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【考案の名称】清掃具 【実用新案権者】 【識別番号】507337201 【氏名又は名称】黒木 喜久 【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区十八条3丁目5番6号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100092794 【氏名又は名称】松田 正道 【考案者】 【氏名】黒木 喜久 【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区十八条3丁目5番6号 【要約】 【課題】 粘着テープを巻いた粘着ローラを被清掃物に押し当てて塵埃等を粘着除去する清掃具において、汚れた粘着テープの切断を容易にし、また粘着ローラの支持を堅固なものとする。 【解決手段】 粘着ローラ2を支持する支持軸3と、先端が横向きに屈曲された左右一対のアーム4、5と、粘着テープ切断用の列状の歯体を有するカッター14とを備え、支持軸3はアーム4の屈曲部に挿入することにより、回転可能に支持され、カッター14はアーム5の屈曲部に嵌入することによって固定され、カッター14の先端部はアーム4にリング部18によって固定され、カッター14の外面に複数の凸部16bが互いに間隔をおいて設けられている清掃具。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 粘着テープを円筒状に巻いた粘着ローラを支持する支持軸と、 先端が横向きに屈曲された左右一対のアームと、 該左右一対のアームの基部に固着された把手と、 前記支持軸に取り付けられた前記粘着ローラに所定間隔を空けて沿うように配設され、粘着テープ切断用の列状の歯体を有するカッターとを備え、 前記支持軸は、その芯部の孔を、前記左右一対のアームのいずれか一方の屈曲部に挿入することにより、前記一方のアームによって、回転可能に支持され、 前記カッターは、その内部に穿設された孔を、前記一方のアームと反対側の他方のアームの屈曲部に嵌入することによって、前記他方のアームに固定されるとともに、前記カッターの、前記一方のアーム寄りの先端部は、前記一方のアームに固定具によって固定されていることを特徴とする清掃具。 【請求項2】 前記カッターの少なくとも上面又は下面に、複数の凸部が互いに間隔をおいて設けられている、請求項1に記載の清掃具。 【請求項3】 前記固定具は、その両端が前記カッターの前記先端部の上下面にそれぞれ固着された、U字型の留め具であり、そのU字型の留め具の内側に前記一方のアームが貫通して固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の清掃具。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、床やカーペット等の清掃に使用するに適した清掃具に関するもので、さらに詳しくは、粘着テープを巻いたローラを用いる清掃具に関するものである。 【背景技術】 塵埃や毛髪等が付着したカーペット、衣服等の清掃には、粘着テープを円筒状に巻いたローラを有する清掃具が使用されている(例えば特許文献1参照)。この清掃具は、カーペット等の清掃面状に粘着テープのローラを転動させながら、付着している塵埃等を粘着除去するものである。 上記粘着テープのローラを用いる清掃具は、使用により当該ローラの外周面に多くの塵埃等が付着し、粘着面が覆われることにより、清掃効果が低下するので、適宜汚れた粘着テープを剥ぎ取って、新たな粘着面を露出させる必要がある。 従来この粘着テープの剥ぎ取りは、粘着テープをローラから所定量だけ引き出し、人手で引っ張って切断していたが、この切断にはかなりの力を要するのみならず、粘着テープを直線状に切断するのが難しいので、使い勝手が悪く、粘着テープに無駄が生じやすいという問題点があった。 また、粘着テープを使い切ったローラは、新たなローラと交換する必要があるが、ローラの支持構造は使用中に該ローラをしっかりと保持できるように堅固な構造となっておらず、ローラの着脱の際慎重な取り扱いを必要としていた。 