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【考案の名称】緩衝材 【実用新案権者】 【識別番号】515188512 【氏名又は名称】市川 義浩 【住所又は居所】和歌山県和歌山市有家366−6 メゾン・アンソイエ2 103号室 【代理人】 【識別番号】100076406 【弁理士】 【氏名又は名称】杉本 勝徳 【代理人】 【識別番号】100117097 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 充浩 【考案者】 【氏名】市川 義浩 【住所又は居所】和歌山県和歌山市有家366−6 メゾン・アンソイエ2 103号室 【要約】 (修正有) 【課題】弾性変形して衝撃を吸収し、保護対象の表面が汚れ難い緩衝材を提供する。 【解決手段】緩衝材1は、保護対象に粘着する粘着面11aを有する緩衝層11と、緩衝層11の粘着面11aとは反対側の非粘着面11bに形成された粘着防止層12と、を備えている。この緩衝材1をカップホルダーに使用すれば、緩衝材1が変形してコップを確実に把持できる。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 弾性変形によって衝撃を吸収し、粘着性を有するエラストマーからなる緩衝層と、 緩衝層の少なくとも一面に形成された粘着防止層と、 を備える緩衝材。 【請求項2】 粘着防止層が、ベビーパウダーから形成されている請求項1に記載の緩衝材。 【請求項3】 表面と裏面とを重ね合わせて押し付ければ、表面と裏面とを着脱自在に貼り付けできる帯状の面ファスナーと、 帯状の面ファスナーの一面に固定された取手と、 帯状の面ファスナーの取手が固定された面とは反対側の面に、粘着された請求項1又は請求項2に記載の緩衝材と、 を備えるカップホルダー。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、弾性変形によって衝撃を吸収するとともに、表面に染料や汚れが粘着し難い緩衝材に関する。 【背景技術】 【0002】 地震の揺れによる振動が、液晶モニタなどの家電製品やタンスなどの家具を倒壊することを防ぐため、家電製品や家具などとその設置面との間に配置される耐震マットが既に開発され、使用されている。なお、この耐震マットは、弾性変形によって揺れや衝撃を吸収し、粘着性を有するエラストマーを平板上に加工したものである(特許文献1を参照。)。 【0003】 一方、人と関わる社会の様々な場面で、人体に力が掛かって、人体の変形や衝撃による痛みなどの影響を与えている。例えば、ジェットコースター等の遊具の椅子に、児童を座らせて安全のため固定すると、椅子の背面の形状が児童の背中に残ってしまうことがある。また、リュウマチ等の関節炎の患者が、階段や床を歩くときに階段の先端部や手摺に体をぶつけたり、タンスやドアの角にぶつけて痛みを生じることがある。 【0004】 そこで、これらの変形や痛みを防ぐため、耐震マットによって人体と接触する部分を覆い隠し、人体と直接接触しないようにすることが考えられている。ただ、耐震マットによって覆われると、耐震マットの粘着性によってその表面に染料や埃が粘着し、見栄えが悪くなるとの問題点があった。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】特開平10−146234号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0006】 本考案は、弾性変形して衝撃を吸収し、保護対象の表面が汚れ難い緩衝材を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 考案者らは、鋭意検討の結果、耐震マットの一面の粘着性を減じることによって、衝撃を緩衝でき、かつ保護対象の表面を汚さない緩衝材が得られることを見出し、本考案を完成させた。 【0008】 すなわち、本考案の緩衝材は、弾性変形によって衝撃を吸収し、粘着性を有するエラストマーからなる緩衝層と、緩衝層の少なくとも一面に形成された粘着防止層とを備えている。なお、粘着防止層が、ベビーパウダーから形成されているのが好ましい。 【0009】 また、本考案のカップホルダーは、表面と裏面とを重ね合わせて押し付ければ、表面と裏面とを着脱自在に貼り付けできる帯状の面ファスナーと、帯状の面ファスナーの一面に固定された取手と、帯状の面ファスナーの取手が固定された面とは反対側の面に、粘着された本考案の緩衝材とを備えるものである。 