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【発明の名称】ねずみ捕り器 【特許権者】 【識別番号】501137304 【氏名又は名称】永井 敏之 【住所又は居所】愛知県名古屋市南区鳴尾1丁目38番地 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100090239 【氏名又は名称】三宅 始 【発明者】 【氏名】永井 敏之 【住所又は居所】愛知県名古屋市南区鳴尾1丁目38番地 【特許請求の範囲】 【請求項1】 中央に形成した折り畳み部で折り畳んだときに内側となる谷折側の対向する面に、粘着面を形成した捕獲用粘着板と、 該捕獲用粘着板の山折側に跨装して、前記粘着面を接近させるように付勢するクリップと、 該クリップの付勢に抗して前記捕獲用粘着板の前記粘着面の対向間隔を所定間隔に保持する衝立板とからなり、 前記捕獲用粘着板は、前記折り畳み部の山折側の該折り畳み部の両側にそれぞれ係止板を貼着し、該係止板の前記折り畳み部の反対側の側縁に、該折り畳み部に跨装した前記クリップの先端を係止させて、 前記衝立板がねずみにより倒されたとき、前記クリップで付勢されている前記粘着面が接近して、ねずみを捕獲するようにしたことを特徴とするねずみ捕り器。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、ねずみ捕り器に関する。 【背景技術】 例えば、公開実用新案公報昭52−111667号に開示されているねずみ捕り器は、上部を中心として内側へ回動されるように常時付勢された一対の外側挟着部材に対し、同挟着部材をその弾性に抗して所定間隔に保持し得るようにした作動部材を係脱可能にしてなる器枠と、同器枠内側に対し着脱可能に挿通して、かつ少なくとも底面及びその両側の若干の高さ部分を除いて内側に接着剤を塗布した筒状の内側挟着部材とにより、前記作動部材上にねずみの荷重が加わったとき、外側挟着部材の弾力により内側挟着部材が閉じるように構成したものである。 【特許文献1】 公開実用新案公報昭52−111667号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、上記のねずみ捕り器は、特に器枠の製作が面倒で手間がかかり、コスト高となる。また、使用時においては、器枠を広げて筒状の内側挟着部材をセットする必要があり、使い勝手がよくない。 そこで本発明が解決しようとする課題は、使い勝手が良く、簡易な構成とすることにより安価なねずみ捕り器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 請求項1に記載のねずみ捕り器は、中央に形成した折り畳み部で折り畳んだときに内側となる谷折側の対向する面に、粘着面を形成した捕獲用粘着板と、 該捕獲用粘着板の山折側に跨装して、前記粘着面を接近させるように付勢するクリップと、 該クリップの付勢に抗して前記捕獲用粘着板の前記粘着面の対向間隔を所定間隔に保持する衝立板とからなり、 前記捕獲用粘着板は、前記折り畳み部の山折側の該折り畳み部の両側にそれぞれ係止板を貼着し、該係止板の前記折り畳み部の反対側の側縁に、該折り畳み部に跨装した前記クリップの先端を係止させて、 前記衝立板がねずみにより倒されたとき、前記クリップで付勢されている前記粘着面が接近して、ねずみを捕獲するようにしたことを特徴とする。 【発明の効果】 請求項1に記載のねずみ捕り器によれば、該ねずみ捕り器は、中央に折り畳み部を形成した捕獲用粘着板、クリップ及び衝立板からなる簡易な構成としたので、安価で、かつ、使い勝手が良く、容易に現場で組み立てることができる。 さらに、ねずみは、通り道上に置かれた障害物の高さが目線の高さ程度である場合には、その障害物を飛び越えて行くという習性がある。そのため、通り道上にねずみ捕り器を設置した際に障害物にあたる衝立板をねずみが飛び越え、ねずみの胴体又は尾の一部が捕獲用粘着板若しくは衝立板に触れたときに、クリップの付勢に抗して粘着面の対向間隔を所定間隔に保持している衝立板が倒れる。このため、付勢された捕獲用粘着板が急激に接近して、ねずみを捕獲することができる。 そして、折り畳み部の山折側の該折り畳み部の両側にそれぞれ係止板を貼着し、該係止板の前記折り畳み部の反対側の側縁に、該折り畳み部に跨装した前記クリップの先端を係止させるようにした。そのため、クリップが滑って外れないようにすることができると共に、確実に捕獲用粘着板の粘着面が接近するように付勢力を作用させることができる。 