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【発明の名称】犬猫用歩行支援装置
【出願人】
【識別番号】511282807
【氏名又は名称】有限会社ヤマニ測器
【住所又は居所】京都府京都市山科区西野山中臣町26−106
【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
【発明者】
【氏名】山本 日出夫
【住所又は居所】京都府京都市山科区西野山中臣町26−106 有限会社ヤマニ測器内
【要約】
【課題】足腰が弱って歩行困難な犬猫が、飼い主の手を借りずに自力で自在に歩行できるように支援する装置を提供する。
【解決手段】一対の支柱ユニット1、2と、それらを互いに連結する第1連結部材3と、第1連結部材に設けられ、一対の支柱ユニット間にのびる水平な第1ガイドレール5と、第1ガイドレールにスライド可能に取付けられた第1スライダと、第1スライダに取付けられた可動支持体7と、可動支持体に設けられ、第1ガイドレールに直交する水平な第2ガイドレールと、第2ガイドレールにスライド可能に取付けられた第2スライダと、第2スライダに吊下げられたロープ13、16と、ロープに犬猫用のハーネス21を連結するためのフック18と、犬猫の歩行を案内するガイド壁19a、19bを備える。ハーネスを装着した犬猫がロープによって吊下げ状態に支持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足腰が弱って歩行が困難な犬猫の自力歩行を支援する装置であって、
互いに間隔をあけて対向配置された一対の支柱ユニットと、
前記一対の支柱ユニットを互いに連結する少なくとも1本の第1連結部材と、を備え、前記一対の支柱ユニットは、それぞれ、2本の支柱エレメントと、前記2本の支柱エレメントを互いに連結する少なくとも1本の第2連結部材と、を有し、前記一対の支柱ユニットおよび前記第1連結部材によって画成された内側空間内に歩行スペースが形成され、
前記装置は、さらに、
前記第1連結部材に設けられ、前記一対の支柱ユニット間において直線状にのびる水平な第1ガイドレールと、
前記第1ガイドレールにスライド運動可能に取付けられた少なくとも1つの第1スライダと、
前記第1スライダに取付けられた可動支持体と、
前記可動支持体に設けられ、前記第1ガイドレールに直交してのびる水平な第2ガイドレールと、
前記第2ガイドレールにスライド運動可能に取付けられた少なくとも1つの第2スライダと、
前記第2スライダに吊下げ状態に取付けられた長さ調節可能なロープと、
前記ロープの下端に取付けられた、犬猫用のハーネスを連結するためのフックと、
前記歩行スペース内に固定的に置かれ、犬猫の歩行を案内するガイド壁と、を備え、前記ガイド壁は、前記歩行スペースの外側を取り囲む外壁と、前記外壁の内側に位置し、前記外壁との間にループ状の歩行路を形成する内壁と、からなり、前記ハーネスを装着した犬猫が、前記歩行路上において、前記ロープによって吊下げ状態に支持されるものであることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1ガイドレールが前記第1連結部材の下面に設けられており、前記第1ガイドレールは、断面がロ字状の中空構造を有し、下面中央に軸方向にのびるガイド溝が開口し、内面の前記ガイド溝の両側に、前記第1スライダが走行するための走行路を備え、前記第1スライダは、前記第1ガイドレールの内部空間内に配置され、前記走行路を走行するためのローラを備えた本体と、当該本体に設けられて、前記第1ガイドレールの前記ガイド溝から下向きに突出する接続部材とを備え、当該接続部材に前記可動支持体が接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1スライダの前記連結部材に前記可動支持体の上面が連結されており、前記可動支持体の上面には、下向きに開いた実質上コ字状断面を有するカバー部材が取付けられるとともに、前記カバー部材によって、前記第1スライダを含む前記第1連結部材および前記第1ガイドレールの一定長さが、前記第1連結部材および前記第1ガイドレールの周囲に空間を伴って包囲され、前記第1連結部材の上面にN極またはS極を生じさせる帯状の第1永久磁石が取付けられて、前記第1連結部材の長手方向にのびる一方、前記カバー部材の前記第1連