閉じる | ||
【発明の名称】チューブ 【出願人】 【識別番号】506095526 【氏名又は名称】長谷川 篁博 【住所又は居所】兵庫県川西市平野3丁目21−1 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100089233 【氏名又は名称】吉田 茂明 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100088672 【氏名又は名称】吉竹 英俊 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100088845 【氏名又は名称】有田 貴弘 【発明者】 【氏名】長谷川 篁博 【住所又は居所】兵庫県川西市平野3丁目21−1 【要約】 【課題】 安定して適量を押し出すことができ、かつ、空気の進入も防止できるチューブを提供する。 【解決手段】 チューブ1では、雄材5aと雌材5bとを備える略直線状の複数のファスナ51〜53が、容器本体2の内部に長手方向に沿って設けられる。各ファスナ51〜53の雄材5aと雌材5bとは容器本体2の対向する二つの内面にそれぞれ配置され、接触加圧により咬合って係合する。したがって、ファスナ51〜53の係合により、容器本体2を扁平な状態に維持することができるため、安定して適量の内容物を押し出すことができ、かつ、空気の進入も防止できる。また、複数のファスナ51〜53のうち容器本体2の幅方向の中央部に配置される中央ファスナ52は、他のファスナよりも幅方向のサイズが大きい。このため、中央ファスナによって容器本体2の対向する内面を確実に結合することができる。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 内容物が充填され、押圧により前記内容物を押し出すチューブであって、 前記内容物が充填される容器本体と、 前記容器本体の長手方向の一端に形成される略管状の口部と、 前記容器本体の対向する二つの内面にそれぞれ配置される雄材と雌材とが、接触加圧により咬合って係合する略直線状の複数のファスナと、 を備え、 前記複数のファスナはそれぞれ、前記容器本体の長手方向に沿って配置され、 前記複数のファスナのうち前記容器本体の幅方向の中央部に配置される中央ファスナは、他のファスナと比較して、前記雄材と雌材との対向方向または前記幅方向のサイズが大きいことを特徴とするチューブ。 【請求項2】 内容物が充填され、押圧により前記内容物を押し出すチューブであって、 前記内容物が充填される容器本体と、 前記容器本体の長手方向の一端に形成される略管状の口部と、 前記容器本体の対向する二つの内面にそれぞれ配置される雄材と雌材とが、接触加圧により咬合って係合する略直線状の複数のファスナと、 を備え、 前記複数のファスナはそれぞれ、前記容器本体の長手方向に沿って配置され、 前記複数のファスナのうち前記容器本体の幅方向の中央部に配置される中央ファスナは、他のファスナと比較して、固さが固いことを特徴とするチューブ。 【請求項3】 請求項1または2に記載のチューブにおいて、 前記雄材は、前記雌材との対向側が略平面となる断面略T字状の突起部を有することを特徴とするチューブ。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のチューブにおいて、 前記中央ファスナは、前記容器本体の内部から前記口部の内部にかけて配置されることを特徴とするチューブ。 【請求項5】 内容物が充填され、押圧により前記内容物を押し出すチューブであって、 前記内容物が充填される容器本体と、 前記容器本体の長手方向の一端に形成される略管状の口部と、 前記容器本体の対向する二つの内面にそれぞれ配置される雄材と雌材とが、接触加圧により咬合って係合する略直線状の中央ファスナと、 を備え、 前記中央ファスナは、 前記容器本体の長手方向に沿って、前記容器本体の幅方向の中央部に、 前記容器本体の内部から前記口部の内部にかけて配置されることを特徴とするチューブ。 【請求項6】 請求項4または5に記載のチューブにおいて、 前記中央ファスナは、前記口部における前記容器本体の側の基底部に存在し、 前記基底部は、前記中央ファスナの前記雄材と前記雌材との対向方向に可撓性を有することを特徴とするチューブ。