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【発明の名称】フェイスマップ、髪型助言方法、及び美容助言方法 【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物 令和4年8月31日 日本顔学会誌,第22巻,第1号,発行者 日本顔学会 学会への発表 令和4年9月17日〜令和4年9月18日 第27回日本顔学会大会(フォーラム顔学2022) 【出願人】 【識別番号】714000541 【氏名又は名称】松本 英孝 【住所又は居所】三重県桑名市星見ヶ丘五丁目2203番地 【代理人】 【識別番号】100177921 【弁理士】 【氏名又は名称】坂岡 範穗 【発明者】 【氏名】松本 英孝 【住所又は居所】三重県桑名市星見ヶ丘五丁目2203番地 【要約】 【課題】施術を受ける人がイメージすることができるとともに、施術者も施術時の参考にすることができるフェイスマップを提供する。 【解決手段】卵形をなし髪がない人の頭部の輪郭を表わす頭部輪郭線10と、前記頭部輪郭線より大きく構成され、髪型の輪郭を表わす髪型線30と、前記頭部輪郭線10の中にあり、底辺が理想的な位置にある眉毛2の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある唇5の下端に配置され、斜辺h1が理想的な位置にある目3の目尻を通る中逆三角形40と、前記中逆三角形40と実質的な相似形に小さく構成されて、底辺が理想的な位置にある目3の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある鼻4の下端に配置される小逆三角形41と、前記中逆三角形40と実質的な相似形に大きく構成されて、底辺が前記中逆三角形40と同じ高さに配置され、頂点が前記頭部輪郭線10の下端に位置する大逆三角形42と、を備える。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 卵形をなし髪がない人の頭部の輪郭を表わす頭部輪郭線と、 前記頭部輪郭線より大きく構成され、髪型の輪郭を表わす髪型線と、 前記頭部輪郭線の中にあり、底辺が理想的な位置にある眉毛の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある唇の下端に配置され、斜辺が理想的な位置にある目の目尻を通る中逆三角形と、 前記中逆三角形と実質的な相似形に小さく構成されて、底辺が理想的な位置にある目の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある鼻の下端に配置される小逆三角形と、 前記中逆三角形と実質的な相似形に大きく構成されて、底辺が前記中逆三角形と同じ高さに配置され、頂点が前記頭部輪郭線の下端に位置する大逆三角形と、 を備えることを特徴とするフェイスマップ。 【請求項2】 前記髪型線が、 前記頭部輪郭線とその下端を同じ位置にしつつ、前記頭部輪郭線と相似形に大きくしたショートヘアの髪型の輪郭を表わすショートヘア輪郭線を備える請求項1に記載のフェイスマップ。 【請求項3】 前記髪型線が、 前記頭部輪郭線とその下端を同じ位置にしつつ、幅が前記頭部輪郭線と同じであり上端が前記ショートヘア輪郭線より高い位置にあるシャープな髪型の輪郭を表わすシャープ輪郭線を備える請求項2に記載のフェイスマップ。 【請求項4】 前記髪型線が、 前記頭部輪郭線とその下端を同じ位置にしつつ、幅が前記ショートヘア輪郭線より広く上端が前記ショートヘア輪郭線と前記シャープ輪郭線との間にあるチャーミングな髪型の輪郭を表わすチャーミング輪郭線を備える請求項3に記載のフェイスマップ。 【請求項5】 前記髪型線が、 前記唇の下端位置を基準に前記頭部輪郭線と相似形に大きくしつつ、上端が前記シャープ輪郭線より高い位置にあるフォーマルな髪型の輪郭を表わすフォーマル輪郭線を備える請求項4に記載のフェイスマップ。 【請求項6】 前記髪型線が、 前記唇の下端位置を基準に前記頭部輪郭線と相似形に大きくしつつ、上端が前記フォーマル輪郭線より高い位置にあるゴージャスな髪型の輪郭を表わすゴージャス輪郭線を備える請求項5に記載のフェイスマップ。 【請求項7】 前記髪型線が、 その下端を前記ゴージャス輪郭線と同じにしつつ、幅が前記ゴージャス輪郭線と同じであり上端が前記フォーマル輪郭線と前記ゴージャス輪郭線との間にあるデラックスな髪型の輪郭を表わすデラックス輪郭線を備える請求項6に記載のフェイスマップ。 