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【発明の名称】尿、糞等の飛散防止便器 【出願人】 【識別番号】304025987 【氏名又は名称】池田 夫二 【住所又は居所】茨城県鹿島郡神栖町神栖3−10−11 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100093816 【氏名又は名称】中川 邦雄 【発明者】 【氏名】池田 夫二 【住所又は居所】茨城県鹿島郡神栖町神栖3−10−11 【要約】 【要約書】 【課題】 本発明が解決しようとする問題点は、水溜まり部に落下した尿糞等によって生じる水滴の跳ね返りがあるため、便器の周囲や便器廻りの床を汚す等の問題と共に、従来発明である大小大きさが異なる浮体が、誤って排泄物と一緒に下水管まで流しこんでしまう問題を解決することを目的とする。 【解決手段】 本発明は上記の課題を解決するために、便器本体内部の開口部を構成する乾き面と傾斜面に複数の突起を設け、前記突起上に浮体を設けたこと特徴とする尿、糞等の飛散防止便器を提供することを目的とする。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 便器本体内部の開口部を構成する乾き面と傾斜面に複数の突起を設け、前記突起上に浮体を設けたこと特徴とする尿、糞等の飛散防止便器。 【請求項2】 便器本体内部の開口部を構成する前記乾き面と傾斜面のそれぞれに切欠溝を設け、前記切欠溝に軸通しした浮体を設けたことを特徴とする尿、糞等の飛散防止便器。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、水洗便器において水溜まり部に落下した尿糞等によって生じる水滴の跳ね返りを簡単に防止する改良発明である。 【背景技術】 従来の洋式便器で男性が放尿をする場合は、便座をあげて便器前に立ち、便器内部の水溜まり部に向かって放尿をしていたが、水溜まり部に落下した尿糞等によって生じる水滴の跳ね返りがあるため、便器の周囲や便器廻りの床を汚す等の問題を生じていた。 また従来は、特願平7−165231号公報に示した「水洗便器の水滴跳ね上がり防止方法とそれに用いる浮体および水洗便器」なる発明がある。具体的には、浮体を水洗便器の水溜まりの水面に展開浮遊させることにより、水滴の跳ね上がりを防止することを特徴とする水洗便器の水滴跳ね上がり防止方法であった。 従来の発明である「水洗便器の水滴跳ね上がり防止方法とそれに用いる浮体および水洗便器」は、大小大きさが異なる浮体を水洗便器の底部にある水溜まりの水面に展開浮遊させていたため、誤って尿糞等の排泄物と一緒に流しこんでしまい下水管等の詰まりの原因となる恐れがあった。 【特許文献1】 特願平7−165231号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする問題点は、水溜まり部に落下した尿糞等によって生じる水滴の跳ね返りがあるため、便器の周囲や便器廻りの床を汚す等の問題と共に、従来発明である大小大きさが異なる浮体を誤って尿糞等の排泄物と一緒に下水管まで流しこんでしまう問題を解決することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記の課題を解決するために、便器本体1a内部の水溜まり部1cの水面下で開口部Sを構成する湾曲した乾き面1dと傾斜面1eに、互いに内向するように複数の突起3を設け、突起3上部に球状の浮体2を設けたこと特徴とする尿、糞等の飛散防止便器の構成とした。 【発明の効果】 第1に本発明である尿、糞等の飛散防止便器は、水溜まり部の水面下に浮体を設けることが容易にできるため、水溜まり部に落下した尿糞等によって生じる水滴の跳ね返りを簡単に防止し、前記水滴によって便器まわりに生じていた床等の汚れ等の問題なくすことができる。 第2に尿、糞等の飛散防止便器は、構成する浮体、軸付き浮体、突起3、軸等を簡単に水溜まり部に設けることができるため、取付及びメンテナンスも容易に行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 便器本体1aの内部の水溜まり部1cにある湾曲した乾き面1dと傾斜面1eに互いに内向するように複数の突起3を設け、前記突起3上部に開口部Sの形状に併せて浮体2を前記突起3の上部に設けたことを特徴とする尿、糞等の飛散防止便器の構成とした。 【実施例1】 以下、添付図面に基づいて本発明である尿、糞等の飛散防止便器1の詳細を説明する。 図1は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の斜視図、図2は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の左側面の縦断面図、図3は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の平面図、図4は本発明である尿、糞等の飛散防止便器のA−A縦断面図、図5は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の左側面の縦断面図である。 