結部材の上面に対向する面には、前記第1永久磁石とは逆の極性を生じさせる第2永久磁石が取付けられており、前記第1および第2の永久磁石間の反発力によって前記カバー部材が前記第1連結部材から浮上した状態で、前記第1スライダの前記ローラが前記第1ガイドレールの前記走行路に接触するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1ガイドレールの前記走行路における前記ガイド溝から前記第1スライダの前記ローラの幅に対応する距離離れた位置に、前記ガイド溝に平行にのびるガイド突起が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1ガイドレールが前記第1連結部材と一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記第2ガイドレールが前記可動支持体の下面に設けられており、前記第2ガイドレールは、断面がロ字状の中空構造を有し、下面中央に軸方向にのびるガイド溝が開口し、内面の前記ガイド溝の両側に、前記第2スライダが走行するための走行路を備え、前記第2スライダは、前記第2ガイドレールの内部空間内に配置され、前記走行路を走行するためのローラを備えた本体と、当該本体に設けられて、前記第2ガイドレールの前記ガイド溝から下向きに突出する接続部材とを備え、当該接続部材に前記ロープが吊下げ状態に取付けられることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ガイド壁の外壁および内壁は、それぞれ、可撓性を有する細長いプラスチック板の両端をループ状に接続したものから形成され、前記外壁を形成するプラスチック板が前記内壁を形成するプラスチック板よりも長くなっており、前記外壁が前記支柱ユニットに固定され、前記内壁が前記外壁に連結されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、足腰が弱って歩行が困難な犬や猫の自力歩行を支援する装置に関するものである。
【背景技術】
近年、犬や猫等のペットに対する医療技術が進歩し、犬や猫等のペットも次第に長寿化する傾向にあり、それに伴って、年老いた犬および猫の介護の問題が注目されるようになってきている。
犬や猫は、年老いてくると、次第に足腰が弱り、最終的には自力で歩行できなくなって、寝たきり状態になる。そして、寝たきり状態の犬や猫は、大きなストレスを受け、また、比較的短期間のうちに血行不良による床ずれや内臓疾患等を引き起こして、昼夜の別なく鳴き声をあげて苦しむので、生活を共にする飼い主の心痛は計り知れないものがある。
そのため、寝たきり状態となった犬や猫の歩行を補助するための種々の装置が、これまでに提案されている。
この種の装置の1つとして、例えば、犬や猫の腹部位置から上方にのびる帯状紐を備え、犬や猫の足を露出させて胴部を包み込む吊下げ支持体と、下部に車輪を備えた前脚および後脚を、吊下げ支持体を吊下げ支持する支持ロッドで連結してなる走行台車とを備えた歩行補助具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、走行車輪をもつ車枠体を備え、車枠体に手押ハンドルを設け、車枠体を大型犬や中型犬等のペットが前後に跨越可能な大きさに形成するとともに、車枠体に跨越状態のペットの胴部の左右部分を保持可能な左右の保持側部を設け、かつ、車枠体に跨越状態のペットの腹部を保持可能な腹保持部を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
これらの従来の歩行補助装置によれば、犬や猫は、自重を支えるためのキャスターまたは車輪を備えた支持構造体が常に体について回るという、非常に不自然な体勢で歩行しなければならないので、自力歩行がしにくいという問題があった。そのため、これらの歩行補助装置では、飼い主が装置を犬や猫の歩行に合せて押してやらねばならず、このとき、飼い主が装置を移動させるペースと犬や猫の歩行のペースが合わないと、犬や猫はスムーズに歩行ができないという問題があった。また、歩行運動の際には、常に飼い主が付き添ってやる必要があり、飼い主には大きな負担となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2003−9704号公報
