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【発明の名称】足踏みペダル構造体 【出願人】 【識別番号】516126894 【氏名又は名称】宮地 孝 【住所又は居所】広島県三原市円一町3丁目7番5-2号 【代理人】 【識別番号】100146020 【弁理士】 【氏名又は名称】田村 善光 【代理人】 【識別番号】100062328 【弁理士】 【氏名又は名称】古田 剛啓 【発明者】 【氏名】宮地 孝 【住所又は居所】広島県三原市円一町3丁目7番5-2号 【要約】 【課題】自転車やトレーニング機器のペダルをこぐことにより足指を鍛えることができる足踏みペダル構造体を提供することを課題とする。 【解決手段】前後方向の長さが足指先端部から中足骨頭部近傍までの長さを有し、クランク軸を中心に回転する足踏みペダル構造体であって、前記足踏みペダル構造体のペダルの少なくとも一面側に、前後方向でペダル軸と略同じ位置に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部が形成され、前記凸形状部の前後側の前記ペダル面には、足指の付け根で前記ペダルをこぐときの、前記足指の付け根を中心とした足指や中足骨頭部近傍部の屈曲を許容する逃がし部が形成されている足踏みペダル構造体により課題解決できた。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 前後方向の長さが足指先端部から中足骨頭部近傍までの長さを有し、クランク軸を中心に回転する足踏みペダル構造体であって、 前記足踏みペダル構造体のペダルの少なくとも一面側に、前後方向でペダル軸と略同じ位置に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部が形成され、前記凸形状部の前後側の前記ペダル面には、足指の付け根で前記ペダルをこぐときの、前記足指の付け根を中心とした足指や中足骨頭部近傍部の屈曲を許容する逃がし部が形成されていることを特徴とする足踏みペダル構造体。 【請求項2】 前記足踏みペダル構造体のペダルの他面側に、前後方向でペダル軸と略同じ位置に足指の足裏側の凸部を当接させる、足指の足裏側が嵌合しやすい大きさを有する凹形状部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の足踏みペダル構造体。 【請求項3】 前記足踏みペダル構造体のペダルの他面側に、前後方向でペダル軸と略同じ位置に足指の足裏側の凸部を当接させる、足指の足裏側が嵌合しやすい大きさを有する凹形状部が形成され、かつ前記凹形状部の後方に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の足踏みペダル構造体。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本願発明は、自転車やトレーニング機器のペダルを足でこぐことによって足指の筋力の増強を効果的に図ることが可能な足踏みペダル構造体に関する。 【背景技術】 【0002】 足裏の刺激は健康維持に関係している。例えば、ひざ痛などの足の痛みがあるが、足の筋肉は先端側が足指につながっているので、足指をしっかり使うようにすれば足の筋肉の強化につながり、ひざ痛などが改善されやすいが、歩行時において足指が地面に着かない浮き指となっている人は足の筋肉が弱体化しており、この場合にはひざ痛などが治りにくくなっている。 【0003】 そこで、足の筋肉増強に関する技術として、特許文献1には、足指・踵ペダル訓練器基板の前方には足指荷重台を設け、その上部に足指保護固定カバーを設け、後方には踵荷重台があり、その上部に踵保護固定カバーを設け、固定された底板との間にはスポンジやバネなどの抵抗物を敷き、足底で踏み込む時、足底筋と関連して大腿筋などの下肢全体の筋力強化もできるようにした足指・踵ペダル訓練器が開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2005−169039号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1に記載の足指・踵ペダル訓練器は、自転車こぎ運動でも実施可能であるとの記載があるが、足指に接する部分が平板であるため、足指を訓練することが困難であり、足指の筋力を増強する効果は期待できないという問題があった。 