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【発明の名称】親指用健康器具 【特許権者】 【識別番号】519278583 【氏名又は名称】大蔭 雅彦 【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区汲沢町163-5 【代理人】 【識別番号】100101557 【弁理士】 【氏名又は名称】萩原 康司 【代理人】 【識別番号】100096389 【弁理士】 【氏名又は名称】金本 哲男 【代理人】 【識別番号】100167634 【弁理士】 【氏名又は名称】扇田 尚紀 【代理人】 【識別番号】100187849 【弁理士】 【氏名又は名称】齊藤 隆史 【代理人】 【識別番号】100212059 【弁理士】 【氏名又は名称】三根 卓也 【発明者】 【氏名】大蔭 雅彦 【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区汲沢町163-5 【特許請求の範囲】 【請求項1】 底面が平坦に形成された本体部の正面と背面との間を貫通させて、親指を挿入させる穴を形成し、 前記穴の周囲を囲む位置に、前記本体部に埋め込んで、複数の磁石を配置し、 前記本体部の上面と前記本体部の一方の側面との間に位置する一方の上角部分を曲面に形成し、 前記穴の断面形状が楕円形であり、前記楕円形の長軸方向が、底面に垂直な垂線方向に対して、前記本体部の上角部分に曲面がある一方の側面に近づく方向に傾斜していることを特徴とする、親指用健康器具。 【請求項2】 前記磁石が柱状であり、前記磁石の長手方向と前記穴の長手方向が平行に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の親指用健康器具。 【請求項3】 前記磁石が柱状であり、前記磁石の長手方向と前記穴の長手方向が直角に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の親指用健康器具。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、親指に磁気を与えることにより、血行促進などの効果を図る親指用健康器具に関する。 【背景技術】 【0002】 人体に磁気を与えると、例えば肩凝りの改善等の効果が得られることが知られている。これは、ファラデーの電磁誘導の法則により、血液が磁束中を通過することで、血行促進が起こることなどに起因すると考えられる。 【0003】 従来、磁石を埋め込むことにより、指に磁気を与える医療効果を発揮させることを企図した指輪が開示されている(例えば特許文献1)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開平8−107937号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、人によっては指輪は窮屈に感じる場合があり、よりリラックスした状態で磁気効果が得られる健康器具の出現が望まれていた。 【0006】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、リラックスした状態で特に親指に磁気効果を与えることができる親指用健康器具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題を解決する本発明によれば、底面が平坦に形成された本体部の正面と背面との間を貫通させて、親指を挿入させる穴を形成し、前記穴の周囲を囲む位置に、前記本体部に埋め込んで、複数の磁石を配置し、前記本体部の上面と前記本体部の一方の側面との間に位置する一方の上角部分を曲面に形成し、前記穴の断面形状が楕円形であり、前記楕円形の長軸方向が、底面に垂直な垂線方向に対して、前記本体部の上角部分に曲面がある一方の側面に近づく方向に傾斜していることを特徴とする、親指用健康器具が提供される。 【0008】 この親指用健康器具において、前記磁石が柱状であり、前記磁石の長手方向と前記穴の長手方向が平行または直角に配置されていても良い。 【発明の効果】 【0009】 本発明の親指用健康器具によれば、リラックスした状態で特に親指に磁気効果を与えることができる。親指を流れる血液が磁束中を通過することで、血行促進が起こり、例えば肩凝りの改善等の効果が期待される。 【図面の簡単な説明】 【0010】 【図1】本発明の実施の形態に係る親指用健康器具の平面図である。 【図2】本発明の実施の形態に係る親指用健康器具の正面図である。 【図3】本発明の実施の形態に係る親指用健康器具の右側面図である。 【図4】穴に右手の親指を挿入した状態を示す、本発明の実施の形態に係る親指用健康器具の背面図である。 【図5】穴に右手の親指を挿入した状態を示す、本発明の実施の形態に係る親指用健康器具の左側面図である。 【図6】四角柱形状の各磁石の長軸(長手方向)が穴(指穴)の長手方向と直行するように配置した例(タイプ1)の説明図(正面図)である。 【図7】四角柱形状の各磁石の長軸(長手方向)が穴(指穴)の長手方向と直交するように配置した例(タイプ1)の平面図である。 【図8】穴の内部における磁束密度の測定位置の説明図である。 【発明を実施するための形態】 【0011】 以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。