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家庭用品U
 
【考案の名称】傘袋および傘
【実用新案権者】
【識別番号】509048521
【氏名又は名称】中 洋子
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区神大寺1−7−13
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100096091
【氏名又は名称】井上 誠一
【考案者】
【氏名】中 洋子
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区神大寺1−7−13
【要約】
【課題】
傘袋と傘を接続する接続部材を有する傘袋であって、傘の出し入れを容易に行うことができ、かつ使用後の濡れた傘を収容したときに傘についた雨滴がこぼれることのない傘袋を提供する。
【解決手段】
傘袋1は、接続部材17によって折り畳み傘19と接続する。接続部材17の一端は、傘袋1の内側に取付部材9によって取り付けられる。取付部材9は、袋体3の長手方向の中央部から底部7の間に位置する。傘袋1は、折り畳み傘19を出し入れするための開口部5を一端とし、他端を底部7とする筒状の袋体3を有する。スリット13は、開口部5から長手方向に伸びる。着脱手段11は、開口部5付近の外側に、スリット13を挟むように位置する一対の部材からなり、着脱自在である。掛け部材15は、開口部5付近に位置し、一端にボタン等の着脱可能な部材を有し、ループ状のものである。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
傘を収容する傘袋であって、
前記傘を出し入れするための開口部を一端とし、他端を底部とする筒状の袋体と、
前記傘と前記袋体とを接続する接続部材と、
を有し、
前記接続部材は、前記袋体の内側であって、前記袋体の長手方向の中央部から前記底部の間に取り付けられることを特徴とする傘袋。
【請求項2】
前記袋体は、前記開口部から長手方向に伸びるスリットと、前記開口部付近の外側に、前記スリットを挟むように位置する一対の部材からなる着脱自在な着脱手段とを更に有し、
前記スリットの長さは、前記接続部材が取り付けられる位置から前記底部までの長さと同一、またはやや大きいことを特徴とする請求項1に記載の傘袋。
【請求項3】
前記袋体は、前記開口部または前記底部付近に、一端が着脱可能なループ状の掛け部材を更に有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の傘袋。
【請求項4】
請求項1に記載の傘袋が接続部材を介して接続されている傘。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、傘を収容する傘袋、および傘袋が接続されている傘に関するものである。
【背景技術】
市販されている多くの折り畳み傘は、傘と傘袋が別体であり、互いに接続されていない。折り畳み傘は、傘袋から傘を取り出して使用するため、傘袋を紛失することが多い。傘袋がない場合、使用後には濡れた傘を剥き出しの状態で携帯しなくてはならず、衣服や鞄等に雨滴が付いて濡れてしまう。
傘袋の紛失を防止する従来技術として、特許文献1がある。特許文献1に記載の傘袋付き傘では、傘の柄または支柱と傘袋の外側とを接続部材で接続し、傘袋の外側に巻きバンドの一端を固定し、その巻きバンドの自由端と傘袋の外側または巻きバンドとにそれぞれ一対の部材からなる着脱自在な連結手段を固定する。傘を使用するときは、傘袋を小さくしてその外側を巻きバンドで巻き、連結手段を連結させることによって巻きバンドで傘袋を小さく丸めた状態に保つ。接続部材は長いと邪魔である。特許文献1に記載の発明では、接続部材を短くしても傘の出し入れができるようにするために、傘袋が開口部から長手方向に延びるスリットを有し、スリットの長さが傘袋の長手方向の長さの半分以上としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特許第3096973号
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、スリットの長さが傘袋の長手方向の長さの半分以上とすると、使用後の濡れた傘を収容したときに、傘についた雨滴がスリットの隙間からこぼれる可能性が高い。このことを回避するために、スリットに代えてファスナーとすることも考えられる。しかし、ファスナーでは閉じるときに傘布を挟んでしまう可能性がある。また、ファスナーでは使用時に小さく丸めることや折り畳むことが難しくなる。