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のフェイスマップを用いる髪型助言方法であって、 人の頭部を正面から撮影して画像データを得る撮影ステップと、 前記画像データの頭部の大きさと画面に表示される前記フェイスマップの前記頭部輪郭線の大きさとを合わせる拡大縮小ステップと、 前記拡大縮小ステップを経た前記画像データ、又は前記フェイスマップの位置を調整して、前記画像の目の位置と前記フェイスマップの目の位置とを合わせる重ね合わせステップと、 前記人が希望する前記髪型線に近付くよう髪を整髪する整髪ステップと、 を備えることを特徴とする髪型助言方法。 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のフェイスマップを用いる美容助言方法であって、 人の頭部を正面から撮影して画像データを得る撮影ステップと、 前記画像データの頭部の大きさと画面に表示される前記フェイスマップの前記頭部輪郭線の大きさとを合わせる拡大縮小ステップと、 前記拡大縮小ステップを経た前記画像データ、又は前記フェイスマップの位置を調整して、前記画像の目の位置と前記フェイスマップの目の位置とを合わせる重ね合わせステップと、 前記人の眉毛、目、鼻、唇が前記フェイスマップの眉毛、目、鼻、唇の位置に近付いて見えるように化粧する化粧ステップと、 を備えることを特徴とする美容助言方法。 【請求項10】 前記化粧ステップにおいて、前記画像データの顔の輪郭線と前記頭部輪郭線とを比較して丸顔の人は面長に見えるように、面長の人は丸顔に見えるように化粧する作業を加える請求項9に記載の美容助言方法。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、髪型の輪郭を表わす髪型線、及び眉毛、目、鼻、唇の理想的な位置を示すフェイスマップ、及び前記フェイスマップを用いる髪型助言方法と美容助言方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、特開2011−101823号公報に、髪型形状データと、目の高さの顔幅と唇の高さの幅である顎幅との比、顔幅と目から顎までの長さである顔長さとの比である顔型形状データとを使用し、顔型とヘアスタイルの似合いの評価をするヘアスタイルアドバイス方法が開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 特開2011−101823号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、特許文献1に開示されている技術では、髪型形状データの作成や、顔型形状データの測定及び計算といった手順が必要になり、一般的な美容院等で用いることが難しいという課題があった。また、特許文献1では、眉毛、目、鼻、唇の位置関係まで見ることはできなかった。 【0005】 本発明は上記の点に鑑みなされたもので、一般的な美容院であっても施術を受ける人(以下、「人」と称することがある。)が希望する髪型をイメージすることができるとともに、施術者も施術時の参考にすることができるフェイスマップ、及び髪型助言方法を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、人の眉毛、目、鼻、唇の位置とフェイスマップの眉毛、目、鼻、唇の位置とを比較して、そのずれを認識できるフェイスマップ、及びずれを補正するような化粧をすることができる美容助言方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明のフェイスマップは、 卵形をなし髪がない人の頭部の輪郭を表わす頭部輪郭線と、 前記頭部輪郭線より大きく構成され、髪型の輪郭を表わす髪型線と、 前記頭部輪郭線の中にあり、底辺が理想的な位置にある眉毛の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある唇の下端に配置され、斜辺が理想的な位置にある目の目尻を通る中逆三角形と、 前記中逆三角形と実質的な相似形に小さく構成されて、底辺が理想的な位置にある目の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある鼻の下端に配置される小逆三角形と、 前記中逆三角形と実質的な相似形に大きく構成されて、底辺が前記中逆三角形と同じ高さに配置され、頂点が前記頭部輪郭線の下端に位置する大逆三角形と、 を備えることを特徴とする。 