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、内容物が充填され、押圧により内容物を押し出すチューブに関する。 【背景技術】 従来より、ペースト状の練り歯磨き、化粧品、食品などに関しては、商品容器としてチューブが利用されている。一般にチューブは、その容器本体の長手方向の一端が閉じられ、他端に略管状の口部が形成された構造を有している。そして、容器本体はポリエチレンなどの弾力性のあるプラスチック材料で構成され、容器本体を押圧することによりそれに充填された内容物が押し出されるようになっている。 なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。 【特許文献1】 特開2002−362594号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、上記のようなチューブでは、内容物が容器本体に十分に充填されている場合は問題はないが、内容物の量が少なくなると容器本体の内部において内容物の偏りが生じ、適量を押し出すことが困難となる。また、容器本体が弾力性を有するため、内容物の量が少なくなると、容器本体の内部に空気が容易に進入する。このような容器本体の内部への空気の進入は、内容物の酸化など内容物の劣化の原因となる。 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、安定して適量を押し出すことができ、かつ、空気の進入も防止できるチューブを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため、請求項1の発明は、内容物が充填され、押圧により前記内容物を押し出すチューブであって、前記内容物が充填される容器本体と、前記容器本体の長手方向の一端に形成される略管状の口部と、前記容器本体の対向する二つの内面にそれぞれ配置される雄材と雌材とが、接触加圧により咬合って係合する略直線状の複数のファスナと、を備え、前記複数のファスナはそれぞれ、前記容器本体の長手方向に沿って配置され、前記複数のファスナのうち前記容器本体の幅方向の中央部に配置される中央ファスナは、他のファスナと比較して、前記雄材と雌材との対向方向または前記幅方向のサイズが大きい。 また、請求項2の発明は、内容物が充填され、押圧により前記内容物を押し出すチューブであって、前記内容物が充填される容器本体と、前記容器本体の長手方向の一端に形成される略管状の口部と、前記容器本体の対向する二つの内面にそれぞれ配置される雄材と雌材とが、接触加圧により咬合って係合する略直線状の複数のファスナと、を備え、前記複数のファスナはそれぞれ、前記容器本体の長手方向に沿って配置され、前記複数のファスナのうち前記容器本体の幅方向の中央部に配置される中央ファスナは、他のファスナと比較して、固さが固い。 また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のチューブにおいて、前記雄材は、前記雌材との対向側が略平面となる断面略T字状の突起部を有する。 また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のチューブにおいて、前記中央ファスナは、前記容器本体の内部から前記口部の内部にかけて配置される。 また、請求項5の発明は、内容物が充填され、押圧により前記内容物を押し出すチューブであって、前記内容物が充填される容器本体と、前記容器本体の長手方向の一端に形成される略管状の口部と、前記容器本体の対向する二つの内面にそれぞれ配置される雄材と雌材とが、接触加圧により咬合って係合する略直線状の中央ファスナと、を備え、前記中央ファスナは、前記容器本体の長手方向に沿って、前記容器本体の幅方向の中央部に、前記容器本体の内部から前記口部の内部にかけて配置される。 また、請求項6の発明は、請求項4または5に記載のチューブにおいて、前記中央ファスナは、前記口部における前記容器本体の側の基底部に存在し、前記基底部は、前記中央ファスナの前記雄材と前記雌材との対向方向に可撓性を有する。 【発明の効果】 請求項1の発明によれば、容器本体を扁平な状態に維持することができるため、安定して適量の内容物を押し出すことができ、かつ、空気の進入も防止できる。