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【考案の名称】仏具セット 【実用新案権者】 【識別番号】520476639 【氏名又は名称】栗田 誠次 【住所又は居所】栃木県佐野市堀米町658-2 【代理人】 【識別番号】100095337 【弁理士】 【氏名又は名称】福田 伸一 【代理人】 【識別番号】100174425 【弁理士】 【氏名又は名称】水崎 慎 【代理人】 【識別番号】100203932 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 克宗 【考案者】 【氏名】栗田 誠次 【住所又は居所】栃木県佐野市堀米町658-2 【要約】 【課題】香炉内部の灰を散らすことなく線香の燃え残り部分を除去することができる仏具セットを提供する。 【解決手段】香炉1は、線香11の加工部11aが深さBまで香炉灰12に挿し込まれるように、加工部11aの先端を当接させる底面部1bを備え、火が付けられた線香11が香炉灰12に挿されたとき、加工部11aが燃え残り部分となって、清掃具で挟持することができる長さAで香炉灰12の表面から突出することを特徴とする。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 香炉灰を入れた香炉と、 前記香炉に挿される線香に火を付ける着火装置と、 前記香炉に残る前記線香の燃え残り部分を挟持して除去する清掃具と、 を備え、 前記香炉は、 前記香炉灰の内部または下側に配置され、前記香炉灰に挿された前記線香の一の片側端部の先端を当接させる線香当接面部を備え、 前記線香当接面部は、 前記香炉灰に挿された前記線香の一の片側端部の先端が前記線香当接面部に当接した状態で、前記線香の一の片側端部に設けられた難燃性の加工部が、前記清掃具で挟持することができる長さで前記香炉灰の表面から突出する、前記香炉灰の表面からの深さ位置に配置される、 ことを特徴とする仏具セット。 【請求項2】 前記香炉は、 平板状または平坦なメッシュ状の前記線香当接面部を備える、 ことを特徴とする請求項1に記載の仏具セット。 【請求項3】 前記清掃具は、 前記線香の加工部を挟持する2つの挟持部と、 前記2つの挟持部の各基端側にそれぞれ一端が接続された2つの柄部と、 前記2つの柄部の各他端の間を接続する接続部と、 を備え、 前記2つの挟持部は、 前記基端側に接続された前記柄部の延設方向に位置する先端側で前記香炉灰の表面を平坦に整えることができる程度に前記柄部よりも幅広に形成されている、 ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仏具セット。 【請求項4】 前記着火装置は、 透光性を有し、開口部を形成させた行灯部と、 内部にライターを収納し、前記ライターが発生させた炎を前記行灯部の内部に放出させる収納部と、 を備え、 前記収納部は、 前記着火装置が台に立てて載置されたとき、前記台に向かって拡がって接地面積が大きくなる形状の下端部と、 前記開口部を上方に向けて前記行灯部を支持する上端部と、 を備え、 前記行灯部は、 前記開口部から挿入された前記線香の他の片側端部が、前記ライターが発生させた炎に到達する大きさを有する、 ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の仏具セット。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本開示は、火を着けた線香を立てる香炉、線香に火を付ける着火装置、および、香炉から線香の燃え残り部分を除去する清掃具を備える仏具セットに関する。 【背景技術】 【0002】 例えば、仏壇に線香をあげる場合、ライターなどの着火装置を用いて火を着けた線香を、香炉に入れた灰にさしている。このように灰に線香をさした場合、線香の下側部分が燃え残り、例えば、毎日の習慣として火の付いた線香を香炉に挿すと、香炉の中に多数の燃え残り部分が溜まる。 そこで、線香の燃え残り部分を清掃し易くするため、例えば、香炉に入れた灰の上側に金網を備えたものがある(特許文献1)。 この香炉は、上側に設けられている開口部に乗せる金網を備え、この金網の網目に線香を貫通させて、下側の灰に線香の端部を挿すように構成されている。このように灰に挿した線香は、網目に当接する部分まで燃え続けた後、この部分で火が消えることになり、燃え残り部分の先端が灰の表面から突出した状態になる。この線香の燃え残り部分を除去するときには、香炉から金網を外して灰の表面を露出させる必要がある。 