【0006】 本願発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、自転車やトレーニング機器のペダルをこぐときに足指を鍛えることができる足踏みペダル構造体を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 請求項1に記載の足踏みペダル構造体1は、前後方向の長さが足指先端部から中足骨頭部近傍までの長さを有し、クランク軸10を中心に回転する足踏みペダル構造体1であって、前記足踏みペダル構造体1のペダル2の少なくとも一面側に、前後方向でペダル軸3と略同じ位置に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部4が形成され、前記凸形状部4の前後側の前記ペダル2面には、足指の付け根で前記ペダル2をこぐときの、前記足指の付け根を中心とした足指や中足骨頭部近傍部の屈曲を許容する逃がし部5が形成されていることを特徴とする。 【0008】 請求項2に記載の足踏みペダル構造体1は、請求項1において、前記足踏みペダル構造体1のペダル2の他面側に、前後方向でペダル軸3と略同じ位置に足指の足裏側の凸部を当接させる、足指の足裏側が嵌合しやすい大きさを有する凹形状部6が形成されていることを特徴とする。 【0009】 請求項3に記載の足踏みペダル構造体1は、請求項1又は2において、前記足踏みペダル構造体1のペダル2の他面側に、前後方向でペダル軸3と略同じ位置に足指の足裏側の凸部を当接させる、足指の足裏側が嵌合しやすい大きさを有する凹形状部6が形成され、かつ前記凹形状部6の後方に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部7が形成されていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 請求項1に記載の足踏みペダル構造体1は自転車やトレーニング機器に取り付けて使用する。前記足踏みペダル構造体1を使用すると、足指の付け根をペダル軸3の真上の凸形状部4に位置させてペダル2をこぐため、足指を意識して屈曲させて足指に力を加えて自転車などのペダルをこぐことになる。これにより、足指の筋肉の強化を図ることができ、浮き指防止ができ、足の伸筋などの筋肉の先端部は足指につながっていることからひざ痛なども改善しやすくするという効果を奏する。 【0011】 また、足指を屈曲させて足指を前記凸形状部4に密着させてペダル2をこいだときに、一般的なペダルをこぐ形態での土いらず部分で踏み込む力に、足指を屈曲させて下方に押し込む力を加えた合力が、本願発明の足踏みペダル構造体1を踏み込む力となるので、一般的なペダルを踏み込む力より本願発明の足踏みペダル構造体1を踏み込む力の方が大きくなり、本願発明の足踏みペダル構造体1を自転車に取り付けて使用すれば自転車の走行速度を速くすることができるという効果を奏する。なお、50歳代から70歳代の男性7名の片足5本指の足指を屈曲させて足指の押圧する力を測定すると平均で約33kgの踏力を出すことができた。 【0012】 請求項2に記載の足踏みペダル構造体1を使用すると、足指をペダル軸3の真上の凹形状部6に位置させてペダルをこぐため、足指を意識して足指に力を加えて自転車などのペダル2をこぐことになる。これにより、足指の筋肉の強化を図ることができ、浮き指防止ができ、足の伸筋などの筋肉の先端部は足指につながっていることからひざ痛なども改善しやすくするという効果を奏する。 【0013】 請求項3に記載の足踏みペダル構造体1を使用すると、足指をペダル軸3の真上の凹形状部6に位置させてペダルをこぐときに、足指を曲げたときの足指の付け根が凸形状部7に密着するので足指に力を入れてこぎやすくなる。これにより、さらに足指の筋肉の強化を図ることができ、浮き指防止ができ、足の伸筋などの筋肉の先端部は足指につながっていることからひざ痛なども改善しやすくするという効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【0014】 【図1】本願発明の足踏みペダル構造体の斜視図である。 【図2】本願発明の足踏みペダル構造体をクランク軸に取り付けた概要図である。 【図3】足踏みペダル構造体の凸形状部に足指の付け根を接した状態を説明する図である。 【図4】柔軟性を有する靴底を有する靴(透明状態で記載)を履いた場合の、足踏みペダル構造体の凸形状部に足指の付け根を接した状態を説明する図である。 【図5】足踏みペダル構造体の凹形状部に足指の足裏側を接した状態を説明する図である。 【図6】足踏みペダル構造体の凹形状部に足指の足裏側を接し凸形状部に足指の付け根を当接させた状態を説明する図である。 