本考案は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、傘袋と傘を接続する接続部材を有する傘袋であって、傘の出し入れを容易に行うことができ、かつ使用後の濡れた傘を収容したときに傘についた雨滴がこぼれることのない傘袋等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために第1の考案は、傘を収容する傘袋であって、前記傘を出し入れするための開口部を一端とし、他端を底部とする筒状の袋体と、前記傘と前記袋体とを接続する接続部材と、を有し、前記接続部材は、前記袋体の内側であって、前記袋体の長手方向の中央部から前記底部の間に取り付けられることを特徴とする傘袋である。
第1の考案の傘袋は、傘の柄が底部、傘の石突が開口部に位置するように傘を収容するものである。前述のとおり、接続部材の一端は、袋体の長手方向の中央部から底部の間に、袋体の内側に取り付けられている。接続部材の他端は、傘の柄の近くの中棒に取り付けることで、短い接続部材であっても傘の出し入れができる。傘を取り出す場合、開口部を裏返して底部側に軽く引っ張りながら傘を取り出すことで、開口部から接続部材の取付位置までは袋体が裏返しとなる。一方、接続部材の取付位置から底部までは、接続部材または取付部材によって裏返しの進行が遮られ、裏返しとならずに円柱状の空間を形成する。この円柱状の空間によって、傘をスムーズに収容することができる。
尚、本考案の傘袋は、接続部材を短くするために傘体の開口部から長手方向に延びるスリットの長さを長くする必要はない。
更に、第1の考案の前記袋体は、前記開口部から長手方向に伸びるスリットと、前記開口部付近の外側に、前記スリットを挟むように位置する一対の部材からなる着脱自在な着脱手段とを更に有し、前記スリットの長さは、前記接続部材が取り付けられる位置から前記底部までの長さと同一、またはやや大きいことが望ましい。これによって、傘を取り出した後、傘袋の袋体を何回かに折り畳むかまたは丸めて小さくすることが容易になる。袋体を小さく纏めた後に着脱手段を着けることで、小さく纏めた袋体が広がることを防ぐ。
更に、第1の考案の前記袋体は、前記開口部または前記底部付近に、一端が着脱可能なループ状の掛け部材を更に有することが望ましい。この掛け部材によって、傘を使用していないときは、鞄の持ち手等に掛けて携帯することができる。
第2の考案は、第1の考案の傘袋が接続部材を介して接続されている傘である。
【考案の効果】
本考案により、傘袋と傘を接続する接続部材を有する傘袋であって、傘の出し入れを容易に行うことができ、かつ使用後の濡れた傘を収容したときに傘についた雨滴がこぼれることのない傘袋等を提供することができる。
【考案を実施するための形態】
以下図面に基づいて、本考案の実施形態を詳細に説明する。
最初に、図1を参照しながら、本考案に係る折り畳み傘の傘袋1の全体概要を説明する。
図1は、折り畳み傘の傘袋1の実施形態を示す斜視図である。傘袋1は、折り畳み傘19を収容する。傘袋1は、接続部材17によって折り畳み傘19と接続する。接続部材17の一端は、傘袋1の内側に取付部材9によって取り付ける。取付部材9は、袋体3の長手方向の中央部から底部7の間に位置する。尚、取付部材9は、袋体3と一体として形成しても良いし、別体として形成しても良い。
傘袋1は、折り畳み傘19を出し入れするための開口部5を一端とし、他端を底部7とする筒状の袋体3を有する。袋体3は布であって、スリット13、着脱手段11、掛け部材15等を有する。
スリット13は、開口部5から長手方向に伸びる。スリット13の長さは、袋体3の全長の1/2よりも短く、例えば、袋体3の全長の1/4から1/6程度である。着脱手段11は、開口部5付近の外側に、スリット13を挟むように位置する一対の部材からなり、着脱自在である。着脱手段11は、例えば、ボタン、フック、面ファスナー等である。着脱手段11は、開口部5を袋体3の周方向に開閉する機能を果たすとともに、スリット13を袋体3の長手方向に開閉する機能を果たす。掛け部材15は、開口部5付近に位置し、一端にボタン等の着脱可能な部材を有し、ループ状のものである。掛け部材15は、図示しない鞄の持ち手等に傘袋1を掛けるためのものである。掛け部材15の位置は、底部7付近としても良い。
