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【考案の名称】耐圧ソフト保冷材 【実用新案権者】 【識別番号】303011404 【氏名又は名称】清野 喜一郎 【住所又は居所】新潟県新潟市江南区沢海3丁目7の1 【考案者】 【氏名】清野 喜一郎 【住所又は居所】新潟県新潟市江南区沢海3丁目7の1 【要約】 (修正有) 【課題】身近で使用することを考慮し、適度な柔軟性を持たせながら、うっかり踏んでしまっても収納袋が破れないように、耐圧性を高くした耐圧ソフト保冷材を提供する。 【解決手段】耐圧ソフト保冷材は、ソフト保冷材Aの収納袋4に保冷剤とともに荷重受け材Bを収納する。荷重受け材Bとして、複数の樹脂製の丸パイプ2、3(駒部材)を縦横にそれぞれ並べて、互いに束縛し合うように結束バンド1(連結部材)で連結する。縦方向に隣り合う丸パイプ2、2同士をその半径分、横方向にずらし、斜めに(段違いに)並ぶように配列する。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 ソフト保冷材の収納袋に、複数の樹脂製の駒部材が連結された荷重受け材を収納して、耐圧性を高めた耐圧ソフト保冷材であって、 前記荷重受け材は、前記複数の駒部材が縦横にそれぞれ並んで配置されるとともに、互いに隣り合う駒部材同士がその寸法のほほ半分、縦又は横にずれることによって、斜めに配列されている、耐圧ソフト保冷材。 【請求項2】 前記荷重受け材の複数の駒部材を束縛し合うよう、縦又は横の少なくとも一方向に一端から他端まで貫通して延びる連結部材が設けられている、請求項1に記載の耐圧ソフト保冷材。 【請求項3】 前記荷重受け材の複数の駒部材はそれぞれ丸パイプからなり、その外周面が内側に比べて柔らかくなっている、請求項1又は2のいずれかに記載の耐圧ソフト保冷材。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 この考案は、収納袋に保冷剤を収納したソフト保冷材に関し、特に、複数の樹脂製の駒部材からなる荷重受け材を収納して、耐圧性を高めたものです。 【背景技術】 【0002】 従来より、ビニールなどの収納袋に流動性のある保冷剤を収納したソフト保冷材があります。このようなソフト保冷材は、うっかり踏んでしまうと収納袋が破れるという問題があるので、例えば特許文献1に記載のソフト保冷材(保冷用パック)では、保冷剤と一緒に吸水性のシートを収納して、ある程度の耐圧性を持たせています。 【0003】 【特許文献1】 特開平1−098870号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら上記のソフト保冷材は吸水性のシートを収納しているだけなので、耐圧性を十分に高めることはできませんでした。なお、一般的なハード保冷材は、保冷剤をハードケースに収納しているので、耐圧性が高い一方で柔軟性がなく、枕等に使用すると、使用感が悪いという問題がありました。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本考案は、適度な柔軟性があるというソフト保冷材の良さをできる限り残しつつ、荷重を受けても収納袋が破れないように、従来品よりも耐圧性を高めたものであり、そのために、ソフト保冷材の収納袋に、複数の樹脂製の駒部材が連結された荷重受け材を収納して、課題を解決しました。 【0006】 前記荷重受け材では、複数の駒部材が、縦横にそれぞれ並んで配置されるとともに、互いに隣り合う駒部材同士がその寸法のほほ半分、縦又は横にずれることによって、斜めに配列されています。 【0007】 そして、それらの駒部材を束縛し合うよう、縦又は横の少なくとも一方向に荷重受け材をその一端から他端まで貫通して延びる連結部材が設けられています。 また、駒部材は例えば樹脂製の丸パイプによって構成することで、適度な柔軟性を持たせることができ、さらにその外周面を内側に比べて柔らかくすることで、当たりが柔らかくなります。 【考案の効果】 【0008】 上記の構成により、ソフト保冷材の柔軟性を好適に確保しながら、外部からの荷重は荷重受け材が受け止めることでで、耐圧性を高めることができます。荷重受け材は、樹脂製の駒部材がそれぞれ弾性変形するとともに、斜め配列になっているため、多方向からの荷重を分散して受け止めることができます。 【0009】 そして、連結部材による駒部材同士の束縛を緩めにすれば、隣り合う駒部材の相互の移動が起きやすくなり、荷重受け材の変形が比較的大きめに許容されます。また、丸パイプによって構成すれば、個々の駒部材の変形も比較的大きめに許容されます。これにより、ソフト保冷材の全体的な柔軟性をより好適に確保することができます。 【図面の簡単な説明】 【0010】 【図1】本考案のソフト保冷材に用いる荷重受け材の構造を見える化した説明図です。 【図2】複数の樹脂製丸パイプが連結された荷重受け材の構造を示す斜視図です。 