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家庭用品T
 
【考案の名称】キーホルダー
【実用新案権者】
【識別番号】308035221
【氏名又は名称】三俣 俊明
【住所又は居所】兵庫県加古川市加古川町粟津696−2
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100101085
【氏名又は名称】横井 健至
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100134131
【氏名又は名称】横井 知理
【考案者】
【氏名】三俣 俊明
【住所又は居所】兵庫県加古川市加古川町粟津696−2
【要約】(修正有)
【課題】
キーホルダーを鞄やポケット等に入れた場合に生じる、他の収納品と紛れてしまう不都合やあるいは出し入れの手間と時間を軽減し、かつ紛失の可能性も軽減し、さらに、キーホルダーの装着時の不快感が少なく、キーの使用時には邪魔にならないキーホルダーを提供する。
【解決手段】
キー係止用リング2とスイベル3と装着部で構成され、前記装着部は、しなやかでかつ厚みをもつ丈夫な皮革などの素材を複数枚重ね合わせた装着部本体5と、装着部本体5の上部に固定された正面から見るとU字型の金属製の前側の挟み板および後側の挟み板のU字型の開口部の間に設置され、かつ、装着部本体5の連続した上部へ凸型に突出する接続部7からなり、さらに挟み板6と装着部本体5との間にできた間隙にズボンを着用する際に使用するベルト9などに挟んで固定するキーホルダー。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
キー係止用リング(2)とスイベルやナス環などの連結部材(以下、これらの連結部材を「スイベル」という。)であるスイベル(3)と装着部(4)で構成され、この装着部(4)は、しなやかでかつ厚みをもつ丈夫な天然皮革や合成皮革などからなる素材を複数枚重ね合わせた装着部本体(5)と、装着部本体(5)に固定された金属製のU字型の挟み板(6)および挟み板(6)のU字型の開口部の間に設置され、かつ、装着部本体(5)と連続した凸型の突出部である接続部(7)から成り、さらに挟み板(6)と装着部本体(5)との間に出来た間隙(8)にズボンなどを着用する際に使用しているベルト(9)などを挟み固定出来ることを特徴とするキーホルダー(1)。
【請求項2】
挟み板(6)の素材を弾性を持つ金属から形成し、U字型の下端を折り曲げて装着部本体(5)に接する程度に突起(10)を設け、挟み板(6)をクリップ状にしたことを特徴とする請求項1に記載のキーホルダー(1)。
【請求項3】
キー係止用リング(2)に短いチェーン(11)やトチ環などの連結金具(12)を介してベルト(9)などを固定する補助クリップ(13)をさらに連結して備えたことを特徴とする請求項1または請求項2のキーホルダー(1)。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、ズボンあるいはスカートのベルトなどに装着することにより、携行および使用に便利なキーホルダーに関する。
【背景技術】
外出時には、住宅や車両などの鍵(以下、「キー」という。)を持ち歩く必要がある。しかし、キーを単体で持ち歩くと紛失しやすいので、必要なキーをまとめてキーホルダーに装着して持ち歩く人がほとんどであり、このためにキーホルダーは必需品であり、使用頻度も極めて高い物品である。
ところで、このキーホルダーのタイプとして、従来よりケース型キーホルダーや、装着部材の所用箇所にキーを連結する連結部を設けてキー係止用リングとし、このキー係止用リングにキーを連結したキーホルダーが広く知られ使用されている。
従来、この種のキーホルダーを携行するには、通常、鞄やポケットなどに入れておく必要がある。しかし、鞄に入れておく場合、キーホルダーが他の収納物と混ざって収納される。このためにキーホルダーを取り出すときに、捜しだす手間や時間もかかり、また、いつも鞄を携帯していなければならない。ポケットに入れておく場合には、他の収納物と紛れてしまう上に、他のものと一緒に出てしまったり、活動しているうちにポケットから落してしまうなど、紛失する危険性も極めて高い。
