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【考案の名称】運動用兼用椅子 【実用新案権者】 【識別番号】514252669 【氏名又は名称】黒須 昭博 【住所又は居所】東京都練馬区下石神井2−34−2 【代理人】 【識別番号】100076200 【弁理士】 【氏名又は名称】高木 福一 【考案者】 【氏名】黒須 昭博 【住所又は居所】東京都練馬区下石神井2−34−2 【要約】 (修正有) 【課題】椅子の向きを変えることなく、背凭れフレームを利用して膝や腰の屈伸運動等も行うことができるようになした運動用兼用椅子を提供する。 【解決手段】左右の前脚2と左右の後脚3の上部に座部4を据え付けてなる椅子本体5における前記後脚3の下端部の外側に、上端側が前記座部4より所定の高さとなるように延びると共に、下端側が前記後脚3の下端近傍まで延びる門型状の背凭れフレーム6の両下端部を枢軸7をもって枢着する。前記背凭れフレーム6を、前記枢軸7を回動支点として椅子本体5の前部側に所定角度に傾倒させることができるようにする。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 前脚と後脚の上部に座部を据え付けてなる椅子本体における前記後脚の下端部の外側に、上端側が前記座部より所定の高さとなるように延びると共に、下端側が前記後脚の下端近傍まで延びる門型状の背凭れフレームの両下端部を枢軸をもって枢着し、該背凭れフレームを、前記枢軸を回動支点として椅子本体の前部側に所定角度に傾倒させることができるようになしたことを特徴とする運動用兼用椅子。 【請求項2】 椅子本体における座部の前部の左右に外側方に向けて突設した一方の位置決めストッパーピンと、椅子本体における座部の後部の左右に外側方に向けて突設したもう一方の位置決めストッパーピンとをもって、背凭れフレームが所定の範囲内で回動することを可能となした請求項1記載の運動用兼用椅子。 【請求項3】 背凭れフレームにおける枢軸による枢着部より所要の距離をおいた部位に内外方向に貫挿した回動規制ピンと、椅子本体における後脚の背凭れフレームの枢着部より上部の外側面に固着した、中央部に背凭れフレームの回動域に合わせた長さの円弧状のガイド長孔を設けた回動規制板とからなり、該回動規制板のガイド長孔に前記回動規制ピンを摺動自在に貫挿し、もって背凭れフレームが所定の範囲内で回動することを可能となした請求項1記載の運動用兼用椅子。 【請求項4】 椅子本体における座部の前部の左右に外側方に向けて一方の位置決めストッパーピンを突設すると共に、椅子本体における座部の後部の左右に外側方に向けてもう一方の位置決めストッパーピンを突設し、更に背凭れフレームにおける枢軸による枢着部より所要の距離をおいた上部位置に内外方向に貫挿した回動規制ピンを、椅子本体における後脚の背凭れフレームの枢着部より上部の外側面に固着した回動規制板の中央部に設けた背凭れフレームの回動域に合わせた長さの円弧状のガイド長孔に摺動自在に貫挿し、もって背凭れフレームが所定の範囲内で回動することを可能となした請求項1記載の運動用兼用椅子。 【請求項5】 後脚を座部後端中央に接続する一本とし、且つ該後脚の両下端部を椅子本体の幅方向に延設して、その延設部の外側に枢軸をもって背凭れフレームの両下端部を枢着し、更に座部の左右に椅子本体の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレームを設けると共に、背凭れフレームを、該回動規制フレームの頂板と底板の同一位置に背凭れフレームの回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔に貫挿し、前記回動規制フレーム内に、背凭れフレームが椅子本体の前部側に傾倒した状態においてそれの椅子本体の後部側への回動を阻止するロック手段を備えてなる請求項1記載の運動用兼用椅子。 【請求項6】 背凭れフレームの椅子本体の後部側への回動を阻止するロック手段が、左右の回動規制フレーム内の夫々の底板の前部に、支持ガイド部材を介して回動規制フレームのガイド長孔と直交する方向に進退するよう支持されたロックブロックと、くの字型をなし、回動規制フレーム内の底板に立設した支承板に、前記ロックブロックの軸方向に沿って垂直方向回動自在に軸支された作動レバーと、前記ロックブロックの後端と前記作動レバーにおけるロックブロック側の部分の端部とを連結するリンクと、前記回動規制フレーム内の底板の上面と前記作動レバーにおけるロックブロックと反対側の部分の下面との間に介装した、作動レバーに常時ロックブロックを進出させる方向の力を加えるための回動性向を付与する拡圧コイルばねと、前記作動レバーにおけるロックブロックと反対側の部分の端部に上端部を枢着し、回動規制フレーム内の底板に穿設した孔から椅子本体の下部に延出し、下端部同士を連結してなるロック解除用足踏みフレームとからなるロック手段である請求項5記載の運動用兼用椅子。 