なお、各図において共通の構成要素には同じ符号を付することにより、重複した説明を省略する。 【0012】 図1〜5に示すように、本発明の実施の形態に係る親指用健康器具1は、概ね立方体の形状を有している。なお、説明のため、この実施の形態においては、親指用健康器具1の各面10〜15の向きを、図2を基準に次のように定義する。すなわち、図1において下側の面、図2において紙面上側の面、図3において左側の面、図5において右側の面を正面10と定義する。図1において上側の面、図3において右側の面、図4において紙面上側の面、図5において右側の面を背面11と定義する。図1において紙面上側の面、図2〜5において上側の面を上面12と定義する。図2〜5において下側の面を底面13と定義する。図1、2において右側の面、図3において紙面上側の面、図4において左側の面を右側面14と定義する。図1、2において左側の面、図4において右側の面、図5において紙面上側の面を左側面15と定義する。 【0013】 親指用健康器具1の本体部20の底面13は、平坦に形成されている。そのため、親指用健康器具1を、例えば机の上面などに安定して置くことができる。本体部20は、例えば木材、発泡樹脂、プラスチック、石膏等、加工が容易で軽量な材料で構成することが好ましい。 【0014】 親指用健康器具1の本体部20は、概ね立方体の形状であるが、本体部20の上面12と右側面14との間に位置する上角部分は曲面16に形成されている。なお、一例として、本体部20の上面12と右側面14との間に位置する上角部分を曲面16に形成した形態を示したが、本体部20の上面12と左側面15との間に位置する上角部分を曲面16に形成しても良いし、本体部20の上面12と右側面14との間に位置する上角部分、および、本体部20の上面12と左側面15との間に位置する上角部分の両方を曲面16に形成しても良い。 【0015】 親指用健康器具1の本体部20の正面10と背面11との間には、正面10から背面11まで貫通する穴21が形成されている。穴21は、親指A1を余裕をもって挿入させる大きさを有しており、正面10および背面11のいずれの側からも、穴21の内部に親指A1を挿入することができる。この穴21の深さ(長さ)は、親指A1全体を挿入できるように例えば50mm程度に設定されている。 【0016】 穴21の断面形状は楕円形であり、楕円形の長軸方向21aは、底面13に垂直な垂線方向13aに対して、本体部の右側面14に近づく方向に傾斜している。前述の曲面16は、このように楕円形の長軸方向21aが近づく方向にある本体部20の側面(右側面14)と上面12との間に位置する上角部分に、少なくとも形成されている。なお、この実施の形態では、楕円形の長軸方向21aは、底面13に垂直な垂線方向13aに対して、約20°の大きさで右側面14に近づく方向に傾斜している。 【0017】 穴21の周囲には、穴21の周囲をほぼ一定の間隔で囲むように、複数の磁石22が本体部20の内部に埋め込まれて配置されている。磁石22は、例えば四角柱形状のネオジウム磁石等であり、各磁石22の長軸が穴21の長手方向と平行となり、磁極が穴21の中心に向かうように配置されている。また、穴21の内面から各磁石22までの距離がほぼ一定となるように配置されている。 【0018】 以上のように構成された本発明の実施の形態に係る親指用健康器具1において、図4、5に示すように、本体部20の正面10の側から穴21に親指A1を挿入する。そして、人差し指A2、中指A3、薬指A4、小指A5で、本体部20の上面12と右側面14との間の上角部分に形成された曲面16を包み込むようにして、親指用健康器具1の本体部20を保持する。なお、図4、5では、右手の親指A1に親指用健康器具1を装着した状態を例にして説明している。 【0019】 このように、右手の親指A1に親指用健康器具1を装着した状態では、必然的に本体部20の底面13が下側となる。そのため、右手の親指A1に装着した親指用健康器具1を、例えば机の上面などに安定して置くことができる。また、このように、穴21に親指A1を挿入すると、穴21の周囲に埋め込まれている複数の磁石22が、親指A1の周りを取り囲むように配置されることとなる。これにより、リラックスした状態で親指A1に磁気効果を与えることができる。親指A1を流れる血液が複数の磁石22で形成された磁束中を通過することで、血行促進が起こり、例えば肩凝りの改善等の効果が期待される。 【0020】 ここで、一般的に人の親指A1の断面形状は真円ではなく、横に扁平した楕円形になっている。本発明の実施の形態に係る親指用健康器具1では、穴21の断面形状が、一般的な人の親指A1の断面形状に近い楕円形であり、図4、5に示すように、本体部20の正面10の側から穴21に親指A1を挿入して、人差し指A2〜小指A5で、本体部20の上面12と右側面14との間の上角部分に形成された曲面16を包み込むようにして親指用健康器具1を保持すると、横に扁平した親指A1の断面形状のなす楕円形の長軸方向が、穴21の断面形状のなす楕円形の長軸方向21aにほぼ一致することとなる。このため、横に扁平した親指A1の全体を、断面形状が楕円形の穴21の内面全体で包み込むように保持することが可能となる。 【0021】 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。 【0022】 例えば、図4、5に示す例では、本体部20の正面10の側から穴21に右手の親指A1を挿入することにより、右手の親指A1に親指用健康器具1を装着した状態を説明した。