【0007】 本発明のフェイスマップによれば、フェイスマップに対象者の頭部の画像データを重ねるだけで、髪型線を参照して希望する髪型にするにはどのような輪郭の髪型にすれば良いかが分かる。また、化粧をするとき、フェイスマップの眉毛、目、鼻、唇と、人の眉毛、目、鼻、唇の位置を比較して、そのずれを補正するような化粧をすることで、綺麗に見せることができる。 【0008】 本発明のフェイスマップの好ましい例は、 前記髪型線が、 前記頭部輪郭線とその下端を同じ位置にしつつ、前記頭部輪郭線と相似形に大きくしたショートヘアの髪型の輪郭を表わすショートヘア輪郭線を備える。 【0009】 本発明のフェイスマップの好ましい例は、 前記髪型線が、 前記頭部輪郭線とその下端を同じ位置にしつつ、幅が前記頭部輪郭線と同じであり上端が前記ショートヘア輪郭線より高い位置にあるシャープな髪型の輪郭を表わすシャープ輪郭線を備える。 【0010】 本発明のフェイスマップの好ましい例は、 前記髪型線が、 前記頭部輪郭線とその下端を同じ位置にしつつ、幅が前記ショートヘア輪郭線より広く上端が前記ショートヘア輪郭線と前記シャープ輪郭線との間にあるチャーミングな髪型の輪郭を表わすチャーミング輪郭線を備える。 【0011】 本発明のフェイスマップの好ましい例は、 前記髪型線が、 前記唇の下端位置を基準に前記頭部輪郭線と相似形に大きくしつつ、上端が前記シャープ輪郭線より高い位置にあるフォーマルな髪型の輪郭を表わすフォーマル輪郭線を備える 【0012】 本発明のフェイスマップの好ましい例は、 前記髪型線が、 前記唇の下端位置を基準に前記頭部輪郭線と相似形に大きくしつつ、上端が前記フォーマル輪郭線より高い位置にあるゴージャスな髪型の輪郭を表わすゴージャス輪郭線を備える。 【0013】 本発明のフェイスマップの好ましい例は、 前記髪型線が、 その下端を前記ゴージャス輪郭線と同じにしつつ、幅が前記ゴージャス輪郭線と同じであり上端が前記フォーマル輪郭線と前記ゴージャス輪郭線との間にあるデラックスな髪型の輪郭を表わすデラックス輪郭線を備える。 【0014】 これらの本発明のフェイスマップによれば、様々な髪型に対応することができる。 【0015】 本発明の髪型助言方法は、 上記のフェイスマップを用いる髪型助言方法であって、 人の頭部を正面から撮影して画像データを得る撮影ステップと、 前記画像データの頭部の大きさと画面に表示される前記フェイスマップの前記頭部輪郭線の大きさとを合わせる拡大縮小ステップと、 前記拡大縮小ステップを経た前記画像データ、又は前記フェイスマップの位置を調整して、前記画像の目の位置と前記フェイスマップの目の位置とを合わせる重ね合わせステップと、 前記人が希望する前記髪型線に近付くよう髪を整髪する整髪ステップと、 を備えることを特徴とする。 【0016】 本発明の美容助言方法は、 上記のフェイスマップを用いる美容助言方法であって、 人の頭部を正面から撮影して画像データを得る撮影ステップと、 前記画像データの頭部の大きさと画面に表示される前記フェイスマップの前記頭部輪郭線の大きさとを合わせる拡大縮小ステップと、 前記拡大縮小ステップを経た前記画像データ、又は前記フェイスマップの位置を調整して、前記画像の目の位置と前記フェイスマップの目の位置とを合わせる重ね合わせステップと、 前記人の眉毛、目、鼻、唇が前記フェイスマップの眉毛、目、鼻、唇の位置に近付いて見えるように化粧する化粧ステップと、 を備えることを特徴とする。 【0017】 本発明の美容助言方法の好ましい例は、 前記化粧ステップにおいて、前記画像データの顔の輪郭線と前記頭部輪郭線とを比較して丸顔の人は面長に見えるように、面長の人は丸顔に見えるように化粧する作業を加える。 【0018】 これらの本発明の髪型助言方法、及び美容助言方法によれば、上述した本発明のフェイスマップと同様の作用効果を奏することができる。 【発明の効果】 【0019】 上述したように、本発明のフェイスマップ及び髪型助言方法によれば、一般的な美容院であっても施術を受ける人が希望する髪型をイメージすることができるとともに、施術者も施術時の参考にすることができる。