【0003】 また、線香に火を付ける着火装置として、例えば、使い捨てライターを内部に備えたものがある(特許文献2)。 この着火装置は、使い捨てライターを内部に設置するケース本体と、使い捨てライターから放出される炎を覆う風防体とを備え、ケース本体に備えられた操作部を手で握ることにより、ケース本体内部の使い捨てライターを点火させるように構成されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開2001−286386号公報 【特許文献2】 特開2014−16065号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0005】 一般的には、香炉に溜まる線香の燃え残り部分は、例えば、スプーンなどを用いて取り除いている。 また、前述の特許文献1に開示されているように構成されたものは、繰り返し使用している間に、網目が変形することや拡がることがあり、線香が網目部分で消えることなく、灰に埋まっている部分まで燃え続ける場合がある。 そのため、線香の燃え残り部分が灰の表面から突出しなくなり、上記のようにスプーンなどを用いて取り除くことが必要になる。即ち、線香の燃え残り部分の除去に手間がかかるとともに、灰の粉煙を巻き上げる場合があるため、香炉の周辺が汚れることになる。 【0006】 また、使い捨てライターを仏壇に備えて線香に火を付けることが一般的になっているが、上記の使い捨てライターは、仏具として違和感が生じる色合いや形状をしており、仏壇になじまないものが多い。また、使い捨てライターは、炎が揺らいで不安定になり易く、線香に火を付けることが難しくなる場合がある。 そのため、前述の特許文献2に開示されているように、使い捨てライターを内部に設置し、炎を覆う風防体を備えた装置があるが、このような装置は、一般的には、手に持った状態で線香に火を付けるように構成されている。そのため、仏壇において線香に火を付けるとき、何れかのものを持つ動作や置く動作が多くなる。このような動作が多くなると、例えば、火災を防ぐために注意しなければならない点が多くなり、不便を感じることがある。 【0007】 本開示は、上記のような問題を解決するために行われたもので、香炉内部の灰を散らすことなく線香の燃え残り部分を除去することができる仏具セットを提供する。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本開示に係る仏具セットは、香炉灰を入れた香炉と、前記香炉に挿される線香に火を付ける着火装置と、前記香炉に残る前記線香の燃え残り部分を挟持して除去する清掃具と、を備え、前記香炉は、前記香炉灰の内部または下側に配置され、前記香炉灰に挿された前記線香の一の片側端部の先端を当接させる線香当接面部を備え、前記線香当接面部は、前記香炉灰に挿された前記線香の一の片側端部の先端が前記線香当接面部に当接した状態で、前記線香の一の片側端部に設けられた難燃性の加工部が、前記清掃具で挟持することができる長さで前記香炉灰の表面から突出する、前記香炉灰の表面からの深さ位置に配置されることを特徴とする。 【0009】 また、前記香炉は、平板状または平坦なメッシュ状の前記線香当接面部を備えることを特徴とする。 【0010】 また、前記清掃具は、前記線香の加工部を挟持する2つの挟持部と、前記2つの挟持部の各基端側にそれぞれ一端が接続された2つの柄部と、前記2つの柄部の各他端の間を接続する接続部と、を備え、前記2つの挟持部は、前記基端側に接続された前記柄部の延設方向に位置する先端側で前記香炉灰の表面を平坦に整えることができる程度に前記柄部よりも幅広に形成されていることを特徴とする。 【0011】 また、前記着火装置は、透光性を有し、開口部を形成させた行灯部と、内部にライターを収納し、前記ライターが発生させた炎を前記行灯部の内部に放出させる収納部と、を備え、前記収納部は、前記着火装置が台に立てて載置されたとき、前記台に向かって拡がって接地面積が大きくなる形状の下端部と、前記開口部を上方に向けて前記行灯部を支持する上端部と、を備え、前記行灯部は、前記開口部から挿入された前記線香の他の片側端部が、前記ライターが発生させた炎に到達する大きさを有することを特徴とする。 【考案の効果】 【0012】 本開示によれば、灰を散らかすことなく線香の燃え残り部分を除去することができる。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】本開示の実施の形態による仏具セットの香炉の構成を示す説明図である。 【図2】実施の形態による仏具セットの香炉の他の構成を示す説明図である。 【図3】図2の香炉の構成を示す説明図である。 