【特許文献2】特開2009−44994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、足腰が弱って歩行が困難な犬猫が、飼い主の手を借りずに自力で自在に歩行できるように支援する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、足腰が弱って歩行が困難な犬猫の自力歩行を支援する装置であって、互いに間隔をあけて対向配置された一対の支柱ユニットと、前記一対の支柱ユニットを互いに連結する少なくとも1本の第1連結部材と、を備え、前記一対の支柱ユニットは、それぞれ、2本の支柱エレメントと、前記2本の支柱エレメントを互いに連結する少なくとも1本の第2連結部材と、を有し、前記一対の支柱ユニットおよび前記第1連結部材によって画成された内側空間内に歩行スペースが形成され、前記装置は、さらに、前記第1連結部材に設けられ、前記一対の支柱ユニット間において直線状にのびる水平な第1ガイドレールと、前記第1ガイドレールにスライド運動可能に取付けられた少なくとも1つの第1スライダと、前記第1スライダに取付けられた可動支持体と、前記可動支持体に設けられ、前記第1ガイドレールに直交してのびる水平な第2ガイドレールと、前記第2ガイドレールにスライド運動可能に取付けられた少なくとも1つの第2スライダと、前記第2スライダに吊下げ状態に取付けられた長さ調節可能なロープと、前記ロープの下端に取付けられた、犬猫用のハーネスを連結するためのフックと、前記歩行スペース内に固定的に置かれ、犬猫の歩行を案内するガイド壁と、を備え、前記ガイド壁は、前記歩行スペースの外側を取り囲む外壁と、前記外壁の内側に位置し、前記外壁との間にループ状の歩行路を形成する内壁と、からなり、前記ハーネスを装着した犬猫が、前記歩行路上において、前記ロープによって吊下げ状態に支持されるものであることを特徴とする装置を構成したものである。
上記構成において、前記第1ガイドレールが前記第1連結部材の下面に設けられており、前記第1ガイドレールは、断面がロ字状の中空構造を有し、下面中央に軸方向にのびるガイド溝が開口し、内面の前記ガイド溝の両側に、前記第1スライダが走行するための走行路を備え、前記第1スライダは、前記第1ガイドレールの内部空間内に配置され、前記走行路を走行するためのローラを備えた本体と、当該本体に設けられて、前記第1ガイドレールの前記ガイド溝から下向きに突出する連結部材とを備え、当該連結部材に前記可動支持体が連結されることが好ましい。
この場合、前記第1スライダの前記連結部材に前記可動支持体の上面が連結されており、前記可動支持体の上面には、下向きに開いた実質上コ字状断面を有するカバー部材が取付けられるとともに、前記カバー部材によって、前記第1スライダを含む前記第1連結部材および前記第1ガイドレールの一定長さが、前記第1連結部材および前記第1ガイドレールの周囲に空間を伴って包囲され、前記第1連結部材の上面にN極またはS極を生じさせる帯状の第1永久磁石が取付けられて、前記第1連結部材の長手方向にのびる一方、前記カバー部材の前記第1連結部材の上面に対向する面には、前記第1永久磁石とは逆の極性を生じさせる第2永久磁石が取付けられており、前記第1および第2の永久磁石間の反発力によって前記カバー部材が前記第1連結部材から浮上した状態で、前記第1スライダの前記ローラが前記第1ガイドレールの前記走行路に接触するようになっていることがさらに好ましい。
さらには、前記第1ガイドレールの前記走行路における前記ガイド溝から前記第1スライダの前記ローラの幅に対応する距離離れた位置に、前記ガイド溝に平行にのびるガイド突起が設けられていることが好ましい。
また、前記第1連結部材は、前記第1ガイドレールと一体に設けられていてもよい。
さらには、前記第2ガイドレールが前記可動支持体の下面に設けられており、前記第2ガイドレールは、断面がロ字状の中空構造を有し、下面中央に軸方向にのびるガイド溝が開口し、内面の前記ガイド溝の両側に、前記第2スライダが走行するための走行路を備え、前記第2スライダは、前記第2ガイドレールの内部空間内に配置され、前記走行路を走行するためのローラを備えた本体と、当該本体に設けられて、前記第2ガイドレールの前記ガイド溝から下向きに突出する連結部材とを備え、当該連結部材に前記ロープが吊下げ状態に取付けられることが好ましい。