また、ねずみの捕獲後に、捕獲用粘着板にねずみを挟んだまま、ねずみ捕り器を運び、クリップを拡開して、容易に捕獲用粘着板を捨てることができる。したがって、ねずみを捕獲した捕獲用粘着板に触れずにねずみを処分することができることから、衛生上安全にねずみ捕り器を取り扱うことができる。 【実施例1】 本発明の実施例として、添付した図面にしたがって説明する。 図1に示すように、ねずみ捕り器10は、捕獲用粘着板11と、クリップ12と、衝立板13とからなる。 捕獲用粘着板11は、所定の大きさの矩形の段ボール紙、厚紙等からなり、図2に示すように、中央に折り畳み部14が形成されている。 該折り畳み部14で折り畳んだときに、内側となる谷折側15の対向する面に、粘着面17a、17bが形成されている。粘着面17a,17bは、粘着剤を塗布して形成されている。一方、外側となる山折側16には、折り畳み部14の両側に、それぞれ係止板18a,18bが貼着されている。 対向する粘着面17a,17bの周縁部には、板材を貼着した枠部19が設けられている。粘着面17a,17bの中央部には、円形状に形成したスポンジ等からなるパッチ20がそれぞれ貼着されている。粘着面17a,17bの枠部19と、パッチ20は、折り畳んだ際にそれぞれ互いに当接して、粘着面17a,17bが貼り着くのを防止している。 なお、粘着面17a,17bは、両面テープ等の粘着テープを貼着して形成することもできる。 クリップ12は、回動軸25に対し、把持部26と挟持部27とが形成され、挟持部27を内側へ付勢するバネ28が設けられている。クリップ12を折り畳み部14の山折側16に跨装させたとき、挟持部27は、粘着面17a,17bを接近させるようにバネ28の復原力によって付勢する。この場合に、挟持部27の先端27aは、係止板18a,18bの折り畳み部14の反対側の側縁部に係止される。これにより、粘着面17a,17bの対向間隔が衝立板13によって拡開された場合に、クリップ12の挟持部27が捕獲用粘着板の面上を滑って外れてしまわないようにすることができる。しがたって、クリップ12は粘着面17a,17bを急激に接近させるように確実に付勢することができる。 また、クリップ12は、市販されている洗濯ばさみを用いても良く、その際には、折り畳み部14に跨装させたときに係止板18a,18bへ挟持部27の先端27aが係止されるように、挟持部27が半弧状に形成されたものが好ましい。 衝立板13は、台形状の厚紙等からなり、図3に示すように、下辺の中央からT字形の切れ込みが入れられ、一対の脚部30a,30bが形成されている。該脚部30a,30bは、折り曲げ角度が90度以下となるように互い違いに折り曲げられている。そのため、衝立板13は、自立することができるものの、ねずみが接触した場合には、容易に倒れるようにされている。衝立板13の両端部31a,31bは、捕獲用粘着板11の粘着面17a,17bに触れずに枠部19へ当接させることができるように、細長く形成されている。なお、該両端部31a,31bは、枠部19上を容易に滑動させるために、斜めに切除しても良い。 衝立板13は、クリップ12の付勢に抗して捕獲用粘着板11の粘着面17a,17bの対向間隔を所定間隔に保持するように、粘着面17a,17bの折り畳み部14の反対側の枠部19に装着されている。 そして、衝立板13は、設置する場所や捕獲するねずみの種類に応じて、両端部31a,31bを切除して、衝立板13の長さを調整することができ、それによって捕獲用粘着板11の幅や高さを調節することができる。 また、ねずみの餌となるものの香り等からなる香料を混合したペースト状又は液体状の誘引剤を、衝立板13に塗布することによって、ねずみをねずみ捕り器の中へ誘導し、捕獲することができる。 上記の構成を有するねずみ捕り器10は、以下のように使用される。 図1に示すように、折り畳み部14を上方にして捕獲用粘着板11を折り畳み、粘着面17aと粘着面17bとを対向させる。そして、クリップ12を折り畳み部14の山折側16に跨装し、係止板18a,18bの折り畳み部14の反対側の側縁にクリップ12の挟持部27の先端27aを係止させる。これにより、捕獲用粘着板11は、クリップ12により粘着面17a,17bを接近させるように付勢される。 一方、衝立板13は、クリップ12の付勢に抗するように粘着面17aと粘着面17bとの間で、捕獲用粘着板11の下辺の枠部19間に所定間隔を保持するように配設される。衝立板13の両端部31a,31bの角部には、クリップ12の付勢力が等分に作用している。 このようにして、ねずみ捕り器10は立設保持され、捕獲用粘着板11の両側には、二等辺三角形状の開放側面35a,35bが形成される。 