従来公知の清掃具における上記のような問題点を解決するものとして、本考案者は、改良品を考案し、すでに実用新案登録出願している(特許文献2参照)。この改良された清掃具は、表面が汚れた粘着テープをローラから剥して簡単に切断できるようにしたもので、粘着テープの保持を確実にしながら、その着脱を比較的簡単に行うことのできるものである。 【特許文献1】 特開2006−167266号公報 【特許文献2】 登録第3138165号公報 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 上記改良された清掃具は、汚れた粘着テープの切断が容易で、粘着テープの保持が確実であり、しかもその着脱が容易であるから、実用的にすぐれたものであるが、その具体的な実施形態においては、構造的に複雑で、粘着テープの切断に際して該粘着テープの取り扱いが煩雑であるという難点があった。 そこで、本発明は、上記改良された清掃具の利点を備えながら、しかも構造と取り扱いがより簡単で、粘着テープの切断を安全かつ簡単に行うことのできるものを提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 本考案は、上記課題を解決するため、次のような構成を採用した。すなわち、本考案に係る清掃具は、 粘着テープを円筒状に巻いた粘着ローラを支持する支持軸と、 先端が横向きに屈曲された左右一対のアームと、 該左右一対のアームの基部に固着された把手と、 前記支持軸に取り付けられた前記粘着ローラに所定間隔を空けて沿うように配設され、粘着テープ切断用の列状の歯体を有するカッターとを備え、 前記支持軸は、その芯部の孔を、前記左右一対のアームのいずれか一方の屈曲部に挿入することにより、前記一方のアームによって、回転可能に支持され、 前記カッターは、その内部に穿設された孔を、前記一方のアームと反対側の他方のアームの屈曲部に嵌入することによって、前記他方のアームに固定されるとともに、前記カッターの、前記一方のアーム寄りの先端部は、前記一方のアームに固定具によって固定されていることを特徴としている。 切断時における粘着テープの歯体への付着を防止するため、前記カッターの上面又は下面に複数の凸部を互いに間隔をおいて設けておくのが好ましい。 固定具は、その両端が前記カッターの前記先端部の上下面にそれぞれ固着された、U字型の留め具であり、そのU字型の留め具の内側に前記一方のアームが貫通して固定されている構造が好ましい。 なお、前記粘着ローラと前記歯体を収納可能な容器状カバー部材を着脱自在に付設しておけば、不使用時に粘着テープが汚れたり、他の物体に粘着したりしないので、好ましい。 【考案の効果】 本考案に係る清掃具は、粘着テープを巻いた粘着ローラの外周部に、所定の間隔をおいて該粘着テープを切断することのできる所定長さの鋸歯状の歯体が設けられているので、汚れた粘着テープを粘着ローラから引き出して、当該歯体に押し当てることにより、簡単に切断することができる。しかも切断線は直線状であるから、粘着テープの無駄が生じにくい。 粘着ローラを回転自在に支持する支持軸は、左右いずれかのアームの先端部に形成されている屈曲部をその芯部に挿入することにより支持されているので、その支持構造は簡単かつ確実である。 また、歯体を有するカッターは、前記粘着ローラを支持するアームとは反対側のアームの屈曲部を当該カッターに穿孔した取り付け孔に嵌合するとともに、前記支持軸を支持するアームの中間部を、該カッターの端部に一体に形成したU字型リング(固定具)に嵌合することにより両アームに固定されているので、その取り付け構造は簡単であり、取り付け強度も高い。 カッターの外面部に複数の凸部を形成しておけば、当該外面が凹凸状に形成され、平面状ではなくなるので、切断時には、引き出した粘着テープを一旦その外面に接着した状態で切断するので切断がスムーズに出来、しかもその後切断した粘着テープを取り去る際、カッターの外面から剥がしやすくなるので、取り扱いが非常に便利となる。 なお、前記粘着ローラと歯体を収納できる着脱自在な容器状カバーを付設しておけば、不使用時に粘着ローラが他の物品に粘着しないように保持できるので便利である。 