また、前記ガイド壁の外壁および内壁は、それぞれ、可撓性を有する細長いプラスチック板の両端をループ状に接続したものから形成され、前記外壁を形成するプラスチック板が前記内壁を形成するプラスチック板よりも長くなっており、前記外壁が前記支柱ユニットに固定され、前記内壁が前記外壁に連結されていることが好ましい。
【発明の効果】
本発明によれば、一対の支柱ユニットと第1連結部材によって画成された内側空間内に歩行スペースを形成し、歩行スペース内に犬猫の歩行を案内するガイド壁を固定的に置く一方、第1連結部材には、水平面内において自在に移動可能な支持点を設け、この支持点から吊下げた長さ調節可能なロープの下端に、犬猫に装着させたハーネスを連結し、犬猫を吊下げ状態に支持するようにしたので、犬猫は、吊下げ状態に支持された状態で、ガイド壁の内側に形成された歩行路上を自力で歩行することができる。
【発明を実施するための形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。図1は、本発明の1実施例による犬猫用歩行支援装置の斜視図であり、図2は、図1に示した装置の可動支持体の分解斜視図であり、図3は、図1に示した装置の第1スライダの構成、並びに第1スライダと可動支持体との連結部の構成を示す断面図である。
図1を参照して、本発明による犬猫用歩行支援装置は、互いに間隔をあけて対向配置された一対の支柱ユニット1、2と、一対の支持ユニット1、2を互いに連結する第1連結部材3を備えている。
この実施例では、一対の支柱ユニット1、2は、それぞれ、鉛直方向に互いに平行にのびる2本の支柱エレメント1a、1b;2a、2bと、2本の支柱エレメント1a、1b;2a、2bの上端部を互いに連結する水平な上側の第2連結部材1c、2cと、2本の支柱エレメント1a、1b;2a、2bの中央部を互いに連結する水平な下側の第2連結部材1d、2dからなっている。
そして、互いに平行にのびる水平な2本の第1連結部材3が、一対の支柱ユニット1、2のそれぞれの上側の第2連結部材1c、2c同士を接続している。
こうして、一対の支柱ユニット1、2および第1連結部材3によって画成された内側空間内に、歩行スペース4が形成される。
なお、一対の支持ユニットの構成、並びに第1連結部材による接続の仕方は、この実施例に限定されず、一対の支持ユニットが互いに間隔をあけて対向配置され、それらが少なくとも1本の第1連結部材によって連結されて、各支柱ユニットは、2本の支柱エレメントと、それらを互いに連結する少なくとも1本の第2連結部材とからなり、一対の支柱ユニットおよび第1連結部材によって画成された内側空間内に歩行スペースが形成されておればよい。
本発明の犬猫用歩行支援装置は、また、第1連結部材3に設けられ、一対の支柱ユニット1、2間において直線状にのびる水平な第1ガイドレール5を備えている。第1ガイドレールは、第1連結部材3と別個に設けられ、あるいは第1連結部材3と一体に設けられる。この実施例では、図3に示すように、第1ガイドレール5は第1連結部材3の下面3bに取付けられる。また、この実施例では、第1ガイドレール5が各第1連結部材3に取付けられ、よって、合計2本の第1ガイドレール5が平行に設けられるが、第1のガイドレールは少なくとも1本設けられておればよい。
図3を参照して、この実施例では、第1ガイドレール5は、断面がロ字状の中空構造を有し、下面中央に軸方向にのびるガイド溝5aが開口している。そして、第1ガイドレール5内面のガイド溝5aの両側に、第1スライダ6が走行するための走行路5bが備えられる。
第1スライダ6は、第1ガイドレール5の内部空間5c内に配置され、走行路5bを走行するための一対のローラ6aを備えた本体6bを有している。この場合、一対のローラ6aは、本体6bに軸周りに回転自在に支持された(図示しない)シャフトの両端に固定されている。第1スライダ6は、さらに、本体6bの下面に設けられて、第1ガイドレール5のガイド溝5aから下向きに突出する接続部材6cを備えている。
なお、図示はしないが、第1ガイドレール5の両端開口は、ゴム製のストッパによって閉鎖されている。
第1スライダ6の接続部材6cには、可動支持体7の上面7aが接続される。
また、可動支持体7の上面7aには、下向きに開いた実質上コ字状断面を有するカバー部材8が取付けられるとともに、カバー部材8によって、第1スライダ6を含む第1連結部材3および第1ガイドレール5の一定長さが、第1連結部材3および第1ガイドレール5の周囲に空間を伴って包囲される。