【請求項7】 ロックブロックが、軸断面角柱状をなし、先端部における背凭れフレームが椅子本体の前部側に回動するときに接触する部分の面を円弧状となした係止部を、嵌合凹部内に出没自在に嵌合すると共に、該嵌合凹部の底部と前記係止部の後端部との間に、常時係止部を突出方向に移動させるための拡圧コイルばねを介装させてなるロックブロックである請求項6記載の運動用兼用椅子。 【請求項8】 座部の左右に椅子本体の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレームを設けると共に、背凭れフレームを、該回動規制フレームの頂板と底板の同一位置に背凭れフレームの回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔に貫挿し、更に、座部の左右の後脚を角筒として、前記回動規制フレームの内側に連設し、前記回動規制フレームと前記後脚の内部に、背凭れフレームが椅子本体の後部位置にある状態において椅子本体を持ち上げたとき、背凭れフレームの椅子本体の前部側への回動を阻止するロック手段を備えてなる請求項1記載の運動用兼用椅子。 【請求項9】 背凭れフレームの椅子本体の前部側への回動を阻止するロック手段が、左右の回動規制フレーム内の夫々の底板の後部に、支持ガイド部材を介して回動規制フレームのガイド長孔と直交する方向に進退するよう支持されたロックブロックと、左右の後脚内の前記回動規制フレームと反対側の夫々の垂直壁に設けた支承板に、前記ロックブロックの軸方向に沿って垂直方向回動自在に軸支された、端面の偏心位置にクランク突起を設けると共に、該クランク突起に対して所定の角度の位置に回転駆動突起を設けたクランク円板と、前記ロックブロックの後端と前記クランク円板のクランク突起とを連結するリンクと、前記クランク円板の回転駆動突起に上端部を枢着し、下端部側を後脚内の底板に穿設した孔に貫挿すると共に、下端部に所定重量の錘を取り付けたロック操作ロッドとからなるロック手段である請求項8記載の運動用兼用椅子。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、椅子の向きを変えることなく、背凭れフレームを利用して膝や腰の屈伸運動等も行うことができるようになした運動用兼用椅子に関するものである。 【背景技術】 【0002】 病院の入院患者や老人の介護施設の入所者等において退院或いは退所するまでの期間が長い場合には、身体各部の筋肉を使わないことから筋力の低下が避けられない。そして、この筋力の低下を抑え、或いは筋力を維持するためには、施設内において適度に運動することが好ましく、特に下半身の筋力を鍛えることが最適である。 【0003】 ところが、一般的に病院や老人の介護施設等においては運動用の適当な道具を備えておらず、このため特に膝や腰の屈伸運動を行おうとする場合には、身近なところに存在する椅子を用いて行うことが多い。尚、この場合の運動方法は、運動する者が椅子の背凭れフレームを両手で掴み、膝や腰を屈伸することによって行うものである。 【0004】 しかし、病院の入院患者や高齢者は一般的に筋力が低下していることから、椅子を持ち上げて背凭れフレームが手前側に来るように向きを変えようとしても、これを容易に行うことができない。また、ときには転倒して怪我をすることもある。 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0005】 本考案は上記の点に鑑みなされたものであって、背凭れフレームを椅子の前部側に所定角度に傾倒させることができるようにして、一々椅子を持ち上げて向きを変える必要性をなくし、筋力が低下している入院患者や高齢者でも無理なく椅子を利用して膝や腰の屈伸運動を行うことができるようになした運動用兼用椅子を提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 而して、本考案の要旨とするところは、前脚と後脚の上部に座部を据え付けてなる椅子本体における前記後脚の下端部の外側に、上端側が前記座部より所定の高さとなるように延びると共に、下端側が前記後脚の下端近傍まで延びる門型状の背凭れフレームの両下端部を枢軸をもって枢着し、該背凭れフレームを、前記枢軸を回動支点として椅子本体の前部側に所定角度に傾倒させることができるようになしたことを特徴とする運動用兼用椅子にある。 