また、中央部に配置される中央ファスナが他のファスナよりもサイズが大きいため、中央ファスナによって容器本体の対向する内面を確実に結合することができる。 また、請求項2の発明によれば、容器本体を扁平な状態に維持することができるため、安定して適量の内容物を押し出すことができ、かつ、空気の進入も防止できる。また、中央部に配置される中央ファスナが他のファスナよりも固さが固く変形しにくいことから、中央ファスナによって容器本体の形状を安定させることができる。 また、請求項3の発明によれば、容器本体をより扁平な状態にすることができ、内容物をより多く使い切ることができる。 また、請求項4の発明によれば、容器本体に対する口部の向きを安定させることができる。 また、請求項5の発明によれば、容器本体を扁平な状態に維持することができるため、安定して適量の内容物を押し出すことができ、かつ、空気の進入も防止できる。また、中央ファスナが容器本体の内部から口部の内部にかけて配置されるため、容器本体に対する口部の向きを安定させることができる。 また、請求項6の発明によれば、口部の基底部を扁平な状態にすることができ、内容物を完全に使い切ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、図面においては3次元のXYZ直交座標を付し、方向及び向きを示す際に利用する。 <1.チューブの構成> 図1は、本発明の実施の形態に係るチューブ1の構成を示す斜視図である。また、図2は+Z側からみたチューブ1の平面図であり、図3は−Y側からみたチューブ1の側面図である。このチューブ1は、ペースト状の練り歯磨き、化粧品、食品などの内容物が充填されるものである。 図に示すように、チューブ1は、内容物が充填される容器本体2と、内容物が押し出される口部3と、口部3を閉じるキャップ4とを備えている。なお、図2及び図3では、キャップ4の図示を省略している。これらのチューブ1の各部は、ポリエチレンなどの弾力性のあるプラスチック材料で構成される。 容器本体2は、細長い形状を有し、厚み方向(Z方向)に対向する2つの主面23,24を備えている。容器本体2の長手方向(X方向)の一方(+X側)の端部(以下、「閉鎖端」という。)21は、熱溶着などにより幅方向(Y方向)に沿って略直線状に閉じられている。一方、容器本体2の長手方向の他方(−X側)の端部(以下、「開口端」という。)22には、幅方向(Y方向)の中央部に口部3が設けられる。そして、開口端22における口部3の接続部分以外の周辺部分は、閉鎖端21と同様に、熱溶着などにより幅方向(Y方向)に沿って略直線状に閉じられている。容器本体2は、比較的薄いプラスチック材料で構成され、人間の力で容易に曲げられる程度の可撓性を有している。 口部3は、略管状の部材であり、一方の端部は容器本体2の内部空間と繋がり、他方の端部は外部に開口している。この口部3の周縁には、口部3の開口を塞ぐキャップ4を留めるためのネジ山39が形成されている。 また、容器本体2の内部には、3つのファスナ51,52,53が設けられている。これら3つのファスナ51,52,53は、「レールファスナ」あるいは「シールファスナ」とも呼ばれる略直線状のファスナであり、容器本体2の内面に、容器本体2の長手方向に沿って配置されている。 図4は、図2のIV−IV位置における断面図である。ファスナ51〜53はそれぞれ、厚み方向(Z方向)に対向する雄材5aと雌材5bとから構成されている。雄材5aは容器本体2の一方の主面24の内側面に配置され、雌材5bは他方の主面23の内側面に配置される。 図5は、ファスナ51〜53の断面の拡大図である。なお、ファスナ51〜53の構造はいずれも、図5に示すものと同様である。図5に示すように、雄材5aは、断面が略T字状の突起部A1を有している。この突起部A1は、雌材5bとの対向側が平面となっている。一方、雌材5bは、溝部B1と、その溝部B1の入口に爪部B2とを有している。 この構造により、図5の状態から雄材5aと雄材5aとを接触させて対向方向(Z方向)に加圧すると、図6に示すように雄材5aと雄材5aとが咬合って係合する。具体的には、雄材5aの突起部A1が雌材5bの溝部B1に入り込むとともに、雌材5bの爪部B2が雄材5aの突起部A1の端部を保持する。この際、雄材5aの突起部A1と、雌材5bの溝部B1とは、対向位置において互いに面接触する。 