そして、第1連結部材3の上面3aにN極またはS極を生じさせる帯状の第1永久磁石10aが取付けられて、第1連結部材3の長手方向にのびる一方、カバー部材8の第1連結部材3の上面3aに対向する面8aには、第1永久磁石10aとは逆の極性を生じさせる第2永久磁石10bが取付けられる。
そして、第1および第2永久磁石10a、10b間の反発力によってカバー部材8が第1連結部材3から浮上した状態で、第1スライダ6のローラ6aが第1ガイドレール5の走行路5bに接触するようになっている。
こうして、第1スライダ6に下向きの負荷が及ぼされても、第1および第2永久磁石10a、10b間の磁気的な反発力によって、第1スライダ6のローラ6aの第1ガイドレール5の走行路5bに対する接圧はほぼ当初の設定値に保たれ、第1スライダ6は常に円滑にスライド運動し得る。それによって、可動支持体7は、常時、第1ガイドレール5に沿って円滑にスライド運動し得る。
この場合、図3に示すように、第1ガイドレール5の走行路5bにおけるガイド溝5aから第1スライダ6のローラ6aの幅に対応する距離離れた位置に、ガイド溝5aに平行にのびるガイド突起5dが設けられていることが好ましい。それによって、第1スライダ6の走行経路がブレて、接続部材6cがガイド溝5aの側縁に接触することが防止され、可動支持体7のスライド運動がより円滑になる。
可動支持体7は、図2に示すように、細長い直方体形状のトレイ状部分7cと、トレイ状部分7cの上端面開口に取付けられた天板7bとからなる、扁平な中空直方体形状を有している。可動支持体7は、2本の第1連結部材3間の間隔よりも大きい長さを有している。そして、天板7bに、上述のように、第1スライダ6の接続部材6cが接続され、カバー部材8が取付けられる。
天板7bの下面には、第2ガイドレール9が取付けられて、第1ガイドレール5と直交する方向にのびている。この実施例では、2本の第2ガイドレール9が互いに間隔をあけて平行に設けられるが、第2ガイドレール9は少なくとも1本設けられておればよい。
この実施例では、図4(B)に示すように、第2ガイドレール11は、断面がロ字状の中空構造を有し、下面中央に軸方向にのびるガイド溝11aが開口している。そして、第2ガイドレール11内面のガイド溝11aの両側に、第2スライダ12が走行するための走行路11bが備えられる。
図4(A)、(B)に示すように、第2スライダ12は、第2ガイドレール11の内部空間11c内に配置され、走行路11bを走行するための一対のローラ12aを備えた本体12bを有している。この場合、一対のローラ12aは、本体12bに軸周りに回転自在に支持されたシャフト12cの両端に固定されている。
第2スライダ12は、さらに、本体12bの下面に設けられて、第2ガイドレール11のガイド溝11aから下向きに突出する接続部材(この実施例では、連結環)12dを備えている。
また、可動支持体7のトレイ状部分7cの底壁には、第2ガイドレール9に対応する位置にガイドスリット7dが設けられている。こうして、第2ガイドレール9および第2スライダ12が、可動支持体7内に収容、配置される。
なお、図示はしないが、第2ガイドレール9の両端開口は、ゴム製のストッパによって閉鎖されている。
また、図1および図5に示すように、第2スライダの接続部材(連結環)12dには、それぞれ、第1ロープ13が吊下げ状態に取付けられる。この場合、連結部材12dへの第1ロープ13の連結は自在金具14を介してなされる。すなわち、第1ロープ13の上端13aが、自在金具14の下側の穴14bに通された後、連結部材12dに通され、さらに、自在金具14の上側の穴14aに通され、その後、上端13aに、穴14aからの抜けを防止する結び目が形成される。
そして、第1ロープ13上における自在金具14の位置が調節されることにより、第1ロープ13の長さが調節可能になっている。
第1ロープ13の下端は、中間連結具15の上部に接続される。
中間連結具15の下部には、第2ロープ16の上端が、第1ロープ13の場合と同様にして、自在金具17を介して吊下げ状態に取付けられる。
そして、第2ロープ16の下端には、フック18が取付けられる。フック18には、犬猫用のハーネス21が連結されるようになっている。