折り畳み傘19は、柄21、中棒23、傘布25、ベルト27、石突29等を有する。折り畳み傘19は既存のどのようなものでも良い。折り畳み傘19を傘袋1に収容するときは、柄21が底部7、石突29が開口部5に位置するように収容する。
接続部材17は、紐、鎖等であり、材質は問わない。接続部材17の一端は、折り畳み傘19の柄21付近の中棒23に取り付ける。接続部材17の他の一端は、前述したとおり傘袋1の内側に取付部材9によって取り付ける。接続部材17の長さは、折り畳み傘19を傘袋1に収容したときに柄21が底部7まで到達するように、袋体3の底部7から取付部材9までの長さと同じ程度とする。
尚、接続部材17は、折り畳み傘19と取り外しができるように連結しても良い。これにより、市販されている折り畳み傘19を本考案に係る傘袋1によって収容できる。また、接続部材17は、取付部材9と取り外しができるように連結しても良い。
次に、図2を参照しながら、折り畳み傘19を傘袋1から出し入れする様子について説明する。
図2は、折り畳み傘19を傘袋1から出し入れする様子を示す一部斜視図である。前述のとおり、接続部材17の一端は、袋体3の長手方向の中央部から底部7の間に位置する取付部材9によって袋体3の内側に取り付ける。接続部材17の他の一端は、折り畳み傘19の柄21の近くの中棒23に取り付ける。折り畳み傘19は、柄21が底部7、石突29が開口部5に位置するように収容する。
折り畳み傘19を取り出すときは、開口部5を裏返して底部7側に(図1のA方向に)軽く引っ張りながら取り出すことで、開口部5から取付部材9の位置までは袋体3が裏返しとなる。尚、掛け部材15を開口部5に取り付ける場合、掛け部材15を底部7側に(図1のA方向に)引っ張るようにしても良い。
図2では、袋体3が開口部5から取付部材9の位置まで裏返しの状態となっている。一方、取付部材9の位置から底部7までは、取付部材9によって裏返しの進行が遮られて裏返しとならずに二重構造となり、円柱状の空間を形成する。図2では、点線で示す領域が裏返しとなっていない部分である。このように、折り畳み傘19を取り出した状態では、開口部5から取付部材9の位置までは袋体3が裏返しの状態となり、取付部材9の位置から底部7までの袋体3の一部が裏返しとならずに円柱状の空間を形成する。
折り畳み傘19を傘袋1に収容する場合、柄21を先頭にして、底部7の内側の面に向かって挿入する。このとき、円柱状の空間が存在することで、挿入した柄21が固定し、折り畳み傘19をスムーズに収容することができる。仮に円柱状の空間が存在しないとすると、袋体3は柔らかい布であるから、柄21を底部7の内側の面に向かって挿入したときに、柄21が固定せず、折り畳み傘19をスムーズに収容することができない。
次に、図3を参照しながら、取付部材9の位置について説明する。
図3は、袋体3を裏返した状態の概略側面図である。図3では、開口部5から底部7までの袋体3全体が裏返しになっている。矢印31、33、35、37、39は、袋体3の長手方向の位置を示す。矢印31は開口部5の位置を示す。矢印33は、開口部から長手方向に伸びるスリット13の終端を示す。矢印35は、袋体3を2分割する分割線の位置(袋体3の中央部の位置)を示す。矢印37は、取付部材9の位置を示す。矢印39は、底部7の位置を示す。
図3に示すように、矢印37は、矢印35と矢印39との間に位置する。すなわち、取付部材9は、袋体3の長手方向の中央部から底部7の間に位置する。前述のとおり、接続部材17の長さは底部7から取付部材9までの長さと同じ程度であるから、接続部材17の長さは取付部材9の位置によって決まる。接続部材17が長いと邪魔になるので、少なくとも袋体3の半分以下の長さとなるように、取付部材9の位置を袋体3の長手方向の中央部(矢印35が示す位置)から底部7(矢印39が示す位置)の間とする。
矢印31から矢印33までの距離は、矢印37から矢印39までの距離と同一、またはやや大きいことが望ましい。すなわち、スリット13の長さは、取付部材9の位置から底部7までの長さと同一、またはやや大きいことが望ましい。これによって、袋体3を折り畳んで小さく纏めることが容易になる。詳細は後述する。
また、スリット13の長さが開口部5の長さよりも短い場合、取付部材9の袋体3における周方向の取付位置は、スリット13の位置と同じにすることが望ましい。これによって、袋体3を折り畳んで小さく纏めて着脱手段11を着けるときに、接続部材17をスリット13に通すことが容易になる。接続部材17をスリット13に通すのは、折り畳み傘19を使用しているときに袋体3の揺れを抑えるためである。詳細は後述する。