【0007】 また、上記構成において、椅子本体における座部の前部の左右に外側方に向けて突設した一方の位置決めストッパーピンと、椅子本体における座部の後部の左右に外側方に向けて突設したもう一方の位置決めストッパーピンとをもって、背凭れフレームが所定の範囲内で回動することを可能となしてもよい。 【0008】 また、上記構成において、背凭れフレームにおける枢軸による枢着部より所要の距離をおいた部位に内外方向に貫挿した回動規制ピンと、椅子本体における後脚の背凭れフレームの枢着部より上部の外側面に固着した、中央部に背凭れフレームの回動域に合わせた長さの円弧状のガイド長孔を設けた回動規制板とからなり、該回動規制板のガイド長孔に前記回動規制ピンを摺動自在に貫挿し、もって背凭れフレームが所定の範囲内で回動することを可能となしてもよい。 【0009】 また、上記構成において、椅子本体における座部の前部の左右に外側方に向けて一方の位置決めストッパーピンを突設すると共に、椅子本体における座部の後部の左右に外側方に向けてもう一方の位置決めストッパーピンを突設し、更に背凭れフレームにおける枢軸による枢着部より所要の距離をおいた上部位置に内外方向に貫挿した回動規制ピンを、椅子本体における後脚の背凭れフレームの枢着部より上部の外側面に固着した回動規制板の中央部に設けた背凭れフレームの回動域に合わせた長さの円弧状のガイド長孔に摺動自在に貫挿し、もって背凭れフレームが所定の範囲内で回動することを可能となしてもよい。 【0010】 また、上記構成において、後脚を座部後端中央に接続する一本とし、且つ該後脚の両下端部を椅子本体の幅方向に延設して、その延設部の外側に枢軸をもって背凭れフレームの両下端部を枢着し、更に座部の左右に椅子本体の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレームを設けると共に、背凭れフレームを、該回動規制フレームの頂板と底板の同一位置に背凭れフレームの回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔に貫挿し、前記回動規制フレーム内に、背凭れフレームが椅子本体の前部側に傾倒した状態においてそれの椅子本体の後部側への回動を阻止するロック手段を備えるようにしてもよい。 【0011】 また、上記構成において、背凭れフレームの椅子本体の後部側への回動を阻止するロック手段を、左右の回動規制フレーム内の夫々の底板の前部に、支持ガイド部材を介して回動規制フレームのガイド長孔と直交する方向に進退するよう支持されたロックブロックと、くの字型をなし、回動規制フレーム内の底板に立設した支承板に、前記ロックブロックの軸方向に沿って垂直方向回動自在に軸支された作動レバーと、前記ロックブロックの後端と前記作動レバーにおけるロックブロック側の部分の端部とを連結するリンクと、前記回動規制フレーム内の底板の上面と前記作動レバーにおけるロックブロックと反対側の部分の下面との間に介装した、作動レバーに常時ロックブロックを進出させる方向の力を加えるための回動性向を付与する拡圧コイルばねと、前記作動レバーにおけるロックブロックと反対側の部分の端部に上端部を枢着し、回動規制フレーム内の底板に穿設した孔から椅子本体の下部に延出し、下端部同士を連結してなるロック解除用足踏みフレームとからなるロック手段としてもよい。 【0012】 また、上記構成において、ロックブロックを、軸断面角柱状をなし、先端部における背凭れフレームが椅子本体の前部側に回動するときに接触する部分の面を円弧状となした係止部を、嵌合凹部内に出没自在に嵌合すると共に、該嵌合凹部の底部と前記係止部の後端部との間に、常時係止部を突出方向に移動させるための拡圧コイルばねを介装させてなるロックブロックとしてもよい。 【0013】 また、上記構成において、座部の左右に椅子本体の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレームを設けると共に、背凭れフレームを、該回動規制フレームの頂板と底板の同一位置に背凭れフレームの回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔に貫挿し、更に、座部の左右の後脚を角筒として、前記回動規制フレームの内側に連設し、前記回動規制フレームと前記後脚の内部に、背凭れフレームが椅子本体の後部位置にある状態において椅子本体を持ち上げたとき、背凭れフレームの椅子本体の前部側への回動を阻止するロック手段を備えるようにしてもよい。 