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健康・医療
 
【発明の名称】健康器具
【出願人】
【識別番号】509119496
【氏名又は名称】吉井 昭
【住所又は居所】奈良県奈良市学園北2丁目12−28−6
【代理人】
【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
【代理人】
【識別番号】100163670
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 裕史
【発明者】
【氏名】吉井 昭
【住所又は居所】奈良県奈良市学園北2丁目12−28−6
【要約】
【課題】 簡易な構造を採用するとともに、腕、脚部並びに腹部の筋肉に共に適用可能で多機能鍛練効果を達成する健康器具を提供する。
【解決手段】底枠体と、鉛直方向に対して傾斜して前記底枠体に固着される一対の横枠体と、前記底枠体から立設され前記横枠体を支持する支持枠体と、前記一対の横枠体を連結する連結体と、前記横枠体の傾斜と平行する長部を有する長孔を形成して前記連結体に設けられるカバー体と、前記長孔に対して水平方向に挿通されて前記長孔に沿って可動可能に設置されるハンドルと、前記ハンドルに連結されるとともに前記ハンドルの可動に伴い抵抗力を生じさせる抵抗付加機構と、前記ハンドルの可動域が形成する仮想平面上であって、前記一対の横枠体の間に配置されるとともに水平方向に対して傾斜して前記底枠体に設けられる踏板とを備えることを特徴とする健康器具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底枠体と、
鉛直方向に対して傾斜して前記底枠体に固着される一対の横枠体と、
前記底枠体から立設され前記横枠体を支持する支持枠体と、
前記一対の横枠体を連結する連結体と、
前記横枠体の傾斜と平行する長部を有する長孔を形成して前記連結体に設けられるカバー体と、
前記長孔に対して水平方向に挿通されて前記長孔に沿って可動可能に設置されるハンドルと、
前記ハンドルに連結されるとともに前記ハンドルの可動に伴い抵抗力を生じさせる抵抗付加機構と、
前記ハンドルの可動域が形成する仮想平面上であって、前記一対の横枠体の間に配置されるとともに水平方向に対して傾斜して前記底枠体に設けられる踏板とを備えることを特徴とする健康器具。
【請求項2】
前記抵抗付加機構は、
前記カバー体内に設けられる当接ブロックに対して、前記横枠体の傾斜と平行して挿通されるロッドにおける前記当接ブロックの上端から突出する前記ロッドの一端部に第1保持体を設け、前記当接ブロックの下端から突出する前記ロッドの他端部に第2保持体を設けてなり、前記第2保持体と前記当接ブロックとの間に抵抗付加を生じさせる弾性部材を設置し、前記第1保持体と前記第2保持体のいずれか一方に前記ハンドルを連結する請求項1に記載の健康器具。
【請求項3】
前記横枠体は、調節手段を有する第1横枠体と第2横枠体とから構成される請求項1又は請求項2に記載の健康器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕、脚部及びに腹部の筋肉に共に適用可能な多機能鍛練効果を達成する健康器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康維持に対する意識の高まりから、積極的に肉体トレーニングを行う者が増加しており、トレーニングマシンを使用することによって、筋肉等に負荷をかけ、筋力を増強したり、筋持久力を向上を行っている。例えば、ユーザが上肢、上半身、スクワット運動等の多岐に亘る運動を行うことができる運動装置が公知である(特許文献1参照)。
【0003】