本発明の犬猫用歩行支援装置は、さらに、歩行スペース4内に固定的に置かれ、犬猫の歩行を案内するガイド壁19a、19bを備えている。ガイド壁19a、19bは、歩行スペース4の外側を取り囲む外壁19aと、外壁19aの内側に位置し、外壁19aとの間にループ状の歩行路20を形成する内壁19bからなっている。
この実施例では、ガイド壁の外壁19aおよび内壁19bは、それぞれ、可撓性を有する細長いプラスチック板の両端をループ状に接続したものから形成され、外壁19aを形成するプラスチック板が内壁19bを形成するプラスチック板よりも長くなっている。この場合、外壁19aが支柱ユニット1、2固定され、内壁19bが外壁15aに連結されていることが好ましい。
こうして、足腰が弱って自力歩行が困難な犬または猫にハーネス21が装着され、飼い主の手によって歩行路20まで運ばれた後、ハーネス21がフック18に連結される。そして、第1ロープ13または第2ロープ16またはその両方の長さが調節され、犬または猫が、その四肢が地に着いて歩行が可能な姿勢をとれるように、吊下げ状態に支持される。それによって、犬または猫は、ガイド壁19a、19bによってガイドされながら、歩行路20上を自力歩行できるようになる。このとき、犬または猫の移動に伴って、第1スライダ6および第2スライダ12が、それぞれ、第1ガイドレール5および第2ガイドレール9に沿ってスライド運動し、それによって犬または猫の支持点がxy方向に自在に移動するので、犬または猫の歩行に支障を来すことはない。
本発明の犬猫用歩行支援装置によれば、一対の支柱ユニット1、2と第1連結部材3によって画成された内側空間内に歩行スペース4を形成し、歩行スペース4内に犬猫の歩行を案内するガイド壁19a、19bを固定的に置く一方、第1連結部材3には、水平面内において自在に移動可能な支持点を設け、この支持点から吊下げた長さ調節可能なロープ13、16の下端に、犬猫に装着させたハーネス21を連結し、犬猫を吊下げ状態に支持するようにしたので、犬猫は、吊下げ状態に支持された状態で、ガイド壁19a、19bの内側に形成された歩行路20上を、飼い主の力を借りずに、自力で自在に歩行することができる。
以上、本発明を好ましい1実施例に基づいて説明したが、本発明の構成はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成の範囲内で種々の変形例を創作することができる。
例えば、第1ガイドレールおよび第1スライダを、第2ガイドレールおよび第2スライダと同一の構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例による犬猫用歩行支援装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した装置の可動支持体の分解斜視図である。
【図3】図1に示した装置の第1スライダの構成、並びに第1スライダと可動支持体との連結部の構成を示す断面図である。
【図4】図1に示した装置の第2ガイドレールおよび第2スライダの構成を示す図であり、(A)は第2スライダの斜視図であり、(B)は第2スライダを備えた第2ガイドレールを一端側から見た平面図である。
【図5】図1に示した装置のロープの取付け状態を説明する図である。
【符号の説明】
1、2 支柱ユニット
1a、1b、2a、2b 支柱
1c、2c 上側の第2連結部材
1d、2d 下側の第2連結部材
3 第1連結部材
3a 上面
3b 下面
4 歩行スペース
5 第1ガイドレール
5a ガイド溝
5b 走行路
5c 内部空間
5d ガイド突起
6 第1スライダ
6a ローラ
6b 本体
6c 接続部材
7 可動支持体
7a 上面
7b 天板
7c トレイ状部分
7d ガイドスリット
8 カバー部材
8a 面
9 第2ガイドレール
10a、10b 永久磁石
11 第2ガイドレール
11a ガイド溝
11b 走行路
11c 内部空間
12 第2スライダ
12a ローラ
12b 本体
12c シャフト
12d 接続部材
13 第1ロープ
13a 上端
14 自在金具
14a、14b 穴
15 中間連結具
16 第2ロープ
17 自在金具
18 フック
19a ガイド壁の外壁
19b ガイド壁の内壁
20 歩行路
21 ハーネス
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
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