【0014】 また、上記構成において、背凭れフレームの椅子本体の前部側への回動を阻止するロック手段を、左右の回動規制フレーム内の夫々の底板の後部に、支持ガイド部材を介して回動規制フレームのガイド長孔と直交する方向に進退するよう支持されたロックブロックと、左右の後脚内の前記回動規制フレームと反対側の夫々の垂直壁に設けた支承板に、前記ロックブロックの軸方向に沿って垂直方向回動自在に軸支された、端面の偏心位置にクランク突起を設けると共に、該クランク突起に対して所定の角度の位置に回転駆動突起を設けたクランク円板と、前記ロックブロックの後端と前記クランク円板のクランク突起とを連結するリンクと、前記クランク円板の回転駆動突起に上端部を枢着し、下端部側を後脚内の底板に穿設した孔に貫挿すると共に、下端部に所定重量の錘を取り付けたロック操作ロッドとからなるロック手段としてもよい。 【考案の効果】 【0015】 本考案は上記の如き構成であり、背凭れフレームを椅子本体の前部側に所定角度に傾倒させることができるから、一々椅子を持ち上げて向きを変える必要性がなくなり、もって筋力が低下している入院患者や高齢者でも無理なく椅子を利用して膝や腰の屈伸運動を行うことができるようになるものである。 【0016】 また、後脚を座部後端中央に接続する一本とし、且つ該後脚の両下端部を椅子本体の幅方向に延設して、その延設部の外側に枢軸をもって背凭れフレームの両下端部を枢着し、更に座部の左右に椅子本体の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレームを設けると共に、背凭れフレームを、該回動規制フレームの頂板と底板の同一位置に背凭れフレームの回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔に貫挿し、前記回動規制フレーム内に、背凭れフレームが椅子本体の前部側に傾倒した状態においてそれの椅子本体の後部側への回動を阻止するロック手段を備えるようになした場合には、後脚を座部後端の中央に一本としたことにより、後脚が左右二本の場合に比して後脚と回動する背凭れフレームとの間で使用者の足を挟む事故の発生率を減少させることができると共に、背凭れフレームを椅子本体の前部側に傾倒させるときにおいて、回動規制フレームのガイド長孔内を移動するようにしたことにより、使用者の指が背凭れフレームと椅子本体との間で挟まれることによる事故の発生率を減少させることができ、更に、背凭れフレームが椅子本体の前部側に傾倒した状態においてそれの椅子本体の後部側への回動を阻止するロック手段を備えたことにより、背凭れフレームを掴んで屈伸運動をしている最中において背凭れフレームが不意に動き、使用者が身体のバランスを崩して転倒する等の事故の発生を未然に防ぐことができるものである。 【0017】 また、座部の左右に椅子本体の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレームを設けると共に、背凭れフレームを、該回動規制フレームの頂板と底板の同一位置に背凭れフレームの回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔に貫挿し、更に、座部の左右の後脚を角筒として、前記回動規制フレームの内側に連設し、前記回動規制フレームと前記後脚の内部に、背凭れフレームが椅子本体の後部位置にある状態において椅子本体を持ち上げたとき、背凭れフレームの椅子本体の前部側への回動を阻止するロック手段を備えるようになした場合には、椅子を持ち運んだり、向きを変えたりするときにおいて、使用者が一方の手で椅子本体の前部を持つと共に、もう一方の手で背凭れフレームを持って椅子を持ち上げるとき、背凭れフレームを固定することができるので、ぐらぐらせずに安全に持ち上げることができるものである。尚、椅子を床面に降ろしたときには、背凭れフレームは再び自由に椅子本体の前部側に傾倒することができる状態に戻るものである。 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本考案の第1実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図2】本考案の第2実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図3】同要部の拡大斜視図である。 