上記構造では、ユーザはシート部に座り且つ、ハンドルを把持して、上半身の運動を行うことができるものである。一方、スクワット及び同様の運動を行う際には、シート部背もたれ部を最初に回転させて係止し、その後に緩衝式の円筒状パッドを2つの中間アーム部分の間に配置させた構造とする。そして、中間アーム部分を把持しつつ、足を足支持体に配置し、前方に傾けながら、立ち上がり、当該アームを力抵抗器の力に抗して上方に押し、スクワット及び同様の運動を行うことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−220978号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のとおり、当該構造上において上半身の運動と、スクワット及び同様の運動とは同様の形態で行うことができないものである。また、アームを介してシート部と対向する位置にてスクワット及び同様の運動を行うことから、折り畳み構造を有するとはいえ、当該装置は大型なものとなり、設置スペースが懸念されるものであった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するものであって、簡易な構造を採用するとともに、腕、脚部並びに腹部の筋肉に共に適用可能で多機能鍛練効果を達成する健康器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明の請求項1に記載の健康器具は、底枠体と、鉛直方向に対して傾斜して前記底枠体に固着される一対の横枠体と、前記底枠体から立設され前記横枠体を支持する支持枠体と、前記一対の横枠体を連結する連結体と、前記横枠体の傾斜と平行する長部を有する長孔を形成して前記連結体に設けられるカバー体と、前記長孔に対して水平方向に挿通されて前記長孔に沿って可動可能に設置されるハンドルと、前記ハンドルに連結されるとともに前記ハンドルの可動に伴い抵抗力を生じさせる抵抗付加機構と、前記ハンドルの可動域が形成する仮想平面上であって、前記一対の横枠体の間に配置されるとともに水平方向に対して傾斜して前記底枠体に設けられる踏板と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の健康器具は、請求項1に記載の健康器具において、前記抵抗付加機構は、前記カバー体内に設けられる当接ブロックに対して、前記横枠体の傾斜と平行して挿通されるロッドにおける前記当接ブロックの上端から突出する前記ロッドの一端部に第1保持体を設け、前記当接ブロックの下端から突出する前記ロッドの他端部に第2保持体を設けてなり、前記第2保持体と前記当接ブロックとの間に抵抗付加を生じさせる弾性部材を設置し、前記第1保持体と前記第2保持体のいずれか一方に前記ハンドルを連結するものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の健康器具は、請求項1又は請求項2に記載の健康器具において、前記横枠体は、調節手段を有する第1横枠体と第2横枠体とから構成されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の健康器具では、使用時にユーザの全身を傾斜させた姿勢とし、傾斜方向に沿うようにして上方へハンドルを可動させ、抵抗付加機構により弾性抵抗を生じさせて各種筋肉の鍛錬を行うので、傾斜姿勢の全身を両腕で支持し自重を付加させた状態で鍛錬を行うことができる。これにより、自重を両腕で支持する際に使用する腕、腹筋、背筋等をより積極的に鍛錬することができる。
【0011】
また、横枠体は調節手段を有するので、ハンドルから踏板までの距離を調節することで、鍛錬方法を変更することができ、各種脚部の筋肉も鍛錬することができる。これにより、各種の鍛錬における同器具の設置スペースの問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例における健康器具の斜視図である。
【図2】本発明の実施例における健康器具のハンドルを持ち上げる前の使用状態を示す側面図である。
【図3】本発明の実施例における健康器具のハンドルを持ち上げた後の使用状態を示す側面図である。
【図4】本発明の実施例における健康器具の図2のα部拡大図である。
【図5】本発明の実施例における健康器具の図3のβ部拡大図である。
【図6】本発明の実施例における健康器具の抵抗付加機構の拡大平面図である。
【図7】本発明の実施例における健康器具の抵抗付加機構の一部省略拡大正面図である。
【図8】本発明の実施例における健康器具の別仕様の抵抗付加機構の一部省略拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態における健康器具を図面に基づいて説明する。当該健康器具において、健康器具を使用するユーザの頭部側を上方とし、脚部側を下方とする。また、当該ユーザの前面方向を前方とし、背面方向を後方とする。
【実施例】