しかしながら、この親指用健康器具1にあっては、本体部20の背面11の側から穴21に左手の親指A1を挿入することにより、同様にして、左手の親指A1に親指用健康器具1を装着することが可能である。 【0023】 図1〜5では、複数の磁石22の長軸が穴21の長手方向と平行となるように配置した例を説明した。しかしながら、磁石22の配置の方向は、穴21の長手方向と平行には限られない。図6は、四角形状の各磁石22の長軸(長手方向)が穴21(指穴)の長手方向と直交するように配置した例の説明図である。図7は、図6に示した各磁石22の配置を示す平面図である。各磁石22の長軸(長手方向)が穴21(指穴)の長手方向と直角になるように配置しても良い。このように、各磁石22の長軸(長手方向)が穴21(指穴)の長手方向と直角である場合、いわゆる多極式となり、クラスター化(集団化)している血液成分にスピン現象を生じさせ、微粒子化・活性化が期待できる。なお、図6、7では、穴21を挟んで互いに反対側に配置される磁石22の対において、一方の磁石22をN極が穴21に向かう磁石(22a)、他方の磁石22をS極が穴21に向かう磁石(22b)とし、穴21に沿って合計で三対の磁石22(22a、22b)を配置した例を示している。また、穴21の一方側(図6において、穴21の左側では、穴21に沿って、N極が穴21に向かう磁石(22a)、S極が穴21に向かう磁石(22b)、N極が 穴21に向かう磁石(22a)を順に並べて配置し、穴21の右側では、穴21に沿って、S極が穴21に向かう磁石(22b)、N極が穴21に向かう磁石(22a)、S極が穴21に向かう磁石(22b)を順に並べて配置した構成になっている。いわゆる3極式の配置である。 【実施例】 【0024】 (実施例1) まず、磁石22の配置の向きについて検討を行った。タイプ1では、図6、7で説明した形態と同様に、四角形状の各磁石22の長軸(長手方向)が穴21(指穴)の長手方向と直交するように配置した。なお、実施例1のタイプ1では、穴21に沿って合計で四対の磁石22(22a、22b)を配置し、いわゆる4極式の配置とした。 一方、タイプ2では、図1〜5で説明した形態と同様に、四角形状の各磁石22の長軸(長手方向)が長手方向と平行となり、磁極が穴21の中心に向かうように配置した。 【0025】 これらタイプ1、2について、図8に示すように、穴21の内部における本体部20の正面10からの深さ0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50(mm)の各位置において、穴21の右側a1、中心部a2、左側a3で、それぞれ磁束密度(mT)を測定した。タイプ1についての測定結果を表1に示す。タイプ2についての測定結果を表2に示す。これら表1、2の比較から、各磁石22の長軸(長手方向)が穴21(指穴)の長手方向と平行となるように配置した場合、特に穴21の中心部a2で磁束密度が高くなった。また、タイプ1に比べて、タイプ2では、穴21の右側a1、中心部a2、左側a3における磁束密度のばらつきを小さくできた。 【0026】 【表1】 【0027】 【表2】 【0028】 (実施例2) 次に、図1〜5で説明した本発明の実施の形態にかかる親指用健康器具1を実際に用いて、血行促進に関する効果を調べた。図4、5に示すように、右手の親指A1に親指用健康器具1を装着した状態で、経時的に血圧と脈拍数の変化を調べた。測定結果を表3に示す。血圧については概ね時間とともに低下する傾向がみられた。また、脈拍数についても時間とともに低下する傾向がみられた。 【0029】 【表3】 【符号の説明】 【0030】 1 親指用健康器具 10 正面 11 背面 12 上面 13 底面 13a 垂線方向 14 右側面 15 左側面 16 曲面 20 本体部 21 穴 21a 長軸方向 22 磁石 A1 親指 A2 人差し指 A3 中指 A4 薬指 A5 小指 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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本案件「親指用健康器具」は、永久磁石を本体内部に配置した、厚生労働省告示で指定する管理医療機器の「家庭用永久磁石磁気治療器」に該当します。 液体を、特に水を磁気で活性化させる機器は多くみられますし、本案件同様に磁気応用による血行良化を目的とした機器も多くみられます。 一方、指には動脈と静脈が通っています。すなわち血流が存在し、ファラデーの電磁誘導の法則が適用できることに着目した考案です。 試作品では永久磁石のN極S極を対極させて4組8個配置し(出願図1から5)親指挿入穴の長手方向中心部の簡易測定で78から94 mT(ミリテスラ)また、外周付近で110から170 mTの磁束密度を確認しています。 写真や図に見るように形状は親指を挿入し、手のひらで包み込みやすいように一つの角を曲面としています。 試作品は、木工用5軸のマシニングセンターで作成、材料は国産檜の集成材とし、底面にはフェルト布を施し、机上で用いて檜の香りが楽しめるようにしております。 写真は、親指挿入穴の径が異なり、また赤とブルーの底面フェルトの品は出願図6と7を示しています。 |
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