【図4】同要部の拡大縦断面図である。 【図5】本考案の第3実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図6】本考案の第4実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図7】同斜視図である。 【図8】同回動規制フレームを一部切欠して示したロック手段部分の斜視図である。 【図9】本考案の第5実施形態に係る運動用兼用椅子の回動規制フレームを一部切欠して示したロック手段部分の斜視図である。 【図10】同ロックブロックの説明図であり、係止部が突出した状態の断面図である。 【図11】同ロックブロックの説明図であり、係止部が後退した状態の断面図である。 【図12】本考案の第6実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図13】同回動規制フレームと後脚を一部切欠して示したロック手段部分の斜視図である。 【図14】同一方の後脚の下端部の断面図である。 【考案を実施するための形態】 【0019】 以下、本考案を実施するための形態について、図面を参照して説明する。 【0020】 先ず、図1に示した本考案の第1実施形態について説明する。 【0021】 図中、1は運動用兼用椅子であり、左右の前脚2、2と左右の後脚3、3の上部に座部4を据え付けてなる椅子本体5における前記後脚3、3の下端部の外側に、上端側が前記座部4より所定の高さとなるように延びると共に、下端側が前記後脚3、3の下端近傍まで延びる門型状の背凭れフレーム6の両下端部を枢軸7、7をもって枢着し、該背凭れフレーム6を、前記枢軸7、7を回動支点として椅子本体5の前部側に所定角度に傾倒させることができるようになしたものである。 【0022】 また、本実施形態は、椅子本体5における座部4の前部の左右に外側方に向けて突設した一方の位置決めストッパーピン8、8と、椅子本体5における座部4の後部の左右に外側方に向けて突設したもう一方の位置決めストッパーピン9、9とをもって、背凭れフレーム6が所定の範囲内で回動することを可能となしたものである。 【0023】 次に、図2に示した本考案の第2実施形態について説明する。 【0024】 本実施形態は、背凭れフレーム6における枢軸7、7による枢着部より所要の距離をおいた部位に内外方向に貫挿した回動規制ピン10、10と、椅子本体5における後脚3、3の背凭れフレーム6の枢着部より上部の外側面に固着した、中央部に背凭れフレーム6の回動域に合わせた長さの円弧状のガイド長孔11を設けた回動規制板12、12とからなり、該回動規制板12、12のガイド長孔11に前記回動規制ピン10、10の夫々をを摺動自在に貫挿し、もって背凭れフレーム6が所定の範囲内で回動することを可能となしたものである。 【0025】 次に、図5に示した本考案の第3実施形態について説明する。 【0026】 本実施形態は、前記第1実施形態と前記第2実施形態の複合型であり、椅子本体5における座部4の前部の左右に外側方に向けて一方の位置決めストッパーピン8、8を突設すると共に、椅子本体5における座部4の後部の左右に外側方に向けてもう一方の位置決めストッパーピン9、9を突設し、更に背凭れフレーム6における枢軸7、7による枢着部より所要の距離をおいた上部位置に内外方向に貫挿した回動規制ピン10、10を、椅子本体5における後脚3、3の背凭れフレーム6の枢着部より上部の外側面に固着した回動規制板12、12の中央部に設けた背凭れフレーム6の回動域に合わせた長さの円弧状のガイド長孔11に夫々摺動自在に貫挿し、もって背凭れフレーム6が所定の範囲内で回動することを可能となしたものである。 【0027】 次に、図6乃至図8に示した本考案の第4実施形態について説明する。 【0028】 本実施形態は、後脚3を座部4後端中央に接続する一本とし、且つ該後脚3の両下端部を椅子本体5の幅方向に延設して、その延設部3A、3Aの外側に枢軸7、7をもって背凭れフレーム6の両下端部を枢着し、更に座部4の左右に椅子本体5の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレーム13、13を設けると共に、背凭れフレーム6を、該回動規制フレーム13、13の頂板13aと底板13bの同一位置に背凭れフレーム6の回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔14、14に貫挿し、前記回動規制フレーム13、13内に、背凭れフレーム6が椅子本体5の前部側に傾倒した状態においてそれの椅子本体5の後部側への回動を阻止するロック手段15を備えてなるものである。