閉じる
健康・医療
 
【考案の名称】手袋形の手の介護用品
【実用新案権者】
【識別番号】507030852
【氏名又は名称】藤本 フサ
【住所又は居所】千葉県千葉市若葉区若松台3−29−5
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100085039
【氏名又は名称】佐藤 良博
【考案者】
【氏名】藤本 フサ
【住所又は居所】千葉県千葉市若葉区若松台3−29−5
【要約】
【構成】
手の指と指との間に介装される介装部101と手の平に当接する当接部100と介装部101と介装部101との間に架設された架設部102と下端部に設けた手首固定バンド部103とを有してなることを特徴とする手袋形の手の介護用品1。
【効果】
脳梗塞などで手指に硬直症状を来している人に対し有効で、指と指の間が付着しそこに汗をかいたり、手の平に汗をかいたりして、手を清潔に保てなかったり、手がただれたり、手指の血の循環が悪くなったり、水虫が発生したりすることを防止でき、手袋形で、当該患者への装着が楽で、患者の手から脱れ難く、そのリハビリ効果も高い。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
手の指と指との間に介装される介装部と手の平に当接する当接部と前記介装部と介装部との間に架設された架設部と下端部に設けた手首固定バンド部とを有してなることを特徴とする手袋形の手の介護用品。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、手袋形の手の介護用品に関し、特に、脳梗塞、脳卒中などにより手の指が硬直し手が握られたままで動かせないような患者の当該手指の指間を広げたり、手の清潔を確保したり、手が動かせるようにリハビリしたりする時等に使用できる介護用品に関するものである。
【背景技術】
脳梗塞、脳卒中などで手指に硬直症状を来している人は、自分の意志で自由に手を動かすことができず、指が硬く握り締められた状態になっている。その為、指と指の間が付着しそこに汗をかいたり、手の平に汗をかいたりして、手を清潔に保てなかったり、手がただれたり、手指の血の循環が悪くなったり、水虫が発生したりする。
そこで、木炭にガ−ゼを巻いた介護具を握らせたり、手の指が入る複数の突部を有する手の平汗吸収具を手の平の中に握らせてクリップバンドで手の平に固定して使用する手の平汗吸収具が提案され(実公平7−15543号公報)、クッション本体の内部に緩衝体を入れた掌握クッションを手の平の中に握らせ、側方掛止帯で手の平に固定するものが提案され(特開2001−252341号公報)、環状固定部に指を通し、本体を手に握り親指接部が移動した時にその親指の移動を阻止できるように親指移動阻止部を設けてなる手の介護具が提案され(特開2004−358186号公報)、突出部を指の間に入れ手の平に握り部を握り込んで、バンド状部で手の平に固定するようにした保護具(特開2004−201976号公報)等が提案されている。
これら介護用品は、共通して手の平の中に握り込ませて、上記した手の清潔を保持する等の目的を果たすものである。
しかるに、脳梗塞、脳卒中などで手指に硬直症状を来している人は、自分の意志で自由に手を動かすことができず、指が硬く握り締められた状態になっているので、手の平の中に当該握り形の介護用品を握り込ませることは容易ではない。
一方、手の平に当接する塊部と隣り合う指の間に嵌入する突出部とを有し、当該塊部を手の平に当接し、隣り合う各指の間に突出部を嵌入するようにした手袋形の身障者用介護用品が提案されている(特開2004−358186号公報)。
当該手袋形の介護用品は、その突出部を指の間に介装し、その塊部を手の平に当接していればよいので、患者にとっても苦痛が軽減され、又、介護者もその患者への装着が楽である。
しかるに、当該介護用品では、その塊部は手の平に当接されいるだけで手に固定されておらず、指の間に突出部が介装されそれが唯一の手への固定手段となっているので、患者の手から脱れ易く、介護者や看護師等が何度もの装着を余儀なくされたりする。即ち、患者に装着させて、眠らせ、その間指と指の付着を防ぎ、汗を吸収させ、手の清潔を保持させる等の役目を果たさせ、次いで、朝目が覚めたときに、手や指の動きを助けようとしても、手から脱れてしまうことになり、充分な機能を果たせないことがある。
同様の手袋形の身障者用介護用品として、指状の突起の被握部とベルトとで構成された指まくらが提案されているが(特開2002−143198号公報)、当該介護用品における当該ベルトは、手の平に固定するもので、手の平に固定するだけなので、同様に、手から脱れ易いという欠点がある。