【0014】
本発明に係る健康器具は、図1に示すように、床面に設置される底枠体10に鉛直方向に対して傾斜させた状態で固着される横枠体20に連結体50を介してハンドル70に連結される抵抗付加機構80を備えるとともに、抵抗付加機構80の後方であって斜め下方に床面から傾斜させた踏板90を備え、ユーザが傾斜姿勢状態で腕、脚部並びに腹部等の各種筋肉を鍛錬することができるものである。当該健康器具は、軽量化を図る為、各枠体等の材質にはアルミフレームが採用され、各枠体等の角部には緩衝材(図示しない)を設けることが望ましい。
【0015】
底枠体10は、ユーザが進入できる所定幅を有して左右底枠体11が配置され、当該左右底枠体11の前後端部に前方底枠体12と後方底枠体13が固着されて、略長形状となる。前方底枠体12、後方底枠体13の両端部を左右底枠体11から突出させることで底枠体10の安定性を向上させることもできる。
【0016】
横枠体20は、鉛直方向に対して傾斜させた状態で底枠体10に固着されるとともに、底枠体10から立設される一対の支持枠体30により、傾斜状態が支持されてなる。本実施例において、床面に対する傾斜角度は例えば64度とされる。傾斜角度については後述する。また、支持枠体30には、補強の為の補強片40が固着される。横枠体20の上方端部は、連結体50によって連結される。
【0017】
横枠体20は、第1横枠体21と第2横枠体22とから構成される。第1横枠体21と第2横枠体22には、長手方向に夫々対応する複数個の調節孔23が設けられており、第1横枠体21の内部に収納される第2横枠体22はネジ等の固着手段24によって固着される。調節孔23は、例えば2.5cm刻みで設けられる。これにより、第2横枠体22の設置位置を調節することで、横枠体20の全長を適宜変更することができる。
【0018】
連結体50には、図6に示すように、平面視が略コ字状に形成され、内部空間を有するカバー体60が設けられる。カバー体60の両側面には、長孔61が形成される。長孔61は、長部が横枠体20の傾斜と平行になるようにして形成される。長孔61には、ハンドル70が水平方向に挿通され、当該ハンドル70は長孔61に沿って可動可能となる。また、図2から図6に示すように、ハンドル70には、抵抗付加機構80が連結される。
【0019】
抵抗付加機構80は、ハンドル70の可動に伴い弾性抵抗を生じさせるものである。具体的には、図4から図7に示すようにして、カバー体60の内側に固着される当接ブロック81に対して、スリーブ82を有するロッド83を挿通可能に設置する。ロッド83は、横枠体20の傾斜と平行になるようにして挿通される。
【0020】
ロッド83の上端部は、当接ブロック81の上方から突出した状態でハンドル70の略中央部に設置される第1保持体84が固着される。一方、ロッド83の下端部は、当接ブロック81の下方から突出した状態でネジ等の固着手段によりロッド83の径より大きい第2保持体85が固着される。
【0021】
そして、当接ブロック81と第2保持体85との間には、ロッド83の軸線方向に沿って弾性変形する弾性部材86が設けられる。このとき、弾性部材86の付勢により、ハンドル70は長孔61の下方側に位置した状態となる。
【0022】
本実施例においては、弾性部材86はバネを採用するが、これに限られることなく、オイルダンパー、合成ゴム、弾性を有する合成樹脂等を採用することができるのは勿論である。弾性抵抗についても、適宜変更できるのは同様である。
【0023】
すなわち、本実施例においては、当接ブロック81と第2保持体85との間に弾性部材86を設け、ハンドル70を長孔61に沿って斜め上方に可動させることで、弾性部材86を圧縮し弾性抵抗を生じさせることができる構造であればよい趣旨である。例えば、第1保持体84は、ハンドル70と一体に設けることもできるし、第2保持体85はロッド83と一体に設けることもできるし、更に当接ブロック81はカバー体60と一体に設けることもでき、これらに限られるものではない。
【0024】
踏板90は、図1から図3に示すように、抵抗付加機構80の斜め下後方に床面から傾斜させて設けられる。具体的には、ハンドル70の可動域が形成する仮想平面上に踏板90が位置するようにして底枠体10に設置される。当該傾斜においては、踏板90の平面と横枠体20とのなす角度が100度前後となることが望ましい。これにより、脚部が後方に滑る虞がなくなり、ユーザは適度な傾斜姿勢を保持することができる。また、踏板90の前方端部には、当接枠体91が設けられる。