【考案を実施するための最良の形態】 以下、本考案の実施の形態について具体的に説明する。 図1は、本考案に係る清掃具の実施例を表すもので、この清掃具1は、粘着テープ2aを紙芯2b上に円筒状に巻いた粘着ローラ2と、該粘着ローラ2を支持する支持軸3と、歯体15を有するカッター14と、そのカッター14および支持軸3を保持するアーム4,5を備えている。左右一対のアームの基部は、把手8に固着されている。 粘着ローラ2の紙芯2bの内部には支持軸3が嵌合しており、該支持軸3が左右一対のアームのうちの一方のアーム4によって支持されている。すなわち、アーム4は、先端部が横向き、すなわち粘着ローラ2の軸方向と同じ方向へ屈曲されており、その先端部4aが前記支持軸3の芯部に設けた孔3bに挿入されている。なお、粘着ローラ2が使用中に回転できればよいので、アーム4と支持軸3とを相対回転可能としてもよく、あるいは支持軸3と粘着ローラ2との間を相対回転可能としてもよい。 なお、他方のアーム5は、図1に示すように、前記支持軸3の位置よりも手前で横向きに屈曲されており、後述のカッター14の支持部材16に穿孔した取り付け孔17に嵌合固定している。 前記支持軸3の外径は図1、図2に示すように粘着ローラ2の紙芯2bの内径とほぼ等しく、粘着ローラ2は、支持軸3にシマリ嵌め式に嵌着されるようになっている。 支持軸3の一方の端部は、アーム4の先端部に取り付けた着脱自在な割りピン式の押さえ具6によって押さえられ、粘着ローラ2の逸脱が規制されるようになっている。粘着ローラ2を支持軸3から取り外すときは、この押さえ具6を取り外して粘着ローラ2を簡単に抜き取ることができる。 左右のアーム4、5の間には、カッター14が設けられている。カッター14は、薄い金属板からなる細長い形状の歯体15を合成樹脂製の円筒状の支持部材16で保持したものであり、前記粘着ローラ2に対してある程度の間隔を空けて、並行に沿うように配置されている。さらに、前記歯体15は支持部材16の、粘着ローラ2とは反対側の縁部に設けられており、鋸歯状のギザギザの歯15aが形成されている。 歯体15を保持する支持部材16は、その芯部に前記アーム5が嵌合する取り付け孔17が穿孔されており、この取り付け孔17に前記アーム5の屈曲先端部5aが嵌合している。図1のA−A線断面図である、図3の図示例では、取り付け孔17は円形の一部をフラット17aにした断面形状となっており、アーム5の外周面に平坦部が形成されていて、両者が相対回転不能となっているが、他の方法で回転しないように保持してもよい。 また、前記支持部材16の外面(上面又は下面あるいは双方面)には、一方の端部から他方の端部にかけて複数の凸部(図では凸条)16bが互いに間隔を置いて形成されていて、その外面が凹凸状となっている。さらに、前記支持部材16の板状部16aの前記アーム4側の端部は、ループ状に湾曲されて、U字型の留め具としてのリング部18が形成されている。図4(a)、図5に示すように、このリング部18には、前記アーム4の中間部が挿通されており、ネジ19で締め付けられている。 なお、図4(a)、図5に示すような締め付けする方法の変形例として、図4(b)に示すように、ネジ19を、雄ネジのみとし、雌ネジの代わりに、U字型の端部自体にねじ切り18aを形成し、そこに雄ネジを螺合することも可能である。さらに、その間にプラスチックの筒20を配置し、その筒20の内側面にもねじ切りをしておくこともよい。 このようになっているため、歯体15を支持する支持部材16は、前記他方のアーム4とリング部18によってしっかりと固定され、歯体15は強固に支持される。 この清掃具1の使用に際しては、図2に示すように、清掃しようとする床F上に粘着ローラ2を押し当てて、矢印方向に転がしながら移動する。これにより、床Fの塵埃や毛髪等のゴミごみが粘着テープ表面に粘着され、床面から除去されるのである。 清掃により粘着ローラ2の外周面が汚れたら、図6(a)に示すように、該粘着ローラ2から1巻分の粘着テープ2aを引き出して、その粘着面側がカッター14に接する側に回り込ませ、その切断位置を付近で、カッター14の下面に接着させて安定させる。