【図4】実施の形態による仏具セットの着火装置の外観を示す説明図である。 【図5】図4の着火装置の内部構成を示す説明図である。 【図6】実施の形態による仏具セットの清掃具の構成を示す説明図である。 【考案を実施するための形態】 【0014】 以下、この考案の実施の一形態を説明する。 図1は、本開示の実施の形態による仏具セットの香炉1の構成を示す説明図である。図1(a)は、香炉1の内部構成を示したもので、図1(b)は、香炉1にたてる線香11の構成を示している。 【0015】 図1(a)の香炉1は、耐火性および耐熱性の材料を用いて形成されたもので、例えば、瀬戸物や銅製の器である。香炉1は、香炉灰12を入れる本体1aの上側に開口部1cを有し、香炉1を例えば仏壇の台に載置したとき本体1aを支える支持部1dを、本体1aの下側に有している。 香炉1は、本体1aの内部の底面部1b(線香当接面部)が平面に形成されており、本体1aに入れた香炉灰12の表面を平坦に整えると、当該香炉灰12の深さを均一にすることができるように形成されている。 ここで説明する香炉1には、香炉灰12が深さBとなるように入れられている。換言す ると、香炉灰12の下側に底面部1bが配置されている。 【0016】 図1(b)の線香11は、長手方向の一方の片側端部を燃えないように加工した加工部11aが設けられている。 加工部11aは、線香11の一方の片側端部から長さCの位置までの範囲部分であり、この部分に、例えば、耐熱600[℃]の耐熱塗料が塗布されている。換言すると、加工部11aは、線香11の長手方向において長さCを有する。 なお、加工部11aは、線香11を難燃性に(火が消えるように)加工した部分であり、加工部11aに施す加工は、水性多目的塗料を塗布する加工でも良く、上記の耐熱塗料を塗布することに限定されない。また、何れかの塗料を塗布する加工に限定されるものでもない。 【0017】 例えば、長さCが30[mm]の加工部11aを有する線香11を用いるとき、香炉1には、深さBが25[mm]となるように香炉灰12が入れられる。また、香炉1に入れられた香炉灰12は、表面が平坦に整えられている。換言すると、深さBの位置に底面部1bが配置されている。 この香炉1に、上記の加工が施されていない(耐熱塗料が塗布されていない)他方の片側端部に、(後述する着火装置3を用いて)火を着けた線香11をたてる。このとき、図1(a)に示したように、加工部11aの先端が底面部1bに当接するように、線香11を香炉灰12に深くさし込む。 香炉1に立てられた線香11は、火が付けられた他方の片側端部から燃焼が進行して、香炉灰12の表面から突出している加工部11aの基端まで燃え続ける。 上記のように香炉1に線香11をたてて燃焼させると、香炉灰12の表面から加工部11aが長さAの部分を突出させて火が消える。 【0018】 香炉1に立てられた線香11の火が消えると、線香11の加工部11aが燃え残る。 香炉灰12の表面から底面部1bまでの深さBを25[mm]、線香11の加工部11aの長さを30[mm]としたとき、上記の突出した部分の長さAは5[mm]となる。 即ち、加工部11aは、香炉灰12の表面から5[mm]突出した状態で燃え残る。 上記のように、例えば5[mm]程、香炉灰12から突出している部分は、後述する清掃具42によって挟持することにより、香炉1から容易に除去することができる。 換言すると、香炉1は、加工部11aが清掃具42で容易に挟持することができる長さAを突出させて燃え残るように、香炉灰12の表面から底面部1bまでの深さBを設定して底面部1bが配置されている。 【0019】 図2は、実施の形態による仏具セットの香炉2の構成を示す説明図である。香炉2は、香炉1に用いた線香11を立てるように構成されたもので、香炉1と同様に耐熱性、耐火性を有する材料によって形成された器であり、香炉灰23を入れる本体2aの上側に開口部2cを有し、香炉2を例えば仏壇の台に載置したとき本体2aを支える支持部2dを、本体2aの下側に有している。 即ち、香炉2は、概ねの外観が香炉1と同様に形成されており、この実施の形態の仏具セットに、香炉1に替えて備えることができるものである。 【0020】 図3は、図2の香炉2の構成を示す説明図である。図3(a)は、香炉2の内部構成を示したもので、図3(b)は、香炉2に備える仕切り部材22の構成を示したものである。 香炉2は、一般的に量産、販売されている形状でよく、本体2aの底面部2bは、例えば、球状の下側部分のような形状でもよく、即ち、平面でなくてもよい。 本体2aの内部は、例えば、略すり鉢状に形成されており、香炉2を上方から見たとき、底面部2bの面積を小さく形成し、本体2a内部の側壁部分が、底面部2bから上方に 向かって拡がるように形成されている。 