尚、背凭れフレーム6は、本実施形態ではパイプとしているが、ガイド長孔14、14を狭くして指が該ガイド長孔14、14内に入り込みにくくするために、該背凭れフレーム6の少なくともガイド長孔14、14への貫挿部分を薄い帯板状としてもよい。 【0029】 また、前記背凭れフレーム6の椅子本体5の後部側への回動を阻止するロック手段15は、左右の回動規制フレーム13、13内の夫々の底板13b、13bの前部に、支持ガイド部材16を介して回動規制フレーム13のガイド長孔14と直交する方向に進退するよう支持されたロックブロック17と、くの字型をなし、回動規制フレーム13内の底板13bに立設した支承板18に、前記ロックブロック17の軸方向に沿って垂直方向回動自在に軸支19された作動レバー20と、前記ロックブロック17の後端と前記作動レバー20におけるロックブロック17側の部分20Aの端部とを連結するリンク21と、前記回動規制フレーム13内の底板13bの上面と前記作動レバー20におけるロックブロック17と反対側の部分20Bの下面との間に介装した、作動レバー20に常時ロックブロック17を進出させる方向の力を加えるための回動性向を付与する拡圧コイルばね22と、前記作動レバー20におけるロックブロック17と反対側の部分20Bの端部に上端部を枢着し、回動規制フレーム13内の底板13bに穿設した孔23から椅子本体5の下部に延出し、下端部同士を連結してなるロック解除用足踏みフレーム24とからなるものである。 【0030】 また、該ロック手段15の作用は、次の通りである。背凭れフレーム6を椅子本体5の前部側に傾倒するときに、一旦ロック解除用足踏みフレーム24を足で踏んで押し下げてロックブロック17を後退させ、背凭れフレーム6がロックブロック17を通過し、傾倒の終端位置に到達したら足を外して、ロックブロック17を再び進出させ、もって該ロックブロック17による背凭れフレーム6の椅子本体5の後部側への回動を阻止するものである。 【0031】 更に詳述すると、拡圧コイルばね22の作用力により作動レバー20は常時ロックブロック17を進出させる方向に回動しており、したがって、ロックブロック17は、常時は回動規制フレーム13のガイド長孔14上を跨ぐように進出している。そして、ロック解除用足踏みフレーム24を足で踏んで押し下げると、作動レバー20のロックブロック17と反対側の部分20Bが下方に引っ張られて、拡圧コイルばね22の作用力に抗して作動レバー20が逆方向に回動する。そして、これに伴いリンク21を介してロックブロック17が後退するものである。 【0032】 而して、本実施形態よれば、後脚3を座部4後端の中央に一本としたことにより、後脚3が左右二本の場合に比して後脚3と回動する背凭れフレーム6との間で使用者の足を挟む事故の発生率を減少させることができると共に、背凭れフレーム6を椅子本体5の前部側に傾倒させるときにおいて、回動規制フレーム13、13のガイド長孔14、14内を移動するようにしたことにより、使用者の指が背凭れフレーム6と椅子本体5との間で挟まれることによる事故の発生率を減少させることができ、更に、背凭れフレーム6が椅子本体5の前部側に傾倒した状態においてそれの椅子本体5の後部側への回動を阻止するロック手段15を備えたことにより、背凭れフレーム6を掴んで屈伸運動をしている最中において背凭れフレーム6が不意に動き、使用者が身体のバランスを崩して転倒する等の事故の発生を未然に防ぐことができるものである。 【0033】 次に、図9乃至図11に示した本考案の第5実施形態について説明する。 【0034】 本実施形態は、前記第4実施形態の変形例であり、ロック手段におけるロックブロックの構成においてのみ相違するものである。したがって、第4実施形態におけると同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。 【0035】 而して、本実施形態は、ロックブロック17を、軸断面角柱状をなし、先端部における背凭れフレーム6が椅子本体5の前部側に回動するときに接触する部分の面17aを円弧状となした係止部17Aを、嵌合凹部17´内に出没自在に嵌合すると共に、該嵌合凹部17´の底部と前記係止部17Aの後端部との間に、常時係止部17Aを突出方向に移動させるための拡圧コイルばね17Bを介装させてなるものである。