【0025】
このようにして構成される健康器具は、以下のようにしてユーザにより使用される。まず、腕、腹筋、背筋を鍛錬する方法について示す。図2に示すように、ハンドル70を把持した状態で踏板90に両脚部を置くと、ユーザの全身は傾斜した姿勢となる。このとき、ユーザの両肘、両膝が伸びきっていない姿勢を確保する必要がある。ユーザに対してハンドル70の位置が好ましくないときは、調節手段によって横枠体20の全長を調節する。
【0026】
そして、ハンドル70を長孔61に沿って斜め上方に可動させると、弾性部材86が圧縮され、弾性抵抗を生じる。当該状態において、ユーザは傾斜姿勢の全身を両腕で支持し、自重を付加させた状態で更に弾性抵抗が付加されるので、腕、腹筋、背筋を鍛錬することができる。
【0027】
次に、ふくらはぎ等の各種脚部の筋肉も同時に鍛錬する方法を示す。上記と相違して、ユーザの両肘、両膝が伸びきった姿勢を確保する必要がある。ユーザに対してハンドル70の位置が好ましくないときは、同様にして横枠体20の全長を調節する。同状態からハンドル70を可動させるには、ユーザはつま先で踏板90を蹴り上げなければならない。すなわち、ユーザは背伸びをした状態となる。当該状態においては、上記手、腕、腹筋、背筋に加えて各種脚部の筋肉も鍛錬することができる。
【0028】
また、床面に対する横枠体20における傾斜角度を更に小さく設定すれば、更に自重を付加させた状態で鍛錬することができる。更に、弾性抵抗を調節することで、ユーザに適した状況で各種筋肉の鍛錬を行うことができる。
【0029】
以上、説明した本発明に係る健康器具によれば、横枠体20を傾斜させるという簡易な構造を採用し、使用時にユーザの全身を傾斜させた姿勢とし、傾斜方向に沿うようにして上方へハンドル70を可動させ、抵抗付加機構80により弾性抵抗を生じさせて各種筋肉の鍛錬を行うので、傾斜姿勢の全身を両腕で支持し自重を付加させた状態で鍛錬を行うことができる。これにより、自重を両腕で支持する際に使用する腹筋、背筋等をより積極的に鍛錬することができる。
【0030】
また、横枠体に設けられる調節手段により、同器具の形態を大きく変更することなく、各種筋肉を鍛錬することができるので、設置スペースの問題を解消することができる。
【0031】
当該発明は、上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、形状、寸法、材質等を適宜変更して実施することが可能である。また、一部構成を省略することができるし、一部抽出した構成とすることができるのは勿論である。
【0032】
例えば、図8に示すようにして、ハンドル70の取付位置について第1保持体84と第2保持体85の配置を置換した構造とすることもできる。具体的には、カバー体60の内側に固着される当接ブロック81に対して、スリーブ82を有するロッド83を挿通可能に設置する。ロッド83の上端部には、当接ブロック81の上方から突出した状態でネジ等の固着手段によりロッド83の径より大きい第1保持体84を固着する。一方、ロッド83の下端部には、当接ブロック81の下方から突出した状態でハンドル70の略中央部に設置される第2保持体85を固着する。
【0033】
そして、当接ブロック81と第2保持体85との間に、ロッド83の軸線方向に沿って弾性変形する弾性部材86を設ける。これにより、ハンドル70を長孔61に沿って斜め上方に可動させることで、弾性部材86を圧縮し弾性抵抗を生じさせることができるので、上記実施例と同様の抵抗付加機構とすることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 底枠体
20 横枠体
21 第1横枠体
22 第2横枠体
23 調節孔
30 支持枠体
50 連結体
60 カバー体
61 長孔
70 ハンドル
80 抵抗付加機構
81 当接ブロック
83 ロッド
84 第1保持体
85 第2保持体
86 弾性部材
90 踏板
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
【図8】
図8 
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