次に、図4から図10を参照しながら、袋体3を折り畳んで小さく纏めた状態について説明する。
図4は、図2に示す袋体3の状態の概略側面図である。図4に示す袋体3は、開口部5から取付部材9までが裏返しとなっており、取付部材9から底部7までが裏返しとなっていない。裏返しとなっていない部分は点線で示している。図4に示す袋体3は、スリット13の長さが袋体3の全長の約1/5である。また、取付部材9の位置から底部7までの長さが袋体3の全長の約1/5である。
矢印41、43、45、47、49は、袋体3の長手方向の位置を示す。矢印41は開口部5の位置を示す。矢印43は、開口部から長手方向に伸びるスリット13の終端を示す。また、矢印43が示す位置は、袋体3の全長を5分割するときの上から1番目の分割線の位置である。矢印45は、袋体3の全長を5分割するときの上から2番目の分割線の位置である。矢印47は、底部7の位置を示す。また、矢印47が示す位置は、袋体3の全長を5分割するときの上から3番目の分割線の位置である。矢印49は、取付部材9の位置を示す。また、矢印49が示す位置は、袋体3の全長を5分割するときの上から4番目の分割線の位置である。底部7から取付部材9までの部分(点線で示す部分)の長手方向の長さは、矢印47から矢印49までの長さである。
図5は、袋体3の折り畳み方を説明するための概略側面図である。図5は、袋体3の折り畳み方の一例を段階的に示している。図5(a)は、図4の状態から、矢印47の位置を折り返し線とし、矢印49の位置が矢印45の位置に重なるように、矢印C1の方向に袋体3を折り返した状態を示している。図5(b)は、図5(a)の状態から、矢印45(49)の位置を折り返し線とし、矢印47の位置が矢印43の位置に重なるように、矢印C2の方向に袋体3を折り返した状態を示している。図5(c)は、図5(b)の状態から、矢印43(47)の位置を折り返し線とし、矢印45(49)の位置が矢印41の位置に重なるように、矢印C3の方向に袋体3を折り返した状態を示している。
図6は、図5(c)の状態を示す斜視図である。図7は、図6を矢印Dの方向から見た概略側面図である。尚、図7では接続部材17を省略している。
図4に示す矢印47から矢印49までの領域は、裏返しとなっている部分と裏返しとなっていない部分の二重構造となっており厚みがある。この厚みが袋体3を折り畳むときの芯の役割を果たし、簡単に折り畳むことができる。図5に示したように、矢印47から矢印49までの領域を折り畳み幅として3回折り畳むことで、傘袋1は、図6、図7に示す状態となる。
領域61は、図4に示す矢印47から矢印49までの領域に相当する。領域63は、図4に示す矢印45から矢印47までの領域に相当する。領域65は、図4に示す矢印43から矢印45までの領域に相当する。領域67a、領域67bは、図4に示す矢印41から矢印43までの領域に相当する。領域67aと領域67bの間の空間がスリット13である。着脱手段11aは、領域67aの端部に位置する。着脱手段11bは、領域67bの端部に位置する。
図6、図7に示すように、袋体3を図5に示すように折り畳んだ状態では、領域65(61、63)の下に領域67aが位置し、領域67aの下に領域67bが位置する。袋体3は、全体としては略直方体の形状となっている。図6の点線で示すスリット13は、取付部材9と同じ面に位置する。図6の点線で示す開口部5は、スリット13とともにL字形をなしている。図7の状態では、手で抑えていないと小さく纏めた袋体3が広がってしまう。そこで、図8から図10に示すように、領域67bを折り返して、領域67aと領域67bとで領域65(61、63)を挟み、袋体3の広がりを抑える。
図8は、領域67bの折り返しの途中を示す斜視図である。図8は、図6の状態から、領域67bを折り返して、領域65(61、63)を包む途中を示している。図6において斜線で示す領域67bの面は、図8において斜線で示す領域67bの面と同じである。
図9は、領域67a、67bによって袋体3を包み込んだ状態を示す斜視図である。図10は、図9を矢印Eの方向から見た概略側面図である。図9、図10に示す袋体3は、図8に示す状態から、領域67bを完全に折り返して、領域65(61、63)を包み込んだ状態を示している。図9、図10に示す状態から、着脱手段11a、11bを着けることで、領域65(61、63)は領域67aと領域67bの間に収容され、小さく纏めた袋体3が広がることはない。尚、図10では接続部材17を省略している。