それから、粘着テープ2aを歯体15に押し当てて歯体15の向きと逆方向(図の矢印方向)に引っ張ることにより、粘着テープ2aの汚れた部分を切り離すことができる。 このように切断すると粘着テープ2aがカッター14に接着した状態で切断できるので、不慣れなユーザでも安定して一回の引っ張りできれいに切断できる。 その後、カッター14に接着された粘着テープ2aを剥がすが、凸部16bが適宜形成されているので、接着したとはいっても仮止め程度であるから、容易に剥がすことが出来る。 このように、切断、剥がしともに、安定して楽に、粘着テープ2aを所望の位置で直線状に切断することができるので該粘着テープの無駄が生じない。 なお、粘着テープ2aの切断の仕方としては、上述した方法に限らず、図6(b)に示すように、粘着テープ2aの粘着面でない側の面をカッター14に接するようにして歯体15に押し当てて切断する方法も可能である。 汚れた粘着テープを切断したあとの粘着ローラ側の引き出し部分切断部は、該粘着ローラ2上に巻きつけておけばよい。 図7、図8は、この清掃具1に付設されたカバー30を表すもので、このカバー30は、前記清掃具1とは別体に製作されるもので、内部に粘着ローラ2と歯体15を収納することができるように断面が丸みを帯びた容器状に形成されている。カバー30は二つ割り構造であり、基部が蝶番32で互いに枢着され、該蝶番32の部分を中心に開閉自在となっている。該蝶番32と反対側の自由端部には、カバー30を閉じた状態で固定することのできるロック部材33が一体に形成されている。ロック部材33は、二つ割りされたカバーの一方と他方の先端部にそれぞれ一体に形成されており、両者を弾性的な変形により互いに係合、分離することができるものである。ロック部材33を係合させると、カバー30が閉じた状態で固定され、ロック部材33の係合を解除すると、カバー30を開いて、清掃具1本体から取り外すことができる。なお、カバー30の底部には、床面状に起立状態で載配するための平面部34が一体に形成されている。 このようなカバー30を備えた清掃具1は、図8(a)、(b)に示すように、不使用時に粘着ローラ2と歯体15を当該カバー内に収納する状態で清掃具1本体に取り付けておくことができ、粘着ローラ2が他の物品に接触して粘着することが防止できるので実用上便利である。また、歯体15もこのカバー30内に収納できるようにすることにより、より安全なものとなる。 【産業上の利用可能性】 本考案に係る清掃具は、粘着テープを巻いた粘着ローラの外周部に、所定の間隔をおいて該粘着テープを切断することのできる所定長さの鋸歯状の歯体が設けられているので、汚れた粘着テープを粘着ローラから引き出して、当該歯体に押し当てることにより、簡単に切断することができ、しかも切断線は直線状であるから、粘着テープの無駄が生じにくいので、床やカーペット等の清掃に使用するに適した清掃具に最適である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本考案の清掃具の一実施の形態を表す正面図である。 【図2】本実施の形態における、使用状態における清掃具の側面図である。 【図3】本実施の形態のカッターの断面図(図1におけるA−A断面図)である。 【図4】(a),(b)は、本実施の形態におけるカッター取り付け部の断面図である。 【図5】本実施の形態における図4(a)のカッター取り付け部の正面拡大図である。 【図6】(a),(b)は、本実施の形態における、粘着テープの切断方法の説明図である。 【図7】本実施の形態のカバーの側面図である。 【図8】本実施の形態のカバーを取り付けた状態を表す正面図(a)および側面図(b)である。 【符号の説明】 1 清掃具 2 粘着ローラ 3 支持軸 4、5 左右のアーム 8 把手 14 カッター 15 歯体 16 支持部材 16b 凸部 18 固定具 30 カバー |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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