また、本発明のフェイスマップ及び美容助言方法によれば、人の眉毛、目、鼻、唇の位置とフェイスマップの眉毛、目、鼻、唇の位置とを比較してそのずれを認識でき、ずれを補正するような化粧をすることができる。 【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】本発明の一実施形態に係るフェイスマップを説明する図である。 【図2】髪型線を省略したフェイスマップを表わす図である。 【図3】頭部輪郭線を書く手順を説明する図である。 【図4】頭部輪郭線を書く手順を説明する図である。 【図5】頭部輪郭線を書く手順を説明する図である。 【図6】頭部輪郭線を書く手順を説明する図である。 【図7】理想的な位置にある眉毛、目、鼻、唇を書く手順を説明する図である。 【図8】中逆三角形、小逆三角形、大逆三角形を書く手順を説明する図である。 【発明を実施するための形態】 【0021】 以下、本発明のフェイスマップ1、髪型助言方法、及び美容助言方法の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。 【0022】 先ず、図1及び図2を参照して、フェイスマップ1の構成について説明する。本実施形態のフェイスマップ1は、頭部輪郭線10と、複数の髪型線30と、理想的な位置にある眉毛2、目3、鼻4、唇5を表わす線と、中逆三角形40と、小逆三角形41と、大逆三角形42とを備える。 【0023】 頭部輪郭線10は、卵形をなし髪がない人の頭部の輪郭を表わす線である。この頭部輪郭線10は、一般的に綺麗な頭部といわれる理想的な形状をなしている。理想的な形状については後述する。 【0024】 髪型線30は、頭部輪郭線10より大きく構成され、髪型の輪郭を表わす線である。この髪型線30は、ショートヘア輪郭線31、シャープ輪郭線34、チャーミング輪郭線35、フォーマル輪郭線36、ゴージャス輪郭線37、及びデラックス輪郭線38を備える。図中では、それぞれの髪型線30を区別しやすいように、シャープ輪郭線34、チャーミング輪郭線35、デラックス輪郭線38を破線で表わしている。また、頭部輪郭線10と髪型線30の左右方向中心には中心線24が引かれる。 【0025】 ショートヘア輪郭線31は、ショートヘアの髪型の輪郭を表わす線である。このショートヘア輪郭線31は、頭部輪郭線10とその下端を同じ位置にしつつ、頭部輪郭線10と相似形に大きくしてある。本実施形態では、このショートヘア輪郭線31を2つ備え、小さい方をベリーショート輪郭線32とし、大きな方をカジュアル輪郭線33としている。 【0026】 シャープ輪郭線34は、シャープな髪型の輪郭を表わす線である。このシャープ輪郭線34は、頭部輪郭線10とその下端を同じ位置にしつつ、幅が頭部輪郭線10と略同じであり上端がショートヘア輪郭線31より高い位置にしてある。 【0027】 チャーミング輪郭線35は、チャーミングな髪型の輪郭を表わす線である。このチャーミング輪郭線35は、頭部輪郭線10とその下端を同じ位置にしつつ、幅がショートヘア輪郭線31より広く、上端がショートヘア輪郭線31とシャープ輪郭線34との間にある。 【0028】 フォーマル輪郭線36は、フォーマルな髪型の輪郭を表わす線である。このフォーマル輪郭線36は、唇の下端位置(中逆三角形40の頂点)を基準に頭部輪郭線10と相似形に大きくしつつ、上端がシャープ輪郭線34より高い位置にある。 【0029】 ゴージャス輪郭線37は、ゴージャスな髪型の輪郭を表わす線である。このゴージャス輪郭線37は、唇の下端位置を基準に頭部輪郭線10と相似形に大きくしつつ、上端がフォーマル輪郭線36より高い位置にある。 【0030】 デラックス輪郭線38は、デラックスな髪型の輪郭を表わす線である。このデラックス輪郭線38は、その下端をゴージャス輪郭線37と同じにしつつ、幅がゴージャス輪郭線37と略同じであり上端がフォーマル輪郭線36とゴージャス輪郭線37との間にある。 【0031】 理想的な位置にある眉毛2、目3、鼻4、唇5を表わす線は、一般的に綺麗といわれる人の眉毛2、目3、鼻4、唇5の位置を表わすものである。この眉毛2、目3、鼻4、唇5の理想的な位置については後述する。なお、眉毛2、目3、鼻4、唇5については位置だけでなく、その形も理想的な形状にして表わすことが好ましい。 【0032】 中逆三角形40は、頭部輪郭線10の中に配置される逆三角形の線である。