尚、手の平を覆う覆い部とリング部と固定部とを備えてなる手指間の蒸れ防止具が特開2001−271211号公報により提案されており、当該手指間の蒸れ防止具は指と指の付着を防ぎ、汗を吸収する等の上記と同様の機能を果たせなくはないが、当該手指間の蒸れ防止具は、点滴時のカテ−テルを手に固定する時に使用するもので、事実、上記の手袋形の介護用品とは異なって、手袋として手全体に装着し、しかも、前記リング部は指を通して使用するもので、又、その固定部はカテ−テルを手首に固定する為のもので、前記したような、脳梗塞、脳卒中などにより手の指が硬直し手が握られたままで動かせないような患者の当該手指の指間を広げたりして手の清潔を確保したり、手が動かせるようにリハビリしたりする時等に使用できる介護用品とは異なるものである。
【特許文献1】
実公平7−15543号公報、特開2001−252341号公報、特開2004−358186号公報、特開2004−358186号公報、特開2004−201976号公報、特開2004−358186号公報、特開2002−143198号公報、特開2001−271211号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記従来技術の有する欠点を解消するができる技術を提供することを目的としたものである。
本考案の他の目的や新規な特徴については本件明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
本考案の実用新案登録請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1)手の指と指との間に介装される介装部と手の平に当接する当接部と前記介装部と介装部との間に架設された架設部と下端部に設けた手首固定バンド部とを有してなることを特徴とする手袋形の手の介護用品。
【考案の効果】
本考案によれば、自分の意志で自由に手を動かすことができず、指が硬く握り締められた状態になっている脳梗塞、脳卒中などで手指に硬直症状を来している人に対し有効な介護用品を提供することができ、指と指の間が付着しそこに汗をかいたり、手の平に汗をかいたりして、手を清潔に保てなかったり、手がただれたり、手指の血の循環が悪くなったり、水虫が発生したりすることを防止できる。
本考案の手袋形の介護用品は、手袋形で、その介装部を手の指と指との間に介装し、又、その当接部を手の平に当接させ使用することにより、上記のような指と指の間の汗や手の平の汗を吸収する等の機能を果たすことができ、介護者や看護師等の当該患者への装着も楽で、脳梗塞、脳卒中などで手指に硬直症状を来している人に対する装着時の苦痛も軽減できる。
又、本考案の手袋形の介護用品には、その介装部と介装部との間に架設された架設部を有しており、当該架設部は、患者の指を入れる領域を区画するだけでなく、手の指と指との間に介装された介装部が患者の手から脱れることを防止できるが、本考案の手袋形の介護用品では、当該架設部に加えて、下端部に手首固定バンド部が設けられており、手首に固定されるので、当該手袋形の介護用品全体が脱れ難くなり、患者の手から脱れて介護者や看護師が何度も装着を余儀なくされたりすることを防止でき、患者も、装着して眠っている最中も手から脱れることが激減し、長い時間でも、指と指の付着を防ぎ、汗を吸収させ、手の清潔を保持させる等の役目を果たさせ、手や指の動きの助成に対して充分な機能を果たすことができる。
更には、本考案の手袋形の介護用品には、架設部を有し、当該介護用品が患者の手から脱れることを防止でき、又、手首固定バンド部が設けられており、手首に固定されるので、当該介護用品が患者の手から脱れることをより一層防止できるので、当該介護用品を装着させて、指の折り曲げなどのリハビリに際しても当該介護用品が患者の手から脱れずに、そのリハビリ効果を発揮させることができる。
【考案を実施するための最良の形態】
次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
本考案の手袋形の介護用品1は、図1〜図4に示すように、手の平に当接する当接部100と手の指と指との間に介装される介装部101と当該介装部101と介装部101との間に架設された架設部102と下端部に設けた手首固定バンド部103とを有してなる。
当該手の指と指との間に介装される介装部101は、4本で構成される。当該介装部101は、指様の突起に構成される。当該介装部101は、手の平に当接する当接部100に連設される。
当該介装部101と介装部101との間に架設される架設部102は、当該実施例では、半円弧状の全体が連なった帯状に構成された例を示してあるが、当該介装部101と介装部101との間に個々に架設される形態であってもよい。当該架設部102と介装部101とその隣り合った介装部101とで空間(指挿入部)104が区画され、当該空間の指挿入部104に、後述のように、当該手袋形の介護用品1の使用に際し、患者の指が入れられる。
当該手首固定バンド部103は、手首に固定できるように、当該手袋形の介護用品1の下端部に設けられる。
当該手首固定バンド部103は、一方の端部に面ファスナ−部1030を設け、又、対応する他方の端部の対応位置に対応する面ファスナ−部1031を設ける。当該ファスナ−部に代えて、ボタンを設けるようにしてもよい。他の手段であってもよい。