【考案の効果】 【0010】 本考案の緩衝材は、緩衝層が弾性変形して衝撃を吸収するとともに、粘着防止層が染料や埃の粘着を防ぐ。そのため、本考案の緩衝材を使用することによって、汚染を考慮せずに、様々な物品に衝撃吸収機能を付与できる。また、本考案の緩衝材をカップホルダーに使用すれば、緩衝材が変形してコップを確実に把持できる。 【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】図1は、本考案に係る緩衝材の概略図である。 【図2】図2は、本考案の緩衝材を椅子に粘着した様子を示す図である。 【図3】図3は、本考案の緩衝材を階段の手摺及び先端部分に粘着した様子を示す図である。 【図4】図4は、本考案の緩衝材をスリッパの底に粘着した様子を示す図である。 【図5】図5は、本考案に係るカップホルダーの概略図である。 【考案を実施するための形態】 【0012】 以下、本考案に係る緩衝材、カップホルダー等について、実施形態に基づいてより詳細に説明する。なお、本考案の実用新案登録請求の範囲は、以下の実施形態によって如何なる意味においても制限されない。 【0013】 1.緩衝材 図1は、本考案に係る緩衝材1の概略図である。この図に示すように、緩衝材1は、保護対象に粘着する粘着面11aを有する緩衝層11と、緩衝層11の粘着面11aとは反対側の非粘着面11bに形成された粘着防止層12と、を備えている。そこで、緩衝層11と粘着防止層12について、以下に詳説する。 【0014】 なお、図1は、所要の厚さを有する正方形状の緩衝材1を記載しているが、緩衝材1の形状はこれに限定するものではなく、緩衝材1を粘着する保護対象に合わせて、長方形状、楕円形状、円形状などの形状に適宜変更できる。 【0015】 (1)緩衝層 緩衝層11は、弾性変形によって衝撃を吸収し、粘着性を有するエラストマーによって構成されている。緩衝層11に使用するエラストマーとしては、公知のゴム及び熱可塑性エラストマーであれば特に制限が使用できる。具体的には、天然ゴム、ジエン系重合体ゴム、オレフィン系重合体ゴム、アクリルゴム及びシリコンゴムのようなゴム類、熱可塑性エラストマー及びウレタン樹脂、オレフィン系樹脂が例示できる。 【0016】 ジエン系重合体ゴムとしては、イソプレン重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエン重合体ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレン重合体ゴムなどが使用できる。 【0017】 オレフィン系重合体ゴムとしては、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、イソブチレン・イソプレン共重合体ゴム、ハロゲン化イソブチレン・イソプレン共重合体ゴム、イソブチレン・ハロゲン化メチルスチレン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、イソブチレン重合体ゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体ゴムなどが使用できる。 【0018】 アクリルゴムとしては、アクリル酸エチルおよび/またはアクリル酸ブチルからなる単量体に、2−クロロエチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエンなどの他の単量体の一種または二種以上を少量共重合させてなるアクリルゴムなどが使用できる。 【0019】 熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリジエン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、シリコン系、アイオノマ系などの各種エラストマーが使用できる。 【0020】 これらの中でも、価格の安さや着色し易さなどの点から、ポリウレタン系エラストマーが好ましい。 【0021】 なお、エラストマーには、必要に応じて、粘着増強剤、可塑剤、難燃剤、抗菌剤、光安定剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤などを適量添加でき、これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて添加できる。 