図9、図10に示すように、小さく纏めた傘袋1は、略直方体の形状となる。図9において点線で示すスリット13は、取付部材9と同じ面に位置する。図9の点線で示す開口部5は、スリット13とともにL字形をなしている。
図9、図10を見れば分かるように、領域67aと領域67bが、領域65(61、63)全体を覆う為には、スリット13の長さが取付部材9の位置から底部7までの長さと同一、またはやや大きいことが望ましい。
また、取付部材9の袋体3における周方向の取付位置をスリット13の位置と同じにすることで、図6から図10に示すように、スリット13と同じ面に取付部材9が位置する。この状態であれば、接続部材17をスリット13に通して着脱部材11a、11bを着けることが容易になる。
ここで、接続部材17をスリット13に通す理由について説明する。前提として、スリット13の長さ(図9において点線で示すスリット13の長辺の長さ)は、袋体3を略直方体に小さく纏めたときの開口部5の長さ(図9において点線で示す開口部5の長辺の長さ)よりも短いものとする。
折り畳み傘19を使用しているときは、接続部材17は中棒23から鉛直下方向に垂れ下がった状態となる。小さく纏められた略直方体の袋体3は、取付部材9が位置する面を上面として折り畳み傘19から垂れ下がる。折り畳み傘19から垂れ下がっている袋体3は、振り子のように揺れる。この揺れが大きくなると邪魔になる。袋体3の揺れは、水平方向の長さが鉛直方向の長さよりも短い方が小さくなる。また、袋体3の揺れは、接続部材17の可動範囲が小さい方が小さくなる。ここでは、スリット13の長さが開口部5の長さよりも短いことを前提としているから、接続部材17を開口部5ではなくスリット13に通すことで、折り畳み傘19から垂れ下がる袋体3の揺れを小さくすることができる。
従って、スリット13の長さが開口部5の長さよりも短い場合、取付部材9の袋体3における周方向の取付位置をスリット13の位置と同じにして、接続部材17をスリット13に通し易くすることが望ましいと言える。
以上の説明では、スリット13の長さ、および取付部材9の位置から底部7までの長さが袋体3の全長の約1/5としたが、この長さに限らず、袋体3の長手方向に一定の幅を有していれば良い。また、袋体3を複数回折り畳むことで小さく纏めると説明したが、丸めることで小さく纏めても良い。丸める場合であっても、図4に示す矢印47から矢印49までの領域、すなわち裏返しとなっている部分と裏返しとなっていない部分の二重構造の領域が芯の役割を果たして丸め易くなる。
また、接続部材17は取付部材9によって傘袋1の内側に取り付けると説明したが、接続部材17を直接傘袋1に取り付けても良い。この場合であっても、折り畳み傘19を取り出す場合、開口部5を裏返して底部7側に軽く引っ張りながら取り出すことで、開口部5から接続部材17の取付位置までは袋体3が裏返しとなる。一方、取付位置から底部7までは、接続部材17によって裏返しの進行が遮られて裏返しとならずに二重構造となり、円柱状の空間を形成する。
また、本考案の実施の形態では、折り畳み傘の傘袋を例として説明したが、本考案は通常の傘の傘袋にも適用可能である。
以上、添付図面を参照しながら、本考案に係る傘袋等の好適な実施形態について説明したが、本考案はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本考案の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】折り畳み傘の傘袋1の実施形態を示す斜視図
【図2】折り畳み傘19を傘袋1から出し入れする様子を示す一部斜視図
【図3】袋体3を裏返した状態の概略側面図
【図4】図2に示す袋体3の状態の概略側面図
【図5】袋体3の折り畳み方を説明するための概略側面図
【図6】図5(c)の状態を示す斜視図
【図7】図6を矢印Dの方向から見た概略側面図
【図8】領域67bの折り返しの途中を示す斜視図
【図9】領域67a、67bによって袋体3を包み込んだ状態を示す斜視図
【図10】図9を矢印Eの方向から見た概略側面図
【符号の説明】
1………傘袋
3………袋体
5………開口部
7………底部
9………取付部材
11………着脱手段
13………スリット
15………掛け部材
17………接続部材
19………折り畳み傘
21………柄
23………中棒
25………傘布
27………ベルト
29………石突
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
試作写真
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