【発明を実施するための形態】 【0015】 本願発明の足踏みペダル構造体1は、図1乃至図2に示すように、前後方向の長さが足指先端部から中足骨頭部近傍までの長さを有し、クランク軸10を中心に回転する足踏みペダル構造体1であって、前記足踏みペダル構造体1のペダル2の少なくとも一面側に、前後方向でペダル軸3と略同じ位置に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部4が形成され、前記凸形状部4の前後側の前記ペダル2面には、足指の付け根で前記ペダル2をこぐときの、前記足指の付け根を中心とした足指や中足骨頭部近傍部の屈曲を許容する逃がし部5が形成されている。 【0016】 足踏みペダル構造体1は、図1に示すように、足でこぐときに足裏又は足裏相当部位を当接するペダル2やペダル軸3を備えている。そして、図2に示すように、ペダル軸3はクランク軸10を中心としてクランク11を介して回動自在にクランク軸10に連結され、ペダル2を足でこぐとペダル2はクランク軸10を中心に回転する。また、ペダル2はペダル軸3を中心に回動自在に取り付けられている。 【0017】 ペダル2の一面側は、図1乃至図5に示すように、前後方向でペダル軸3と略同じ前後方向の位置に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部4が形成され、前記凸形状部4の前後側の前記ペダル2面には、足指の付け根で前記ペダル2をこぐときの、前記足指の付け根を中心とした足指や中足骨頭部近傍部の屈曲を許容する逃がし部5が形成されている。逃がし部5を設けることによって、凸形状部4を屈曲させた足指で掴むように力を十分に入れることができる。 【0018】 前記凸形状部4は、足指の付け根を屈曲させたときに生ずる下向きの凹部の形状に略合う大きさの凸形状にする。また、前記逃がし部5は図1乃至図4に示すように足裏から離隔させた位置になるように略平面を形成し、足裏から離隔させた位置になるように傾斜面を形成し、又は、足指近傍や中足骨頭部近傍部に当接する部位に穴を設けてもよい。前記凸形状部4の大きさは、足指の付け根を屈曲させたときに形成される足の付け根の凹部に沿う大きさであればよい。 【0019】 また、足踏みペダル構造体1を自転車やトレーニング機器に取り付けた場合は、素足で足指を屈曲させて足指を前記凸形状部4に密着させてペダル2をこぐことができ、又は、運動靴などの柔軟性を有する靴底を有する靴であれば足指を屈曲させて柔軟性を有する靴底を前記凸形状部4に密着させてペダル2をこぐことができる。したがって、素足であっても運動靴であっても効果を得ることができる。 【0020】 そして、図5に示すように、前記足踏みペダル構造体1のペダル2の他面側に、前後方向でペダル軸3と略同じ位置に足指の足裏側の凸部を当接させる、足指の足裏側が嵌合しやすい大きさを有する凹形状部6が形成されている。よって、一つのペダル2の一面側に足指の付け根近傍を当接させる凸形状部4を形成し、裏面側の他面に足指の足裏側を当接させる凹形状部6を形成している。 【0021】 そして、図6に示すように、前記足踏みペダル構造体1のペダル2の他面側に、前後方向でペダル軸3と略同じ位置に足指の足裏側の凸部を当接させる、足指の足裏側が嵌合しやすい大きさを有する凹形状部6が形成され、かつ前記凹形状部6の後方に足指の付け根の凹部を当接させる、足指が掴みやすい大きさを有する凸形状部7を形成している。この形態の場合は、足指を曲げたときに足指の足裏側の凸部が凹形状部6の密着し足指の付け根が凸形状部7に密着するので足裏と足踏みペダル構造体1の接する面が広くなるので足指に力を入れてペダル2をこぎやすくなる。 【0022】 通常は、運動靴などの靴を履いてペダル軸の上方に足の前後方向の中央部である土踏まず近傍を当接させて自転車等のペダルをこいでも、足の力を必要とする部位は足の土踏まず部分であったり、踵や中足骨頭部近傍であったりして足指に力を入れることはあまりない。足指は運動靴などの靴の平らな靴底の上に載せた状態となり、足指に力を入れなくとも歩行したり自転車等のペダルをこぐ動作ができるからである。このために足指の筋肉を強化する機会が減少しており、これにより足指につながる筋肉が弱まってきてひざ痛などの足の筋肉に関する傷病が改善されにくい。 【0023】 これに対して、本願発明の足踏みペダル構造体1は、自転車やトレーニング機器等のペダル2の一面側に前後方向でペダル軸3の位置に足指の付け根に当接させる凸部形状4が形成されている。