尚、17bは係止部17Aに移動方向に沿って設けた長孔、17Cはロックブロック17の嵌合凹部17´内に設け、前記長孔17b内に摺動自在に貫挿した抜け止めピンである。 【0036】 本実施形態によれば、背凭れフレーム6を椅子本体5の前部側に傾倒するときに、前記第4実施形態におけるが如く一旦ロック解除用足踏みフレーム24を足で踏んでロックブロック17を後退させる必要がなく、背凭れフレーム6の傾倒をスムーズに行うことができるものである。 【0037】 それは、背凭れフレーム6が椅子本体5の前部側に傾倒するときに、該背凭れフレーム6がロックブロック17における係止部18の円弧状の面18aに摺接しつつ移動すると、拡圧コイルばね19の作用力に抗して係止部18がロックブロック17aの嵌合凹部17a内の底部側に後退することによるものである。そしてまた、背凭れフレーム6が係止部18を通過すると、該係止部18は拡圧コイルばね19の作用力により再び進出し、背凭れフレーム6の椅子本体5の後部側への回動を阻止するものである。また、背凭れフレーム6を椅子本体5の後部側に戻すときには、前記第4実施形態におけると同様にして行うものである。 【0038】 次に、図12乃至図14に示した本考案の第6実施形態について説明する。 【0039】 本実施形態は、座部4の左右に椅子本体5の前後方向に沿って長い箱形の回動規制フレーム13、13を設けると共に、背凭れフレーム6を、該回動規制フレーム13、13の頂板13aと底板13bの同一位置に背凭れフレーム6の回動域に合わせて設けた直線状のガイド長孔14、14に貫挿し、更に、座部4の左右の後脚3、3を角筒として、前記回動規制フレーム13、13の内側に連設し、前記回動規制フレーム13、13と前記後脚3,3の内部に、背凭れフレーム6が椅子本体5の後部位置にある状態において椅子本体5を持ち上げたとき、背凭れフレーム6の椅子本体5の前部側への回動を阻止するロック手段25を備えてなるものである。 【0040】 また、前記背凭れフレーム6の椅子本体5の前部側への回動を阻止するロック手段25は、左右の回動規制フレーム13,13内の夫々の底板13bの後部に、支持ガイド部材26を介して回動規制フレーム13のガイド長14孔と直交する方向に進退するよう支持されたロックブロック27と、左右の後脚3、3内の前記回動規制フレーム13と反対側の夫々の垂直壁3Aに設けた支承板28に、前記ロックブロック27の軸方向に沿って垂直方向回動自在に軸支29された、端面の偏心位置にクランク突起30を設けると共に、該クランク突起30に対して所定の角度の位置に回転駆動突起31を設けたクランク円板32と、前記ロックブロック27の後端と前記クランク円板32のクランク突起30とを連結するリンク33と、前記クランク円板32の回転駆動突起31に上端部を枢着し、下端部側を後脚3内の底板3aに穿設した孔34に貫挿すると共に、下端部に所定重量の錘35を取り付けたロック操作ロッド36とからなるものである。尚、本実施形態においては後脚3内の底板3aに上側に窪む凹部3a´を形成し、該凹部3a´に錘35が入り込むようになしている。 【0041】 また、該ロック手段25の作用は、次の通りである。椅子本体5を持ち上げないとき、即ち前脚2、2と後脚3、3が床面に接しているときには、錘35が図14の実線で示す如く後脚3、3の底板3aに接触している。これによりロック操作ロッド36を介してクランク円板32は図13において矢標方向と反対方向に回動し、クランク突起30も同方向に回動している。また、これに伴いクランク突起30及びリンク33を介してロックブロック27が後退している。したがって、背凭れフレーム6は椅子本体5の前部側への傾倒が自由な状態である。そして、背凭れフレーム6が椅子本体5の後部位置にある状態において椅子本体5を持ち上げ、後脚3、3が床面から浮き上がると、錘35が自重により後脚3,3の底板3aから離れ、もってロック操作ロッド36が下方に引っ張られることになる。そして、これに伴い回転駆動突起31を介してクランク円板32が図13において矢標方向に回動し、クランク突起30及びリンク33を介してロックブロック27が進出するものである。これにより背凭れフレーム6の椅子本体5の前部側への回動は阻止されるものである。 