このようなファスナ51〜53の係合作用により、図7に示すように、容器本体2の2つの主面23,24をその対向方向(Z方向)に加圧すれば、その2つの主面23,24の内側面同士を結合させることができる。すなわち、容器本体2を扁平な状態にし、その状態を保持することが可能となっている。 図1及び図2に示すように、3つのファスナ51〜53は略平行に配置される。ファスナ52は、容器本体2の幅方向(Y方向)の中央部に配置され、他の2つのファスナ51,53は、容器本体2の幅方向(Y方向)の中央線に関して対称に配置される。 中央部のファスナ(以下、「中央ファスナ」という。)52は、他の2つのファスナ(以下、「端部ファスナ」という。)51,53と比較して、幅方向(Y方向)のサイズが大きくなっている。このため、中央ファスナ52の係合状態を維持する力は、端部ファスナ51,53よりも大きい。また、中央ファスナ52は、端部ファスナ51,53よりも固さが固くなり、変形しにいものとなる。 また、端部ファスナ51,53の長手方向のサイズは容器本体2の内部の長手方向のサイズと略一致し、端部ファスナ51,53は、閉鎖端21から開口端22までの容器本体2の内部全体にわたって配置される。これに対して、中央ファスナ52は、容器本体2の内部全体とともに、口部3の内部にも配置される。すなわち、中央ファスナ52は、その一方(+X側)の端部が容器本体2の閉鎖端21付近に配置され、他方(−X側)の端部は開口端22よりもさらに−X側の口部3の内部に配置されている。このように、中央ファスナ52を容器本体の内部から口部の内部にかけて配置することで、中央ファスナ52が補強部材として機能し、容器本体2に対する口部3の向きを安定させることができる。 図8は、図2のVIII−VIII位置における断面図であり、主に口部3の断面を示している。図8に示すように、口部3の内部においては、容器本体2から延びる中央ファスナ52の−X側の端部が、開口側の端部と容器本体2側の端部とのおよそ中間に位置している。これにより、中央ファスナ52は、口部3における容器本体2の側(+X側)の部分に配置される。 口部3は、中央ファスナ52が存在する容器本体2の側(+X側)の部分32と、存在しない開口側(−X側)の部分31とで、その構造が異なっている。以下、中央ファスナ52が存在する+X側の部分32を「基底部」32といい、存在しない−X側の部分31を「先頭部」31という。 図9は、図8のIX−IX位置における断面図であり、先頭部31の断面を示している。また、図10は、図8のX−X位置における断面図であり、基底部32の断面を示している。 先頭部31は、図9に示すように、略均一の厚みのある管状部材33で構成されている。この管状部材33は、比較的厚いプラスチック材料で構成され、人間の力で容易には曲げられない程度の硬さを有している。管状部材33の周縁には、ネジ山39が形成される。 これに対して基底部32は、図10に示すように、比較的厚いプラスチック材料で構成される2つの厚手部分34と、比較的薄いプラスチック材料で構成される2つの薄手部分35とを繋げて、略管状に形成されている。2つの厚手部分34は、容器本体2の2つの主面23,24と同様に、Z方向(容器本体2の厚み方向に相当)に対向して存在している。一方、2つの薄手部分35は、Z方向に直交するY方向(容器本体2の幅方向に相当)に対向して存在している。 中央ファスナ52の雄材5aと雌材5bとは、2つの厚手部分34の内側にそれぞれ配置されている。また、厚手部分34の周縁にはネジ山39が形成されるが、薄手部分35の周縁にはネジ山39は形成されていない(図1〜図3も併せて参照。)。 厚手部分34は人間の力で容易には曲げられない程度の硬さを有し、一方、薄手部分35は人間の力で容易に曲げられる程度の可撓性を有している。このため、基底部32は、厚手部分34が対向する方向(Z方向)に変形させることが可能である。すなわち、基底部32は、中央ファスナ52の雄材5aと雌材5bとが対向する方向(Z方向)に撓むという可撓性を有することになる。 したがって、2つの厚手部分34をその対向方向(Z方向)に加圧すれば、基底部32が変形して、図11に示すように、中央ファスナ52の雄材5aと雄材5aとが係合する。これにより、2つの厚手部分34の内側面同士を結合させることができる。