本願発明の足踏みペダル構造体1を使用すれば、足の中央部の土踏まず近傍でなく足指の付け根でペダル2を強く踏み込むようになるので、足指につながる筋肉を強化することができる。 【0024】 また、足指の足裏側が嵌合しやすい大きさを有する凹形状部6が形成されているペダル2を足指の足裏側で踏み込む場合も、足指につながる筋肉を強化することができる。 【0025】 また、50歳代から70歳代の男性7名の片足5本指の足指を屈曲させて足指の押圧する力を測定すると、ゆるやかに踏み込んだ場合は平均で約23kg弱の踏力が得られ、強く踏み込んだ場合には平均で約33kgの踏力が得られた。このことから、本願発明の足踏みペダル構造体1を使用すれば足指の鍛錬に効果が期待できる。したがって、成人男性が力を入れて踏み込んだ場合は一般的な形態のペダルの場合よりも自転車の走行速度を速くすることができ、近年盛んに実施されているサイクリングをより楽しむことができる。 【0026】 足底には、長母指伸筋、長母指屈筋、長指屈筋、虫様筋、短小指屈筋、短母指屈筋、短指屈筋、足底方形筋などの足指につながる筋肉や、短指屈筋腱、長母指屈筋腱、長指屈筋腱などの足指につながる腱が構成されている。また、足底の筋肉は、下肢の筋肉であるヒラメ筋、腓腹筋、長・短腓骨筋、下肢三頭筋、アキレス腱等とつながり、さらに長内転筋、大腿四頭筋等の身体の上部の筋肉とつながっている。このことは、足指につながる足底や下肢の筋肉や腱が多くあることを示し、足指を強化すれば足底や下肢を構成する筋肉や腱も強化するという効果を奏し、かつ、踵と中足骨頭部近傍が地面に着くが足指が地面に着かないという症状の浮き指の改善や予防の効果を奏します。 【0027】 前記浮き指は、足の裏全体を地面につけて立っていない症状であり、実際には足指が浮いているので身体の重心が本来あるべき位置よりも後方向にずれている症状です。身体の横方向からみると正常な足なら踵、中足骨頭部近傍、足指の3点が地面について安定した歩行ができるが、足指が浮いた状態では踵と中足骨頭部近傍の2点歩行となり不安定な歩行となります。不安定な後重心や2点歩行を安定な歩行にするには腰や膝に余分な力を入れて支えるために、ひざ痛や腰痛が起こりやすくなる原因の一つになったり、お年寄りが転倒しやすくなる原因の一つになっています。本願発明の足踏みペダル構造体1を使用すれば浮き指の改善を実現させることができ、浮き指が原因の各症状の改善を図ることができる。 【符号の説明】 【0028】 1 足踏みペダル構造体 2 ペダル 3 ペダル軸 4 凸形状部 5 逃がし部 6 凹形状部 7 凸形状部 10 クランク軸 11 クランク 20 足 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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(1)昨今、利便性の生活様式の影響で足指には不動化による筋力劣化で浮き指、寝指、外反母趾等の変形が起こり体のバランス不均衡により筋肉や骨部そして関節等にひづみが生じるため、体にはひざ痛、腰痛、O脚、首痛等の弊害が起きている。私自身、3年前に腰痛と左足にしびれと痛みが生じ時折、間欠性跛行で歩行困難や就眠の妨げになる等日夜、不快な毎日が半年続きました。 病院でその原因は腰部脊椎間狭窄症と診断され施術を勧められました。そんな折、自発的に足指の鍛錬を行ったところ施術をしなくても痛みは日々軽減し今では意外にも通常の生活となりました。 以上、記述したこれらの弊害の改善方法としては多くの事例や参考資料で判る通り足指の筋力強化が有効とされている。 (2)足指の筋力強化は歩行や階段の昇降力、そして転倒防止等、身体機能の活性化がえられる。 (3)自転車の走行は通常、ペダル踏板に足本体Bと踏足Aの踏力を土踏まずあたりで踏込む動作で走行するものであるが、本発明はさらに申請書に記述した通り片足5本指自体の踏力(約20〜30kg)をペダル凸形状部に踏込む足指@の反復動作は踏足Aの踏力を活発に誘導するため双方の相乗効果による踏力と足本体Bの合力で加速力を増強することができる。 以上、本発明の足踏みペダル構造体は身体の健康維持と自転車の加速力の増強に寄与するものである。 (4)現在、多くのユーザーに愛用されている電動自転車と本発明の足踏みペダルを取り付けた自転車の効用を対比した場合、特に走行力について遜色はなく価格、維持費や耐用年数、さらには身体の健康等、双方の効能を総合的に考慮すると本発明のペダルの価値は高いものと考えられる。 |
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