【0022】 (2)粘着防止層 粘着防止層12は、服の染料、糸くずなどが緩衝材1に粘着することを防ぐためのものであり、緩衝層11の非粘着面11bに、粉体を塗布したり、シート状体を貼りつけて形成する。 【0023】 粉体としては、小麦粉や片栗粉などの食用の粉体、ベビーパウダー(タルカムパウダー)、タルク、炭酸カルシウム、コーンスターチなどの化粧品用、医薬品用の粉体などが使用できる。中でも、安価で人体に対する安全性が確認されており、緩衝材1が汚れても、洗浄して再使用し易いため、ベビーパウダーが好ましい。 【0024】 シート状体としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂製フィルム、紙、布地などが使用できる。中でも、洗浄可能で滑り難い布地が好ましい。 【0025】 (3)保護対象 緩衝材1の保護対象は、特に限定されないが、例えば、硬くて人体と接触するもの、具体的には、家具、家屋の内装、車両や遊具(ジェットコースターなど)が例示できる。 【0026】 例えば、図2は、緩衝材1を硬質プラスチック製の椅子2に粘着した様子を示す図である。この図に示すように、椅子2の背面21や座面22に緩衝材1を粘着すれば、椅子2に着席しても背面21や座面22による痛みを感じることがなくなる。なお、粘着防止層12によって、緩衝材1の粘着力は抑制されているので、着席した人が着ている服の染料や糸くずは緩衝材1に粘着して剥がれない。 【0027】 また、図3は、緩衝材1を手摺31や階段32の先端部分32aに粘着した様子を示す図である。この図に示すように、手摺31や階段の先端部分32aに緩衝材1を粘着すれば、階段を上り下りする際に手足に掛かる痛みが和らげられる。なお、使用によって、緩衝材1の粘着防止層12が汚れた場合には、緩衝材1を手摺31や先端部分32aから剥がして洗浄したのち、粘着防止層12を再度形成して粘着すれば、再利用できる。 【0028】 さらに、図4は、緩衝材1をスリッパ4の底面4aに粘着した様子を示す図である。このうち、図4(a)はスリッパ4の側面を示す図であり、図4(b)はスリッパ4の底面を示す図である。 【0029】 この図に示すように、緩衝材1が底面4aに粘着しているので、歩行による衝撃を滑ることなく軽減できる。なお、スリッパ4の使用によって、緩衝材1の粘着防止層12が汚れた場合には、緩衝材1をスリッパ4の底面4aから剥がして洗浄したのち、粘着防止層12を再度形成して粘着すれば、緩衝材1を再利用できる。 【0030】 2.カップホルダー 図5は、本考案に係る緩衝材1を使用するカップホルダー5の概略図である。このうち、図5(a)はカップホルダーの表面側を示す図であり、図5(b)はカップホルダーの裏面側を示す図であり、(c)はカップホルダーがコップ6を把持した状態を示す図である。 【0031】 この図に示すように、カップホルダー5は、帯状の面ファスナー51の表面51aに取手52をハトメにより固定し、面ファスナー51の裏面51bに本考案の緩衝材1を複数個粘着したものである。なお、面ファスナー51は、その表面51aと裏面51bとを重ね合わせて押し付ければ、表面51aと裏面51bとを着脱自在に貼り付けられる。 【0032】 このように構成されたカップホルダー5は、面ファスナー51の裏面51bに粘着された緩衝材1がコップ6と接するように、面ファスナー51をコップ6に巻きつけて、面ファスナー51の表面51aと裏面51bとを貼り付ければ、緩衝材1が変形してコップ6を隙間なく確実に把持できる。 【0033】 このようにして、カップホルダー5がコップ6を把持できるので、コップ6の内容物による熱によってコップ7が手で持てない場合であっても、コップ6が滑り落ちることなく、その内容物を確実に飲食できる。 【符号の説明】 【0034】 1 緩衝材 11 緩衝層 12 粘着防止層 【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】図1は、本考案に係る緩衝材の概略図である。 【図2】図2は、本考案の緩衝材を椅子に粘着した様子を示す図である。 【図3】図3は、本考案の緩衝材を階段の手摺及び先端部分に粘着した様子を示す図である。 【図4】図4は、本考案の緩衝材をスリッパの底に粘着した様子を示す図である。 【図5】図5は、本考案に係るカップホルダーの概略図である。 |
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