【図3】収納袋に荷重受け材を収納したソフト保冷材の全体構成を示す図です。 【考案を実施するための形態】 【0011】 本考案は、複数の樹脂製の駒部材が連結された荷重受け材を、収納袋に収納して耐圧性を高めた耐圧ソフト保冷材です。好ましくは荷重受け材は、駒部材として例えば丸パイプを縦横に並ぶように配置するとともに、縦横いずれかに隣り合う丸パイプ同士をその寸法のほほ半分、ずらして、斜めに配列しています。 【実施例】 【0012】 以下、添付図面に従って一実施例を説明します。図3に示すようにソフト保冷材Aは、例えばビニール製の収納袋4に、複数の樹脂製の丸パイプ2,3(駒部材)からなる荷重受け材Bを収納したものです。図の例の収納袋4および荷重受け材Bはいずれも、図の左右方向に長い長方形状であり、長手方向(縦方向)には7個の丸パイプ2が並ぶ一方、幅方向(横方向)には4個の丸パイプ2(または3個の丸パイプ2および2個の小径の丸パイプ3)が並んでいます。 【0013】 この例の荷重受け材Bでは、相対的に大径の丸パイプ2と、これよりも小径の丸パイプ3とが、いずれも軸方向を縦方向に向けて配置され、全体として長方形状になっています。また、縦方向に互いに隣り合う丸パイプ2同士はその半径分(寸法のほほ半分)、横方向にずれて配置されており、縦方向には斜めに(或いは段違いに)なって並んでいます。そして、その結果として荷重受け材Bの横方向の両端側にそれぞれ生じるスペースに、小径の丸パイプ3が配置されています。 【0014】 このように配置された丸パイプ2,3は、それらを縦方向に貫通する結束バンド1(連結部材)によって連結されています。詳しくは図1を参照して、同図の上から2番目の結束バンド1について説明すると、この結束バンド1の一端部は、荷重受け材Bの縦方向一端(図の右端)に位置し、ここから他端(図の左端)まで7個のパイプ2を縦方向に貫通して延びた後に、下向きに折り返されて反対側(図の左側)に向かって延びています。 【0015】 そうして折り返されて、荷重受け材Bの他端(図の左端)から一端(図の右端)まで延びた結束バンド1は、その他端部が自身の(結束バンド1の)一端部と連結されています。言い換えると1本の結束バンド1が、荷重受け材Bの縦方向の両端部においてそれぞれ、横方向に隣り合う丸パイプ2同士を連結するとともに、縦方向に並ぶ7列分、11個の丸パイプ2を連結しています。 【0016】 すなわち、図1の上から2番目の結束バンド1は、11個の丸パイプ2を互いに束縛し合うように連結しています。また、その11個の丸パイプ2のうちの4個(同図の上側に位置する4個)の丸パイプ2は、同図の1番、上の結束バンド1によっても連結されており、一方、同図の下側に位置する別の4個の丸パイプ2は、同図の上から3番目の結束バンド1によっても連結されています。 【0017】 こうして1本の結束バンド1によって連結された丸パイプ2の幾つかが、別の結束バンド1によっても連結されることによって、全ての丸パイプ2,3が互いに束縛し合うように連結されて、荷重受け材Bが構成されます。図の例では4本の結束バンド1が用いられ、縦方向に7個、横方向には3個または4個が並ぶ合計24個の丸パイプ2と、荷重受け材Bの横方向の両端側においてそれぞれ4個ずつ、縦方向に1つおきに並ぶ合計8個の小径の丸パイプ3とが、連結されています。 【0018】 このような構造の荷重受け材Bは、連結された丸パイプ2,3のそれぞれが比較的大きく変形できるとともに、縦方向には斜め配列になっているため、多方向からの荷重を分散して受け止めることができます。そして、結束バンド1による束縛を適度に緩めに設定すれば、隣り合う丸パイプ2,3の相互の移動も起きやすくなって、荷重受け材Bの変形が比較的大きく許容されるようになります。 【0019】 したがって、この実施例の耐圧ソフト保冷材Aは、ビニール等の薄くて柔軟な収納袋4に流動性のある保冷剤(図示は省略)を収納するとともに、上述した構成の荷重受け材Bを収納することで、全体的な柔軟性をより好適に確保することができ、使用感を損ないません。一方、外部からの荷重は荷重受け材Bが受け止めるので、耐圧性を高めることができ、たとえ踏んでしまったとしても収納袋4が破れ難くなります。 【0020】 なお、上述した荷重受け材Bにおいて丸パイプ2,3を縦方向ではなく、横方向に斜めに配列してもよい。また、丸パイプ2,3の外周面に柔らかな材料を使用して、当たりを柔らかくしてもよいし、丸パイプ以外の駒部材を用いてもよい。結束バンド1による連結の仕方も上述の実施例に限定されず、また、連結部材も結束バンド1に限定されない。 【符号の説明】 【0021】 A ソフト保冷材、 B 荷重受け材、 1 結束バンド(連結部材)、 2,3 丸パイプ(駒部材)、 4 収納袋 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
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