ところで、鞄の中でキーホルダーが他の収納物と紛れてしまうという不都合を解決しようとしたキーホルダーとして、鞄の縁などに噛ませて使用するクリップ式のもの(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)や、ベルトに巻きつけて、金具で留めるもの(例えば、特許文献3参照。)や、ベルトに装着するがキー使用時にベルトから外す手間を軽減したもの(例えば、特許文献4参照。)などが提案されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2は、鞄を常に持ち歩く人などには有用であるが、手ぶらで出掛けることの多い人には不向きである。また、特許文献3のようにベルトに巻きつけて金具で留めてしまうものでは、キーを使うときにベルトから外す手間がかかり、面倒である。さらに特許文献4の形態では、例えば車両のキーなどのようにキーを差したまま使用する場合には、ベルトからベルト装着部材を取り外す必要がある。このために、手間の軽減効果は得られない上に、長い紐帯などがあり、この紐帯が邪魔になる。また、ベルト装着部材が全て金属製であるため、身体に接する部分が硬く、装着したまま座るなどした場合に身体に当たって不快感を生じる。
【特許文献1】
特開2001−303811号公報
【特許文献2】
特開平11−18913号公報
【特許文献3】
特開平09−56568号公報
【特許文献4】
実案3009769号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
本考案が解決しようとする課題は、キーホルダーを鞄やポケット等に入れた場合に生じる、他の収納品と紛れてしまう不都合やあるいは出し入れの手間と時間を軽減し、かつ紛失の可能性も軽減し、さらに、キーホルダーの装着時の不快感が少なく、キーの使用時には邪魔にならないキーホルダーを提供することにある。特に、鞄を持たずに出掛けることの多い人でベルトをしている、例えば男性などの人に便利なものとしたキーホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本考案の手段は、請求項1の考案では、キー係止用リング2と例えばスイベルやナス環などの連結部材(以下、これらの連結部材を「スイベル」という。)であるスイベル3などと装着部4で構成され、前記装着部4は、しなやかでかつ厚みをもつ丈夫な例えば、皮革などの素材を複数枚重ね合わせた装着部本体5と、正面から見るとU字型に形成され装着部本体5に固定された金属製の挟み板6および挟み板6のU字型の開口部の間に設置され、かつ、凸型の装着部本体5の連続した突出部である接続部7から成り、さらに挟み板6と装着部本体5との間に出来た間隙8にズボンなどを着用する際に使用しているベルト9などを挟み固定できるキーホルダー1である。
装着部本体5の素材としては、天然皮革や合成皮革が使用できるが、適度な厚みや強度などを満たすように芯素材やコーティング素材などと重層した布なども使用できる。連結部材3は、スイベルの外に丸環などを組み合わせるなどして複数が使用できる。
請求項2の考案では、挟み板6の素材に弾性を持つ金属を使用し、挟み板6の下端をU字型に折り曲げ成型して、装着部本体5に接する程度に突起10を設け、挟み板6をクリップ形状とした請求項1の手段のキーホルダー1である。
請求項3の考案では、キー係止用リング2に短いチェーン11や例えば、トチ環などの連結金具12を介してベルト9などを固定する補助クリップ13をさらに連結して備えた請求項1または請求項2の手段のキーホルダー1である。
【考案の効果】
本考案の効果は、キーホルダーの装着部に挟み板を設置することにより、ベルトに固定でき、その結果、鞄やポケット等に入れた場合に生じる、他の収納品と紛れてしまう不都合や出し入れの手間と時間を大幅に軽減することが出来る。挟み板はU字型で幅広いのでベルトへ安定して固定され脱落し難いので、キーの紛失の可能性も軽減される。さらに挟み板をクリップ状にし、さらに補助クリップを連結すれば、ベルトからより一層に脱落し難くなり、さらに紛失を防ぐことが出来る。