【0021】 香炉2は、本体2aの内部に配置する仕切り部材22(線香当接面部)を備えている。 仕切り部材22は、耐熱性および耐火性を備えた、平板材や平坦なメッシュ材(金網)等を用いて、平面部分を正面視したとき真円形状となるように形成されている。 なお、仕切り部材22は、線香11、もしくは加工部11aが貫通する大きさの孔等を有していないもので、線香11の長手方向の端部に当接して、当該線香11の位置決めを行うことができるものである。 メッシュ材によって仕切り部材22を形成する場合には、線香11等が貫通する大きさの隙間や孔等を有していないものが用いられる。 また、仕切り部材22は、例えば、上記のように真円状に形成された平面部分の縁周が、本体2a内部の側壁部分に当接して、底面部2bの上側に配置されるように構成されている。 【0022】 本体2aに香炉灰23を入れたとき、仕切り部材22は、香炉灰23の内部に埋められた状態になって、図3(a)に示したように底面部2bの上側に配置される。 なお、香炉灰23は、前述の香炉灰12と同様なものである。 香炉2に線香11を立てる場合、本体2aに入れる香炉灰23は、香炉灰23の表面から仕切り部材22までの深さDが、前述の深さBと同様になるように調整される。 換言すると、香炉灰23の内部に埋設される仕切り部材22は、深さDの位置に配置される。 【0023】 例えば、図1(b)に示した長さCが30[mm]の加工部11aを有する線香11を用いるとき、香炉2には、深さDが25[mm]となるように香炉灰23が入れられる。 火を着けた線香11を香炉2に立てる場合には、上記のように香炉2(本体2a)に入れられた香炉灰23の表面を平坦にならして、香炉灰23の深さDを25[mm]に整えておき、火の付いた線香11を加工部11a(一の片側端部)から香炉灰23に深く挿し込む。このとき、加工部11aの先端が、香炉灰23に埋設されている仕切り部材22に当接するまで線香11を深く挿す。 【0024】 上記のように香炉灰23に線香11を挿すと、加工部11aが香炉灰23の表面から5[mm]突出した状態で燃え残る。 燃え残った加工部11aの、香炉灰23の表面から突出した部分は、例えば、後述する清掃具42によって挟持して香炉2から除去する。 香炉2に火を着けた線香11を立てた場合でも、前述の香炉1に線香11を挿した場合と同様に、香炉灰23の表面から長さAの加工部11aが突出して燃え残る。上記の突出した部分は、清掃具42によって容易に挟持することができ、香炉2から容易に線香11の燃え残り部分(加工部11a)を除去することができる。 【0025】 図4は、実施の形態による仏具セットの着火装置3の外観を示す説明図である。着火装置3は、耐火性および耐熱性を備え、また、透明もしくは透光性を備えた、例えば、ガラス等によって形成された行灯部31と、行灯部31の下側に接続され、耐熱性、耐火性を有する材料によって形成された収納部32とを備えて構成されている。 行灯部31は、例えば、花のつぼみの形状を模して、上端部を開口させた上側開口部31aを備えて形成されており、後述するガスライター33の炎に触れることなく、当該炎の側方を囲むことができる広さの内部空間を有する。 また、行灯部31の下端部には、上記の内部空間に連なる下側開口部31bを有する。 【0026】 収納部32の下端部32aは、行灯部31が収納部32の上側に配置され、上側開口部31aが上方を向くように、着火装置3が立った状態で、例えば、仏壇の台に載置するこ とができるように形成されている。 即ち、下端部32aは、着火装置3を安定させて立てることができるように、例えば、適当な重量を有し、仏壇の台等に置いたとき、台等に向かって拡がって接地面積が大きくなる形状に形成されている。 【0027】 図5は、図4の着火装置の内部構成を示す説明図である。この図は、収納部32の断面、収納部32の上側に配置される行灯部31、収納部32に収納するガスライター33を示したものである。 収納部32は、下端部32aに収納開口部32bを有し、収納開口部32bからガスライター33を挿入することができるように形成されている。 また、収納部32は、収納開口部32bから連なる空間が内部に形成されており、この空間は、ガスライター33を収納部32の内部において位置決めすることできる形状に形成されている。 また、収納部32は、上記の空間から連なって、収納部32の上端部35まで貫通する貫通孔が設けられている。 