この中逆三角形40は、底辺が理想的な位置にある眉毛2の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある唇5の下端に配置され、斜辺h1が理想的な位置にある目3の目尻を通る逆三角形である。ここでの眉毛2の高さとは、眉毛2の上端と下端との中間を意図する(図7の符号19参照)。もっとも、実際の人の顔では、目の形や雰囲気等によって理想的な眉の位置や形状が異なる場合があるため、ここでの眉毛の高さはおよその目安とする場合がある。なお、本実施形態では中逆三角形40は正三角形である。 【0033】 小逆三角形41は、中逆三角形40と相似形に小さく構成されて、中逆三角形40の内側に配置される逆三角形の線である。この小逆三角形41は、底辺が理想的な位置にある目3の高さに配置され、頂点が理想的な位置にある鼻4の下端に配置される。ここで、目3の高さとは瞳6(図8参照)の中心の高さであることを意図する。また、小逆三角形41の底辺の両端は、左右方向における目の中央線26(図8参照)よりやや内側に配置される。なお、小逆三角形41の底辺の長さを左右方向に長くして、底辺の両端を瞳6の中心とすることもできる。この場合、小逆三角形41は中逆三角形40と完全な相似形ではないが、略相似形(実質的な相似形)となる。 【0034】 大逆三角形42は、中逆三角形40と相似形に大きく構成されて、中逆三角形40の外側に配置される逆三角形の線である。この大逆三角形42は、底辺が中逆三角形40の底辺と同じ高さに配置され、頂点が頭部輪郭線10の下端に位置する。この大逆三角形42の斜辺h2が、頬骨のおよそのラインを表わす。なお、大逆三角形42の底辺の長さを左右方向に長くして、底辺の両端が頭部輪郭線10に接するようにすることもできる。この場合、大逆三角形42は中逆三角形40と完全な相似形ではないが、略相似形(実質的な相似形)となる。 【0035】 次に、図3ないし図9を参照して、頭部輪郭線10の書き方、理想的な位置にある眉毛2、目3、鼻4、唇5の書き方、及び中逆三角形40、小逆三角形41、大逆三角形42の書き方を説明する。 【0036】 先ず、頭部輪郭線10の書き方を説明する。図3に示すように、1単位を5倍した長さである5単位の基準横線11を引く。次に、基準横線11の中央位置p1を中心として、半径が2.5単位の大円12を描く。次に、大円12の上端から大円12の中心を通って、大円12の下端から下に2単位離れた位置まで、7単位の長さの基準縦線13を引く。 【0037】 次に、図4に示すように、基準縦線13の下端から1.5単位ほど上の位置p2を中心に、半径1.5単位の小円14を描く。次に、基準縦線13のうち上から3単位ほど下がった位置p3に横線(眉毛横線19)を引く。次に、位置p3に引かれた横線19と基準横線11の両端から垂下された縦線25とが交わる位置p4を決める。次に、図5に示すように、基準縦線13(大円12)の上端、基準縦線13(小円14)の下端、及び位置p4を通る卵形の楕円15を描く。このとき、楕円15の上部は大円12の上部と似た軌跡となり、楕円15の下部は小円14の下部と似た軌跡になるようにする。次に、図6に示すように、大円12と小円14とを消す。この残された卵形の楕円15が頭部輪郭線10となる。 【0038】 次に、図7を参照して、理想的な位置にある眉毛2、目3、鼻4、唇5の書き方を説明する。先ほど描いた基準縦線13の中心、すなわち基準縦線13の上端から3.5単位ほど下がった位置p5を通る中心横線16を引く。また、基準横線11の中央の1単位の両側にある縦線を下方向に延長させて、目の内側線17とする。さらに、目の内側線17のより1単位外側にある縦線を下方向に延長させて、目の外側線18とする。そして、中心横線16と目の内側線17とが交わる位置を目頭として、目の外側線18までの横幅で目を描く。 【0039】 次に、基準縦線13の上端から3単位下がったところに引かれた横線を眉毛横線19とする。そして、眉毛横線19に沿って眉毛2を描いていけば良い。このとき、眉頭は目の内側線17と略同じ位置にあり、眉尻は目の外側線18より外側にある。また、眉毛横線19は、眉毛2の上端と下端との中心にある。この状態では、目頭の高さにある中心横線16から眉毛横線19までの高さheは1/2単位の距離がある。ここで、優しい顔つきにするとき等には、眉毛横線19を水平横線より2/3単位まで高くするときがある。