すなわち、容器本体2と同様に、基底部32を扁平な状態にし、その状態を保持することが可能となる。 <2.チューブの使用> 次に、以上のように構成されるチューブ1を使用した場合について説明する。図3に示すように、チューブ1の使用開始の時点においては、容器本体2に内容物が十分に充填されている。このため、使用開始の時点では、容器本体2を適度に押圧することにより、適量の内容物を口部3から押し出すことができる。 内容物の使用により、容器本体2の内部の内容物の残量が少なくなれば、図12に示すように、閉鎖端21側(+X側)からファスナ51〜53を順次に係合させて、容器本体2の閉鎖端21側の部分の主面23,24を結合させる。これにより、容器本体2の閉鎖端21側の部分が扁平状態となり、ファスナ51〜53の係合作用によりその扁平状態が維持される。 その結果、容器本体2の開口端22側(−X側)に内容物を片寄せることができ、使用開始の時点と同様に、容器本体2を適度に押圧することにより、適量の内容物を安定して口部3から押し出すことができる。また、容器本体2の扁平状態が維持されることから、容器本体2の内部に空気が進入することも防止される。このため、空気と触れて酸化するなどの内容物の劣化が有効に防止されることになる。 また、特に中央部に配置される中央ファスナ52が、他の端部ファスナ51,53よりも幅方向のサイズが大きい。したがって、中央ファスナ52の係合力が比較的大きいことから、たとえ他の端部ファスナ51,53が外れたとしても、中央ファスナ52により容器本体2の対向する内面を確実に結合状態に維持することができる。また、中央ファスナ52が比較的固いことから、容器本体2の形状が安定することになる。 内容物のさらなる使用により、容器本体2の内部の内容物をおよそ使い切った場合は、図13に示すように、容器本体2の全体を扁平な状態にすることができるとともに、中央ファスナ52によって口部3の基底部32をも扁平な状態とすることができ、それらの状態を維持することができる。このため、容器本体2の内部の内容物を完全に使い切ることが可能である。 以上のように、本実施の形態のチューブ1では、雄材5aと雌材5bとを備える略直線状の複数のファスナ51〜53が、容器本体2の内部に長手方向に沿って設けられる。各ファスナ51〜53の雄材5aと雌材5bとは容器本体2の対向する二つの内面にそれぞれ配置され、接触加圧により咬合って係合する。したがって、ファスナ51〜53の係合により、容器本体2を扁平な状態に維持することができるため、安定して適量の内容物を押し出すことができ、かつ、空気の進入も防止できる。また、複数のファスナ51〜53のうち容器本体2の幅方向の中央部に配置される中央ファスナ52は、他のファスナ51,53よりも幅方向のサイズが大きい。このため、中央ファスナ52によって容器本体2の対向する内面を確実に結合することができる。 また、中央ファスナ52は、他のファスナ51,53よりも固さが固くて変形しにくいため、容器本体2の形状を安定的に維持することができる。すなわち、中央ファスナ52をチューブ1における脊髄として機能させることができ、容器本体2の一部を扁平状態としたとしても容器本体2の形状を安定させることができる。 また、チューブ1では、中央ファスナ52が容器本体2の内部から口部3の基底部32にかけて配置されることから、容器本体2に対する口部3の向きも安定させることができる。 また、チューブ1では、口部3の基底部32は中央ファスナ52の雄材5aと雌材5bとが対向する方向に可撓性を有することから、口部3の基底部32をも扁平な状態にすることができ、内容物を完全に使い切ることができる。 また、チューブ1は容器本体2の内部には空気が進入しないことから、図14に示すような、チューブ1の口部3同士を連結するジョイント部材8を用いることで、2つのチューブ1間で内容物を容易に入れ替えることができる。 このジョイント部材8は、2つの開口81,82を有する略管状部材であり、内部壁にはチューブ1の口部3のネジ山39と係合可能なネジ溝83が形成されている。これにより、ジョイント部材8の2つの開口81,82にはそれぞれ、チューブ1の口部3を取り付けることが可能となっている。 ジョイント部材8に2つのチューブ1を取り付けると、図15に示すように、それらチューブ1の口部3同士が密着する。