【0028】 ガスライター33は、例えば、使い捨て型のライターであり、例えば、ガス等の燃料を収納するライター本体33cから突出している(炎を放出する)炎ノズル部33a、ガス等の燃料に着火させるときに操作する着火操作部33b等を備えて構成されている。 なお、図5に示したガスライター33は一例であり、収納部32に収納するガスライター33は、図示した構成のものに限定されない。また、収納部32に収納するライターは、ガスを燃料とするものに限定されない。 【0029】 収納部32は、収納開口部32bに、炎ノズル部33aからガスライター33が挿入され、上記の内部空間にガスライター33が収納されたとき、炎ノズル部33aが上端部35の貫通孔から露出する、もしくは突出するように形成されている。 上端部35は、例えば、上記の貫通孔を有する筒状に形成され、行灯部31の下側開口部31bに嵌合し、収納部32に行灯部31が支持される大きさに形成されている。 また、収納部32は、例えば、上記のようにガスライター33を収納したとき、ガスライター33の着火操作部33bを操作することができる操作設置部34を備えている。 【0030】 操作設置部34は、図5に例示したものは、ガスライター33の着火操作部33bを収納部32の側方部分から突出、もしくは露出させる孔部分であるが、例えば、押し釦を備え、また、この押し釦が操作されることにより、ガスライター33の着火操作部33bを稼働させる機構を備えて構成してもよい。 また、操作設置部34は、上記の押し釦に替えて操作レバーを備え、この操作レバーに行われた操作に応じて、ガスライター33の着火操作部33bを稼働させる機構を備えて構成してもよい。 なお、操作設置部34は、上記の押し釦および操作レバーを備える構成に限定されず、他の操作機構を備えて構成してもよい。 また、操作設置部34の設置位置は、図5に例示した上端部35の下側に限定されず、着火装置3を仏壇の台等に立てた状態で操作することができる位置であれば、収納部32のどこに設置してもよい。 【0031】 収納部32は、前述のように下端部32aの接地面積を広く形成し、例えば、行灯部31(上端部35)の下側に設けた操作設置部34において、内部に収納したガスライター33の着火操作部33bを操作することができるように形成されている。 操作設置部34は、前述のように押し釦または操作レバーを備えるとき、押し釦または操作レバーを軽く操作しただけでガスライター33を着火させる機構を備えて構成するとよい。この場合、誤ってガスライター33が着火することを防ぐため、例えば、容易に指 等が接触する位置を避けて操作設置部34を設置する。 上記のように構成すると、着火装置3を仏壇の台等に立てた状態で、軽い操作で着火させることが可能になり、着火装置3を置いた状態で安全に線香11に火を付けることができる。 【0032】 収納部32は、内部に収納したガスライター33から炎が放出されたとき、上端部35に嵌合させた行灯部31の内部に上記の炎が位置して、行灯部31に明かりが灯った状態となるように構成されている。 即ち、着火装置3は、仏壇の台等に立てて載置した状態でガスライター33を着火させて、美観を有する行灯部31に明かりを灯すことができる。 行灯部31の上側開口部31aは、ガスライター33が炎を発生させたとき、この炎によって生じる熱を十分に行灯部31の外部に放出することができる大きさに形成されている。また上側開口部31aは、線香11を挿入することができる大きさを有している。 【0033】 行灯部31は、ガスライター33を着火させた状態で、上側開口部31aに、線香11の先端部分(他の片側端部)を挿入すると、この線香11の先端部分がガスライター33の炎の位置に到達する大きさ形状に形成されている。換言すると、行灯部31は、上側開口部31aから挿入された線香11の先端部分が、行灯部31の内部で燃えているガスライター33の炎に届く高さ(下側開口部31bから上側開口部31aまでの高さ)を有して形成されている。 【0034】 上記のように形成された行灯部31および収納部32を備える着火装置3は、仏壇の台等に載置した状態で、線香11に火を付けることができるように構成されているため、香炉1,2等の近傍に配置することが好ましい。 【0035】 図6は、実施の形態による仏具セットの清掃具42の構成を示す説明図である。図6(a)は清掃具42の構成を示し、図6(b)は清掃具42を収納容器43に収納した状態を示している。 清掃具42は、香炉1,2等に残っている線香11の燃え残り部分を挟持する2つの挟持部42a、各挟持部42aの基端側に一端が接続される柄部42b、2つの柄部42bの各他端の間を接続する接続部42cを備えて構成されている。 