係る場合、後述する中逆三角形40と大逆三角形42の底辺の高さも変わることになる。係る場合には、中逆三角形40と大逆三角形42は、底辺も長くされて相似形に大きくされる。 【0040】 次に、基準縦線13の下端から2単位ほど上にある横線を鼻の下端線20として鼻を描く。このとき、鼻の幅は1単位である。また、基準縦線13の下端から1.5単位ほど上にある横線を唇の上端線21として、そこから1/2単位下がった横線を唇の下端線22として唇を描く。このとき、唇の口角は、目の内側線17から外側に1/3単位出たところの口角端線23にある。すなわち、唇の幅は1単位+1/3単位+1/3単位=5/3単位となる。 【0041】 次に、図8を参照して中逆三角形40、小逆三角形41、大逆三角形42の書き方を説明する。本実施形態では、先に中逆三角形40を書く。ここでは、頂点を唇の下端、すなわち基準縦線13の下端から1単位ほど上にある位置にする。そして、眉毛横線19の高さを底辺としつつ斜辺h1が目尻に接する逆三角形を描く。本実施形態では、この中逆三角形40は正三角形を逆さにしたものである。なお、既に説明した眉毛の眉尻も当該斜辺h1に接するように描くことが好ましい。 【0042】 次に、小逆三角形41の書き方を説明する。小逆三角形41は中逆三角形40と相似形に小さくされる。ここでは、頂点を鼻の下端、すなわち基準縦線13の下端から2単位上ある位置にする。そして、目の瞳6の中心高さを底辺とする逆三角形を描く。なお、この小逆三角形41の底辺を長くすることで小逆三角形41の横幅を拡幅して、底辺の両端を瞳6の中心としても良い。 【0043】 次に、大逆三角形42の書き方を説明する。大逆三角形42は中逆三角形40と相似形に大きくされる。ここでは、頂点を頭部輪郭線10の下端、すなわち基準縦線13の下端の位置にする。そして、眉毛横線19の高さを底辺とする逆三角形を描く。なお、この大逆三角形42の底辺を長くすることで大逆三角形42の横幅を拡幅して、底辺の両端を頭部輪郭線10の幅一杯としても良い。 【0044】 次に、本実施形態のフェイスマップ1を用いる髪型助言方法を説明する。本実施形態の髪型助言方法は、撮影ステップと、拡大縮小ステップと、重ね合わせステップと、整髪ステップとを備える。 【0045】 撮影ステップは、人の頭部を正面から撮影して画像データ(図示せず)を得るステップである。このとき、額を露出させた状態で撮影することが好ましい。なお、本実施形態では画像データとして静止画を用いているが、その場で撮影する動画を用いて常に画像データとフェイスマップ1とを画面に表示させ、後述する整髪ステップ等においてリアルタイムで人の顔と髪型とを確認してもよい。 【0046】 拡大縮小ステップは、得られた画像データをコンピュータに取り込み、予めコンピュータの画面に表示されているフェイスマップ1との大きさを合わせるステップである。ここでは、画像データの傾きを修正するとともに、画像データの顔の大きさを頭部輪郭線10の大きさに合わせるようにする。このとき、画像データの顔の形と頭部輪郭線10の形が異なっているときは、画像データの目とフェイスマップ1の目3のおよその位置を合わせつつ、画像データの顔が頭部輪郭線10の中に入ることを優先する。例えば、丸顔の人ならば顔の幅を頭部輪郭線10に合わせる。面長の人であれば顎の先端と頭部輪郭線10の下端とを合わせる等である。また、画像データの大きさを変更する代わりにフェイスマップ1の大きさを変更しても良い。 【0047】 重ね合わせステップは、コンピュータの画面上で、拡大縮小ステップを経た画像データの位置を調整して、画像の目を前記フェイスマップ1の目の位置に合わせるステップである。このとき、画像データの目の高さと、フェイスマップ1の目の高さ(小逆三角形41の底辺の高さ)を合わせることが好ましい。このとき、中逆三角形40、小逆三角形41、及び大逆三角形42をスケールとして用いることで、重ね合わせの作業がしやすくなる。また、拡大縮小ステップと重ね合わせステップとを同時に行い、画像データの大きさを修正しても良い。 【0048】 整髪ステップは、コンピュータの画面を見て、施術を受ける人が希望する1つの髪型線30に該当するような髪型を施術者とともに決定し、その決定した髪型になるように施術者が髪を整髪するステップである。例えば、チャーミングな髪型を希望すれば、チャーミング輪郭線35に沿った髪型とすれば良い。