そして、ねずみ捕り器10は、ねずみの巣穴前に開放側面35a,35bのいずれかを向けたり、ねずみの通り道に沿って開放側面35a,35bを向けたりして設置される。 ここで、ねずみの進行方向にある障害物の高さが、ねずみの目線の高さと同程度の高さ、若しくはそれ以下の高さである場合、ねずみは、該障害物を飛び越えて行くという習性がある。 図4に示すように、ねずみ(図中2点鎖線で示す)が、進行方向にある障害物にあたる衝立板13を飛び越えた場合、衝立板13の上方には上に向かって幅が漸減する粘着面17a,17bがあるので、ねずみは、粘着面17a,17bのいずれか一方に接触して、捕獲される。その後、捕獲されたねずみが粘着面17a,17bから逃れようとして暴れると、衝立板13は倒れて捕獲用粘着板11から外れるので、クリップ12で付勢された粘着面17a,17bは急激に接近し、捕獲したねずみを付勢力によってより強固に粘着面17aと粘着面17bとの間に挟持する。 また、衝立板13にねずみの胴体や脚の一部が触れたときには、衝立板13は容易に倒れるので、急激に接近する粘着面17aと粘着面17bとの間にねずみは挟持され、捕獲される。 したがって、ねずみは、クリップ12の付勢力と粘着面17a,17bの粘着力により捕獲される。 さらに、衝立板13に誘引剤が塗布されている場合、或いは衝立板13の脚部30a,30bの間に餌を置いた場合には、匂いに導かれてねずみ捕り器10内に進入したねずみは、該衝立板13の臭いを嗅いだり、餌を巣穴に持ち帰ろうとする。この場合に、ねずみの胴体や脚の一部が粘着面17a、粘着面17b、若しくは衝立板13のいずれかに触れれば、ねずみは、粘着面17a、粘着面17bのいずれかに貼り着き、さらにまた、衝立板13は倒されるので、急激に接近する粘着面17aと粘着面17bとの間にねずみは挟持され、捕獲される。 本実施例によれば、捕獲用粘着板11は、中央部で折り畳まれて市販されている平板状の粘着式ねずみ捕り器を流用することができる。また、クリップ12も、市販されている挟持部27が半弧状に形成され、バネ28により内側に付勢する洗濯ばさみを流用することができる。これにより、本実施例のねずみ捕り器10は、捕獲用粘着板11とクリップ12とを容易に調達することができると共に、捕獲用粘着板11、クリップ12並びに衝立板13によって容易に組み立てることができる。 そして、本実施例の捕獲用粘着板11及び衝立板13は、段ボール紙、厚紙等から形成される。そのため、ねずみを捕獲して処分するとき、捕獲したねずみに直接触れること無くそのまま捨てることができる。したがって、衛生上安全であって、使い勝手が良い。また、捕獲用粘着板11を使い回すことが無いので、捕獲用粘着板11に他の縄張りのねずみの臭いが付着しない。 さらに、ねずみの通り道上に設置し、その上を通過するねずみを粘着面で捕獲するように構成したねずみ捕り器は、水や油、泥等の汚れが付着したねずみの脚に、粘着剤を付着させてねずみを捕獲するのに対し、本実施例のねずみ捕り器10は、捕獲用粘着板11の粘着面17a,17bがねずみの胴体部に密着する。そのため、粘着面17a,17bに粘着力を弱める水や油、泥等の汚れが付着しないことから、捕獲の確実性を高めることができる。 また、捕獲用粘着板11は、折り畳んで設置するもので、ねずみの通り道に沿って開放側面35a,35bを向けたときに、該開放側面35a,35bの下辺は地面が露出する。そのため、ねずみ捕り器10の入口部分にあたる開放側面35a,35bには段差が生じないことから、ねずみ捕り器10の中へ警戒心や違和感を抱かせずにねずみを誘導し、捕獲することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本実施例に係るねずみ捕り器を示す斜視図である。 【図2】本実施例に係るねずみ捕り器の捕獲用粘着板の谷折側を示す平面図である。 【図3】本実施例に係るねずみ捕り器の衝立板を示す斜視図である。 【図4】本実施例に係るねずみ捕り器の作動状態を示す説明図である。 【符号の説明】 10…ねずみ捕り器、11…捕獲用粘着板、12…クリップ、13…衝立板、 14…折り畳み部、15…谷折側、16…山折側、 17a…粘着前面、17b…粘着後面、18a,18b…係止板、19…枠部、20…パッチ、 25…回動軸、26…把持部、27…挟持部、27a…挟持部の先端、 30a,30b…脚部、31a,31b…両端部 35a,35b…開放側面。 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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