【0036】 挟持部42aは、香炉灰12の表面から突出している線香11の燃え残り部分、即ち、加工部11aをつかみ易くするため、また、香炉灰12等の表面を平らに整えるために、柄部42bよりも幅広形状に(幅Eを有する形状に)形成されている。 即ち、挟持部42aは、先端側で香炉灰12等の表面を平坦に整えることができる程度に、幅広に形成されており、例えば、幅Eを12[mm]程度に設定して形成するとよい。 また、挟持部42aは、先端側で香炉1等に入っている香炉灰12等の表面を平らに整えることができるように、例えば、柄部42bの延設方向に位置する先端側(柄部42bが接続されていない側)に、概ね直線状に形成された先端部を有している。詳しくは、挟持部42aの先端部は、香炉灰12等の表面を平らに整えるときに、当該香炉灰12等の粉煙が巻き上がることを防ぐため、上記の先端部に、複数の細かい凹凸部位が直線状に並べられて配置されている。 【0037】 清掃具42は、ピンセットやトングと同様に、2本の柄部42bを有し、これらの柄部42bを、例えば、ばね性を有する接続部42cによって接続している。 接続部42cは、2本の柄部42bが適当に開くように付勢し、使用者が清掃具42を把持していないときには、2つの挟持部42aの間が開いており、加工部11aを挟持するために使用者が柄部42bを把持したとき、2つの挟持部42aが接触し合うように設 けられている。 【0038】 清掃具42に挟持され、香炉1,2等から除去された線香11の燃え残り部分、即ち、加工部11aは、香炉1,2等の近傍(例えば、仏壇の台)に置かれている収納容器43に収納する。また、清掃具42を使用しないときには、当該清掃具42を収納容器43の開口部に差し込んで収納しておく。 【0039】 以上のように、実施の形態の仏具によれば、香炉灰12等の表面から突出している線香11の燃え残り部分を除去するようにしたので、香炉灰12等の粉煙を巻き上げることを抑えて、周囲を汚すことを防ぐことができる。また、使用者が香炉灰12等の粉煙を吸引することが抑えられ、衛生的に使用することができる。 また、線香11の燃え残り部分を短時間で除去することができ、適当な日時の間隔をあけて、簡易な作業で香炉1等の清掃を行うことが可能になる。 また、燃え残り部分の除去に用いる清掃具42によって、香炉灰12等の表面を平坦に整えるようにしたので、燃え残り部分を除去した後、すぐに香炉灰12等を平坦に整えることができる。 また、香炉1の底面部1bを平坦に形成し、または、香炉2の内部に仕切り部材22を備えて、線香11が香炉灰12等の所定深さまで挿し込まれるようにしたので、常に、線香11が香炉灰12等に挿し込まれる深さを一定にすることができる。 【0040】 また、仏壇の台等に載置した着火装置3に炎を発生させると、行灯部31の内部に明かりが灯ることから、仏具として美観を生じさせることができ、仏壇に違和感なく備えることができる。 また、着火装置3を仏壇の台等に載置した状態において、軽い操作で線香11に着火することができるようにしたので、安定した状態で線香11に火を付けることができ、火災等に対する安全性を向上させることができる。 また、行灯部31の上側開口部31aに線香11の先端を挿入して火を付けるようにしたので、例えば、扇風機やエアコン等が発生する風の影響を防いで線香11に火を付けることができ、また、火が周囲に飛散すること(飛び火)を防ぐことができ、火災等に対する安全性を向上させることができる。 【符号の説明】 【0041】 1,2 香炉 1a,2a 本体 1b,2b 底面部 1c,2c 開口部 1d,2d 支持部 3 着火装置 11 線香 11a 加工部 12,23 香炉灰 22 仕切り部材 31 行灯部 31a 上側開口部 31b 下側開口部 32 収納部 32a 下端部 32b 収納開口部 33 ガスライター 33a 炎ノズル部 33b 着火操作部 33c ライター本体 34 操作設置部 35 上端部 42 清掃具 42a 挟持部 42b 柄部 42c 接続部 43 収納容器 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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仏具セットの開発に当たって 起業時に両親には多大な心配をかけたことで、その仏前には毎朝欠かさず線香を上げています。香炉の線香燃えカス処理の悩ましさや、火をつけるにも、うまい用具が無く、そんな煩わしさが解消出来たらとの着想から、開発に取り組みました。多分天国の両親が指導してくれたに相違ないと思っています。 |
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