【0042】 而して、本実施形態によれば、椅子を持ち運んだり、向きを変えたりするときにおいて、使用者が一方の手で椅子本体5の前部を持つと共に、もう一方の手で背凭れフレーム6を持って椅子を持ち上げるとき、背凭れフレーム6を固定することができるので、ぐらぐらせずに安全に持ち上げることができるものである。尚、椅子を床面に降ろしたときには、背凭れフレーム6は再び自由に椅子本体5の前部側に傾倒することができる状態に戻るものである。 【符号の説明】 【0043】 1 運動用兼用椅子 2 前脚 3 後脚 4 座部 5 椅子本体 6 背凭れフレーム 7 枢軸 8 一方のストッパーピン 9 もう一方のストッパーピン 10 回動規制ピン 11 ガイド長孔 12 回動規制板 13 回動規制フレーム 14 ガイド長孔 15 ロック手段 17 ロックブロック 17a 嵌合凹部 18 係止部 19 拡圧コイルばね 20 作動レバー 21 リンク 22 拡圧コイルばね 24 ロック解除用足踏みフレーム 25 ロック手段 27 ロックブロック 30 クランク突起 31 回転駆動突起 32 クランク円板 35 錘 36 ロック操作ロッド 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本考案の第1実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図2】本考案の第2実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図3】同要部の拡大斜視図である。 【図4】同要部の拡大縦断面図である。 【図5】本考案の第3実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図6】本考案の第4実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図7】同斜視図である。 【図8】同回動規制フレームを一部切欠して示したロック手段部分の斜視図である。 【図9】本考案の第5実施形態に係る運動用兼用椅子の回動規制フレームを一部切欠して示したロック手段部分の斜視図である。 【図10】同ロックブロックの説明図であり、係止部が突出した状態の断面図である。 【図11】同ロックブロックの説明図であり、係止部が後退した状態の断面図である。 【図12】本考案の第6実施形態に係る運動用兼用椅子の斜視図である。 【図13】同回動規制フレームと後脚を一部切欠して示したロック手段部分の斜視図である。 【図14】同一方の後脚の下端部の断面図である。 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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【図10】 |
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【図11】 |
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【図12】 |
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【図13】 |
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【図14】 |
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病院に入院すると、患者は安静を目的に離床が制限されてしまうため、入院が長引くにつれ、下肢筋力の低下やそれによる歩行障害が出現します。独居老人の場合、下肢筋力が衰えると元の生活に戻ることが困難になる方もいます。そういう方のために、この椅子は患者にベッドサイドで安全に下肢の筋トレを行えるように考案したものです。椅子の背もたれを利用して下肢の筋トレができるように考案しましたが、通常の椅子の場合、まず椅子を持ち上げて180度回転すること自体が困難な方も多く、また通常の椅子では、重心が背もたれ側にあるために、背もたれに体重をかけることで椅子が手前に倒れてしまう可能性があります。その点を考慮し、この椅子では背もたれのみを前方に動かす だけで安定性が増し、さらに背もたれは容易に前方に移動するので、高齢者にも安全に扱えるように工夫しました。 下肢筋力の維持は、転倒予防のみならず認知症予防に関しても大切な要素であり、長寿社会に向けて、この椅子は重要な役割を担ってくれるものと確信しています。 |
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