図2及び図4に示すように、当該手首固定バンド部103を、手首位置に持ってきて、当該バンド部103を環状にして上記の面ファスナ−部やボタン等の固定手段にて手首に固定する。
当該手袋形の介護用品1の手の平に当接する当接部100と手の指と指との間に介装される介装部101とは、安価で、洗濯可能で、複数回使用可能で、汗を吸収できる等の前記機能から、例えば、好ましくは、布地で構成する。
当該介装部101と介装部101との間に架設される架設部102や手首固定バンド部103は、当該手袋形の介護用品1の装着に際して、ゴム等により伸縮可能とし、従って、介護者や看護師等の当該患者への装着が楽で、脳梗塞、脳卒中などで手指に硬直症状を来している人に対する装着時の苦痛も軽減できるようにするとよい。
図5に示すように、図1に示す手袋形の介護用品1の片側当接部100を右手の平と当接し、右手の小指は介装部1010から外に出し、右手の人差指を、当該介装部1010と右隣の介装部1011と架設部102とで区画された指挿入部104に入れ、右手の中指を、当該介装部1011と右隣の介装部1012と架設部102とで区画された指挿入部104に入れ、右手の薬指を、当該介装部1012と右隣の介装部1013と架設部102とで区画された指挿入部104に入れ、右手の親指は介装部1013から外に出して、手に装着させ、手首固定バンド部103にて、当該手袋形の介護用品1の下端部を手首に固定する。手首固定バンド部103を手首に巻回して巻き付ける。
図6に示すように、図3に示す手袋形の介護用品1の片側当接部100を左手の平と当接し、左手の親指は介装部1013から外に出し、左手の人差指を、当該介装部1013と右隣の介装部1012と架設部102とで区画された指挿入部104に入れ、左手の中指を、当該介装部1012と右隣の介装部1011と架設部102とで区画された指挿入部104に入れ、左手の薬指を、当該介装部1011と右隣の介装部1010と架設部102とで区画された指挿入部104に入れ、左手の小指は介装部1010から外に出して、手に装着させ、手首固定バンド部103にて、当該手袋形の介護用品1の下端部を手首に固定する。
当該装着方法は、例であって、他の方法によってもよいことはもちろんであるが、本考案の手袋形の介護用品は、当該実施例にも記載のように、その一の手袋形の介護用品により左右どちらの手にも使用できるという利点がある。又、表裏両面を使用できるという利点がある。
図7は、手袋形の介護用品1の装着後の側面図で、当該手袋形の介護用品1では、
手の平に当接する当接部100が膨らみを有する。
当該当接部100の内部には、その図示が省略されているが、クッション部材を内蔵している。当該クッション部材の例としては、スポンジ、ゴム、ビ−ズ、綿などが挙げられる。
当該膨らみを有し、クッション性を備えることにより、図示のように、患者は、その指を折り曲げたり、伸ばしたりして手指のリハビリをできる。当該介護用品1は、架設部102を有し、当該介護用品1が患者の手から脱れることを防止でき、又、手首固定バンド部103が設けられており、手首に固定されるので、当該介護用品が患者の手から脱れることをより一層防止できるので、当該介護用品を装着させて、上記指の折り曲げなどのリハビリに際しても当該介護用品が患者の手から脱れずに、そのリハビリ効果を発揮させることができる。
本考案の手袋形の介護用品1にあっては、図8に示すように、手首固定バンド部103を、中央から分割し左右からその端部の面ファスナ−部1030、1031同士を合わせ、手首に固定するようにしてもよい。
本考案は上記実施例に限定されず、適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
本考案は、介護施設や医療施設や在宅介護などで使用できる。
本考案は、足の介護にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す手首固定バンド部が開いた状態の手袋形の介護用品の表面構成図である。
【図2】本考案の実施例を示す手首固定バンド部が閉じた状態の手袋形の介護用品の表面説明図である。
【図3】本考案の実施例を示す手首固定バンド部が開いた状態の手袋形の介護用品の裏面構成図である。
【図4】本考案の他の実施例を示す手首固定バンド部が閉じた状態の手袋形の介護用品の裏面説明図である。
【図5】本考案の実施例を示す手袋形の介護用品の装着例説明図である。
【図6】本考案の実施例を示す手袋形の介護用品の装着例説明図である。
【図7】本考案の実施例を示す手袋形の介護用品の装着例側面説明図である。
【図8】(A)及び(B)各々本考案の他の実施例を示す手袋形の介護用品の構成図である。
【符号の説明】
1 手袋形の介護用品
100 手の平に当接する当接部
101 介装部
102 架設部
103 手首固定バンド部
104 指挿入部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
ページtop へ