さらに挟み板をU字型に折り曲げたことにより、接続部は装着部本体と連続して形成できるという利点があり、この結果、接続部は別のパーツとして設置するよりも耐久性のある構造となっている。また、キーホルダーの構成は比較的シンプルであり、全体の大きさや長さは車両などのキーの使用時にも邪魔にならず、ベルト装着時以外でも普通のキーホルダーとして違和感の無いデザインとすることができる。一方、身体に接する側は皮革などのしなやかな素材を使用するので、キーホルダーを腰のあたりに装着しても、装着時の不快感が少ない。
これらの特徴を備えた結果、特に、鞄を持たずに出掛けることが多い男性など、ベルトをしている人にとって便利なキーホルダーとなっている。当該キーホルダーは、ある程度厚みと強度のある部材であれば、それらの側縁部を挟持させて取り付けできるので、ベルトだけでなく、鞄や和装の帯などの側縁部にも適用できる。
【考案を実施するための最良の形態】
以下、本考案を実施するための最良の形態について、添付の図面を参照して説明する。ところで、図1は本考案に係るキーホルダー1をベルト9に装着した状態を示す斜視図である。図2は本考案に係るキーホルダー1とキー係止用リング2の正面図で、この図2ではキー係止用リング2はキーホルダー1と未だ連結していない状態である。図3は本考案に係るキーホルダー1の装着部4の側面図で、挟み板6の先端側と装着部本体表側片5bの間は間隙8が形成されている。図4は本考案に係るキーホルダー1において、先端側に突起10を設け挟持部とした突起10を形成した挟み板6を有する装着部4の側面図である。図5は本考案に係るキーホルダー1おいて、挟み板6の先端側と装着部4との間をクリップ状に狭めた間隙8を有する2種の装着部4を示す側面図である。図6は本考案に係るキーホルダー1の挟み板6を構成する金属板14の展開図である。図7は本考案に係るキーホルダー1の装着部本体5を構成する装着部本体の表側片5bと裏側片5aと中芯15の3枚の部材の正面図である。図8は本考案に係るキーホルダー1の装着部4を作成する中芯15および挟み板6を装着部本体5に配設する手順を示した斜視図である。
図2に示すように、このキーホルダー1はキー係止用リング2と、例えばスイベルやナス環などの連結部材3と装着部4で構成されている。この装着部4はしなやかでかつ厚みをもつ丈夫な、例えば皮革などの素材を複数枚張り合わせて形成した装着部本体5からなっている。さらに装着部本体5には、表正面から見るとU字型に形成され金属製の挟み板6を有し、この挟み板6のU字型の開口部の間の上部には、装着部本体5と連続した凸型の突出部である接続部7が形成されており、この接続部7に上記の金属製のスイベルやナス環などの連結部材3が取り付けられ、このスイベルなどからなる連結部材3に係合した上記のキー係止用リング2からキーホルダー1が形成されている。
上記の挟み板6を作成するためには、図6のような長手方向の約半分まで方形の孔14aを開口した長方形の薄い弾性を持つ金属板14を、折り曲げ線16と折り曲げ線17において二度の山折りをして、挟み板6の図8に示すU字状部6aを形成するための図6の方形の孔14aを有する金属板14の端部に図に示す突起10を成形する。さらに図6において折り曲げ線18と折り曲げ線19においてコの字型に山折り成型して、図8にみられる挟み板6のU字状部6aと板状部6bを形成する。挟み板6の成型後の長さは3cm〜5cm、幅は2cm〜5cmとなるものとすることが望ましい。
装着部本体5には、図7に示すように、厚さ1〜2mm程度の皮革や塩化ビニル等を素材とする装着部本体裏側片5aおよび装着部本体表側片5bと、ベルトなどに通常使用される屈曲可能な皮革からなる中芯15を使用する。
ここで、装着部本体5に挟み板6を組み合わせて一体化する方法を説明する。図8に示すように、先ず、接続部7aおよび接続部7bのある上部を除いて、装着部本体裏側片5aおよび装着部本体表側片5bの周囲を縫合線24に沿って縫い合わせあるいは貼り合わせる。この縫い合わせたあるいは張り合わせた装着部本体裏側片5aと装着部本体表側片5bの間に、中芯15を矢印方向に装着する。さらに装着部本体表側片5bの側に挟み板6のU字状部6aが位置し、装着部本体裏側片5aの側に挟み板6のU字の部分の反対側の板状部6bが位置するようにして、装着部本体裏側片5aと装着部本体表側片5bの間に挿入する。次いで、これらの間をリベット20およびリベット21で装着部本体5として一体化して固定する。さらに装着部本体5については、縫合線24の始点および終点の部分をリベット21により固定して強化する。
