチェックし、毛髪に十分にウェーブが付与されたことを確認した後、適宜ドライヤ乾燥やスタイリングなどを行う。 【0041】 以上のことから、本発明によれば、パーマネント処置の際に同時に頭皮からの発汗を促進し、パーマネント処置でダメージを受けやすい頭皮の健康を維持すると共に、発汗促進作用による健康促進効果をも得ることのできるパーマネント方法を利用した発汗促進方法を提供することができる。 |
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【図1】 |
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