図1及び図2に示したように本発明である尿、糞等の飛散防止便器1は、 便器本体1a内部の水溜まり部1cの水面下で開口部Sを構成する湾曲した乾き面1dと傾斜面1eに対し、互いに内向するように複数の突起3を設け、前記突起3上部に球状の浮体2を設けたこと特徴とする尿、糞等の飛散防止便器の構成とした。 また便器本体1aは、縁となる楕円状のリム1bの上面に対し、取付ねじ4b、5aによって開閉可能な便座4及び便座蓋5を設けており、前記便座蓋5の背面には、便器本体1aの内部に水7を流すための貯水タンク6を備えている。なお、便座4にはリム1bと密着する突起4aが設けられており、その他、便座4の上部を構成する便座蓋5、貯水タンク6は市販品であるため詳細な説明は省略する。 図2に示したように便器本体1aの内部は、湾曲した乾き面1dと傾斜した傾斜面1eに囲まれた略U字状の水溜まり部1cに、互いに対向するように複数である4本の突起3を設け、前記突起3の上部中央の位置に対し載置するように浮体2を配置した。また前記傾斜面1eの背面には、山なりになった尿糞等の汚水を流す管路8、そして管路8から垂下した金属等のパイプからなる下水管9を設けている。 浮体2は、材質がエポキシ樹脂等の弾性体を発泡させてなる発泡性のゴムや、合成樹脂である水に浮くポリエチレン(高密度、低密度、発泡問わず)、ポリプロピレン、ポリスチレンのいずれか、又は前記ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの2種類以上の混合物からなるプラスチック樹脂等からなり、主たる形状は球体とする。 浮体2の形状は球状の浮体2のみならず、楕円や三角錐等のように多角形体等のように自由に変更することができる。なお、浮体2の表面は、尿石、水アカ、カビ等を防止するために、除菌、抗菌加工を施すことができる。 本発明で使用する球状の浮体2の大きさは、水溜まり部1cの大きさに合わせて自由に変更してもよく、直径が2cmから8cmの範囲とする。なお多角形の場合、長手方向の長さは前記球状の浮体2と同一の8cm前後とし、短手方方向の長さは浮体2の長手方向の長さより短く設定すればよい。 浮体2は水面上に対し、完全に浮上するのではなく、水面近くの水中に浮遊するようにするため、水の比重と同一とほぼ同一とする。尚浮体2の内部の壁面の厚さを0.1mmから3.0mmの範囲で設定する。 浮体2は、高機能、高活性な水質浄化触媒などを使用してもよく、多孔質ガラス中へアナターゼ型酸化チタンを内包・分散させた触媒等がある。前記触媒の具体的な製法として、珪酸ナトリウムとガラス粉末、発砲剤としての炭酸水素ナトリウム、そして触媒としてアナターゼ型酸化チタン等を配合し、その溶液を200℃1時間真空乾燥器中で加熱することでガラス触媒を製造し、その後に200℃2時間の再加熱処理により、水に対し難溶性でかつ、水面に浮遊可能なものとする。 突起3は、片側に接着面(図示せず)を設け、一方に浮体を固定するための突起を設けた着脱容易な略3角形状の突起であり、水溜まり部1c内部で前記浮体2を載置できればよい。 突起3の材質は、水溜まり部1c内部で使用するためその衛生面を考慮し、便器本体と同一の陶器若しくはステンレス、プラスチック等の金属で設ける。突起3の形状は先端が爪状になっており、いかなる形状の浮体2でも載置することができる。次に図3では突起3の取付位置について詳細を説明する。 図3に示したように突起3を便器本体1aの内部を構成する乾き面1d又は傾斜面1e設ける場合には、開口部Sの位置に対して円、四角又は放射状を描くように等間隔に設ければよい。等間隔に複数の突起3を設けることで、開口部Sは、浮体2と突起3との間に隙間を発生する仕組みである。 突起3を乾き面1d又は傾斜面1eに接着する接着剤(図示せず)は、主剤、硬化剤の2つに分かれた物、1つの物いずれをも問わず水中で硬化するタイプの接着剤を使用する。具体的には市販品であるシリコーン、エポキシ樹脂、ポリチオール等が成分として含まれていればよい。 なお、図4に示したのは、本発明である尿、糞等の飛散防止便器のA−A縦断面図、図5は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の左側面の縦断面図である。図4に示したように通常、浮体2は、水溜まり部1cの水面下にある状態で、放尿糞等がなされることで水溜まり部1cの容積が増える。 そして図5に示したように水溜まり部1cの容積が増大すると浮体2が回転しながら浮き上がり、前記浮体2と突起3との間に出来た隙間3aから、下水管9に流れ込む。また前記突起3は、浮体2のストッパーの役割を担っているため、下水管9に流れ込むこともなく、下水管9等の詰まりの原因とならない。