次に、決定したチャーミング輪郭線35の髪型になるように髪を整髪すればよい。このとき、撮影ステップ以降のステップを繰り返して、髪型の確認作業をすることもできる。 【0049】 次に、本実施形態のフェイスマップ1を用いる美容助言方法を説明する。本実施形態の美容助言方法は、撮影ステップと、拡大縮小ステップと、重ね合わせステップと、化粧ステップとを備える。撮影ステップ、拡大縮小ステップ、重ね合わせステップは上述した髪型助言方法と同じであるため説明を省略する。ここでも、静止画の代わりにその場で撮影する動画を用いて、化粧ステップにて人の眉毛、目、鼻、唇とフェイスマップ1の眉毛2、目3、鼻4、唇5との比較を、リアルタイムで確認してもよい。 【0050】 化粧ステップは、人の眉毛、目、鼻、唇がフェイスマップ1の眉毛2、目3、鼻4、唇5の位置に近付いて見えるように化粧するステップである。例えば、両目の間隔が近い人は、目尻のアイシャドーを長くする等である。また、鼻の幅が広い人は狭く見えるように化粧する等である。これらの化粧方法は、様々な刊行物等で公知となっているため、ここでは説明を省略する。この化粧ステップでは、フェイスマップ1の眉毛2、目3、鼻4、唇5の形が理想的な形であれば、その形状に近付くように化粧することができる。また、画像データの輪郭線と頭部輪郭線10とを比較して丸顔の人は面長に見えるように、面長の人は丸顔に見えるように化粧することもできる。この化粧方法も公知であるため、説明を省略する。 【0051】 この化粧ステップを実施するとき、中逆三角形40、小逆三角形41、及び大逆三角形42をスケールとして用いることで、実際の人の眉毛、目、鼻、唇の高さや位置と、理想的な眉毛2、目3、鼻4、唇5の高さや位置とのずれを把握しやすくなる。また、大逆三角形42の斜線h2は、人のおよそ頬骨のラインを表わしているため、頬の化粧をするときの参考にすることもできる。 【0052】 以上、説明したように、本実施形態のフェイスマップ1、髪型助言方法、及び美容助言方法によれば、簡易な方法で人が希望する髪型をイメージすることができ、施術を受ける人と施術者との意思の疎通ができ、互いの齟齬が生じにくくなる。このため、施術を受ける人の希望どおりの髪型とすることができる。また、施術者も髪型線を施術するときの目安とすることができ、狙ったとおりの髪型とすることができる。また、施術を受ける人の眉毛、目、鼻、唇の位置等を客観的に見ることができる。このため、化粧をするときに、理想的な位置等にある眉毛2、目3、鼻4、唇5に近づけて化粧することができ、化粧の方向性を容易に得ることができる。 【0053】 また、施術時のように同じ人の顔を長時間見ていると、ゲシュタルト崩壊という現象が起こったり、慣れが生じたりして、当初に思い描いていた髪型と違う髪型に仕上がったり、化粧の精度が落ちたりすることがある。これが本実施形態のフェイスマップ、髪型助言方法、及び美容助言方法を用いることで、各要素の大きさや位置、形状を正確に把握することができるようになる。 【0054】 なお、上述したフェイスマップ、髪型助言方法、及び美容助言方法は、本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を適宜変更することができる。 【符号の説明】 【0055】 1・・フェイスマップ、2・・眉毛、3・・目、4・・鼻、5・・唇、6・・瞳、 10・・頭部輪郭線、11・・基準横線、12・・大円、13・・基準縦線、14・・小円、15・・楕円、16・・中心横線、17・・目の内側線、18・・目の外側線、19・・眉毛横線、20・・鼻の下端線、21・・唇の上端線、22・・唇の下端線、23・・口角線、24・・中心線、25・・縦線、26・・目の中央線、 30・・髪型線、31・・ショートヘア輪郭線、32・・ベリーショート輪郭線、33・・カジュアル輪郭線、34・・シャープ輪郭線、35・・チャーミング輪郭線、36・・フォーマル輪郭線、37・・ゴージャス輪郭線、38・・デラックス輪郭線、 40・・中逆三角形、41・・小逆三角形、42・・大逆三角形、h1,h2・・斜辺、 p1,p2,p3,p4,p5・・位置、 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
【図6】 |
【図7】 |
【図8】 |
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