このため、一方のチューブ1の内容物を他方のチューブ1の容器本体2に、空気に触れることなく移し替えることが可能である。また、チューブ1の容器本体2は空気が進入しにくい構造であるため、このような内容物の移し替えをする際に空気が進入してしまうこともなく、内容物のみを確実に移し替えることができる。 <3.他の実施の形態> 以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような他の実施の形態について説明する。もちろん、以下で説明する形態を適宜に組み合わせてもよい。 上記実施の形態では、中央ファスナ52は、幅方向(Y方向)のサイズが他のファスナよりも大きいと説明したが、雄材5aと雌材5bとの対向方向(Z方向)のサイズが他のファスナよりも大きくなっていてもよい。このようにしても、中央ファスナ52の係合状態を維持する力は、端部ファスナ51,53よりも大きくすることができる。そして、中央ファスナ52は、端部ファスナ51,53と比較して固さが固くなり、変形しにくくすることができる。 また、上記実施の形態では、雄材5aは断面が略T字状の突起部を有していると説明したが、他の形状の突起部を有していてもよい。例えば、図16に示すように、雄材5aが断面が略円形状の突起部を有するようにしてもよい。この場合は、雌材5bも断面が略円形の溝部を有し、これら雄材5aと雌材5bとが咬合って係合することになる。ただし、上記実施の形態のように、雄材5aが雌材5bとの対向側が略平面となる断面略T字状の突起部を有するようにすることで、他の形状の突起部を採用するよりも、容器本体2をより扁平な状態にすることができ、容器本体2の内容物をより多く使い切ることができる。 また、上記実施の形態では、容器本体2の開口端22における口部3の接続部分以外の周辺部分は、略直線状に閉じられると説明した。これに対し図17に示すように、この周辺部分に、開口側(−X側)に対向し、2つの主面23,24を繋ぐ面である肩部25を形成してもよい。この場合においても、肩部25を比較的薄いプラスチック材料で構成し、人間の力で容易に曲げられる程度の可撓性を有するようにすれば、上記実施の形態と同様に、容器本体2の全体を扁平な状態にすることができるとともに、口部3の基底部32をも扁平な状態にすることが可能である。 また、上記実施の形態では、容器本体2の内部に3つのファスナ51,52,53を設けると説明したが、3以上のファスナが存在してもよい。3以上のファスナを配置する場合でも、容器本体2の幅方向の中央部に、雄材5aと雌材5bとの対向方向(Z方向)、あるいは、幅方向(Y方向)のサイズが、他のファスナよりも大きいファスナを配置するようにすればよい。 【図面の簡単な説明】 【図1】チューブの構成を示す斜視図である。 【図2】チューブの平面図である。 【図3】チューブの側面図である。 【図4】図2のIV−IV位置における断面図である。 【図5】ファスナの断面形状の一例を示す図である。 【図6】ファスナを係合した様子を示す図である。 【図7】扁平な状態にした容器本体を示す図である。 【図8】図2のVIII−VIII位置における断面図である。 【図9】図8のIX−IX位置における断面図である。 【図10】図8のX−X位置における断面図である。 【図11】扁平な状態にした口部の基底部を示す図である。 【図12】内容物の使用途中のチューブの様子を示す図である。 【図13】内容物を使い切ったチューブの様子を示す図である。 【図14】チューブの口部同士を連結するジョイント部材を示す図である。 【図15】ジョイント部材により2つのチューブを連結した様子を示す図である。 【図16】ファスナの断面形状の一例を示す図である。 【図17】チューブの他の構成を示す斜視図である。 【符号の説明】 1 チューブ 2 容器本体 3 口部 4 キャップ 32 基底部 51,53 端部ファスナ 52 中央ファスナ 5a 雄材 5b 雌材 8 ジョイント部材 |
||
【図1】 |
||
【図2】 |
||
【図3】 |
||
【図4】 |
||
【図5】 |
||
【図6】 |
||
【図7】 |
||
【図8】 |
||
【図9】 |
||
【図10】 |
||
【図11】 |
||
【図12】 |
||
【図13】 |
||
【図14】 |
||
【図15】 |
||
【図16】 |
||
【図17】 |
||
ページtop へ |