次に本発明である尿、糞等の飛散防止便器1の第2実施例について詳細を説明する。 図6は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の第2実施例の左側面の縦断面図、図7は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の第2実施例のB−B縦断面図、図8は本発明である尿、糞等の飛散防止便器の第2実施例であるB−B縦断面の拡大図である。 図6から図8に示した尿、糞等の飛散防止便器1fは、前記図1から図5までに示した尿、糞等の飛散防止便器1の第2実施例である。尿、糞等の飛散防止便器1fは、便器本体1a内部の水溜まり部1cの水面下で開口部Sを構成する湾曲した乾き面1dと傾斜面1eのそれぞれに対し、複数の切欠溝1gを設け、前記切欠溝1gの水平方向に対し軸3b通した浮体2aを設けたことを特徴とする尿、糞等の飛散防止便器の構成とした。 なお、尿、糞等の飛散防止便器1fを構成する便器本体1aは、縁となるリム1bの上面に対し取付ねじ4b、5aによって開閉可能な便座4及び便座蓋5を設けており、前記便座蓋5の背面には、便器本体1aの内部に水を流すための貯水タンク6を備えている 第1実施例である浮体2との相違点は、浮体2の中心から水平方向に対し、円柱状の軸3bを通し、前記軸3bを中心に回動可能とした軸3b付きの浮体2aであることを特徴とする。従来、複数の突起3を乾き面1d、傾斜面1eのそれぞれに設けなければならなかった手間を簡略することができる。 また、軸3bを軸通しした浮体2aは、浮体2aそのものが回動可能であるため、水溜まり部1cに落下した尿糞等によって生じる水滴の跳ね返りを、前記回動する軸3b付きの浮体2aによって回転吸収できるため、第1実施例より更に便器まわりに生じていた床等の汚れ等の問題なくすことができる。 なお、浮体2aの加工方法及び便器本体1aの取付方法は、浮体2の中心若しくは重心となる中心の位置に対し、キリや電気ドリル等で貫通孔3cを開け、次にステンレス等の軸3bを前記貫通孔3cに挿通する。この時、貫通孔3cの大きさは、前記軸3bより一回り大きくし、貫通孔3cと軸3bとの間に空隙ができるようにする。 そして挿通した浮体2aを一旦床等に置いた後、便器本体1aの水溜まり部1cから水を抜き、乾き面1dと傾斜面1eのそれぞれの面に対し前記軸3bを掛けるための切欠溝1gを設ける。前記貫通孔3cは、隙間を設けるよう軸3bより一回り大きく設け、前記軸3bの直径は、0.1mmから8.0mmの範囲内とする。 便器本体1aの内部に設けた切欠溝1gは、便器本体1aの材料である陶器等を加工できる治具であればよく、電動ドリル、電動ヤスリ等のように市販品の治具を使用することができる。 図8及び図9に示したように、切欠溝1gは、縦断面が略凹状になるように形成すればよく、切削による切欠溝1gを設けるのみならず、プラスチック等の材料を加工した軸受け(図示せず)を1組製作し、前記軸受けに抗菌コート材等を塗布し使用することができる。 具体的には、酸化チタンなどのように汚れや水アカ等が付着しないコート材を使用する。 前述したように本発明である尿、糞等の飛散防止便器1、1aは、前記浮体2、2a、突起3、軸3b、切欠溝1gをそれぞれ設けることで、簡単に尿の飛散を防止することができる水洗便器を提供することができる。 なお、本発明で使用する水洗便器は、従来から備えれている洗浄方式を問わず設けることができ、具体的には、ダイレクトバルブ式、サイホンゼット式、ネオボルテックス式、洗落し式等のようにすべての水洗便器の洗浄方式に適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明である尿、糞等の飛散防止便器の斜視図である。 【図2】本発明である尿、糞等の飛散防止便器の左側面の縦断面図である。 【図3】本発明である尿、糞等の飛散防止便器の平面図である。 【図4】本発明である尿、糞等の飛散防止便器のA−A縦断面図である。 【図5】本発明である尿、糞等の飛散防止便器の左側面の縦断面図である。 【図6】本発明である尿、糞等の飛散防止便器の第2実施例の左側面の縦断面図である。 【図7】本発明である尿、糞等の飛散防止便器の第2実施例のB−B縦断面図である。 【図8】本発明である尿、糞等の飛散防止便器の第2実施例であるB−B縦断面の拡大図である。 【符号の説明】 1 尿、糞等の飛散防止便器 1a 便器本体 1b リム 1c 水溜まり部 1d 乾き面 1e 傾斜面 1f 尿、糞等の飛散防止便器 1g 切欠溝 2 浮体 2a 浮体 3 突起 3a 隙間 3b 軸 3c 貫通孔 4 便座 4a 突起 4b 取付ねじ 5 便座蓋 5a 取付ねじ 6 貯水タンク 7 水 8 管路 9 下水管 S 開口部 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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