この場合、装着部4の大きさとして、長さは5cm〜12cm、望ましくは6cm〜10cmで、幅は2cm〜5cm、望ましくは、3cm〜4cmとする。さらに間隙8は3mm〜7mm、望ましくは4mm〜6mmとする。
次に、図8に示す接続部7aに、図2に示すスイベル3を、図8に示す折曲げ線7cで巻き込んで、接続部7aを接続部7bに被せ、図2に示すように、接続部7aと接続部7bをリベット22により固定してこれらを一体化する。
さらにスイベル3にキー係止用リング2を通して連結してぶら下げる。この場合キーホルダー1をより強固にベルト9に取り付け可能とするために、図1の(b)に示すように、キー係止用リング2に短いチェーン11や回転作用を有するトチ環などからなる連結部材12を介してベルト9に装着固定するための補助クリップ13を連結してもよい。
キー23を本考案のキーホルダー1に連結する際には、キー係止用リング2にキー23の握り部に設けた孔23aを通して連結する。図1に示すように、キーホルダー1をベルト9へ装着する際には、ベルト9の裏側に装着部本体5が接するように、かつ、表側に挟み板6が接するように、ベルト9の上方から差し入れ、ベルト9を挟み込んで固定する。さらに、挟持用のU字状の補助クリップ13をチェーン11の先端のトチ環からなる連結部材12に付属して有する場合は、装着部4付近のベルト9の下方からU字状の補助クリップ13を装着することで、キー係止用リング2を上方に抜こうとしても確実に抜くことを防止することができる。
また、キーホルダー1をベルト9に装着した時には、スイベル3と、キー係止用リング2と、および連結したキー23は装着部4およびベルト9の前に垂れ下がった状態となるが、装着部4が天然皮革などの柔軟な部材から形成することで、腰部に当接しても違和感を与えず身体にも極めて優しく当たる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るキーホルダー1をベルト9に装着した状態を示す斜図である。
【図2】本考案に係るキーホルダー1の正面図(キー係止用リング2は連結していない)である。
【図3】本考案に係るキーホルダー1の装着部4の側面図である。
【図4】本考案に係るキーホルダー1において、挟み板6に突起10を設置した場合の装着部4の側面図である。
【図5】本考案に係るキーホルダー1において、挟み板6をクリップ状にした場合の別の実施形態における装着部4の側面図である。
【図6】本考案に係るキーホルダー1の挟み板6を構成する金属板14の展開図である。
【図7】本考案に係るキーホルダー1の装着部本体5を構成する3枚の部材の正面図である。
【図8】本考案に係るキーホルダー1の装着部4を作成する際の中芯15および挟み板6を設置する手順を示した斜図である。
【符号の説明】
1 キーホルダー
2 キー係止用リング
3 スイベル(連結部材)
4 装着部
5 装着部本体
5a 装着部本体裏側片(身体に接する側)
5b 装着部本体表側片(ベルトに接する側)
6 挟み板
6a U字状部
6b 板状部
7 接続部
7a 接続部(5aに属する)
7b 接続部(5bに属する)
7c 折曲げ線
8 間隙
9 ベルト
10 突起
11 チェーン
12 連結部材(トチ環)
13 補助クリップ
14 金属板
14a 方形の孔
15 中芯
16 折り曲げ線
17 折り曲げ線
18 折り曲げ線
19 折り曲げ線
20 リベット(挟み板固定用)
21 リベット(接続部固定用)
22 リベット(装着部本体固定用)
23 キー
23a 孔
24 縫合線
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
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